Fate/Zero フィオ・エクス・マキナ(完結)   作:ファルメール

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第16話 死闘!! フィオVS綺礼

 

「うっ……」

 

「アイリ……!!」

 

 アインツベルン城の離れの中。

 

 魔法陣に横たわった妻が苦しげに呻くのを聞いて、切嗣は思わず声を上げる。

 

 それを見た吸精中のキャスターは、思わず苦笑してしまう。

 

 ご主人様から聞いた話では、衛宮切嗣と言えば一時期は相当な悪名を馳せた冷酷非道な魔術師殺しだという事だったが……

 

 しかしこうして見ている限りでは、本当に妻の手術が成功する事を手術室前の長椅子に腰掛けて必死に祈っているただの夫でしかない。あるいはこれが、本来の彼なのだろうか。シャーレイとも過去に何かあったようだし……それで、素の自分が表に出てきたのかも知れない。

 

 そんな事を考えつつも溜め込まれた魔力を吸収し続けるキャスターだが、どうも吸った端から微量ずつではあるがアイリの中に魔力が入ってきているような、そんな感じがする。

 

 分厚い壁越しにひっきりなしに銃声や爆音が聞こえてくる事から、外では未だ凄まじい戦闘が続いているのだろう。

 

 外の戦況がどんなものかはキャスターには計り知れない。

 

 ただ、今アイリスフィールへと流れ込んで、そのまま自分が吸収している魔力がライダーやランサーの魂ではない事を、キャスターは祈るしかできなかった。

 

 ご主人様やライダーは、自分なら必ずやこれを成し遂げると信じて任せてくれたのだ。ならば自分とて、外の彼女達が必ずや攻めてきた連中を蹴散らすと信じて、為し得る事・為すべき事を為すしかない。

 

『それこそが……私の戦いなのですから……!!』

 

 そう決めて、再び作業に集中する。その時だった。

 

 がしり、と、アイリに向けてかざしていた手が掴まれる感覚がする。

 

「ちょっと、あなた……?」

 

 切嗣が掴んだと思って咎めるような声を上げるキャスターだったが、そうではない。

 

 彼女の手を掴んでいるのは、アイリスフィールだった。

 

 意識が戻ったのか?

 

 いや、それにしてはおかしい。

 

 彼女は今の今まで、床に寝かされていた筈だ。

 

 それがどういう訳か、底無し沼を思わせる黒い泥のようなものの上に立っている。良く見れば着ている服も紫を基調とした衣装ではなく、黒いドレスへと変わっていた。

 

 アイリは優しい笑みを浮かべているがしかしそれを目の当たりにして、キャスターの尻尾や耳が警戒によってぴんと伸びる。特に尻尾は総毛だって、普段よりも一回り大きくなったように見えた。

 

「……!?」

 

 周りを見渡したキャスターは、異常がアイリだけではない事に気付いた。

 

 切嗣が居ない。

 

 それだけではなく、彼女は城の離れの中でアイリスフィールの傍にしゃがみ込んでいた筈なのに、いつの間にか上も下も無い灰色が掛かった虚空に漂っていた。そんな風船のようなキャスターの体を、アイリスフィールが繋ぎ止めている状態だ。

 

「あなたは……!!」

 

 不意に、その手がぐいっと引かれる。

 

 黒いドレスを着たアイリスフィールは足下から少しずつ泥へと沈んでおり、このままではキャスターもその泥へと飲まれてしまうだろう。

 

 泥の中からは嘆きのような、悲鳴のような。そんな僅かな声が響いてくるのをキャスターは感じていた。

 

 まるで、世界の全てを分け隔て無く呪うような。

 

「あなた、よもやそこま、ガ……!!」

 

 アイリの口が、三日月を思わせる形に歪んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 対峙するフィオと綺礼はどちらもまだ微動だにせず、5メートルほどの距離を保っていた。

 

