狂医者の死神奇譚   作:マスター冬雪(ぬんぬん)

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少しだけ長くなります


▼悩める子羊

小生がヒソカの取り成しのお蔭で幻影旅団と渡りが付けられたとして、それでも小生の日常は変わらない。殺して、拷問して、人形を作って、また殺す。それに情報収集が追加されただけだ。

そこそこそれなりに悪くないとの事で、団員の好みそうなのを見繕って寄越した。

 

黒ずくめの小男(フェイタン)には特殊な拷問器具を一通り取り揃えていた殺し屋一家。

野性味のある大男(ウボォーギン)なら強そうな護衛のいる屋敷。

金髪の腹黒そうな優男(シャルナーク)はとある電脳ハッカーの直通アドレス。

 

そして影のような男、団長クロロには街の入り組んだ道の先、知る人が知るオーラの籠る書を取り扱う古書堂を。

 

 

人格破綻者であり彼らと同じく戸籍のない小生を、彼らはヒソカよりは使えると認識したらしい。……ヒソカは癖がありすぎて制御ができないのである。どこのコミュニティでも彼はどうしても浮いてしまうのだ。彼の場合人に合わせるよりも自分が愉しむ方に重きを置いているためであるが。

 

小生は彼らの連絡先を携帯端末に収めている。彼らは時たまに半死半生のアマチュア賞金首ハンターを駄賃代わりに寄越してくれるのである。……出来れば無傷で活きのいいのを嬲り(虐め)殺したいんだけど、それは文句言わない。

 

……フェイタンの拷問を受けたヒトは結構イイ人形に仕上がるから、彼のソレは結構気になっているんだよねェ……。

 

やっぱり新鮮な恐怖かなぁ。でも1度思いっ切り怒らせてその怒りの表情のまま殺してしまいたいんだよなぁ。

 

などと考えながら、小生は燦々と日の照る町を歩いている。

この町はそこそこ広く、しかし都会でもない。煉瓦の地面に行き交う車。子の数は少なくなくとも多くもない。周りは木材に適した木々に囲まれ、土木工事により町は今なお少しずつ広くなっているようだ。

穏やか且つ賑やかな、といったところか。殺しにはあまり向かない方に活気のある場所だ。地名は興味がないので忘れてしまった。

 

現在ヒソカは近くにいない。当然のように別行動である。何やらまた悪巧みをしているらしいが、彼の陶酔は彼の物。そして小生の悦楽は小生の物。相変わらず彼は猫のようだった。……いや、猫型の大型肉食獣……?思わずトランプ柄の豹を思い浮かべて、1人小さく笑ってしまうのである。

 

 

……ヒソカは小生を子供と言う。頭と身体ばかり大きくなっただけの稚拙な精神性は、一種の疾患だと。

殺人に矜持は必要なのか?

殺したいから殺していた小生にはよく分からない事だった。

やけに生ぬるい視線を小生に向けたヒソカは、ゆっくり考えていけばいいよなどと宣った。どうやら本当に小生は子供らしい。分かるのはそれさえ何なのか分かったらヒソカの食指が動く段階になれる事と、あまり焦らすとヒソカが小生を踏み潰してしまう事。結局快楽殺人鬼は自分本位なのだ。

 

 

 

 

 

ふらりと大通りを抜けて路地裏に赴き、素体を2つ拵えて顎に指を当てる。

初めの殺人は両親だった。

動機を思い出すのも一苦労だった。とうに過ぎ去った事だったし、あの人形は直ぐに警察に持っていかれて焼かれてしまったから。

だけど、ああ。どういった施術をしたのかは覚えている。

 

「ええと、此処を……こうだったかな」

 

泣き叫ぶ男女はどう見ても両親には似ていなかった。生かしたままの状態で人を捌くのは久し振りで、どうにも手を誤ってしまったらしい。女がか細い声を零して死んでしまった。

 

「ううん、最初は上手く出来たのになあ」

 

もっと、こう。なんて言うのか。そう。

違うのだ。

 

 

─────もっと生かそうとした。生かしたまま殺したかったのだ。

 

 

「生かす……生かすねえ……」

 

