初の早朝投稿の夜羽秦斗ことヨハシンです。
深夜テンションで書いたので暴走気味です。
少し会話が多くて読みづらいかもしれません。
それではどうぞ。
2月21日 挿絵追加
「見て見て見て!」
現在は放課後。
俺たちの前で穂乃果が、朝学校へ来る前に買った雑誌を見せながらはしゃいでいた。
「アイドルだよアイドル!」
雑誌のページを捲りながら、穂乃果が叫ぶ。
「スクールアイドルって最近どんどん増えてるらしくて、人気の子がいる高校は、入学希望者も増えてるんだって!」
「つまり、穂乃果は私たちでスクールアイドルをやるとか言いたいのでしょう?」
「わぁ、海未ちゃんエスパー?」
「いや、アーチャーだな」
「なるほど、たしかに!でも、海未ちゃん剣道もできるよ?」
「二人とも、話が変わってるよ?」
「私はエスパーでもアーチャーでもセイバーでもありません!そんなの誰にだって想像付きます!」
海未も運命を見ていたのか。
なかなかに意外だな。
「じゃあ、今から先生のところへ行ってアイドル部を!」
「お断りします!大体そんなことで本当に生徒が集まると思いますか?」
「そ、それは、人気が出れば・・・」
「その雑誌に出ているような人たちはみんなプロと同じように真剣に努力を重ねてきた人たちです!穂乃果みたいに好奇心だけで始めて上手くいくはずないでしょう!」
たしかに海未の言う通りだ。
言う通りなんだけど・・・
「はっきり言います。アイドルはなしです!」
*****
「あーあ、いい考えだと思うんだけどなー」
「まあ、元気出せよ穂乃果」
あの後、海未は部活へ、ことりは用事があるとかでどこかへ行ってしまったため、俺は屋上に行くと言う穂乃果に着いて来た。
「あれ、なんか聞こえないか?」
「誰かが歌ってる」
「あ、穂乃果!」
そのまま穂乃果に着いて行くと、一つの部屋にたどり着いた。
「ここから聞こえるみたいだな」
「うん」
にしてもこの声、どこかで聞いたことあるような・・・
それにこのピアノの感じ・・・
「綺麗な声・・・」
「あぁ、そうだな・・・」
お、どうやら演奏が終わったようだ。
穂乃果が拍手してるから俺もするか。
「ヴェェェ!?」
二人で拍手していると、歌っていた少女が俺たちに気づいたようだった。
あの声にあのセリフ・・・真姫じゃね?
そして穂乃果は扉を開けて部屋の中にずかずか入って行く。
「すごいすごいすごい!感動しちゃったよ」
「べ、別にー」
あ、これ真姫だわ。
「歌上手だね!ピアノも上手だね!それにアイドルみたいにかわいい!」
「えっ///」
おー、照れてる照れてる。
すると真姫は椅子から立ち上がり、こっちに向かって来た。
その時やっと俺の顔を認識したようで驚いてた。
「あ、あなた、どうして」
「よっ、真姫。久しぶりだな。昨日二年に編入してきた」
「・・・身体はもう大丈夫なの?」
「おう、ピンピンしてる。親父さんによろしく言っといてくれ」
「そう、よかった。でも、それは自分で言いに来なさいよ。パ、じゃなくてお父さん会いたがってたわよ」
「別にパパでいいと思うんだけどな」
「う、うるさいわね!」
おっと、久しぶりの再会でつい穂乃果をほったらかしにしてしまった。
なんかすごい膨れてるな。
お前はフグかよ。
「たくちゃんの知り合い?」
「た、たくちゃん?」
たくちゃん呼びに真姫がびっくりした様子を見せたが、すぐに元の顔に戻った。
「まあその、入院してた頃に知り合ったんだよ」
「ふーん、たしかその頃って中一だったよね。小学生の女の子口説いてたんだ?」
「口説いてたって、ただ普通に話してただけだ。母さんみたいなこと言うなよ」
「そうです!それに一歳下だっただけです、子供扱いしないでください!」
俺に続いて真姫も反論する。
それにしても、相変わらず子供扱いされるのが嫌みたいだな。
「それはそうと穂乃果、お前真姫にまだ話したいことあるんじゃないか?」
「あ、うん。そうだった!」
「なんですか?」
「いきなりなんだけど、あなたアイドルやってみたくない?」
「えっ・・・っ、ナニソレイミワカンナイ!」
「だよねぇ・・・ははは」
