Fate/Zero フィオ・エクス・マキナ(完結)   作:ファルメール

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第03話 フィオVS切嗣

 未遠川河口の倉庫街。昼間は貨物の往来で賑わうこの場所も、夜は人気も無く静かなものだ。

 

 そんな静まりかえった倉庫街の一角を、フィオとライダーは積み上げられたコンテナの隙間を縫うようにして進んでいた。

 

「奏者よ、何故にこんな狭苦しい道を進むのだ?」

 

 背中を任され、警戒しながら後を付いていく形になっているライダーは、何故自分がこんなアサシンの真似事をするのかとぼやく。

 

 町に出て敵サーヴァントの探索に入った二人であったが、程無くしてランサーと思われる英霊の誘いにセイバーが応じたのを感じ取り、その後を追うようにして倉庫街に入っていたのだ。

 

 ライダーはてっきり、自分と戦うのはセイバーかそれともランサーか、三騎士同士の激突を高みの見物と洒落込むものだとばかり思っていただけに、この展開には不満があった。

 

 耳を澄ませば、夜の静けさも手伝ってこの先にある広場から、金属同士が激突するような甲高い音が間断無く響き渡っている。

 

「のう、奏者よ。この剣戟の音……既にセイバーとランサーの決戦は始まっておるに違いない。余としてはこの一戦を見逃したくはないのだが……」

 

「……」

 

 不満を漏らしながらも追従していくライダーだが、フィオは取り合わない。

 

 マスターが構ってくれないのでより不満が強くなったのか、ライダーは今度はもう少しだけ声を大きくして訴える。

 

「セイバー達の戦いを見物するのならもっと見晴らしの良い……そう、例えばあの台のようむぐっ!?」

 

「!!」

 

 そう言ってこの倉庫街では一際目立つ巨大なデリッククレーンを指差そうとするライダーだったが、それより早くフィオは手を伸ばして自分のサーヴァントの口を封じると、そのまま物陰に引っ張り込んだ。

 

 フィオは口を封じたままのライダーに「落ち着け」「声を出すな」と念話で語り掛け、そしてコンテナの陰から顔だけひょこっと出すようにして、くいっとコンテナの方向を指差す。

 

「何だと言うのだ……? むっ!!」

 

 ライダーは怪訝な顔で示された方に視線を送り、直後に表情を驚愕によって引き攣らせた。

 

 夜闇に溶け込むような全身黒ずくめ、ボロボロの外套を纏い、それだけがポツンと浮き上がるような白い髑髏の仮面を付けた異形。見間違える筈もない、アサシンのサーヴァントがクレーン上に陣取って戦場を睥睨していた。

 

 ここでライダーは、漸く自分のマスターが何故にこんな狭いルートを選択して進んでいたのかを理解する。

 

 確かに自分が言った通りあのクレーンの上は戦場全体を見渡す事の出来る絶好の位置であろう。しかし、自分達がそれを思い付くという事は他の陣営も同じ事を思い付く、少なくともその可能性が十分にあるという事。フィオは最初にクレーンを見た時点でその結論に至り、最善の位置を確保しようとして他の陣営とバッティングする危険を回避し、同時に自分達の動きを悟られないよう、目に付きにくい移動経路を選択していたのだ。

 

「しかし、まさか脱落した筈のアサシンとは……これもそなたの計算の内か?」

 

 サーヴァントの問いに、フィオは今度は首を横に振った。

 

「いや……私にも確証があった訳じゃあないわ……確かに昨日は、気配遮断スキルを持つアサシンにしてはあっさりと発見されすぎて、あっさりとやられすぎたとは思っていたけど……」

 

 だがこれではっきりした。あれは、アサシン陣営の策略であった訳だ。恐らくあのアサシンは、身代わりか分身のような宝具かスキルを持っていたのだろう。

 

 あっさりとアサシン陣営が脱落したと見せかけて、天敵が消滅したと油断して気安く動くようになったマスターを本物のアサシンが叩く。中々良く出来た戦略だ。

 

 ここまで看破出来たのは、結果オーライながらライダーのファインプレーだった。アサシンは気配遮断スキル持ち。いつ現れたのかは全く分からなかった。ライダーの言葉によってもう一度クレーンの方を見ていなければ、フィオもその存在には気付けなかったろう。

 

 こうしてアサシンの生存が分かったのは自分達にとって大きなアドバンテージとなった。少なくとも全く無警戒に寝首を狩られる事は無い。

 