失敗作を指で突く。男の方は恐怖の顔を浮かべながら、恋人と同化した体を見て、うごうごと末端を蠢かせている。

 

「どうしてだったかなぁ。……うーん、」

 

考え過ぎて頭がこんがらがってきた。

打ち捨てられた木箱に腰掛けると、軋んだ音がする。

 

屍食犬(グールドッグ)甲骨蟲(ボーンインセクト)、食べちゃって……あ、頭は残しておいておくれよ。加工してお化けランタンにするから」

 

中身はどうでもいいけれど。

這い寄るように現れた腐肉に蛆の湧いた犬と骨の虫は、瞬く間に失敗作に群がっていく。

小生の()。─────医学。

 

 

─────お前は人を愛しなさい。

─────人を愛して、人を救いなさい。

 

 

……あなた達は()を愛さなかった癖に

 

 

 

 

 

億劫になりながらも立ち寄ったのは小さな書店だった。

覗き込んだのは医術書のコーナー。並ぶ文字はやはりあの世界の物とは違っていて、それでも似たような事が書かれていたり、違う見解もあったり。直ぐに夢中になっていった。

立ち読みに迷惑するような視線は知らないフリ。読了と共に次の本に手を伸ばす。

 

「あ」

「っと、すまねぇ」

 

漫画でありがちな手と手が触れ合うなんてベターな事が起こってしまった。残念ながら両人とも男だったが。

 

「小生の方こそすまないねェ。……医者志望かい?」

「ああ……そういうアンタもか?」

「さてねェ。そうかもしれないしそうじゃないかもしれないよォ」

「……なんだそりゃ」

 

変な人を見る目も気にならない。興味があるのは青年の手に抱えられた大量の問題集だ。

 

「内科かい?外科かい?なんか雑多にあるけどォ」

「え、いや……その。一応内科っス……」

「フンフン。臨床医学に社会医学。看護もあるねェ。総合診療科をより深くした感じかなァ」

 

特定の病気に寄っているようにも見受けられる。

少し罰が悪そうな顔で後頭部を掻く青年は、自分の無茶を自覚しているらしい。

 

「欲張りなのは分かってるんだが……」

「いいと思うよォ。やりたいようにやるのが1番サ」

 

はいこれ。積み上げた本の塔の一番上に、読もうとした医術書を置く。

 

「後悔はいつでも出来るんだから」

「!……おう」

 

眩しいねぇ。

 

 

 

 

 

─────小生にとって医学は娯楽であり将来だった。

医科家系で祖父母が医学界の権威であった為に、家には大量の医学書があった。幼い頃からそれは子守唄で、絵本で、遊びの道具。危ない事はさせてもらえなかったけれど、小生は本が擦り切れてしまうまで夢中になって読んだ。……両親は多忙で、あまり小生を構ってくれなかったし。

 

中身が、ただただ気になっただけだった。

実際に触れて、温かさを知った。それが転機。

 

書痴も宛らな小生を最初は気にしなかった両親も、小生が蛙や鼠や犬や猫をナイフで解体し始めた時に漸く、小生がおかしい事に気付いた。

 

 

小生を叱り、叩き、諭す。

医学は人を救う為にあるのだ。命を弄ぶ為にあるのではない。

 

─────お前は人を愛しなさい。

人を愛して、人を救いなさい。

 

……今思えば、両親は義憤に駆られただけなのだろう。こんな、いつか人を殺してしまいかねないニンゲンを、世に出してはいけないと。

ずっと、ずっと、僕に言い聞かせる(僕を怒鳴る)

 

命は軽んじてはいけないの。

命は尊いものなのよ。

お前は人を愛しなさい。

命を愛しなさい。

 

愛しなさい。愛しなさい。愛しなさい。

 

 

─────わからないよ。愛ってなぁに?心臓にあるの?それとも脳?猫や犬にはそんなもの(異物)はなかったよ。

人間には、あるの?