まあ、いきなり「アイドルやりませんか?」なんて聞いたらこうなるわな。
*****
Side:海未
穂乃果の提案を断った私は、部活へ来ていました。
やはり、弓道はいいですね。
矢を射る時には余計なことを考えなくて済みます。
さて、ではそろそろ・・・
『みんなのハート打ち抜くぞぉ!バーン!』
な、なにを考えているのですか私は。
部活中にこんな破廉恥なことを考えてしまうなんて・・・
「あれ、外したの?珍しいこともあるもんだね」
「た、たまたまです、たまたま」
今度こそ集中してあの的へ・・・
『ラブアローシュート!』
また外してしまいました・・・
「ああ、いけません!余計なことを考えては」
「海未ちゃーん、ちょっと来てぇー」
ことり?一体何の用なのでしょう。
私は着替えず、そのままの格好でことりに付いていくことになりました。
「穂乃果のせいです。全然練習に集中できません」
「てことは、アイドルにちょっとは興味があるってことだよね」
「い、いえ、それは――」
アイドルに興味がないわけではないのです、ないのですけど・・・
「やっぱり上手くいくなんて思えません」
「でも、いつもこういうことって穂乃果ちゃんが言い出してたよね?」
「それは・・・」
「私たちが尻込みしちゃうところを、いつも引っ張ってくれて」
「そのせいでさんざんな目にもあったじゃないですか」
「あー、そういえば木に登った時は、たっくんにすっごく怒られたよね」
「拓人君はいつも私たちのことを気にかけてくれてましたから」
でも、今の彼には記憶がありません。
彼の本質が変わっていないことは分かっています。
彼に伝えた言葉は全て本音です。
それでもやはり・・・
「やっぱり、たっくんが記憶ないのは寂しい?」
「そ、それは」
「でもね、海未ちゃん。分かってると思うけど、あの人はやっぱりたっくんだよ。記憶がないとしても私たちのために行動してくれてる。今だって穂乃果ちゃんの傍にいるんだよ?」
「そう、ですね。ことりの言う通りです。でも、ことりは辛くないのですか?」
「辛いよ?でも、たっくんが生きててくれたことがなにより嬉しい。それにこのまま一緒にいたら思い出すかもしれないでしょ?」
「でも、ことりはずっと拓人君を・・・」
「それは海未ちゃんだって一緒でしょ?」
「うっ、ことりに隠しごとはできませんね」
「ふふふ、エスパーだもん」
「もう、ことりはそうやって」
そして二人で笑い合っていると、目的地へ着いたようです。
「見て」
そこでは穂乃果が一人でダンスの練習をしていました。
そして、少し離れたところで、拓人君が真剣な眼差しで穂乃果のダンスを見ていました。
そのダンスはお世辞にも上手いとは言えないものでしたが、なぜだか私の視線を釘付けにしました。
「いったぁーい!ほんとに難しいや、みんなよくできるなー」
「そりゃあ、いっぱい練習してるからな。もうやめるか?」
「ううん!やめないよ!よし、もう一回!」
転んでも立ち上がる穂乃果。
そして手を差し出す拓人君。
なんだ、なにも変わったことなんてないじゃないですか。
「ねぇ、海未ちゃん。私やってみようかな。海未ちゃんはどうする?」
ことりがそう言った時、穂乃果がまた転びました。
そして、私はそんな穂乃果の元へ向かいました。
再び穂乃果に手を差し出そうと、近寄るそぶりを見せた拓人君でしたが、私に気づくと驚いたような顔になり、続けて昔の頃のような笑顔を見せてくれました。
そして、彼はその役目を私に譲ってくれました。
「一人で練習しても意味がありませんよ。やるなら、三人でやらないと」
Side out
「一人で練習しても意味がありませんよ。やるなら、三人でやらないと」
海未が穂乃果に手を差しのべながらそう言った時、俺はひどくほっとした。
きっと、俺じゃない”アイツ”の感情なのだろうと思う。
俺は所詮、藤間拓人の紛いものなのだから。
こいつらと話すのは楽しかった。
穂乃果に頼られて嬉しかった。
でも、それは本当に俺の感情なのか?
それが分からない。
分からないから怖い。
そんな俺がここに居ていいのだろうか?
