ラブライブ!~未来を拓く物語~   作:夜羽秦斗

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 本当にありがとうございます!
 これからもがんばります!
 
 今回は転校についてのお話です。
 それではどうぞ!


第六話 転校

 全体での帰りの会を終えた俺たちは四人で下校していた。

 海未とことりは途中で別れ、俺も今穂乃果と別れるとこだった。

 

 「穂乃果、また明日な」

 「うん、また明日!」

 

 明日は終業式。つまり五年生として通うのは最後ということになる。

 絵里が卒業してしまったことがまったく寂しくないというわけではないけど、俺は少しはしゃいでいた。

 

***

 「ただいまー」

 「おかえりなさい」

 

 家に着き、玄関で靴を脱ぎ、リビングへ向かうとそこにはいつも通りの母さんと、

 

 「おかえり拓人。久しぶりだな」

 「と、父さん」

 

 出張でしばらく家を開けていた父さんがいた。

 

「むしろ父さんこそおかえりだよ。もう出張はおしまい?」

 

 父さんは俺の言葉に困ったような顔をしてからやがて口を開いた。

 

 「・・・そのことなんだがな拓人、出張はもうおしまいだ。また一緒に暮らせる。ただ―――」

 「ただ・・・?」

 

 なんだか嫌な予感がした。

 

 「父さんは転勤することになった。具体的に言えば今まで出張してた所にだ」

 「それってつまり・・・転校しなきゃいけないってこと・・・?」

 「ああ、そういうことになるな。ごめんな拓人、こんな時期に」

 

 俺は何も答えられなかった。

 なんなんなんで突然そんなことに!?

 

 「拓人、辛いかもしれないけど、一生会えなくなるわけじゃないんだから、ね?

 

 母さんがそんな言葉をかけてくれるけど、俺は・・・

 

 「拓人、こんなこと言ったら交換条件みたいであまり良くないと思うんだが、残りの小学校生活と中学校は向こうで過ごす。その代わり拓人がどうしても東京の高校に、穂乃果ちゃんや海未ちゃん、ことりちゃんたちのそばに帰って来たいと言うのなら父さんは許してやる。それじゃだめか?」

 「・・・高校なんてまだ先の話じゃないか」

 「たしかにまだ先の話だ。でもな、四年間なんて長いようであっという間だ」

 

 ほほう、父さんにとっちゃ四年は短いのか。

 

 「父さん」

 「分かってくれたか?」

 「父さんにとっては126144000秒は短いの?」

 「ぐはっ」 

 「あなた!?」

 

 ばたりと倒れる父さんを見ながら、俺はさっきのことを考えていた。

 いきなり転校とか言われて少し焦ったけど、高坂家と交流が深い俺の家が東京に遊びに来ないわけがなく・・・

 って、そもそもどこに行くんだ?

 

 「ねぇ、父さん」

 「なんだ息子よ」

 

 けろっとした顔で起き上がる父さん。

 

 「転校するのはいいんだけど、どこに行くの?」

 「あれ、言わなかったか?」

 「言ってねーよ!」

 

 某候補生の教官みたいなセリフを言う父さん。

 

 「悪い悪い、宮城県だ。宮城県の仙台市」

 「へー仙台か。何か有名なものとかってある?」

 「ああ、Wake Up Giーー」

 「ストーーップ!!」

 

 何言おうとしてやがるこのバカ親父。

 

 「いやー、父さんすっかりはまっちまってな」

 「聞きたくなかったよそんなこと!」

 「まあ、牛タン、ずんだ、笹かまといったところじゃないかな」

 「急に真面目になるな!」

 

 くそー父さんと話してると、いつもこうだ。

 でもやっぱり、俺は父さんが好きみたいだ。

 いや、変な意味じゃなくてだな。

 

 (ごめん、穂乃果、海未、ことり、絵里、凛、花陽。俺、父さんと離れたくないわ。だから、ごめん)

 

 「んで、いつ出発なんだよ」

 「4日後」

 「早すぎんだろ!?」

 

 4日後ってちょっ、急展開すぎワロタwwとか言われちゃうだろ!

 

 「もう学校には話してあるし、転校先もオーケーだ。問題はない」

 「本人が聞かされてないんですよね!問題大ありですよね!」

 「ま、気にすんな。あんま深く気にすると禿げるぞ」

 「シャレならないからやめて!」

 

 父さんの方のじいちゃんは禿げている。後は言わずとも分かるな?

