ラブライブ!~未来を拓く物語~   作:夜羽秦斗

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 お気に入り70件突破!嬉しい限りです。
 これからもがんばります!

 間が空いての投稿となってしまいました。
 お待たせしてしまい申し訳ございません。

 それでは、どうぞ。

サブタイトル変更しました


第十五話 穂むらにて

 「ただいまー」

 「「「おじゃまします」」」

 「お、おじゃまします」

 

 時は既に放課後。

 予定通り話し合いをするために、俺たちは穂乃果の家に来た。

 

 「あら、いらっしゃーい。あ、ぜんざい食べる?」

 「いえ、私たちは――」

 「食べる食べる!ねっ、みんなも食べるよね?」

 

 穂乃果の母親、真穂さんからのお誘いを海未が断ろうとすると、穂乃果がそれを遮った。

 

 「てか、穂乃果。お前、この前餡子もう飽きた―とか言ってなかったか?」

 「い、いいんだよ!みんなが食べてるのに、穂乃果一人だけ食べないってやだもん!」

 

 いや、そもそもお前が食べると言い出したんだが・・・

 

 まあ、いいか。俺も腹減ってるしな。

 それに、ここの和菓子は美味いからぜんざいにも期待できそうだ。

 

 「じゃあ、俺いただきます」

 「さっすがたくちゃん。よっ日本一!」

 「うるせぇやい」

 

 俺が食べると言ったことによって、結局みんな食べることにしたようだ。

 ぜんざいのお代を払おうとしたら、新作だから感想を聞かせてくれればいいと言われてしまった。

 結局、俺たちはそのご厚意に甘えた。

 

 この前と同じく居間におじゃましたが、今回は雪穂ちゃんはいなかった。

 

 「今日は雪穂ちゃんいないのか?」

 「帰ってきてるけど、部屋に居るんだと思うよ」

 「そうか、受験生だもんな」

 

 きっと、UTXに入るために勉強しているのだろう。

 応援したい気持ちもあったが、穂乃果の気持ちを考えるとやはり音ノ木坂に入ってくれないかな、なんてことを思ってしまう。

 でも、そのためには――

 

 「穂乃果、絶対廃校阻止しような」

 

 俺がそう言うと、穂乃果だけじゃなく、海未も、ことりも、真姫までもが驚いていた。

 

 「なんだよ、俺なんか変なこと言ったか?」

 「ううん、たくちゃんもそんな風に思っててくれたんだなーって思って」

 「そうですね、拓人君を付き合わせて少し悪いと思ってたんですよ?」

 「でも、たっくんも同じ思いなら大丈夫だよね」

 

 と、そこで三人は俺から視線を切り、今度は真姫の方を見た。

 

 「な、なんですか?」

 

 あ、真姫がちょっと委縮してる。

 そりゃ、いきなり先輩の家に連れてこられた上に、今は三つの視線だからな。

 

 「真姫ちゃんはどう?」

 「私も廃校は、いや、です」

 「なら、想いは一緒だね!よし、頑張ろう!」

 

 穂乃果よ、一人で盛り上がっているところ悪いが、一つ忘れていることがあるぞ。

 

 「おいおい、まずはファーストライブを成功させることからだろ?真姫が入るかどうかはそれからだ」

 「はっ!そうだった!」

 

 忘れてたんかい。

 あ、忘れてたで思い出した。

 

 「そういえば、まだちゃんとした自己紹介してなかったよな」

 「あっ、たしかに!二年B組の高坂穂乃果です。よろしくね真姫ちゃん」

 

 俺の言葉を受けて、もはや当たり前のように真姫ちゃんと呼んでいる穂乃果が、まず自己紹介した。

 

 「同じく、園田海未です。よろしくお願いします」

 

 続いて海未。実に海未らしい。

 

 「同じく、南ことりです。西木野さん、よろしくね」

 

 そして、ことり。安定の脳トロボイス。

 さて次は――

 

 「同じく、藤間た――」

 「あんたは別にいいわよ」

 