俺はこいつらの傍にいるにふさわしいのか?
「なに言ってるの海未ちゃん」
「そうだよ、海未ちゃん。一人忘れてるよ?」
「ああ、そうでした。拓人君も入れて四人ですね」
え?俺を入れて四人?
こいつらはいったい何を言ってるんだ?
「さ、いつまでもそんなところで、ぼーっと突っ立ってないで生徒会室に行きますよ」
「え、でも、俺は・・・」
「あー、またたくちゃんそんな顔してる」
「もう、たっくんは心配性なんだからー。昔からちっとも変ってないね」
「いや、俺は――」
「いいから行きますよ拓人君。あなたは私たちに必要な人です。無理矢理にでも連れて行きますからね」
そんなこと、そんなこと言われちまったら・・・
「・・・俺はお前らと居ていいのか?」
「当たり前です。居てもらわないと誰が穂乃果の被害に遭うかわかりませんから」
「あー!海未ちゃんひどいー!」
「・・・記憶がなくてもいいのか?」
「たっくん、前にも言ったけど、ここに居れば記憶も戻るかもしれない。それにそうじゃなくても、たくちゃんはたくちゃんだから。私たちが大好きだったたくちゃんはちゃんと居るって分かったから。ね、海未ちゃん?」
「な、なんで私に振るんですかことり!」
「・・・俺はまた怯えることがあるかもしれない。また迷惑をかけるかもしれない。そんな俺が、ここに居ていいのか?」
「うん!もしそうなったとしても穂乃果たちが傍に居てあげる!たくちゃんがそうしてくれたように、私たちもたくちゃんを支えるだから――」
「「「私たちと一緒にスクールアイドルをしてください!」」」
そうか、俺はここに居ていいんだな・・・
うっ、落ち着いたら、なんだか急に恥ずかしくなってきた。
「俺、歌もダンスも下手なんだが」
これで話題よそれてくれ。
「あ、たくちゃん照れてる」
「照れてますね」
「照れてるねぇ」
「ちょ、なんで分かるんだよ!」
ほんとにエスパーかよ!
「「「だって穂乃果たち(私たち)は、たくちゃん(拓人君)((たっくん))の幼馴染だもん(ですから)」」」
その曖昧な理由はどうなんだ。
でも、下手な理由よりは信じられるな。
「ありがとな、三人とも」
まだ解決したわけじゃない、問題を先送りにしただけだ。
でも、今はそれでいい。
だって、そんな俺の中で、たった一つはっきりしたことがあるから。
今、胸を満たしているこの感情は、間違いなく俺のものだ。
「あ、申請書に名前は書いてやるけど、生徒会室には三人だけで行ってくれ」
「どうしてですか?まさか生徒会長が怖いから?」
「いや、それもないとは言わないが、他にやることがあるからだ」
「やることってなに?たっくん」
「アイドル始めるんだったら、グループ名と曲が必須だろ?グループ名は後ででいいとして、まずは曲を確保してくる」
「たくちゃん、それってあの子に?」
「ああ、そうだ。曲については真姫に頼むつもりだ。だからそっちは申請の方頼むぞ?」
「まっかせてー!」
「じゃあ拓人君名前は私たちで書いておきます。そちらは任せましたよ」
「たっくん、また後でねー」
「ああ、また」
さて、三人とも行ったな。
「おい、三人はもう行ったぞ。いつまで隠れてるつもりだ」
俺は木に向かって呼びかけた。
すると木の陰から出て来たのは――
「やっぱりお前だったか真姫」
赤毛のツンデレお嬢様だった。
「誰がツンデレお嬢様よ!」
「ナチュラルに心読むのやめくれませんかね!」
さて、ふざけるのはここまでだ。
俺は三人に必要とされた。こんな俺がだ。
なら全力を尽くすしかない。
あいつらには曲を作ってもらうとだけ話したが、やっぱりそれだけじゃだめだ。
だから――
「真姫、無理を承知でのお願いだ。俺たちとスクールアイドルをやってくれ!」
いかがでしたか?
なんかもう穂乃果のことより拓人くんのこと話してましたねw
いや、拓人くんが主人公なのでいいんですw
次回からは少し流れが変わります。
もしかしたら加入する順番も変わるかも・・・?
それでは、ご覧いただきありがとうございました!