 まずは収穫が一つ。これに気を良くすると、フィオは「付いてこい」とくいっと指を動かす。

 

「次はどうするのだ?」

 

「分からない? ライダー……あなたはあのクレーンの上が絶好の監視ポジションだと気付いた。恐らくは他の陣営も……と、言う事は……?」

 

 フィオの声と顔は楽しんでいるようであり、まるで可愛い生徒に課題を与える教師のようだ。ライダーは「む……」と顎に手をやって考える仕草をしばらく見せた後に「成る程」と頷いた。

 

 他の陣営も同じ結論に至ったのなら、どう行動するかは読めてくる。

 

 それを逆手に取るのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ……!!」

 

 ライフルのスコープ越しにセイバーとランサーの決闘を捉えながら、衛宮切嗣は毒づいた。

 

 状況は良くない。どころか、かなり悪い。

 

 セイバーはランサーの奇策によって左手に治癒不能のダメージを負い、一撃必殺の対城宝具を放つ事が不可能となったばかりか、純粋な白兵戦でもかなりのディスアドバンテージを強いられてしまっている。

 

 こちらのスコープからランサーのマスターの姿は捉えている。奴の注意は今はサーヴァント同士の戦いに向けられているので、狙撃で仕留める事は容易。

 

 だが、ランサーのマスターを狙撃すれば自分の位置が監視しているアサシンに露見してしまう。そうなるとアサシンがこちらに向かってくる可能性がある。こちらにはまだ対サーヴァント用の装備は無いから、襲われた後に迎撃する事も、アサシンを先に倒すのも不可能。

 

 ランサーのマスターを狙撃した後、令呪でセイバーをこちらに呼び寄せるにしても、今度は主を失ったランサーの槍先に無防備なアイリが晒される事になる。

 

 どれも望むものからはかけ離れた未来しか思い描けない。

 

 ……だが、こうなっては多少のリスクは承知の上で動かざるを得ないか。

 

 そう結論して引き金にかける力を強くした、その時だった。

 

「動くな」

 

 女の声がして、同時にぐっと、固い感触が背中に突き付けられる。これは拳銃の銃口だと分かって、切嗣は自分の心臓が一際大きな音を鳴らした気がした。

 

「銃を置いて、両手を肩の高さまで上げなさい……ゆっくりとね」

 

 先程までは何の気配も感じられなかったのに、まるで突然空間から湧き出たようなこの相手に、切嗣は全身の肌を粟立たせる。後ろに立つ女にそれを悟られぬよう、だがこの状況では従う他無いと、彼はワルサーWA2000を置き、両手を挙げつつ2メートル程の距離を背後の女と空けるぐらいの位置に移動する。

 

 そうして振り返って、彼は表情を凍り付かせた。そこには、分かり易い驚愕と恐怖が顔を出していた。戦場を駆けてきた彼が、常に完全にコントロールして飼い慣らしてきた筈の感情が。

 

「……!! あんたは……!! まさか、あんたがこの聖杯戦争に……!?」

 

 切嗣の背後に立っていた女、フィオの方も、違和感を感じ取ったように首を動かす。

 

『……この男……どこかで……?』

 

 そんな思考が頭をもたげるが、しかし今はより重要な事があると彼女は頭を切り換える。

 

「あなた……さっき銃を置いた時、右手に令呪があったわね……まずはどのサーヴァントのマスターなのか……答えてもらおうかしら?」

 

「!!」

 

 眼前の敵の目聡さに切嗣は臍を噛む。こうも早く、自分の戦略が露見する危機に陥ってしまうとは……

 

 だが、こんな所でみすみす全ての情報を渡してやる訳には行かない。幸いな事にこの状況ではまだ一つ、自分には眼前のこの女に無いアドバンテージがある。

 

「やれ、舞弥」

 

 そう口にすると同時に、パンとおしぼりの袋を潰したような音が響く。銃声。しかし、

 

「奏者、危ない!!」

 

 実体化したライダーが射線に割り込み、手にした歪な形状の剣によって銃弾を叩き落としていた。

 

 だがこれで、一瞬だがフィオの注意は切嗣から外れる。この隙を逃さずに、彼は懐からキャレコM950短機関銃を取り出すと、躊躇うことなく引き金を引いた。9ミリの弾幕がフィオへと殺到する。が、

 

「怪物は打ち倒された。迷宮の出口を示せ」

 

 術式起動の呪文がフィオの口から紡がれ、次の瞬間には彼女の前方に突如として金属的な光沢を持つ銀色の壁が出現し、全ての弾丸を受け止めていた。

 

