簡単に言うと悪乗りという奴です。これを書いている時に聖杯の泥に侵されていたのかもしれない。すまない、ランサー。そして、キャスターにアサシン。
イリヤ「映画、面白かったね」
士郎「そうだな。かなり昔の作品だけど、王道っていうのかな? 心が熱くなったよ」
凛「私のルートみたいに?」
桜「先輩が熱くなるのは私のルートです!」
イリヤ「ルートの話はしないで!」
セイバー「シロウ! この遺跡に聖杯があるんですか!?」
士郎「セイバー、それは映画の話だ」
凛「でも、この映画でのロケ地は実際にある遺跡が使われているみたいね」
士郎「遠坂。だからって」
桜「そう言えば、先輩。今月も赤字です!」
凛「この危機を乗り切るためにも聖杯は必要じゃない?」
士郎「でも!」
凛「聖杯があるなら、生活費ががっぽがっぽ手に入るわ!」
士郎「遠坂、お前、まさか……」
凛「違うわよ! FXで失敗したからお金が必要とかじゃなくて、これは衛宮くんの生活が苦しくなっているって桜に聞いて……それに、皆と旅行に行きたいし」ゴニョゴニョ
士郎「そうか。なら、聖杯をどうしても手に入れないとな」
凛「衛宮くん……」
桜「姉さんの頼みを先輩が断ることがないと思って準備しておきました」
士郎「桜、ありがとう。それじゃあ、行くか!」
エル・カズネ遺跡前
アーチャー「それで、私とライダーも共に連れてこられたと」
ライダー「それに、話を聞きつけたバーサーカー陣営まで。先が思いやられますね」
セイバー「シロー、お腹が空きました」
士郎「おにぎりだ、セイバー」
イリヤ「シロー、私も」
士郎「はい、イリヤ」
イリヤ「おいしー。あれ? サクラはいらないの?」
桜「うう、ダイエット中なのに……」
凛「衛宮くん、一つ貰うわよ」
士郎「ああ。はい、遠坂」
凛「それに、桜。ここからは危険が待ち受ける冒険よ。昔から腹が減ってはなんとやらっていうじゃない」
桜「そ、それもそうですね。では、いただきます」
凛「よし! 補給し終わったら行くわよ!」
第一の試練 神の息
アーチャー「これは……!?」
セイバー「どうしたんです、アーチャー?」
アーチャー「罠だ。あそこに見える像。あれが起点となっている。一定の距離まで近づくと丸鋸が放たれるようだ」
セイバー「なんと!? では、進めないではないですか」
イリヤ「やっちゃえ、バーサーカー」
バーサーカー「GUOOOOO」
士郎「イリヤ!?」
桜「バーサーカーの宝具、
士郎「桜!?」
凛「目的のためには手段を選ばない。衛宮くん、これが魔術師よ」
士郎「そんな……。あれ? バーサーカーが持っているのって」
ライダー「あの青タイツ。ランサーですね」
ランサー「止めろォオオオオ! ウォッ!」
バシュッ!
セイバー「ランサーが死んだ!?」
士郎 凛 アーチャー 桜 ライダー イリヤ 『この人でなし!』
ランサー「死んでねぇ!」
士郎「ランサー、良かった。けど、なんでランサーがここに……まさか!」
綺礼「気づいてしまったか、衛宮士郎」
士郎「言峰……綺礼!?」
凛「綺礼! なんでアナタがここに!?」
綺礼「なに、引率役は必要だと思ってな。ヨルダンまで飛行機で来るのだ。君たちの身に何かあっては困るだろう?」
凛「それに、その衣装。まんまインディーじゃない!」
綺礼「ああ、昔、代行者の服がこれだったのでな」
凛「嘘ッ……」
綺礼「もちろん、嘘だ」
凛「嘘かい! ねぇ、何か企んでいるんじゃないでしょうね?」
綺礼「神に誓ってそのようなことはない。さぁ、先に進もうではないか」
第二の試練 神の言葉
士郎「文字が書かれたタイルが床に並べられている。これは一体……?」
桜「どうしたらいいんでしょう? 先ほどの罠のように何の対策もなく進んでしまうと死んでしまうような罠に違いありません」
凛「そうね。聖杯……万能の願望器でもあり、聖者の血を受けた杯でもある。なら、それに関連する言葉がヒントになると考えてもいいわね。と、なると……
士郎「流石だ、遠坂!」
桜「姉さん、凄いです!」
凛「ふふ~ん。そうでしょ?」
綺礼「震脚!」
バラバラバラ
綺礼「危ないところだったな、凛」
凛「綺礼! なんてことしてくれるのよ! せっかくの私の推理が台無しじゃない!」
士郎「いや、遠坂。よく見てみろ」
凛「何よ……あれ? Oの字まで崩れてる。なんで?」
綺礼「バアッチ語でエホバはJEHUVAとなる。“O”は外れだ。あと、少しで死ぬところだったな、凛」
