ラブライブ!~未来を拓く物語~   作:夜羽秦斗

2 / 16
 小学生編第一話です。
 事件だとか大暴れだとか拓人君は言っちゃってましたが、いかんせん小学生のものさしですからそこまで壮大ではないです。
 
 なんだかいつにもましてひどいですか頑張りました。
 それではどうぞ!



第一話 事件? 上

 小学校高学年ともなると男女の差がはっきり出てきて、男子は男子と、女子は女子と遊ぶことがほとんどだろう。まあ俺のような例外もあると思うが。

 小学五年生になっても俺は穂乃果、海未、ことりと一緒にいた。

 今も三人と一緒に登校しているところだ。

 

 「たくちゃん、じゃあお昼休みにね!いこっ、海未ちゃん!」

 「おっけ、給食食べたらすぐ行く。」

 

 穂乃果と海未は1組、俺とことりが三組なので、一組の教室の前で別れる。

 海未も「ではお昼休みに」と言い残し、教室に入って行った。

 

 「さて、俺たちも行くか」

 「うん!」

 

 と言っても、一組からそんなに離れているわけでもないのですぐ着いてしまうのだが。

 

 「おはよー」

 

 教室の戸を開け、いつものように挨拶をする俺だが、なんだかクラスの雰囲気がおかしい。

 ことりも何かを感じたのか戸惑っている。

 俺は数秒かけて教室内を見渡し、黒板にようやくそれらしいものを見つけた。

 

 『藤間拓人と南ことりは付き合っている』

 

 他にも色々書かれていたが、その中でもこれが一際目立っていた。

 

 「なんだよこれ・・・誰だよ!こんなことするやつは!」

 

 俺は完全にキレていた。

 ことりを、俺の大事な親友をこんなくだらないことに使われたのだ。

 目を黒板から離すと、にやにやしながらこちらを見ている顔があった。

 確か杉村とか呼ばれてたやつだ。あいつか、あいつがことりを嵌めようとしたのか。

 俺の頭の中はそれでいっぱいになり、気が付くと杉村の顔を思い切りぶん殴っていた。

 俺からあふれ出る怒りは留まる事を知らず、先生が来るまで殴り続けていた。

 

 

 「うん、大体のことは分かった。確かに杉村のやったことは悪いことだし、藤間が怒るのも当然だ」

 

 俺は職員室の隣にある小部屋で先生に事情を聞かれていた。

 

 「だけどな、暴力はいけないぞ。どんなにお前が正しくてもそれで台無しになってしまうことだってあるんだ。だからまずは先生を頼ってくれ。俺も力になれるよう頑張るから」

 

 俺は小さく、はいと答えることしかできなかった。流石にやり過ぎたとは思っている。だけど後悔はしていない。

 

 

 自習となっている教室に戻った俺を迎えたのはクラスメートたちの出す何とも言えない雰囲気だった。

 ふと、黒板に目をやると、落書きは消えていた。

 ホッとし、席に戻ろうとすると、

 「藤間、ごめん!」

 

 突然立ち上がった杉村に謝られた。少しびっくりしたが、俺もやり過ぎた事は謝ろうと思っていたので、ちょうど良かった。

 

 「俺もやり過ぎちまってごめんな」

 

 その時ちょうどチャイムがなり、業間休みになったので、杉村と二人で話すために人がいなく、教室から割と近い音楽室へと向かった。

 教室から出るとき、ことりが何か言いたげな表情だったが、後で聞こうと思い、教室を後にした。

 

 「それで、杉村。なんであんなことしたんだ?」

 

 音楽室に着き、俺は疑問に思ったことを尋ねた。

 杉村の動機が分からなかった。

 

 「お前が毎朝女の子と登校してくるのが羨ましかったんだよ」

 「は?」

 

 やばい、本気で意味がわからない。

 

 「だってお前、ただでさえあの三人と仲がいいのに、他の女子からも人気あるなんて羨ましすぎるだろ」

 

 他の女子?いや、ないない。なんで俺がモテるんだ。

 

 「というわけで、お前に彼女がいるってことにして、他の女子たちを諦めさせようとしたんだ。今思えば我ながら最低だったと思ってる。本当にごめん!」

 

 どうやら本当に反省しているようだ。

 

 「その動機を聞いて一瞬悩んだけど、許す。さ、仲直りしようぜ」

 「おう!さんきゅ!なあ、拓人って呼んでいいか?」

 「ああ、いいぞ」

 「じゃあ、俺のことも名前で呼んでくれ」

 「ごめん、それはできない」

 「なんでさ!?」

 

 なんでって、そりゃあ

 

 「俺、お前の名前知らねえし」

 

 あ、杉村がずっこけた。

 とまあ、杉村改め、祐次(ゆうじ)と仲直りしたので、俺たちは教室へ向かっていた。

 しかし、あんなに憎かったやつと数時間後には名前で呼び合う間柄になるとは思わなかったな。

 

 

 教室に戻るとやはりまだぎこちない雰囲気だったので、とりあえず報告をしようと思った。

 

 「みんな、俺は祐次と仲直りしたからもう大丈夫だぞ」

 

 俺が『祐次』と呼んだことによって、更に効果が増したのか、もう先ほどまでの雰囲気は消え失せ、いつもの明るいクラスとなっていた。

 

 「それと、ことりと付き合っているってことだけど」

 

 俺がそう口に出した途端、クラスは急に静かになった。ちょっと怖い。

 

 「俺はことりと付き合ってないし、誰とも付き合ってない」

 

 それを聞いた女子たちがなぜかホッとしたような表情を浮かべたが、気にしないようにしようと思う。

 

 「それに、確かにことりのことは好きだけど、それは親友としての好きであって、付き合うとかそういうのとは違うんだ。ことりもそうだと思う。だからあまり変なことは言わないでくれ」

 

 俺は、分かってもらえたかな?と周囲を見渡していると、ことりが突然立ち上がり、

 

 「たっくん!ことりはっ!」

 

 ”キーンコーンカーンコーン”

 ことりの言葉は授業開始のチャイムに阻まれ、ほどなくして担任の先生が教室に入ってきたので、急いで席に着いた。

 大好きな理科の授業だったが、俺の頭の中はことりのことでいっぱいだった。

 ことりはあのとき何を言おうとしたのだろう?