 

 

絶句した彼らは僕を閉じ込めてしまった。

僕を生んだのは間違いだったと囁いた。

 

どうしてこんな事をするのと聞いても、両親が僕に向ける目は、おぞましい何かに向けるそれその物だった。

恐怖。

怒り。

嫌悪。

おおよそ、悪感情と呼ばれるそれ。

生きたまま縫い付けられた彼らはずっと、僕を諭して叱る時も同じ目で、僕を見ていた。

 

 

それが愛ではないことを僕は自然と理解した。

 

 

─────なぁんだ。あなた達の方こそ、(ニンゲン)をアイしていなかったんじゃないか。

 

 

 

 

 

ぼんやりとオープンテラスのカフェで氷水になってしまったオレンジジュースを掻き混ぜていれば、何やら表通りが騒がしい気がして、ついとそちらに耳を傾けた。

轟音、悲鳴、泣き声、油のツンとした臭い、燃え盛る火の手。

 

「おやおや、事故かな?」

 

お代を置いて其方に足を向けると、大きな人集り。殆どは野次馬だろう。

血の匂い。それと人体の焼けた匂いがする。

 

「ちょぉっと通しておくれよォ……っと」

 

遠巻きにした野次馬から抜け出ると、そこには人影が3つ。

 

泣きじゃくる小さな子供。

焼け焦げた血塗れの男。

 

そしてそれを汗と泥と血にまみれながらも必死に手当をする、先程書店で会った青年だった。

 

「ねェ、救急車は呼んだのかい?この町に病院は?」

「あんた、外の人か?……無理だよ」

「……無理とは?」

「うちの町の医者は手術なんかしないよ……」

「ぼったくりの冷血漢さ。金がなきゃ絆創膏1つくれやしない。だから皆病気になったら隣町に行くんだ」

 

これは酷い。

 

「隣町の医者も、そんな重症人は診れないし、駆け付けるにも間に合わないって断られて……」

 

既に電話した後だったかあ。

見た所、交通事故のようでいて、不幸が重なってしまったようだ。

子供が轢かれそうになったのを男が助け、車は建設中の建物に衝突し。

その所為で建材である鉄骨が落下。男の下肢は下敷きに……。

かろうじて危険な場所からは連れ出せたらしく、血の道が建物付近から続いている。

 

流血は腹部、脚部。右脚は鉄骨により圧潰(あっかい)

腹部全体は中度の火傷。創傷部は赤い肉が剥き出して、何より重症なのは腹部の裂傷。これは臓器にまで達している。

 

……それを適切に応急手当した青年は良い筋をしていると思った。ただ、その手は止血の後、ぱたりと止まってしまうのだが。

 

 

「青年」

「っあ、アンタは……」

「手術、した事ないんだろォ。そりゃそうか、見た所医大生って訳でもなさそうだしねェ」

「っ!」

「このままじゃ助からないよォ。キミに出来ることはもうない。……諦めないのかい」

 

青年は汗を大量に額から流しながら、蟀谷に筋を立たせた。

 

「このまま見過ごせるわけねぇだろぉが!!今もこの人は戦ってる、生きようとしてる!オレが諦めたら誰がこの人を助けんだ!!」

「……」

「ここで諦めたら絶対に後悔する!!アイツ(・・・)に顔向け出来なくなる……!」

 

 

オレは!こういう時に!!こういう奴のためにッ!!医者を目指してんだァーーー!!

 

 

それこそ、魂からの叫びだった。

 

「ふ、ふふ……」

「何がおかしいんだ、てめぇ!!」

「ふ、ふはっ!」

 

……惜しいなぁ。心底惜しい。

このまま見殺しにしたら、この青年はもしかしたら、折れてしまうかもしれない。

若く、青い。だがそれがイイ。

 

「アッハハハハッ!!はは、ふ、ひひひっ……!!す、すまないねェ、あはは!あー、……ふふっ。キミの気持ちはよォく分かったよォ。……助けようじゃないか」

「な、ぁ……!?アンタ、医者、なのか?」

「安心しなァ。此処じゃあ無免許医だよォ……ヒヒヒ、」

「あ、安心できねぇ……!!」

「早くブルーシートでもいいから幕作りなよォ。このまま子供や大衆に発禁グロ見せたいのかいィ?」

 

野次馬に手伝わせて工事現場のブルーシートで天幕を張らせる。

 