 流れで名乗ろうとしたが、真姫に遮られてしまった。

 藤間さんは悲しいです。

 

 そんな俺を無視して、真姫が自己紹介するために口を開く。

 

 「西木野真姫、です。よろしくお願いします」

 

 真姫の自己紹介にそれぞれの反応を返し、話が途切れた。

 そして、タイミング良く居間の戸が開き、真穂さんがお盆を持って入って来た。

 

 「はい、お待たせ―」

 

 その言葉を聞いた穂乃果が、待ってましたと言わんばかりに真穂さんに駆け寄り、みんなにぜんざいを配る。

 そしてついに、俺の前に置かれた。

 

 おお、めっちゃ美味そうだ。

 

 隣に座った真姫の様子を見ると、ぜんざいを食べるのは初めてなのか、少しだけ目を輝かせているような気がする。

 

 「「「「「いただきます」」」」」

 「はいどうぞ、召し上がれ。それじゃあ、私は店の方に行くからゆっくりしていってね」

 

 そう言うと真穂さんは店番に戻って行った。

 

 そして、俺は再び俺のぜんざいに視線を向ける。

 ぜんざいは、粒あんに白玉が入っただけのシンプルなものだが、俺は既に穂むら(ここ)の餡子が半端なく美味いことを知っている。

 

 つまり、このぜんざいが美味くないわけがない!

 

 「ああ、美味い・・・」

 

 予想通り、いや、それ以上だった。

 まだ一玉食べただけなのに、なんだか歌い出したい気分になった。

 

 「愛してるぜんざーい!穂むら(ここ)でよかった」

 「ちょっと!変な替え歌作らないで!」

 

 真姫に変な替え歌呼ばわりされた。

 割と自信作だったのに・・・

 

 「そういえば、関東と関西ではぜんざいという言葉が指す物が違うらしいですね」

 

 俺が落ち込みながら、再びぜんざいを食べ始めると、海未がそんなことを言い出した。

 

 「あっ、なんか聞いたことあるかも」

 「俺も聞いたことはあるけど詳しくは知らないな。真姫はどうだ?」

 

 どうやら、ことりも聞いたことがあるようだ。

 俺も前にテレビだかなんだかで見たような気がする。詳しくは覚えてないけど。

 

 そんなことを思いながら、真姫にも話を振ってみた。

 

 「私はそもそも、ぜんざいを食べたのは今日が初めてだから」

 「そかそか、なら仕方ないな」

 

 やはり初めてだったか。

 

 「それで海未、どんな感じで違うんだっけ?」

 「すみません、私も詳しいことは・・・」

 

 そうか、海未も詳しくは知らんのか。

 

 「え、関西は粒あんで汁気があるものがぜんざいで、関東ではこんな感じで汁気がないものがぜんざいなんじゃないの?」

 

 なんとなく微妙な空気になりかけたその時、穂乃果が突然そんなことを言い出した。

 

 「ほ、穂乃果ちゃん知ってたの?」

 

 ことりが驚きを隠せないまま穂乃果に聞く。

 

 「え?うん。知ってて当たり前だと思ってたよ」

 

 そんなことりに穂乃果は笑いながらそう返す。

 

 いや、にしても穂乃果が知っているとは・・・

 腐っても和菓子屋の娘、ということか。

 

 「粒あんがぜんざいなら、こしあんはなに、なんですか?」

 

 真姫、お前どんだけ敬語が苦手なんだよ。

 

 「おしるこらしいよー。関東だと汁気があるとおしるこになるんだけど、関西では餡子で区別してるみたい」

 

 ほぉー、そうなのか。

 おっ、真姫も感心してるっぽい。

 このお嬢様が感心するなんてなかなかないぞ。

 

 にしても、なにかを忘れているような・・・

 

 「あの、私から話を出しておいてなんですけど、そろそろ話し合いませんか?」

 「「「「あっ」」」」

 

 海未以外の全員の声が漏れる。

 

 そうだった、話し合いに来たんだった。

 

 「とりあえず、作曲は真姫がやることは確定してるから、あとは作詞か?」

 「ちょっと、その前にグループ名はどうなってるのよ」

 「あれ、言わなかったか?」

 「言ってない!あと、その某候補生の教官の返しはやめて!」

 

 真姫もあれ見てたのか。

 いや、それよりも、昼休みに伝えなかったっけ?