 

 「お前に言わなかった理由はちゃんとある。お前は態度に出やすいからすぐ気付かれていたと思うぞ。」

 

 急に真面目な顔に戻る父さん。差が激しい、禿げだけに。うん笑えない。

 

 「お前が孤立している女の子の支えになっているって聞いたもんだからな。そんなときに知っちゃまずいと思ったんだ。ごめんな」

 「たしかにそうかもしれないけど、そんなことする親なんているかな」

 「どうだろうな、半年以上前から決まってたのに隠すなんてな。ほんと悪い親だよ、ははは」

 

 自分で言うなし。

 

 「でもな、自分の息子が友達を、それも女の子を救おうとしてるんだ。たしかに事はそう大きくないのかもしれない、でも、自分の息子が信念を持って貫こうとしている事なんだ、それを俺たち親が台無しにしてしまいたくない。それに、その子には拓人がヒーローに見えたはずだ、そんな人がいなくなってしまうと知ったら悲しむだろう?持ち始めていた自信も失ってしまうんじゃないかと思った」

 

 父さんは一拍置いてから

 

 「だから父さんは最後までやり遂げてほしかった、せめてその子が小学校を卒業するまで、その子が強くなるまで、その子にとって拓人と出会ったことが悲しい思い出にならないように」

 「そっ、か」

 

 俺はそれしか言えない。普段お茶らけている父さんもこうなるとカッコよく思える。

 言ってることはめちゃくちゃかもしれない、痛々しいかもしれない、中二病かよって思うかもしれない。

 でも、俺にとっては自慢の父さんだ。

 

 「さ、そろそろご飯にしましょ?」

 

 母さん、姿が見えないと思ったら料理してたのか。

 

 「お、そうだな。ちょうど腹も減ったし、食うとするか」

 「ふふふ、三人で食べるなんて久しぶりね」

 「久しぶりに母さんの手料理が食べられて幸せだよ」

 「あらあら、あなたったら。うふふふ」

 

 二人だけの空間作るなよ息子の前だぞまったく。

 三人で席に着き、『いただきます』をする。

 

 「拓人」

 「ん、何?」

 

 箸を持とうとした俺に話しかける父さん

 

 「明日みんなにちゃんと伝えてくるんだぞ」

 「分かってる」

 

 そう答えた俺は今度こそ箸を持ち、焼き魚を食べ始めた。

 

***

 

 終業式が終わり、後は退場するだけとなったとき、俺はステージに上がった。

 そして、俺の隣には担任の先生がマイクを持って立っていた。

 ここで俺は転校することをみんなに伝える。まあ、ほとんど知らないやつらなんだけど。

 でも、知ってるやつらの、大事なやつらの反応が怖い。

 そのせいでほんの少しだけ足が震えてしまっていた。

 

 「突然だが、ここでみんなにお知らせがある」

 

 みんなが「?」 を浮かべている。

 俺がそんなことを考えたとき穂乃果がここぞと言わんばかりに

 

 「はーとび「それはやめろって言ってんだろ!」うぅ、たっちゃんがいじめるぅ」

 

 思わず先生のマイクを奪い取り穂乃果に向かって叫んでいた。

 すぐに返そうと思い、先生を見るとなぜかその手にはマイクがあった。

 どっから出したんだよ、と内心びっくりしていると先生がにやりと笑い、

 

 「魔法使い始めました」

 「始めんな!」

 「藤間、奇跡も魔法もあるんだよ」

 「あんたもう黙っててくれないかな!?」

 

 ほんとこの担任は・・・!

 

 「というわけで、俺のクラスのツッコミ係である藤間拓人は転校することになった」

 「どういうわけだよ!あと変な役職つけないで!」

 

 みんなが戸惑っているのが伝わってくる。できれば俺もそっち側にいたかった。

 

 「じゃあ、ここで藤間から一言」

 「この空気で何を話せと!?」

 「以上、転校する藤間拓人くんからでした」

 「ほんとに一言だけだった!」

 「藤間、ふざけてないでちゃんと話せ」

 「あんたのせいだあんたの!」

 

 まったくあんたのせいでさっきまでの足の震えなんて止まったよ。

 

 「震えは止まったようだな」

 

 先生が小声で言ってくる。

 

 「うん、ありがとうな先生」

 「俺はただふざけたかっただけだ」

 

 そんな先生の方を見てから俺は一歩前へ出る。

 

 「えー、五年三組の藤間拓人です。突然ですが転校することになりました」

 

 そこまで言ってから俺は意図的に視界から外していた、穂乃果を、海未を、ことりを、凛を、花陽を見た。

 みんな驚いたり、悲しんだりしていた。特に穂乃果とことりは泣き出しそうになっていた。

 よし、ここで長々と話すのは得策ではない。

 