「小型でも人工呼吸器(レサシテーター)持ってるなんて流石医者志望だね。鎮痛と筋弛緩は?」

「鎮痛剤はあるが、筋弛緩剤までは……」

「……血液型」

「っA!」

「上出来。あの野次馬から輸血募ってきて……あ、針も貸してくれよォ。糸は自前の吸収性(人体から作った有機体の)縫合糸使うからァ」

「そのトランクのは勝手に使ってくれ!」

「……感染症を意識して採血するんだよォ。血ぃ拭きなァ」

 

筋弛緩剤ないのか。

……仕方ない。反射で動かれても困る。

こういう使い方はした事ないけど、まあ本懐ではあるか。

 

「─────《狂った医者の手術室(マッドドクターズオペルーム)》」

 

《術式開始》。

 

 

 

圧潰した右脚は腿辺りでベルトによって固く締めて止血されている為に後におく。

 

腹部を開腹。実質臓器である腎臓が損傷している。体液、血液の流出確認。少し深いが、全摘する程でもない。

 

「腎臓部損傷、他臓器は出血無し。部分切除、縫合する」

 

メス、鉗子、剪刀。術式道具全て、それぞれに筋弛緩剤や鎮痛の効果を詰めて具現化した。

 

助手として優秀な青年は今もなお、疲労の残る様子で真摯に患者に向き合っている。

それをチラと見、小生は手を動かす。

 

いつもの感触。

いつもの匂い。

いつも通りではない、死を払い、生を掬いあげる感覚。

 

針を通し、体内で溶ける糸で縫い、結ぶ。

綺麗な裂傷で良かったね。目視で確認する上では中に異物は残っていない。

……小生、放出系統は苦手なんだよ。

 

 

「縫合終了。閉腹、」

「す、すげぇ……」

 

「感嘆してる場合じゃないよォ。次、脚。切るよォ」

 

「っ!」

「止血したお蔭で失血死は免れたけどォ、このままだと壊死して感染症を引き起こしかねないからねェ。……そう考えてここまでキツく締めたんだろ」

「……ああ」

どうやら事故当初、男の意識があったらしい。

助けた子供の心配、必死に手当する青年への感謝、……そして潰れた右脚への諦念。

 

「切ってもいい、って。生きたいって言ったんだ、この人」

「……良い覚悟だ」

 

完全に潰れてしまった膝下。

 

「動かないよう押さえられるかい」

「ああ……!」

 

取り出した鋸の刃が肉に食い込んで、骨に切込み、耳障りのする音を立てて、落ちる。

その手が血塗れになるのも厭わなかった青年は丁寧に脚の残骸を下ろすと、食い入るように断端を整える作業を見つめた。

 

「綺麗に縫ってあげるからねェ。義足を作る時驚かれるくらいに」

「義足……」

「彼次第だけど、きっと歩けるようになるさ」

 

骨を、神経を、血管を。綺麗に綺麗に縫い合わせて、丸く、袋を閉じるように。皮膚を留め、余分を残して切り落とす。

 

 

「はい、おしまい。……よく目を逸らさなかったね」

 

 

青年の顔色は真っ白で、恐怖と緊張に身体は慄き、それでも血走った目でその全てを見届けたのだった。

 

 

 

 

 

助けられた子供の親の善意でシャワーを借りれた小生は、病室代わりに宛てがわれた部屋の前に座る青年にカップを差し出す。

 

「飲みなよ、落ち着くよォ」

「……ああ」

 

甘い蜂蜜入りのホットミルク。

力なく受け取った青年に小生は笑って首を傾げる。

 

「今度隣町の病院に入院になるんだってさァ。全くこの町の医者ときたら、医者の風上にも置けないよねェ」

 

なんておどけて嘯く。

 

「……オレは……これで、良かったんだよ、な?」

「後悔してるのかい?」

「いや……後悔はしてない」

「それでいいんだよォ。医者になるんだったら、この先もこういうの、沢山あると思うけどねェ……あ、キミ内科だっけ?」

 

彼の隣に立って壁に背中を任せる。

 

