ラブライブ!~未来を拓く物語~   作:夜羽秦斗

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 今回で終わらせるつもりでしたが、次回に持ち越しとなってしまいました。なるべく早く投稿しますので、ご容赦ください。

 今回はことりとの話です。
 それではどうぞ。


第二話 事件? 中

 「はあ・・・」

 

 もう何度目かも分からない溜息をつきながら、俺は自分の部屋で今日あったことについて考えていた。

 

 あの後、三人のうち誰とも会話することなく俺は一人で帰宅したのだった。

 正確にはしようとしなかっただ。今は何を言っていいか分からなかった。

 

 「拓人ー!ご飯だから降りてらっしゃーい!」

 「もうそんな時間か・・・」

 

 俺はもそもそと立ち上がり、階段を下りてリビングへと向かった。

 

 「いただきます」

 「はい、召し上がれ」

 

 正直あまり食欲はなかったが、とりあえず目の前のカレーを食べようとスプーンですくい口に入れた瞬間ーー

 

 「拓人さ、今日穂乃果ちゃんたちと何かあった?」

 「ごほっ!!」

 

 むせた。

 

 「あらら、大丈夫?」

 「・・・なんで母さんが知ってるんだよ」

 「さっき真穂から『穂乃果の様子がおかしいんだけど、何かあったんじゃないか?』って電話きてね、あんたの様子もおかしかったから聞いてみたわけ」

 「そっか」

 「んで、何があったの?」

 

 母さんに話してしまってもいいのか少し悩んだが、話すことにした。

 

 「なるほどね」

 

 俺が話し終わると母さんは『だめだこいつ』みたいな顔をしていた。

 

 「拓人、穂乃果ちゃんは、ううん、穂乃果ちゃんだけじゃない。ことりちゃんも海未ちゃんも女の子なのよ?」

 「分かってるよ」

 「分かってたらそんなこと言わないと思うわよ?」

 

 それから母さんは一息ついて、

 

 「ちょっと大げさすぎるかもしれないけどね、あんたが言ったことは『俺は君たちを女の子として見ることはない』って受け取られてもおかしくないわよ?」

 

 そう続けた。

 俺は、そんなつもりで言ったんじゃ・・・

 母さんはそんな俺の内心を見透かしたように

 

 「あんたがそんなつもりで言ったんじゃないってことは分かってる。でも、小学生の女の子がずっと一緒にいた男の子にこんな風に言われたら好きとか関係なしに傷ついちゃうと思うな。だからきちんと謝ること」

 「・・・うん。難しいことはよく分かんないけど分かったよ。明日ちゃんと謝るよ」

 

 俺はことりたちに謝ろうと決めた。それと俺の想いも伝えたいと思った。 

 そうと決まったらまずは腹ごしらえだ。

 俺はカレーをすくい出し、口に運んだ。

 

 「冷てっ」

 「もうカレー冷めちゃったわね。温めなおしてくるからちょっと待ってて」

 

 母さんがそれを見て笑いながらそう言った。

 

 「お待たせ」

 

 言葉と共に俺の目の前に置かれたカレー。そのカレーはとても美味く、少し心が軽くなったような気がした。

 

 

 「いってきまーす!」

 「いってらっしゃい」

 

 いつもよりだいぶ早い時間だが、俺は小学校へ向かっていた。

 なぜかと言うと、ことりたちがいつ来てもいいように待っているためだ。

 あ、どうでもいいと思うかもしれないけど、一応言っておこう。

 朝ご飯は昨日の夕飯の残りのカレーでした。お約束だね。

 

 学校に着いた俺は、自分の席で何を言うかを頭でまとめながらことりたちが登校してくるのを待っていた。

 数十分経ったころ、クラスメートのほとんどが登校してきていた。

 あと少しで朝の会が始まるのに何やってるんだろう。いつもならとっくに来ているはずだ。

 

 「じゃあ、日直。朝の会始めるぞー。あ、今日南は風邪で休むようだ。お前らも風邪引かないように気をつけろよ?」

 

 ことりが風邪?なら仕方ない、なんて言うつもりはない。

 ことりが今日学校に来なかったのは俺のせいだ。

 もし、本当に風邪だとしても、じっとしていていい理由にはならない!

 

 「先生!」

 「どうした藤間?」

 「風邪引いたっぽいので早退してもいいですか?」

 「いや、朝の会始まったばかりなんだが・・・」

 

 先生は苦笑いしながら答えた。多分仮病だと分かってるんだろう。

 でもここで引くわけにはいかない!

