冬の城の少女に召還された彼は、その剣を以って冬木の地を駆け抜ける!
ちなみに予告編です。
とりあえず、コイツを召喚したら敵に出会う毎に名乗りまくるんだろうなぁ。
第五次聖杯戦争に参加するため、アインツベルンの城ではサーヴァント召喚の為の儀式が行われていた。
触媒はギリシャの神殿から削り出した岩塊。これならば、かの大英雄ヘラクレスを呼び寄せる事が出来る。
「されどその眼は混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我は、その鎖を手繰る者」
召喚の詠唱の中に、更にバーサーカーとする為の呪節を挟むイリヤスフィール。
英霊召喚の中で、数少ないクラス指定を出来るのが、バーサーカーというクラスの特徴でもある。
「汝、三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
そして呪文が唱え終わる。
直後、召喚陣から眩い光が溢れ、大聖堂内を包み隠した。
(召喚……できた!)
確信を持って感じる。
やがて光が収まるにつれ、召喚されたサーヴァントの輪郭が露わになってくる。
「……?」
が、イリヤは喜ぶ事はなく、むしろ怪訝そうな顔をする。
それは召喚された英霊の姿形が、どうにも変だと思ったからだ。
人間……に見えない。たしかに伝承では人の形を持たない英雄もいるが、それを抜きにしても妙だと思った。
「……え?」
やがて、その姿がハッキリしてくるにつれ、イリヤは己の胸中に抱いた考えが正しかったと知る。
その存在は、一目で人間と判別できる要素はなかった。
全体的な印象は灰色。鎧はおろか、肌も白く、頭は髪が反り返り、異形の風体を漂わせている。
不気味だ。そう彼女が思ったのも不思議ではない。
何故なら、その姿は伝承でしか見た事のない、まるで鬼や悪魔を思わせる格好をしていたのだから。
「誰……?」
恐る恐る、現れた異形の存在に声を掛けてみる。
一応は己が召喚したサーヴァントだ。ならば気味が悪くとも、声を掛けねば示しが付かない。
そう彼女は思っていた。
「―――よくぞ聞いてくれましたっ!!」
……だが、そんな彼女の不安な考えは、この直後に覆る事になった。
異形の存在はイリヤの言葉に反応したと思いきや、異様なポージングを取り、叫ぶ。
「私の名前は、ゴーガン! ダンテス! 幻魔界最高のぉ、剣士!!」
自己紹介だった。それもこっちが恥ずかしくなる程、暑苦しかった。
「……………………えーと」
驚きの余り言葉を失った。
その妙な外見に恐れを抱いていた自分が馬鹿らしくなるくらい、その男は色々な意味で凄まじかった。
「ほう。では、その『聖杯戦争』という決闘の場に、私は呼び出されたという訳ですか」
「大まかに言えば、そうだけど……。貴方一体何者? さっきも幻魔とか言ってたし、もしかして人間じゃないの?」
「然り。この身は貴方たち人間とは違う。人間が築き上げた世界とは別の、幻魔界という世界の住人なのですよ」
「ありがとう、バーサーカー。……バーサーカーは、強いね」
「勿論です。私は貴方のサーヴァントですが、それ以前に騎士とはか弱い女性を守る者なのです。これで私の事を信頼してもらえますね?」
「うん。これからも宜しく、バーサーカー」
「なんという鋭さ、それでいて清澄な剣技か……! この戦いの場で、貴方の様な戦士と巡り会えたのは幸運としか言い様がない!」
「ふっ、当然の事! 私は幻魔界最高の剣士です! さぞや高名な騎士と見受けられるが、本当の名を聞けぬのが惜しい!」
「奇妙な外見に反して、セイバー相手に随分と競り合うわね、アイツ……。名乗り口上はアレだけど、実力には違わぬ物を持ってるわ」
「確かにな。挙動こそ変だけど、アイツの剣技は本物だ。気を付けろよ、セイバー……!!」
「貴様……よく恥ずかしくないな、そんな真似して」
「全然。しかし、弓しか使わないかと思いきや、存外貴方斬り合いの方もやるではありませんか!」
「なに、貴様の様に一技に突出している訳ではない。非才の私には、こうやって得物を変える手段の方が合っているのだ」
「へっ、間抜けな行動をするかと思いきや、結構やるじゃねぇか、テメェ」
「貴方も、中々に豪快でありながら精緻な槍捌き! 貴方の槍と剣を合わせた事で、拙者の血も久々に滾ってきたぞ!」
「ぬかせ。そりゃこっちの台詞だ!!」
「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。いざ、尋常に死合うとしよう。化生の剣士よ」
「ほう、名乗られれば名乗り返さない訳には行きません。私の名前は、ゴーガン! ダンテス! 幻魔界最高のぉ、剣士!!」
「……ぬ。中々に奇抜な名乗り口上よ。これは私も負けていられぬな……」
「雑種風情が。よもや鬼の類が我(オレ)の行く手を阻もうとは、思い上がったものよ」
「私のマスターには手出しをさせませんよ、英雄王さんとやら。我が幻魔最高の一太刀、その身に浴びせてみせましょう!」
「よくぞ、ほざいた。ならば、褒美に我が宝庫に眠る、人の作り上げた魔に抗する為の叡智の結晶を叩き込んでやろう!!」
「なんと……私の剣を『複製』したのですか。しかし人間が幻魔の剣を作るなど、想像以上に負担が掛かっている様に見えますが」
「だけど、アンタの剣は生半可な武器じゃ対抗できない……! だったら、アンタと同じ様な武器を作らなきゃ戦えないだろうが……!!」
「目には目を、という訳ですか。ふっ、その考え方、私は嫌いじゃないですよ」
「ねえ。バーサーカーは、願い事とか無いの?」
「願い、ですか……。私は生前もこうして剣を振ってばかりいましたからねぇ。それに得難い強敵も得た。未練など、生憎ですが何もないのですよ」
「悪りいな。クソったれなマスターからの命令でよぉ。アンタをここで足止めしなきゃならねえ。」
「ええ、構いませんよ。私も、貴方とは決着を付けたいと思っていた所です」
「そいつぁ奇遇だな。不本意な形だが、俺もこうしてアンタとはケリを付けたかったよ。どうせなら、もうちっとマシな舞台が良かったが……」
「ならば、私もここで見守っているとしましょう。貴方とシロウの決着を」
「……良いのか? 私が奴を殺す事になってしまっても?」
「分かりませんよ。勝負の結果という物は、不測の事態が起これば如何様にも変化し得る。ましてや私の剣を作ってみせた少年が、ここで倒れる事など私には想像し辛いのでね」
「貴様ぁ! よもや我(オレ)のセイバーと共に、我(オレ)の歩みを妨げるつもりか!?」
「増援を感謝します、バーサーカー。この男は、今ここで食い止めねばならない!」
「同感ですね、セイバー。あの様な危険な物を、こんな男に使わせる訳には参りませんよ」
「さあ、マスター。最後のご命令を!」
「うん! 最後の令呪を以って、我がサーヴァントに命ず! バーサーカー、聖杯を破壊しなさい!!」
……製作予定、未定です。
感想求む。いや割とマジで。
宝具とかステータスとか全く考えてない。やべえ。
でも書きたい事は書けたから満足っちゃ満足か。