ほんとびっくりしましたし、すごくうれしかったです。
この評価に見合うよう、精進していきます!
それではどうぞ!
講堂を使用する許可をもらった次の日。
「うーん、こうかなぁ?」
「なに描いてるんだことり?」
「あ、たっくん。ステージ衣装考えてたんだー」
「へぇ、そうなのか」
俺とことりがそんな会話をしていると穂乃果と海未が教室に戻って来た。
「ことりはなにをしているのですか?」
ことりの様子を見て、疑問に思ったらしい海未が俺に聞いてくる。
「ライブの時の衣装考えてるらしいぞ」
「そうなんですか」
「うん、こんなもんかな?」
おっ、どうやら出来たらしい。
衣装についてはよく分かんないが、ことりが描いたとなれば興味が湧いた。
「見て、ステージ衣装考えて見たんだけど、どうかな?」
「おぉー!かわいい!」
「たしかにすごいな」
俺は素直に感心した。
すごいアイドルっぽいと思う。
「海未ちゃんはどう?」
ことりが海未にスケッチブックを手渡して感想を聞いた。
「こ、ここのところのすーっと伸びているものは?」
「脚よ?」
「脚だね」
「脚だな」
「っ、素足にこの短いスカートということですか?」
「だって、アイドルだもん」
でも、制服もそれなりに短いとは思うんだけど。
いや、それを言うのはやめておこう。
「大丈夫だよー。海未ちゃんそこまで脚太くないから」
不安そうに自分の脚を見つめる海未に穂乃果がそんなことを言った。
「人のこと言えるのですか!」
海未はキレていた。
即座に椅子から立ち上がり、穂乃果に詰め寄っていた。
穂乃果はびっくりしたのか、口をぽかーんと開けていたが、数秒経つと自分の脚周辺を触り始めた。
俺はなんとなくそれを見てはいけないような気がして、そっぽを向いていた。
べ、別に残念だなんて思ってねーし!
「いよっし!ダイエットだ!」
「はぁ・・・」
「二人とも大丈夫だと思うけど」
突然のダイエット宣言に、海未が溜息をつき、ことりは困ったようにフォローした。
「にしても、他にも決めておかなきゃいけないこともたくさんあるよな?」
「だよね!サインでしょ?街を歩く時の変装でしょ?決めゼリフでしょ?」
「そんなの必要ありません」
「えー欲しいよー!『I am the b○ne of my song』とか!――どうかな?」
「体は歌で出来ている!?」
なにそれ怖い。
てか、どんな固有な結界だよ。
音符でも無限に刺さってんじゃないか?
「それよりー、グループの名前決めてないし」
「「おおっ」
お前ら忘れてたのか・・・
まあ、俺も忘れてたけど。
それから、しばらく四人で話し合った。
けど、いい案が出ず、結局生徒から募集することになった。
それでいいのか穂乃果よ・・・
*****
昼休み、俺はグループ名を募集することにしたことと、放課後のことについて伝えるために音楽室に来ていた。
しかし、音楽室には誰もいなかった。
「音楽室に居ないってことは教室かな。でも、流石に一年生の教室に行くのはきついような」
まだ、自分の教室にすら居づらいっていうのに、別の教室へ行くなんてきつくない?
「はぁ、仕方ない。行くか――ん?」
このまま悩んでいてもしょうがないと思い、覚悟を決めて一年生の教室に向かおうとしたその時、青いリボンの女の子が視界に映った。
青リボンってことは一年生だな。ちょっと聞いてみるか。
「あの、ちょっといいかな?」
「は、はいっ!」
後ろから急に声をかけたせいでびっくりさせてしまったようだ。反省反省。
「あのなんでしょー―えっ?」
その子は俺の方に振り向き、そしてフリーズした。
一体どうしたのだろうか?
「拓人、君?」
「えっ?」
「あ、ごめんなさい!知っている人に似ていたもので・・・気にしないでください」
「ああ、うん」
今、俺の名前が聞こえた気がするんだが・・・
まさかこの子も知り合いだったのか?だとしたら、この学校に知り合い多すぎだろ。
もはや母さんが裏に手でも回してるんじゃないかと思えてくる。
「そ、それで、なんの御用でしょうか?」
「えっと、きみのクラスに西木野真姫って子いないかな?」
「は、はい。西木野さんって歌の上手い人ですよね?」
「そうそう、その西木野さんなんだけど、今どこに居るか知らない?」
「今、ですか?多分――」
「おーい、かーよちーん!」
「あ、凛ちゃん」
あれ?なんか聞き覚えあるフレーズだな『かよちん』。
どこで聞いたんだったかな――あ、UTX行った時か。
てことは、この子たちあそこにいた子たちか。
「なにしてるにゃ?」
「えっと、先輩が西木野さんの居るところ知りたいらしくて」
「西木野さん?それなら――って、拓人君にゃ!?」
「やっぱり凛ちゃんもそう思う!?」
なんだ、やはり知り合いか。
一気に二人も増えてしまったが、流石にこれ以上は増えないよな?