凛「ウッ!」
士郎「言峰、ありがとう。お陰で助かったよ」
綺礼「いや、礼などはいい」
綺礼「お前たちが生きていれば面白いものが見れそうだからな」ボソッ
第三の試練 神の道
セイバー「これは……橋がない」
イリヤ「すごい崖だね」
ランサー「これだけの崖だ。オレの足でも行けるかどうかは分からないな」
イリヤ「ランサーは幸運Eだし間違いなく落ちるから話にならないとして、バーサーカーはあっちまで跳べる?」
ランサー「うぉい!」
バーサーカー「GUOoo」
イリヤ「バーサーカーでも無理だって。なら、魔術で隠された道を捜さないといけないね」
凛「道って言ったって……。魔術の痕跡は全く見当たらないわよ」
士郎「なぁ、遠坂。何か匂わないか?」
凛「へ? 洞窟の中の匂いって、まさかガス!?」
士郎「いや、そうじゃない。なんだか、ライダーの
凛「それよ! 衛宮くんの能力なら橋を隠している隠蔽結界の起点を見つけることができるハズ!」
士郎「ライダーの結界と同じような起点を見つけて壊すと橋が出てくるんだな?」
凛「そうよ! 衛宮くん、さっそくお願いするわ」
士郎「任せろ!」
桜「先輩! ライダーにペガサスを呼んで貰いました。これであっちまで飛んでいけますよ」
士郎 凛「……」
聖杯の間
士郎「誰かいる……誰だ?」
「この僕を置いていくなんていい性格をしているじゃないか! 衛宮!」
士郎「慎二!?」
慎二「ああ、そうさ。僕がなぜ先回りしてここに来たのか分かるか? 僕を置いていったお前たちには相応しい罰を下すためだ! 僕の最強のサーヴァントがな!」
桜「兄さんには魔術回路がないのに、サーヴァントとの契約をどうやって」
綺礼「ああ、あまりにも不憫だということで間桐のご老体が召喚されたと聞いた」
桜「おじい様……」
凛「綺礼、その含み笑いを止めなさい」
慎二「おい! 僕を無視するな! ……いいだろう。なら、こいつらを殺してしまえ」
ピカー
士郎「なっ! この黄金の光……まさかギルガメッシュ!?」
オジマンディアス「余は王の中の王。オジマンディアス!」
士郎「なんでさ」
オジマンディアス「そこの小僧から聖杯があると聞いたが……なるほど、貴様らも目的は聖杯か?」
イリヤ「もしかして、アンタも聖杯を狙っているの?」
オジマンディアス「聖杯による受肉。そして、不老不死こそ余が求めるもの。その障害は余、自らが消し飛ばしてくれよう!」
ぱぁああ
オジマンディアス「
凛「これは……固有結界!?」
オジマンディアス「娘よ、それだけではない。征け!
セイバー「なんと! たくさんの獅子がいるではないですか!」
士郎「セイバー、それは奴の宝具だ」
ガガガグゴゴゴミャーゴ
凛「くっ! 固有結界に閉じ込められた上に大量の
アーチャー「凛、私に考えがある。私に合わせろ!」
ボゥ
アーチャー「
BGM エミヤ
アーチャー「
オジマンディアス「余の
凛「それだけじゃないわよ……ガンド!」
桜「フフ……フフフフフ!」
ライダー「
イリヤ「やっちゃえ、バーサーカー!」
バーサーカー「GAAAA!」
綺礼「あれは他の並行世界でのバーサーカーの宝具、
ランサー「ふざけるなァアアア!」
士郎「この戦いを終わらせるんだ、セイバー!」
セイバー「ええ、士郎。エクス……」
オジマンディアス「……皆の者! 余が活躍するFate/Prototype蒼銀のフラグメンツ 三巻もよろしくな」
慎二「諦めるのかよ!?」
セイバー「……カリバァアアアア!」
ちゅどーん
士郎「やった! 聖杯を手に入れたぞ」
凛「何々? 聖杯の効能?」
桜「壁にかかっているなんて、何か温泉みたいですね」
凛「聖杯の効能。聖杯に水を満たし、その水を摂取することで超長寿を得る、ですって!?」
士郎「そんな……所有者の願望を叶えることは?」
凛「できないみたい」
士郎「こんな……こんなものがあるから」
セイバー「シロー、お腹が空きました」
士郎「エル・カズネまでの旅費は聖杯で賄えるとオレたちは考えていた。けど、聖杯の効果は不老不死を与えるだけ」
セイバー「それはつまり……」
士郎「今日の晩飯はなしだ」
セイバー「!?」
士郎「そして、今月のおかずはもやし炒めだけだ」
セイバー「!!??」
冬木
金ピカ「聖杯を探す旅は人間の全てが持つ心の聖杯への旅。しかし、冒険者は聖杯よりも大切なものを見つけなければならん。進むべき道。それが英雄へ至る第一歩となろう」