本当にありがとうございます!モチベ上がります!
前回の投稿から少し、間が空いてしまいましたが、無事テストも終了したので、これからバリバリ行こうと思います!
それではどうぞ!
第七話 春休み
俺が転校してから二年が経過し、現在は中学に入学してから初の春休みの真っ最中だった。
穂乃果たちがいない生活はきつかったけど、俺は仙台での生活にすっかり慣れていた。
”ぴろりーん”
「ん?RIME来た。誰からかな・・・なんだ穂乃果か」
穂乃果たちがいない生活とは言ったものの完全に付き合いがないわけじゃなかった。
むしろ小学生の時は週一で電話してた。
一人ずつとしてたんじゃなく、三人が穂乃果の家に集まって一緒に話してたって感じだな。
まあ、今はほとんど『RIME』なんだけどな。
『RIME』っていうのはコミュニケーションアプリのことで、中学の入学祝いとして買ってもらったスマホにインストールして使っている。
まあ、文章だけだと味気ないからたまに無料通話機能使って電話してるんだけどな。
「でもやっぱ会って話したいな」
穂乃果の他に海未とことりも参加しているグループで穂乃果に対して返信しながら、俺は無意識のうちにそんな言葉を口にしていた。
すると母さんが聞いていたようでにやにやしながら話しかけてきた。
「なーに?穂乃果ちゃんたちが恋しくなってきたのー?」
「べ、別にそんなんじゃねーし」
「ふふふ、それにしてもこっちに来てからあと少しで二年経つのね・・・真穂元気かな―、しばらく会ってないし会いたいなー」
そうなのだ。こっちに来てから父さんの仕事が忙しいということもあり、高坂家に、そもそも東京に遊びに行くことができなかった。
「拓人も本当は会いたいんでしょ?」
「いや、そりゃまあ」
会いたいに決まってる。穂乃果にも海未にもことりにも。それに凛にも花陽にも、できることなら絵里にも会って謝りたい。
「じゃあ、これあげる」
「え?なにこれ?」
って、新幹線のチケットじゃないですか。
「・・・なんで?」
「なんでって東京行きたいんでしょ?行って来なさいよ」
いやいやいや!え、俺一人で!?
「ちょ、なんで急に!?」
「いや、春休みだしいいかなって」
「行かないって言ったらどうするつもりだったんだよ」
「決まってるじゃない。母さんが行くわよ」
「そ、そう。でも、日付見る限り一泊しなきゃいけないだろ?どうすんだよ」
「高坂家に泊めてもらいなさい」
「はぁ!?」
むちゃくちゃな!女の子が二人もいるんだぞ。そんなの堅治さんが許すわけ・・・
「ちなみにもう許可はもらってるわ」
「堅治さぁぁぁぁぁん!!」
まあ、久しぶりの高坂家だから嬉しいという気持ちもある。恥ずかしさの方が勝るけど。
「さ、そうと決まったら買い物に行って来なさい」
「買い物って昼飯の?」
たしかに、朝に覗いた限りでは冷蔵庫の中には何もなかった気がする。
あ、でもちくわはあったな。無駄に十袋くらいあったんじゃね。
このままじゃ昼飯がちくわ尽くしになっちまうもんな。
「そんなことはどうでもいいわ!」
「そんなことだと!?ふざけるな!ちくわで飯が食えるか!」
「ちくわも調理次第でどうとでもなるわ」
「ほう、なら見せてもらおうではないか。ちくわ料理の真髄をな」
「あんた何言ってんの?」
真顔でツッコまれた。きゃあ、恥ずかしい。
「じゃあ何の買い物だよ」
「服よ」
「服?この前買ったじゃん」
「あんなの着て行くなんて許しません!」
「あんなの呼ばわり!?」
いや、たしかに普通極まりないのを選んだけどそこまで言うか・・・
「いい?これから会いに行くのは将来のお嫁さん候補の子たちなのよ?」
「なんでさ!いつの間にそんなことになってんの!?」
「お黙りなさい!」
理不尽だ・・・
「いや、そもそも誰とも付き合ってすらないし・・・」
「じゃあ、この際お嫁さん候補云々は置いておきましょう」
「いや、置いとけねーよ。その認識から直さないと」
「そうね、なんて言えばわかりやすいかしら」
「聞けよ!」
くそー相変わらず人の話を聞かないな。この夫婦はそんなとこばかり似てやがる。
おっと、母さんが何か思いついたみたいだ。
まあ、何を言われても負けるつもりは――――
「あの子たちに会って、あんたの格好を見られた時にださいって思われたとしたら?」
「ぐはっ」
負けました。
バタりと倒れこむ俺。
「あ、あいつらなら気にしないはずだ・・・」
「そうそう、ことりちゃん最近洋服にハマってるみたいよ。将来はそっちに進もうとしてるわ。そんな子があんたを見たらどう思うか・・・」
「がはっ」
追加ダメージ入りました。
「それと、受け入れてもらえたとしても、一緒に歩いてるところを学校の友達に見られたりなんかしたら・・・」
「もうやめて!俺のライフはゼロよ!」
そんなにひどかったのか、俺のファッションセンス・・・
「拓人のファッションセンスはゼロよ!」
「言い切られた!?」
「さて、そろそろ来るころかしら」
「おーけー、もう何も言わん」
急な話題転換にはもう慣れた。
こんな時は何を言っても無駄なんだ。
ピーンポーン!