 

 「いや、ほんとなんですよ。熱もあるし」

 「ほぉ、何度だった?」

 

 やばい、そこまで考えてなかった。

 

 「さ、三十九度です!」

 「いや、学校来るなよ!病院行けよ!」

 

 しまった高すぎた!もはやインフルじゃねーか。

 あ、先生がこちらに向かってくる。

 

 「あー確かに熱っぽいなー。三十九度まではないかもしれんが風邪かもなー」

 

 先生が俺の額に手を当てながら棒読みで言う。

 

 「よし、早退することを許可する」

 「え、」

 「今さら仮病が一人二人増えたところで変わらんしな、それに」 

 「先生!俺も風邪みたいです!」

 

 おい祐次やめろよ。もう色々台無しだよ。

 てか今、仮病って言ったよね!

 

 「大丈夫だ。馬鹿は風邪を引かない。杉村、だからお前は大丈夫だ。」

 「ひどい!?」

 「今さら仮病が一人二人増えたところで変わらんしな、それに」

 

 言い直した!?まさかの言い直しだよ!

 

 「お前が帰りに偶然”もう一人の仮病”に会うかもしれないだろ?」

 

 先生・・・

 

 「ちゃんと仲直りして戻って来い。そのころには二人とも風邪なんて治ってるだろ?」

 「・・・そのまま戻ってこないかもしれませんよ」

 「いや、戻ってくるさ。絶対に。なぜなら」

 「なぜなら?」

 

 先生はとてもいい笑顔で

 

 「今日の給食はカレーだからな」

 「それ聞いて戻って来たくなくなったわ!」

 「なんだ藤間、カレー嫌いか?」 

 「嫌いじゃないけど!けど!」

 「いいから早く行け、朝の会の時間がなくなる」

 「何この手のひら返し!?」

 「カレーが好きじゃないやつとは仲良くする自信がないんだ。だから、行け」

 

 なんなんだこの先生は!昨日はいい先生かなって思ったけど、色々ぶっ飛んでるよ!

 

 「じゃあ行きます!それと、カレーは好きですよ!」

 

 そう言い残して俺はランドセルを背負い、教室を出た。

 

 「はぁ、校長になんて言い訳しようかな・・・」

 

 後ろからそんな声が聞こえてきたけど、スルーします。ありがとう先生。

 

 

 誰かに見つかると厄介なので、とりあえず仮病時の秘儀、お腹痛いですよアピールをしながらことりの家まで歩いた。

 変な目で見られたが、誰に話しかけられなかったので成功だ。ありがとう都会の無関心。

 南家に無事にたどり着いた俺は、一瞬迷いながらもインターホンを押そうとした。

 しかし、それよりも早く家から出てくる人がいた。

 

 「あれ?拓人君?」

 

 ことりのお母さんの雛さんだった。

 

 「どうしてここにいるの?学校は?」

 「ことりに会いに来ました。学校は早退してきました」

 

 雛さんは困ったような顔をした。

 

 「そんなことしていいの?」

 「はい、担任の先生から許可をもらいました」

 「そ、そうなの。でもどうしてことりに会いに?今日学校に行かなかったことと何か関係があるの?」

 

 どうやらことりは昨日の出来事を話さなかったようだ。

 

 「昨日俺の言葉で、ことりを傷付けてしまったんです。俺はそのことを謝りたくて・・・」

 「そう・・・じゃあ、行きましょう」

 

 そう言って雛さんは俺を家の中に入れてくれた。

 

 「いいんですか?」

 「いいのよ、今日はお休みだからお買いものはもう少ししたら行くわ」

 「いや、そうじゃなくて、」

 「ふふふ、学校をおさぼりしてまでことりに謝りに来てくれる子が悪い子なわけないじゃない。ことりをよろしくね」

 「はい!」

 

 ことりの家には何度か遊びに来たことがあるので、部屋の場所は分かっていた。

 ノックをして返事を待つ。

 

 「お母さん?お買い物に行ったんじゃなかったの?」

 

 ことりの声だ。でもあまり元気がない。

 

 「ことり、俺だ」

 「たっくん!?なんで家に!?」

 「ことりに謝りたくて」

 「・・・学校は?」

 「早退してきた、事になってる」

 「そう、なんだ・・・」

 「部屋に入れてくれるか?」

 

 少しの沈黙

 

 「うん・・・いいよ」

 「ありがと」

 

 部屋に入るとパジャマ姿でベッドに腰掛けることりがいた。

 そんな姿見慣れているはずなのに、なんだか変に緊張してしまう。

 ああ、そうか。俺は今ことりを親友としてじゃなく女の子として見てるんだ。

 

 「ことり」

 「・・・なに?」

 

 ことりは目を合わせようとしないし、言葉が帰ってくるまで間がある。

 それでも昨日の朝ぶりに会話ができて嬉しかった。

 