 「今までありがとうございました。以上です!」

 

 みんなずっこけた。

 すると祐次が立ち上がった。

 

 「今ので終わりかよ!」

 「そうだ」

 「もっと他に言うことあるだろ!?」

 「ないっ!」

 

 言いきってやった。

 こんなことより穂乃果たちのケアが最優先だ。

 

 「・・・これでいいのか藤間?」

 「満足した」

 「ならいい」

 

 以上、藤間拓人からでした。と先生が告げた事により、何ともぐだぐだのまま俺のあいさつは終わりを迎えた。

 そこで俺は再びマイクを口元に持っていき、

 

 「連絡です。五年一組の高坂穂乃果さん、園田海未さん。五年三組の南ことりさん、四年・・・生の星空凛さん、小泉花陽さんはその場に残ってください」

 

 りんぱなが何組か分からなかったせいで何とも締まらなかった。

 先生が横で笑いをこらえているのがむかつく。

 

 「じゃあ、ブフッ、一年生から順番に、ブフフッ、退場してくれ・・・もう無理。あっはははは」

 「笑いすぎだよ!よくあんた教師になれたな!」

 

 しばらくすると体育館には俺と五人しか残らなかった。

 生徒だけじゃなく、先生たちも空気を読んで退場してくれた。

 

 「とまあ、かくかくしかじかで」

 

 俺はきちんと一からみんなに説明した。

 

 「・・・つまり高校生になるときには帰ってくるってこと?」

 

 そう返してきたのは穂乃果だ。

 さっきよりはいいがやはりショックが大きかったらしい。

 

 「まだ分からないけど、今はそのつもりだよ。それに東京にも遊びにくるし。その時には遊ぼうな」

 

 五人はそれぞれ何か言いたそうにしていたけど、口を開くことはなかった。

 

 「明日俺の家でみんなで遊ばないか?」

 

 なので、俺は本題を切り出した。

 

 「とりあえず祐次とかは誘う。でもやっぱお前たちにも来てほしいんだ。来てくれないかな?」

 

 穂乃果と海未とことりはすぐ頷いてくれた。

 

 「・・・凛たちも行っていいの?」

 「いいに決まってるだろ?凛も花陽も大切な友達だ。むしろお願いするよ」

 

 すると凛も花陽も頷いてくれた。

 

 「じゃあ、約束な。明日は十時半俺の家集合ってことでよろしく!凛と花陽のことは海未とことりに任せることにするよ」

 「穂乃果は!?」

 「いや、穂乃果には任せられないだろー」

 「ひどくない!?」

 「ひどくない。というわけで任せたぞ二人とも」

 「うん、わかった」

 「はい、任せてください」

 「んじゃ、教室に戻るとするか」

 

***

 祐次たちに明日の話しをした後、俺は一人で下校し、先生からもらった住所と道のメモを頼りに慣れない道を歩いていた。

 ていうか簡単に教えてもらえたのはいいんだけど、ほいほい教えちゃだめでしょ絵里の担任の先生。

 

 「この辺りかな」

 

 周りを見渡すと絢瀬という表札が目に入ったので近づき、インターホンを押してみたが、反応がない。

 

 「買い物にでも行ったのかな?」

 

 その時、隣の家からおばあさんが出てきた。

 

 「あ、こんにちは」

 「こんにちは。絢瀬さん家に何か御用?」

 「はい、友達に会いに来たんですけど・・・」

 「あらま、絢瀬さんたち今日からしばらくロシアへ行くそうよ」

 「え・・・」

 「たしか帰ってくるのは十日後だったかしら?その頃にまたいらっしゃい」

 「はい・・・」

 

 そう言うとおばあさんはどこかへ歩いて行ったが、今の俺にはひどくどうでもよかった。

 なんて最悪なタイミング、十日後じゃ絶対会えない。

 ちゃんとお別れを言いたかったけど、これじゃ無理だな。

 これ以上ここにいても仕方ない。

 俺は元来た道を引き返し始めた。

 来るときはあんなに軽かった足が今はひどく重かった。

 

 小学生編END




 いかがでしたか?
 楽しんでいただけたならば幸いです。
 
 あと、拓人の引っ越し先を仙台にしたのは適当ですw
 決して筆者が生息しているからとかではございませんw

 ではご覧いただきありがとうございました。

2月9日 追記:私のミスで、小学生編が残り一話と書いてしまい、申し訳ございませんでした。小学生編はここで終了となります。
 ただ、みんなで遊んだ時の話が見たいという要望がもしあれば書くかもしれません。
 
 これからも『ラブライブ!~未来を拓く物語~』をよろしくお願いします
 
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