「来たみたいね」
宅配便かな?
「こんにちは、希ちゃん。急にごめんなさいね」
「いえ、私も暇だったので良かったです」
「さ、あがってあがって」
「はい、おじゃまします」
ん?希ちゃん?もしや・・・
「やっほー、拓人君」
「なんだ希か」
「なんだって酷くない!?拓人君はいっつもそうやって―――」
希は同じアパートのお隣さんで、引っ越してきてから知り合った一個上の女の子だ。
今はこっちで一番仲がいいと言っても過言じゃない。いや、他にも友達はいるけどね。
希は親がいわゆる転勤族というやつで、いろんなところに引っ越しているらしい。
そのせいもあってか初めて会った時、希はとても暗かった。というか人と関わろうとしていなかった。
俺は、そんな希をなんとかしたいと思ったんだ。
多分俺は、絵里と希を重ねていたんだと思う。
案外いい友達になるかもな。
「ちょっと拓人君!聞いてるの!?」
おっと、思考に意識を持っていかれて聞いてなかった。
「聞いてるよ。俺はやっぱあれだなビントロが好きだよ」
「誰も好きなお寿司のネタなんて聞いてないよ!?」
「じゃあ、聖○戦争で呼び出すならどのサーヴァント?って話だっけ?」
「全然違うよ!それと私はヘラクレスがいい!」
「ああ、希神話とか好きだもんな。現在進行形で中二病だもんな」
「そ、そんなことないもん!」
やっぱ希はイジると面白いな。
それとなぜか近い将来、希が中二病で得た知識を活かす場面が来るという確信めいた予感が俺の中にある。いや、なぜかはわからんけど。
「イチャイチャするのは構わないけれど、本題に入ってもいい?」
呆れた様子の母さんがそう言ってきた。
「いや、イチャイチャなんてしてねーよ。な、希?」
「え、あ、うん。そもそも友達だし、そんなことはないですよ?」
「別に拓人のこともらってくれてもいいのよ?」
ボッ!と音がしそうな勢いで希の顔が赤くなった。
ていうか母さん、あんたさっきまで穂乃果たちのことお嫁さん候補とか言ってたじゃねーか。いや、認めたわけではないけど。
「ななな、何を言うんですか!優子さん!」
我に返った希が母さんに詰め寄る。
あ、優子というのは母さんの名前だ。
「そうだぞ、母さん。俺たちはただの友達だ」
なぜか希がジト目で俺を見てくる。
「そうだね。”ただの友達”だもんね。ふんっ」
なぜか希が怒り、ここで会話が途切れた。
「じゃあ本題だけど拓人、これから希ちゃんと買い物行ってきて」
「なんで?」
てか、今機嫌悪いじゃん。やだよ。
「希ちゃんならきっとあんたに似合う服選んでくれるからよ」
まあ、希はセンス良さそうだもんな。
「たしかにその通りだな。でも希が行くかどうか・・・」
ふと、希の方を見ると目が合った。
あ、またそっぽ向いたけど、こっちをチラチラ見てくる。
誘えってことですね。
「希、一緒に服買いに行ってくれないか?」
俺がそう言うと希はさっきまでの表情から一転、満面の笑みに変わった。
「うん、仕方ないから行ってあげる」
「さ、さんきゅ。じゃあ行こうぜ」
そんな希の笑顔を見て、かわいいと思ってしまったことは内緒だ。
{おまけ}
***三時間後、ショッピングモールにて***
「いやー、希のおかげでいいの買えたと思うよ。ありがとな」
「ふふっ、どういたしまして。そういえば、なんで急に服買いに来たの?」
「いや、明日から明後日にかけて東京行くんだけど、幼馴染たちにも会うし、ちゃんとした服の方がいいかなって」
「ふーん。その幼馴染って前に話してくれた女の子たちのこと?」
「あ、覚えてたのか。そいつらで合ってるよ」
「ふーーん」
「何怒ってんだよ希」
「別に怒ってなんかないもん!拓人君のばかっ!」
「ええっ!?なんで怒ってるのか分かんないけど、とりあえずすまん!」
「・・・クレープ」
「りょ、了解。ならそこの店で」
「・・・二階のあそこ」
「え、でもあそこ高いじゃ――・・・はい、わかりました」
「じゃあ、はやくいこっ?」
「変わり身はやっ!ほんと現金なやつだなーまったく」
「気にしない気にしない。ほらはやく!」
「分かったから引っ張るなって」
~終~
いかがでしたか?
楽しんでいただけたのなら幸いです。
次は拓人が東京へ行きます。果たして何が起こるのか。乞うご期待。
あと二、三話ほどで中学生編を終わらせ、本編に入る予定ですので、本編待ちの方はもう少しだけ待ってください。
それではご覧いただきありがとうございました。