 二人とも相当な使い手であるが故にその構えには寸分の隙も無く。故に先に動いた方の不利はどうしうようもない。

 

 だが、綺礼としてはいつまでもこうしている訳には行かなかった。

 

 キャスターが戦いに出てこないのが気になるが、状況はこちらが不利。間桐雁夜は限界が近いようだし、彼が死ねばバーサーカーも消える。それにアサシンも爆走するライダーの戦車とそこから繰り出される機銃射撃によって徐々に数を減らされてしまっている。

 

 このまま何の動きも無いまま時間が過ぎれば、それぞれの相手を倒したランサーかライダーがフィオの加勢に入ってくるのが目に見えている。そうなれば彼には勝ち目が無くなってしまう。

 

『不利は承知で……動かざるを得ないか……』

 

 そう考えた神父が、打って出ようとしたまさにその時だった。

 

 突然、正面に立つフィオの体が巨大化した。

 

「なっ!?」

 

 いや、違う。巨大化などしてはいない。

 

 震脚からの、活歩。

 

 共に八極拳の技法。地面を強く踏み付け、足捌きすら見せないままに五歩以上の距離を、滑るように移動する離れ業。綺礼も同じ技を使う事が出来る。だがフィオの技による踏み込みは恐ろしく速く。10の距離は一瞬にして0となった。故に綺礼の目には、突如として彼女の体が大きくなったように見えたのだ。

 

 フィオは綺礼が僅かに反応を遅らせたその瞬間を逃さず、素早く腕を取ると合気道で言う四方投げの要領で投げ飛ばしてしまう。綺礼は咄嗟に受け身を取るが、凄まじい勢いで床に叩き付けられた衝撃によって黒鍵を取り落としてしまった。

 

 だがすぐに立ち上がって、拳を突き出す。フィオもまたそれに合わせるようにして腕を振る。

 

 両者はゼロコンマ数秒ごとに互いに顔面や体幹の急所めがけて飛んでくる攻撃を、払い、捌き、しかもそこから反撃までしてみせる。

 

 サーヴァントの目をして鮮明には捉えられぬであろう攻撃速度。その速さはどちらも人間としては破格の実力を持つ達人とは言え、視覚で追従できる筈がない。事実フィオと綺礼は攻撃と防御、それらほぼ全ての動きを殆ど無意識の内に行っていた。

 

 『聴勁』。八極拳に於いて達人のみが為せる絶技であり、視覚で敵の動きを捉える事を必要とせず、腕と腕が触れ合った刹那に相手の次の行動を読み取る技法である。今の二人はもはや攻撃や防御をしようという意識すらなく、反射的な動きでしかし完璧に互いの攻撃を防ぎ、捌き切っていた。

 

 一連の技の掛け合いは互いに相手の次の動作を読み、それを防御する為に動き、更にこちらからの攻撃を……と、次の一手を読み合うチェスや将棋のような様相を呈していた。尤も、互いの持ち時間が一秒に満たないボードゲームなど有り得ないだろうが。

 

 だが、その均衡は突如として破られる。

 

「ふっ!!」

 

「がっ!?」

 

 フィオの拳が、綺礼の顔面に炸裂した。鼻血が飛び出る。

 

 綺礼の読みや、読んだ次の攻撃へ対応の為の動きが誤ったのではない。純粋にフィオの拳が、ガードしようとする彼の腕よりも早く動いたのだ。

 

 そのまま態勢を整える暇を与えず、もう一撃。

 

「ぶっ!!」

 

 二発続けて頭部に攻撃を受けた神父がぼうっとした所に、フィオはすかさず前蹴りを叩き込んだ。綺礼の体が吹っ飛んで地面に落ち、勢いのまま後ろ向きに一回転する。

 

「ぬうっ……」

 

 このままでは不利と見たのか、立ち上がった綺礼は体勢を立て直す為にすぐ傍にあった劇場の階段を上っていく。「逃がすか」とばかりフィオもその後を追う。

 

