多重クロスオーバーと言うよりはまど神様転生です。
稚拙な文ですが、よろしくお願いします。
無機質な白い空間。出入口の無い部屋。
その部屋の中には二人の少女が居た。
一人は、腰にまで達した癖の無い黒髪に付けた赤いリボンに、紫色の瞳が特徴的な、人形の様に美しい少女──暁美ほむら。
もう一人は、ほむらの髪よりも遥かに長い桃色の髪の毛を、真っ白なリボンで小さく結わえ、美しく輝く黄金の瞳。その背中には数ミリ程度の薄い桃色の翼。
かつて鹿目まどかと呼ばれた少女だ。
それは奇跡同然の再会だった。
ほむらの左手の甲には、紫色の光を放つソウルジェムが会った。それはまだ、因果を解脱していない事を示していた。
しかし、まどかがほむらの前に再度姿を現すのは、ほむらが因果を解脱するその瞬間のみのはずだった。
まるで夢のような──ほむらが夢にまで見た再開。
そう、これはきっと夢。
だってあの子はあの時円環の理と呼ばれる人より上位の存在になった筈なのだから……でも、あの子は今、私の目の前に居た。
「まどか……」
その、今はもう届かないほどに遠いいはずの友が、目の前に居た。
「沢山話したいことはあるんだけど……ごめんね、ほむらちゃん、時間はないから今は説明だけで許して欲しいの。いきなりだけどほむらちゃんはマミさん達と仲良くしてる?」
その黄金の瞳は、僅ながらに悲しみを帯びていた。
もしかしたら、まどかは既に知っているのかもしれない。
「……えぇ。でも私の友達は、今までもこれからもまどか一人よ」
そんな考えが頭の中を過ったが、ほむらはまどかに心配をかけまいと嘘を
あれは──確か1ヶ月前の事だった。
私がまどかと呟いた時。
巴マミは「まどかって、誰?」、佐倉杏子は「まどかって誰だよ?」と私に問い返した。
二人は、まどかの事を欠片も覚えていなかった。
そう思うと、魔法少女を救うために概念にまでなったまどかが報われないような気がして……その気持ちを誤魔化すように散々二人を罵った。
それを聞いた二人は自分達の何が分かるのかと怒り、そのまま喧嘩別れしてしまっていた。
まどかは私の返事を聞いて、少し寂しそうに微笑む。
「……ほむらちゃん。私ね、ほむらちゃんに思い出して欲しいことがあるの。だからほむらちゃんには、ほむらちゃんの力が必要としている人達を──私の友達を助けてあげて欲しいの」
私の両手を包み込むまどかの小さな手。
「……それが、まどかの望みなら」
その手には温度があって、まどかは居るんだと思うと、目尻に涙が浮かんでしまう。
「ありがとう、ほむらちゃん。私の友達はここじゃない──もっと遠い世界に居るの。でもそこには、円環の理の力が作用しないの。だから……だからこそ、ほむらちゃんにあの子達を助けて欲しいの」
力強く一回頷くと、私の望んだ日溜まりの笑顔を私に向けてくれた。
意識が遠くなる感覚と共に、まどかの手が離れていった。
「頑張って……」
あの時のように、まどかが優しく囁いた。