 考えても答えは出なかった。

 

 

 それから、なんどかことりに話しかけようとしたがことごとく避けられた。

 そうこうしているうちに昼休みになってしまい、穂乃果たちとの約束の時間となった。

 しかし、ことりは教室から動こうとせず、誘っても、「今日は行かない」の一点張りだった。

 

 「なあ、ことり、穂乃果たち待ってるぞ」

 「今日は行かない」

 「なあ、行こうぜ―」

 「・・・・・・」

 

 ついに無視されるようになってしまった。

 

 「なあ、こと「もううるさい!ことりの気持ちなんか知らないくせに!もう構わないで!」ことり・・・」

 

 ことりがこんなに怒っているのを見たのは初めてだった。

 俺はどうしていいか分からなくなり、とりあえず穂乃果たちのところに行って相談しようと思った。

 

 「じゃあ、俺、行くから。ごめんな」

 

 去り際に見たことりの目には光る雫があった。涙だった。俺はことりを泣かせてしまった。

 

 

 俺は一人、重い足取りで約束の場所の中庭に向かった。

 

 「あっ!たくちゃんやっときた!もぉー、遅いよ!」

 「悪い悪い、ちょっと色々あってな・・・」

 

 そこには、見事にご立腹な穂乃果と少し不機嫌そうな海未がいた。

 

 「あれ?ことりは一緒ではないのですか?」

 「ほんとだ。ことりちゃんどうしたの?」

 

 二人ともさっきまでの表情から一転、すごく不思議そうな顔で聞いてきた。

 やっぱ二人に相談したほうがいいな。

 

 「実は・・・」

 

 俺は二人と別れた後に起きた出来事を話した。

 

 「なるほど、そんなことが・・・」

 「た、たくちゃんでもそんなに怒ることあるんだね」

 「そんなに驚くことか?」

 「はい、少なくとも今まで誰かとケンカしたなどという話は聞いたことありませんよ?」

 「うん、確かに海未の言う通りだ。今回が初めてかもしれない」

 

 っと、いけないいけない。今はことりのことだった。

 

 「それで、ことりなんだが、どう思う?」

 「うーん、それでことりちゃんが怒るっていうのはおかしいような」

 「そうですね、むしろ喜びそうなものです」

 「そういうもんかね」

 

 すると穂乃果がジト目で、

 

 「たくちゃんさー、そのあとに何かしなかった?」

 

 そう聞いてきた。何かってなんだよ。

 

 「それが一番ありそうですよね。それで拓人君、どうなんですか?」

 「うーん、あ、そういえばーー」

 

 俺はクラスに向けてした演説にを一言一句違えず話した。

 

 「拓人くん、あなたという人は・・・!」

 

 海未が怒っている。

 

 「あーあ、ことりちゃんがかわいそうだよ」

 

 穂乃果もなぜか怒っている。

 少しムッとしてしまう。

 ことりのためにしたことをなぜ穂乃果たちに否定されるんだ。

 ただ、大切な”親友”を守りたかっただけなのに。

 

 「なんだよ、俺はことりのためを思ってだな」

 「本当にことりのことを思っているならそんな言い方しないでしょう!」

 

 やばい、本当にイライラしてきた

 

 「それじゃなんて言えばよかったんだよ!あれじゃことりが俺のこと好きみたいに扱われて、肩身の狭い想いをすることなるかもしれないんだぞ!それを黙って見てろって言うのかよ!」

 「そうじゃありません!確かにそうかもしれませんが、そんな言い方あんまりです!ことりの気持ちを考えてください!」

 「考えても分からなかったからお前らに相談してんだろ!」

 「もうやめてよ二人とも!!」

 ただの怒鳴り合いになりかけていたそれを止めたのは穂乃果だった。

 穂乃果の一声で頭が冷えた。少し熱くなり過ぎていた。

 

 「一つだけ聞かせて、たっちゃん」

 「・・・なんだ?」

 「たっちゃんにとって私たちは何?」

 

 俺にとっての穂乃果たち。そんなの決まってる。

 

 「決まってるだろ、大好きなーー」

 

 大好きななんだ?いつもこの問いに答えは出ない。

 だからいつものように、当たり障りのないあの言葉を使ってしまう。

 

 「・・・大好きな”親友”たちだよ」 

 

 それを聞いた穂乃果と海未は、とても、とても悲しそうな顔をしていた。

 

 「そう・・・わかった」

 

 そう言うと穂乃果は中庭から立ち去り、海未もその後をついて行った。

 一人残された俺はしばらくその場から動かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 いかがでしたでしょうか?
 ええ、ええ、言いたいことは分かります。分かりますとも。
 ちょっと小学生っぽさを出してみたかったのですが、分かりづらくなってしまった上に、なんだかおバカな鈍感系主人公予備軍にしてしまったような気がします。 

 一応この話は次回で終わる予定です。そしてもう一人の子との出会いを書いて、小学生編終了です。そこまでの辛抱です。ちゅ、中学生なら書けますよ(汗)
 
 豆腐メンタルですが、感想お待ちしています。
 では、また!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。