 階段はそう長いものではなく、フィオはすぐにある程度の広さを持った広い空間へと辿り着いた。

 

「うっ!!」

 

 と、同時に、通った軌跡の空気が消し飛ぶような鋭い蹴りが彼女を襲う。綺礼の放った回し蹴りだ。当たればフィオの首とて消し飛んでいた所だったが、彼女は咄嗟に身を屈めてかわしていた。そのまま前転して距離を取ると、改めて綺礼と対峙する。元代行者は鼻血で顔を真っ赤に染めているが、まだまだその威圧感は健在だ。

 

「フィオ・レンティーナ・グランベル……!! 貴様は……」

 

 この相手と対峙するに当たって、前評判から恐るべき実力者と見ていた綺礼であったが、その認識が甘かった事を思い知らされた。

 

 確かにこちらの不利はどうしようもあるまいが、しかし代行者を務めるまでに至った自分なら一片の勝機はあると考えていた。だが、甘かった。

 

 勝ち目が、無い。彼我の実力差はそれほどまでに隔たっている。

 

 そんな彼の思考を読み取ったように、フィオが言った。

 

「勝機が無いのは当然ね。あなたの生きた年数と、私の生きた年数ではあまりにも開きがありすぎる。何かで二乗にでもしない限り、埋められる数値(さ)ではないわ」

 

 「故に」と、構えを取るフィオ。

 

「命を掛ける事ね。あるいは、この身に届くかも知れないわよ?」

 

「……そこを、どけ……」

 

 だが、綺礼とて退く訳には行かない。これほどの強敵とは現役の代行者時代にすら出会った事は無かったが、それほどの相手であろうと、退けない。

 

 生まれ落ちて二十余年、ずっとこの身の内にぽっかりと空いていた穴を埋められるかも知れぬ、千載一遇の機会なのだ。

 

 代行者としての研鑽も、魔術の修行も。言峰綺礼の人生は、己にずっと課してきた試練の全てはこの時の為にあったと言っても過言ではない。なのに何故、退く事など出来ようか。

 

「そこを……どけぇぇっ!!」

 

 咆哮。崩拳が突き出される。フィオは半身ずらしでかわす。

 

 続いて前蹴り。彼女の体に届く前にガードされ、止められる。

 

 そのまま突きの連打。フィオは飛んでくる拳全てを八極拳で言う『纏』の要領で回すように動かした腕を当てて払い、捌き、ベクトルを変えさせて一発も体には届かせない。

 

 右足での上段蹴り。左腕でガードされ、止められる。

 

 再び、今度は左足での上段蹴り。フィオは身を屈めてかわす。だが、ここまでは綺礼も読み通り。そのまま流れるような動作で踵落としへと移行。しかし、最強の魔術師はこの複合攻撃にも反応してガードし、止めてしまう。

 

 右足の、上段と中段への二段蹴り。どちらも腕で止められる。

 

 左回し蹴り。体を屈めて避けるフィオ。

 

 もう一度、左回し蹴り。フィオは同じように上体を落としてかわす。

 

 更に左の下段への蹴り。右腕でガードされる。

 

 右上段蹴り。これまでの攻撃は布石。左からの攻撃に目を慣らせていた所への、逆方向からの奇襲。だがフィオはこれにさえ反応してガード、止めてしまう。

 

 再びの突きの連打。だが数秒前と同じように全て捌かれ、フィオの体には一発も届かない。

 

「ぬうっ……!!」

 

 元代行者の頬に汗が伝う。これほどまでの猛攻を以てしても、こちらの攻撃は一発もフィオに当たっていないどころか、彼女を一歩動かす事すら出来てはいない。全ての攻撃が見切られている。

 

『まさか、これほどの使い手がいるとは……!!』

 

 思い切り腰を捻って放つ、渾身の力を込めた回し蹴り。フィオはやはり事も無げに防御すると、遂に反撃に転じた。

 