「えっと、俺は二年の藤間拓人。俺のこと知ってるの?」
もはや確定したようなものだったけど、一応間違いの可能性も考慮して名乗ってみることにした。
「知ってるもなにも、小学の頃によく一緒に遊んだりしたにゃ。ねっ、かよちん?」
「う、うん。もしかして、忘れちゃった・・・?」
「え、そうなのー?」
くっ、なんだろうか。穂乃果たちの時とはまた違った罪悪感がある。
でも言わなきゃダメだよな・・・
「ごめん。実は俺、その頃の記憶がないんだ」
「えっ・・・?」
「ど、どういうことにゃ?」
俺は、説明するのは二回目ということで結構普通に言えたが、いきなり記憶喪失がないだなって言われたら驚くよな。
「俺が中一の時に、東京で事故に遭ったって話は聞いた?」
俺の確認に二人は頷いた。
「幸い、後遺症とかは残らなかったんだけど、頭を強く打ったらしくて、記憶がないんだ。だから、ごめんね」
俺がそう言うと、二人は首を横に振った。
「拓人君が謝ることじゃないにゃ」
「うん、そうだよ。またやりなおそっ?」
「二人とも・・・」
そう言うと二人は、お互いの顔を見合わせた後、俺の方に顔を向け、
「小泉花陽です。花陽って呼んでください」
「星空凛にゃ。凛も凛でいーよっ!」
と、笑顔で自己紹介をしてくれた。
凛に関しては三回も凛って言ったな。
「あぁ、よろしくな。花陽、凛」
「よろしくね、拓人君」
「よろしくにゃー!」
さて、そろそろ真姫のところに行かないとな。
「拓人、こんなところでなにしてるのよ」
「真姫?」
後ろから声がし、振り向くとそこには真姫がいた。
「いや、真姫のこと探してたんだよ」
「ふーん、その割には随分楽しげに話してたじゃない」
「見てたんですか!?いや、真姫の出現場所を聞こうと思ってな」
「人をモンスターかなにかみたいに言わないでよ!」
「あの・・・」
俺と真姫がそんなやり取りをしていると花陽がおずおずと話しかけてきた。
「ん?どうした花陽?」
「お、お二人は付き合ってるんでしょうか?」
「「へっ?」」
俺と真姫、両方から間抜けな声が出る。
「だって、二人とも仲良さそうだにゃ」
「まあ、たしかに仲は良いか――」
「全然良くないわよ!変なこと言わないで!」
「えっ、仲良いって思ってたの俺だけ?なんかショックだわ・・・」
「あっ、今のは違くて・・・」
俺の様子を見た真姫がうろたえる。
面白そうだからこのままこのキャラ継続するか。
「つまり、仲良しってことにゃ?」
そんな真姫の様子を見た凛が、再び攻める。
「だ、誰がこんなやつと」
「こんなやつって言われた・・・」
「あーもう!めんどくさいわね!そういうのいらないわよ!」
よし、ここらでいいか。
「っていう関係だ」
「どういう関係よ(にゃ)!」
凛と真姫息ぴったりだな!
