篝火への、つまり太陽の光の王への供物にと、修道院の中から私が選ばれた。
篝火へと奉げられた人間性は火防女の魂までも食い荒らし、それでも生かす。そう聞いていたので私はこれ以上ないほど恐ろしくなり、逃げ出そうとした。すると、私を供物にしようとした教会の者は私の両足の、膝から下を切り落とした。
そして、スズメの涙ほどの情けによって形ばかりの義足を付けられ、赤黒く汚れた聖女の服を着たまま私は供物と、不死人のための人柱となった。
世界が終わるのを待った。
十数年経った頃だったろうか、ある不死の青年がよく話しかけてきた。不死ということがあって実の年齢は知らないが、とにかく言動から容姿まで青年だった。
ロードランにはマトモな話し相手がいないという事もあって、彼とよく話していた。彼は農民の出だったようで、植物についてよく話してくれた。それについては教養があり、彼と話す時間は楽しかった。
だがある日、他の不死者と同じようにパッタリと来なくなった。
それからは時折訪れる者の言葉にもあまり返答しなくなったし、長引く終わりの見えない試練に自ら命を絶つ者も多く、不死人も減り始めていた。そして増々、私の会話は減っていった。
この頃から声帯が変質化し、醜い声が出るようになった。
あの青年と同じようにどうせ皆死んでしまう、と私は心の底で思っていたのだろう。
一つ目の鐘が鳴ってすぐ、気が付いた時には金の鎧を着た男が牢の前にいた。その姿を見た瞬間、蛇のようだ、という感想が真っ先に浮かんだ。
彼はフラッとどこかへ行ったかと思うと人間性を増やして帰ってきており、私は経験からこの男はソウルを奪う者だと理解した。
そして二つ目の鐘が鳴った時、蛇のような静かさで牢の前に来た彼は私を格子の前に誘い出し、その異形の刃を振った。
足を失った私がそれを避けられるはずもなく、彼は難なく私の魂を手に入れた。
目が覚めると、目の前にはいつか話しかけてきた青年がいた。目つきは大人のものへと変わっていたが、確かに青年だった。。そして彼は小脇に強大な力を持つ大きな杯を抱えていることから、彼は成し遂げたのだという事が分かった。
どうやら、彼が私の魂を彼から取り返し、この体に返してくれたらしい
この事についてお礼を言いたかったが、私の修道服が無いのことについて少し聞きたいため、まずはその話からすることにした。