 『鎖歩』。綺礼の足に自分の足を添えて、絡める事でバランスを崩す。蹴りを繰り出している最中の彼は軸足を刈られる形になり、為す術も無く転倒する。

 

 フィオはすかさず倒れた綺礼の腰をがしっと掴んで、女性のものとは到底思えない剛力で投げ飛ばしてしまう。この動きは八極拳を含む何かの格闘技のそれではなく、単純に持ち上げてブン投げただけだった。

 

 壁に叩き付けられ、一瞬綺礼の呼吸が止まった。そのまま床に落ちる。

 

 だが、こんな怪物を前に寝たままでいるなど自殺行為。故にすぐ起き上がろうとする彼の顔面に、靴裏がぶつかってきた。フィオのブーツだ。靴底には鉄板が仕込まれていて、当然魔術による強化も施されている。

 

 そうして体勢を崩した所をフィオは間髪入れず馬乗りになってマウントポジションを取ると、カーゴパンツからこれも強化が施された小型のハンマーを取り出し、二度三度と綺礼の顔面を殴りつける。元代行者の顔面は、既に至る所から流血して真っ赤に染まっていた。

 

 フィオはそこから更に綺礼の腕を自分の腕に絡めるようにして取り、再び投げ飛ばしてしまう。185センチの長身が独楽のように廻りながら横っ飛びして、床に転がる。

 

「お……おのれっ!!」

 

 再び立ち上がった綺礼は、今度は体を低くしてタックルを繰り出した。立ち技ではフィオの強さは圧倒的。ならば先程自分がされたようにマウントポジションを取れば。

 

 そう考えての行動だったが、しかしフィオは彼以上に体を低く沈み込ませると突っ込んでくる勢いを利用して、合気道の要領で足下から掬い上げるようにして投げ飛ばした。

 

 綺礼の体は、今度は縦に一回転して背中から床に叩き付けられた。

 

「はっ……はっ……」

 

 綺礼が息を切らしながら何とか立ち上がると、フィオは先程と同じく一分の隙も無い見事な構えで身構えつつ、彼の攻撃を迎え撃つ姿勢を取っていた。

 

 それを見た綺礼も幼少の頃より父と共に行った鍛錬により、体に染み付いた構えを取る。

 

「さあ……思い切って来なさい」

 

 ダメージ以外は互いに最初の状態へと戻ったのを見計らって、フィオが言う。それを合図として、再び綺礼が動いた。

 

 平凡の域を出ない腕前とは言え魔術によって強化された肉体から繰り出す、これ以上は無いと自信を持って言える利き足での、全力の回し蹴り。

 

 だがそれさえもフィオはあまりにもあっさりとガードして、捌いてしまった。

 

「もっと強く!! 腰を入れて!!」

 

「ふっ!! はっ!!」

 

 三発目、四発目と、次々に繰り出される一撃は全てが最高のものと思われた直前の一撃を、更に上回る威力で放たれる。

 

 しかしフィオはそのどれもを完璧に防ぎ、捌き、受け流してしまう。

 

「はっ!! はっ!! はあっ!!」

 

 五発、六発、七発。

 

 綺礼の放つ蹴りはどんどん強く、鋭く、重くなっていく。

 

「まだまだ!!」

 

 しかし、それを以てしてもフィオの鉄壁の牙城を崩す事は叶わない。

 

 十三発目の蹴りも防がれ、十四発目。

 

「ふっ!!」

 

 ここへ来て綺礼は起死回生の策を繰り出した。全く逆方向からの蹴り。通常ならば当たる筈の無い大砲だが、同じ攻撃を十回以上も繰り返して目が慣れている今なら。

 

 最大のパワーと、最高の技と、最速のスピードが噛み合った蹴り。

 

 完全な奇襲となった素晴らしい一撃だったがフィオは完璧に見切って防御、綺礼の金的を蹴り上げる。

 

「ぐはっ!!」

 

 たまらず倒れ、床に伏せる綺礼。フィオは少し距離を置いて、油断も慢心も無く構えている。

 

 先程と同じ構図だ。綺礼が何とか立ち上がり構えを取るのを見計らうと、彼女はじりじりと間合いを詰めていく。

 

『間合いまで……後、一歩……後、半歩……!!』

 

 そして間合いに、入った!!