 「ごめんな。俺、ことりの気持ち考えてなかった」

 「・・・反省してる?」

 「うん、してる。」

 「私だって女の子なんだよ?」

 「うん」

 「少しも意識されてないって思って悲しかったんだよ?」

 「うん」

 「一番近くの男の子に、大好きなたっくんにそんな風に言われて悲しかったんだよ!」

 「ごめん。ほんとにごめんなことり」

 「・・・分かってくれた?」

 「ああ、分かった」

 

 ことりが本音を話してくれたんだ。

 

 「俺もことりが大好きだ。もうことりを傷付けたりしない、だから俺と、」

 「た、たくちゃん///」

 

 俺も本音を伝える。

 こちらを見つめることりの目は潤んでいる。

 俺はそんなことりを見つめ返して真剣な表情で伝えた。

 

 「俺とまた友達になってくれ!」

 「へ?」

 「え?」

 

 ことりがとても間抜けな表情になっている。

 あ、俯いてプルプル震えている。寒いのかな?

 

 「た・・・」

 「た?」

 「たくちゃんのばかぁ!!!」

 「えええ!?俺なんか悪いことしたか?」

 

 するとことりは『だめだこいつ』という表情をした。

 その表情、昨日見たばっかなんですが。

 そんなにダメだったのか俺・・・

 

 「まあ、たくちゃんだししょうがないよね・・・はぁ・・・」

 

 溜息までつかれてるよ・・・あ、そういえば伝え忘れてたことがあった。

 

 「なあ、ことり」

 「なに~?」

 「さっき部屋に入ってきたとき俺、妙に緊張したんだよ」

 「どうして?」

 「なんでだろうなー。でも多分、女の子って意識したから。とかじゃないかな?」

 「ふぇっ!?」

 

 冷静を装っているが心臓バクバクだよ。

 これで確信した。

 俺、多分穂乃果も海未もことりもとっくの昔に意識してたんだ。

 近すぎたから親友って言葉で抑えつけてたけど、今回のことでそれが外れた。

 それが恋だとかなんだとかはわからないけど、とりあえず大切な親友ってだけじゃなく、大切な女の子にもなったってことでいいかな。

 

 「た、たっくん。それって、ことりだけ?」

 「もちろん、穂乃果も海未もだよ」

 「うん・・・そうだと思った・・・」

 

 さて、伝えたいことは伝えた。ことりの部屋にある時計を見ると二時間目がそろそろ終わりそうだった。

 

 「よし、これなら給食に間に合いそうだな」

 「え?給食?たっくん学校に戻るの?」

 「何言ってんだ?ことりも行くんだぞ」

 「え、でもことりは風邪だって連絡しちゃったよ?」

 「大丈夫だ。仮病ってバレてるから」

 「何も大丈夫じゃないよね!?」

 「今から行けば大丈夫だよ。それに、穂乃果と海未とも話さなきゃいけないんだ。そのとき一緒にいてほしい」

 「はぁ、しょうがないなぁ、わかったよ~。すぐ用意するから待ってて!」

 

 ことりが着替えるため俺は部屋の外に出た。

 すると雛さんがやってきた。

 

 「仲直りはできたかしら?」

 「はい、おかげさまで」 

 「そう、それは良かった。それでこれからどうするの?」

 「ことりと一緒に学校へ戻ります」

 「え?今から?今日は何か大事なことでもあるの?」

 

 雛さんが驚いたように聞いてきた。

 それに対する俺の答えは決まっていた。

 

 「はい、今日の給食はカレーなんですよ」

 

 

 俺とことりが学校に着いたのは三時間目の終了の十分前だった。

 先生にドヤ顔をしたところ自然な笑みが帰ってきてびっくりした。ほんと先生のキャラがつかめない。

 特に騒ぎにもならなかったので、俺とことりは普通に残り十分の三時間目と四時間目を受け、俺にとっては三連続目のカレー(給食)の時間となった。

 

 給食を食べたら穂乃果と海未に会いに行く。

 きっといつものところにいるはずだ。

 ことりとやったようにお互いの気持ちを伝えあおう。

 また四人で笑い合うために。

 

 母さんのカレーより少し甘めなカレーが今は心地よかった。

 

 

 

 

 




 いかがでしたでしょうか?
 少し会話を多めにしてみました。結果拓人のキャラが変わってしまったような気がしますが、これからはこんな感じで行こうと思います。小学生?ナンダソレハ。
 
 なんとなくこじつけのような感じになっているかもしれませんが、そこはまあ、小学生なので(便利な言葉)ということでなんとか納得していただければ。現在よりもいい案が浮かんだら書き直します。
 
 次回は穂乃果、海未との仲直りです。短くなると思うので、次の話も続けて出すと思います。
 
 ご覧いただきありがとうございました!
 それではまた。
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