「……友達を、」

「ん?」

「病気で……。……治せる病気だったのに、手術代が高くて、そのまま……」

 

ぽつりと呟かれたそれ。

 

「だからオレは医者になって、他にもそうやって苦しんでるやつを治して、金はいらねぇって言ってやりてぇ。だから……」

 

大きな安堵と、不安と、少しの弱音。

 

「……けど、大学に行くには金がいる。笑っちまうだろ?」

「いいや、笑わないさ」

「……そっか。……アンタ、さ。医者、なんねぇの?」

「ならないねェ。なる気がない。なりたくもない。今回のは特別サ」

「そーかよ」

 

なんだか、不服そうだ。

助けられるのだから助ければいいのにとでも言いたげで、それでも口に出さない点は彼の美徳だろう。

 

「で?キミはどうするんだい、これから」

「隣町の病院まで着いていくつもりだ。一応、当事者だし……」

「なら施術に加担した事は言うんじゃないよぉ?無免許手術は犯罪だからねェ。小生はとっととおさらばさせてもらうからァ」

「やっぱ勿体ねー……」

 

少しは元気が出たのかね。

ぐいっとミルクを飲み干した青年は小生に名を問う。

 

「ええー?名を聞くなら自分から、」

「レオリオ。レオリオ=パラディナイトだ」

 

遮られてしまった。

 

「ルカ。小生の事はルカちゃんと呼ぶといいよォ?」

「男をちゃん付けで呼ぶかっ!」

「ヒヒヒヒッ!面白いねェキミ。小生、キミのことはレオリオちゃん(・・・)って呼ぶ事にするよ」

「ちゃん付けすんな!鳥肌立ったわ!!」

 

カッコイイ名前だねぇ、見た目チンピラだけどォ。

誰がチンピラだ!

 

「頑張ってお金貯めるのかなァレオリオちゃん」

「ちゃん言うな!……いや、地道に貯めたとしてもキリがねぇ。オレはハンター試験を受けるつもりだ」

「……へぇ。死ぬかもしれないよ」

「医者になれねぇなら死んだも同然だ……!」

 

ハンター試験。正式名称プロハンターライセンス授与試験。

生死不確定、文字通り命懸けの試験だ。

怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣など、稀少な事物を追求するハンターという職種には勿論医療ハンターの枠組みもある。が、〇〇ハンターとはどういう仕事を重点的に行うかによる俗称であり、ハンター資格に種類があるわけではない、所謂通り名のようなものらしい。

ハンターになればハンター専用の情報サイトを利用できるようになる、各種交通機関・公共機関のほとんどを無料で利用できる、一般人立ち入り禁止区域の8割以上に立ち入りを許されるなどのメリットがある、国際的な資格である。ハンターの証であるハンターライセンスを売れば相当な高値になるとか。

 

その特典の中にはレオリオちゃんの目的である国立医大の高額な学費の免除も含まれている。

 

「頑張ってね、レオリオちゃん」

「おう!……だからちゃんって言うな!!」

 

 

 

 

 

「やあ♥見てたよ♠あの手際、素晴らしかったなぁ、思わず興奮しちゃった♥」

「覗き見は悪趣味だよヒソカ」

 

町外れの一角、待ち合わせ場所でトランプを弄んでいたヒソカは小生に笑いかける。

 

「何か見つかったって顔してるね♦イイ顔♣️」

「とっても不愉快な小生のルーツをね。お蔭で脳の中で幻聴がするよ」

 

 

命は軽んじてはいけないの。

命は尊いものなのよ。

お前は人を愛しなさい。

命を愛しなさい。

 

人を愛して、人を救いなさい。

 

 

「小生はヒトが好きだからね。だからヒトを殺すんだ。……まあ、殺さずにはいられないって事も大いにあるんだけど」

 

 

それは愛だった。

愛には蛆が湧いていた。

憎悪はなかった。

あるのは少しの恨めしさだけ。

 

 

「ヒトの死。小生はヒトを生きたまま殺したかった(死んでしまったものを生かしたかった)んだよ」

 

 

だから、ずっと。

美しい(生ある)人形()を作り続けていた。

 




言われたとおりに、従順に
人を愛した男の話。
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