 

「はあっ!!」

 

 気合いと共に突きを打つ。

 

 魔術による肉体強化、体重移動、腰の入れ具合、関節駆動による力の伝達、拳の握り。全てが完璧と言って良いレベルで噛み合った「衝捶」にも勝るであろう威力を持った、言峰綺礼が放つ事の出来る究極のパンチ。

 

 それが、フィオの顔面に突き刺さった。

 

『手応えあり!!』

 

 常人なら、即死は間違いない一撃だった。並の死徒でも同じように仕留められるだろう。これならば、いかに化け物じみた相手であろうがダメージはある筈。

 

 綺礼は、そう確信していた。

 

 そして実際に、ダメージはあった。

 

「ペッ」

 

 血反吐を吐いて捨てるフィオ。今の綺礼のパンチは、彼女の口内に裂傷とそれに鼻血を出させる事に成功していた。

 

「それが、最高のパンチなの? ん?」

 

 胴体に当たれば骨を粉砕し、そのまま内臓を挽肉に変えてしまうほどの威力があった。それを顔面に受けたのだ。絶対に、無事では済まない筈だったのに。

 

 だが眼前の女は何事もなかったように、悠然と近付いてくる。

 

「くっ!!」

 

 再び突きを繰り出す綺礼、だがフィオは同じ手は二度は食わないとばかり、危なげなくスウェーで避けてしまう。

 

「その程度のパンチなら……あなたは死ぬしかないわね?」

 

「きさまっ!!」

 

 弾かれたように駆け出す綺礼。

 

 渾身の一撃であの程度のダメージしか与えられないのでは、打撃でこの女を倒す事は不可能。ならば、残された勝機は。

 

 彼の両手が、フィオの喉に掛かる。絞め技。だが窒息させる気ではなく、首の骨をへし折る強さで。

 

 だがしなやかながらも鍛え上げられた彼女の首はびくともしない。

 

「それで精一杯かぁ!!!!」

 

 フィオの手も同じく、綺礼の首に掛かった。万力のような力で締め上げられ、綺礼の意識が遠のく。

 

「ほら、もっと強く!!!!」

 

 額に血管を浮き立たせながら放たれたその言葉に触発された訳ではないが、最後の力を振り絞って両手に力を込める綺礼。だがそこまでしてもフィオの首はきしみの一つも、上げる気配すら見せない。

 

 そしてフィオは、遂に最後の攻撃に移った。

 

 内から外へ、手を大きく広げる要領で首に掛かっていた綺礼の両手を弾き飛ばすと、異様な構えを取る。

 

「魔術CQC奥義……!!!!」

 

「何っ!?」

 

 意表を衝かれ、一瞬だけ綺礼の動きが止まる。そこに、

 

「ストリートでならしたこの俺の実践的なキック!! 完全にお前をナメきったこの俺のキック!! ハードに進化した俺の拳と蹴り!! 加速し続ける俺の魂のダイブとこの俺!!」

 

 繰り出される連続攻撃。綺礼は何発かは防御したが、最高度の魔術によって強化された拳や脚は一発一発がまさに鉄槌となって彼に襲い掛かり、ガードを壊して全てが人体の急所に突き刺さる。

 

 威力を殺しきれなかった綺礼はそのまま吹っ飛ばされた先にあったステンドグラスに突っ込んで粉々にしながら、階下へと落ちていった。

 

 これで決着。敵を無力化出来たのを確認すると、フィオはふうっと息を吐いた。

 

「さて……私のノルマは果たしたけど……ライダーやキャスターは、上手くやったかしら?」

 

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