「ふふっ」
そんな真姫と凛の様子を見て、花陽が思わずといった様子で噴き出した。
それを受けて、全員が笑い始める。
「西木野さんって、もっとお固い人だと思ってたにゃ」
「べ、別にそんなつもりじゃ」
「あー、凜知ってるよ!そういうのツンデレって言うんだよね」
「誰がツンデレよ!――それで拓人、私を探してた理由は?」
ああ、そうだったすっかり忘れてた。
そろそろ昼休みも終わるし、さっさと伝えないとな。
「今日の放課後に話し合いをする予定なんだが、なにか予定あるか?」
「放課後?別にいいけど、私も行かなきゃダメ?」
「ダメだ。仮加入だとしても、お前もメンバーの一員なんだから」
「分かったわ。それでどこでやるの?」
「穂乃果の家だそうだ」
「穂乃果ちゃんのお家・・・?」
俺の言葉に反応したのは、真姫ではなく花陽だった。
「にゃ?穂乃果ちゃんの家でなんの話し合いするの?」
そう聞いてきたのは凛。
どうやら二人とも穂乃果のことを知っているらしい。
たしかに遊んでた時期も被るし、面識はあるか。
「いや、実は俺たちスクールアイドルを――って、真姫、なにすんだよ」
「うるさいっ!」
真姫につねられたうえに怒鳴られた。理不尽だ。
「アイ、ドル・・・」
「え、西木野さんアイドルやるの?」
「ち、ちがっ―ー拓人!」
「とりあえずごめん」
そうか、アイドルのこと知られたくなったのか。
「アイドルってあの掲示板に初ライブのお知らせしてた?」
「あ、うん。それそれ」
ほう、もう広まっているのか。
「へぇー、もしかして穂乃果ちゃんたちと?」
「そうそう。てか、言いだしっぺが穂乃果だし」
「そっか、穂乃果ちゃんたちかわいいもんな・・・」
「え?凛もかわいいと思うぞ?」
「にゃ、にゃ、にゃ、にゃにをいうにゃー!うわぁぁぁぁぁ!」
「え、あ、おい凛!」
俺がさらっとかわいいなんて言ってしまったことによって、凛が真っ赤な顔で走り去ってしまった。後、盛大に噛んでいた。
だが、反省も後悔もしていない。
だって、凛はほんとにかわいいからな。
「おい、真姫なんだその目は」
なんてことを思っていると、真姫がこちらをじと目で見ていた。
「べつにー。この天然ジゴロ」
「なんでだよ!」
「ふんっ」
真姫はそう言いながらそっぽを向いてしまった。
なぜお前の機嫌が悪くなるんだ。
「あ、凛ちゃん行っちゃった…じゃ、じゃあ、私もこれで」
「ああ、またな」
「西木野さんもまた」
「ちょっと待って」
「え?」
真姫に呼び止められ、花陽が振り返る。
「その、西木野さんっていうのやめて、真姫でいいわ。私も名前で呼ぶから。凛にもそう伝えておいて」
「うん、これからよろしくね真姫ちゃん」
真姫の言葉に花陽は一瞬驚いたが、すぐ笑顔になってそう言った。
ああ、真姫から友達を作るなんて・・・おじさん嬉しい。
あっ、睨まれた。
「じゃあ、西木野さんと拓人君もアイドル、頑張ってね」
そう言う花陽はさっきの表情から一変、少し悲しそうな顔をしながら歩いて行ってしまった。
「なあ、真姫」
「なによ。って、どうせ考えてることは同じなんでしょうけど」
「ああ、花陽さ、アイドルやりたいんじゃないかと思うんだけど」
「花陽だけじゃないと思うわよ?凛も少し目が輝いてたわよ?」
「真姫、お前共犯増やそうとしてないか?」
「別に、どうせやるんだったらあの子たちと一緒の方がいいって思っただけよ」
そうか、本人たちもアイドルに興味があって、真姫も一緒に活動したいと思える。
なら、誘ってみるしかないか。
でも、今はそれより気になることが一つ。
「真姫、実はお前ちょっと楽しく――」
”キーンコーンカーンコーン”
俺の言葉を遮ろうとするように鳴りだす昼休み終了のチャイム。
そして、それを聞き、歩き出す真姫。
「あっ、おい」
俺がそう呼びかけると、真姫は立ち止まり、振り返って俺に向かって口を開いた。
「さっきは楽しかったわ。だから、これからもっと楽しくして」
それを俺に言うのかよ、と思わなくもなかったが、その直後に見た真姫の笑顔はとてもかわいくて、見惚れた俺はなにも言えなかった。
その後、硬直すること数十秒、俺はダッシュで教室へ向かったが、少しだけ遅刻をしてしまい、先生にも海未にも怒られてしまったが、それはまた別のお話。
いかがでしたか?
もはや前半しか原作の部分ありませんが、拓人君と絡ませたかったのです。
イベントなどの大きなところは原作通り進みますが、細かいところはオリジナル展開が多くなるかもしれません。
みなさんに楽しんでいただけるよう、精一杯書きますのでこれからもよろしくお願いします。
ご覧いただきありがとうございました。
雷帝ゼオンさん、AQUA BLUEさん、評価ありがとうございました。