 

 俺は、昼休みの会話をよーく思い返してみる。

 

 あ、放課後の話し合いについてしか言ってない。

 

 「すまん真姫、俺が忘れてた」

 「凛と花陽とイチャイチャしてたからでしょ!」

 「「「イチャイチャ?」」」

 

 穂乃果、海未、ことりの放つプレッシャーがやばい。

 

 「な、なにを言ってやがりますか真姫さん。僕は、ただあなたの居場所を聞いていただけでございますよ?」

 「ふーん、名前で呼んでたのに?」

 「ちょっ、それは」

 

 実は、あの二人にアイドルに関わること暴露されたこと根に持ってるだろ。

 別にいいじゃないか!そのおかげで、あの二人と打ち解けられたんだろ?

 

 「たくちゃん」

 「ひぃっ!」

 

 穂乃果の呼ぶ声がいつもより低い。

 思わず悲鳴を上げてしまった。

 

 「その話を詳しく」

 

 海未は顔は笑ってるけど、目が笑っていない。

 はっきり言おう、怖い。

 

 「聞かせてほしぃなぁ」

 

 ことり、いつもの脳トロボイスはどこへ行ったんだ。

 寒気がしてくるよ。

 

 そして、俺の様子を見て、笑っている真姫。

 でも、その顔が本当に楽しそうで、俺は許――したくなるけど、許せん。

 

 あれ、そういや、あの時は深く気にしてなったけど、花陽と凛は穂乃果たちのこと知ってるっぽかったよな?

 

 「なあ、穂乃果」

 「なにかなたくちゃん?穂乃果たち怒ってるんだよ?」

 「いや、その子たちの名前、花陽と凛って言うんだが」

 「花陽ちゃんと凛ちゃん!?わぁ懐かしいな!」

 

 穂乃果の笑顔を見るに、やはり知り合いだったようだ。

 そんな穂乃果に同調するように、海未とことりも頷いている。

 

 「子供の頃よく一緒に遊んでたよね!」

 

 穂乃果が笑顔のまま俺にそう言って来た。

 そう、俺に(・・)、だ。

 

 「穂乃果、拓人君は・・・」

 「あっ、ご、ごめんねたくちゃん。つい懐かしくなっちゃって・・・」

 

 海未の言葉で、俺の今の状況を思い出した穂乃果が謝ってくる。

 

 俺は気にしてないから大丈夫。

 そう言おうとした。

 けど、言えなかった。

 

 だって、そう謝る穂乃果の顔がとても辛そうだったから。

 

 俺はここに居ていいのだろうか?

 今まで何度も抱いて来た疑問。

 どんなに取り繕っても、所詮俺は偽物で、本物にはなれない。

 

 記憶が戻るのは怖い。

 でも、記憶がないままで、穂乃果たちを傷付ける方がもっと怖い。

 

 

 俺はここに、穂乃果たちの傍に居ていいのだろうか? 

 誰に巡り会っても、どんな言葉をかけられても、その答えは出ない。

 

 

 

 

 藤間拓人は気付かない。

 自分のせいで穂乃果たちが傷つくのが怖い。

 

 そんな想いが自らに生じていたことの意味に。

 

 

 藤間拓人(・・・・)の記憶は、少しずつ、しかし確実に、歩み寄ってきている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 いかがでしたか?
 替え歌は、どうしてもやりたかったネタでした。
 ある日突然思いついたネタの一つですw
 
 ぜんざいについてはネットを参考にしました。
 違っていたらごめんなさい。

 ご意見、ご感想、評価お待ちしております!
フィリップス君が絵の感想も欲しいとのことなので、ぜひお願いします!

 次回はなるべく早く投稿します!
 ご覧いただきありがとうございました!
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