「何……っ!?」

 

 いきなり防御壁を出現させるなど、どういう魔術礼装なのか皆目見当が付かず驚愕を見せる切嗣だが、しかしこれはチャンスだ。

 

 目の前のこの女が、本当に”あの”フィオ・レンティーナ・グランベルなら、そして彼女がこの聖杯戦争に参加しているのだとしたら、礼装による防御に徹している今は千載一遇、彼女を仕留められるまたとない好機。これを逃せば二度とチャンスは巡ってこないかも知れない。

 

 本来ならば勝利の確信を得てから行動するのが彼の流儀であったが、状況が状況であり相手が相手だ。二重の非常事態であってはもうそんな悠長は言っていられなかった。

 

 防がれても関係無しにキャレコによる射撃を続けつつ、切嗣は空いている右手で懐からコンテンダーを取り出す。装填されているのは、魔術師殺し衛宮切嗣最強の切り札たる”起源弾”。現在に至るまで1ショット1キルにて、37人の魔術師を屠り去ってきた代物である。

 

 狙いを定め、今まさに発射と切嗣の指が引き金に掛かったその時、

 

「Scalp(斬)」

 

「なっ……!?」

 

 フィオの唇が再び動き、ほぼ同時に割り箸を割く時のような音を立て、コンテンダーの銃身が割れた。当然、これでは発射は不可能。切嗣は咄嗟にコンテンダーを捨て、撃ち尽くしたキャリコに弾倉を再装填しようとするが、しかしキャリコの方も銃身が真っ二つに断ち割られてしまう。

 

 そうして次にどう動いたものか戸惑うように切嗣が動きを止めたのを見ると、フィオはすっと指を動かす。すると二つになったコンテンダーが両方ともひとりでにふわりと浮き上がって、彼女の手に納まった。

 

 フィオはそれをしげしげと眺め、観察する。

 

「ふむ……トンプソン・コンテンダーか……スゴイ銃を使っているわね、魔術師……いや、魔術使い……あら、この弾丸は……」

 

 と、彼女はコンテンダーの残骸から起源弾を取り出すと、懐に仕舞った。これに冷や汗を垂らしたのは切嗣だ。起源弾を回収され、解析されればこちらの手の内が暴かれてしまう。裏をかく事を常道とする彼のような暗殺者にとって、それは文字通り生死に直結する一大事だ。

 

 しかし、現状で切嗣にフィオを倒す手段は無い。それどころか使っている礼装の正体すら分からず、逃げる事すら困難という有様である。しかも、事態は彼にとってより悪い方向へと転がっていく。

 

「でも……ゲテモノ銃なら私も負けてないわよ?」

 

 そう言ってフィオはコートの中に両手を差し込み……魔術的に空間が歪められたそこから出てきた物を見て、切嗣の顔が引き攣る。

 

 XK.50対物狙撃銃。

 

 明らかに人間一人に対して使うには過剰な火力を持った銃が、しかも二丁。その銃口が切嗣に向き……

 

「くっ……Time alter-double accel(固有時制御二倍速)!!」

 

 しかし轟音と共に発射された弾丸が、彼を吹き飛ばす事はなかった。それより一瞬だけ早く呪文の詠唱を終えた切嗣が加速して、かすめるだけでも命取りのような聖別済みの水銀弾頭を避け切ったからだ。

 

 ズガン!! ズガン!! ズガン!!

 

 身体強化の施されたフィオの肉体は対物ライフルをまるで豆鉄砲のように、あるいは二丁拳銃のように操って切嗣を撃ち抜こうとするが、銃口の動きよりも加速した切嗣の方が速い。

 

 彼は素早くコンテナから飛び降りると、空間に影を残すようなスピードで物陰へと消えてしまった。

 

「……逃がしたわね」

 

 と、フィオ。狙撃手に警戒しつつ、ライダーが近付いてくる。

 

「今のは何だ、奏者? 余の目には奴がいきなり加速したように見えたが……」

 

「概ねその認識で間違いはないわ、ライダー……自分の体内に固有結界を展開し、体内時間を操って加速したのよ……本来なら時間操作の魔術は様々な準備を整えなくてはならないのだけど……それを、効果範囲を自己の体内のみに限定する事で、たった二小節の詠唱のみで発動させている……流石は魔術使い……実戦向きの魔術を使うわね……」

 

 ライフルをコートの内側に収納しつつ、説明するフィオ。ライダーは「成る程」としきりに頷きつつ、尋ねてくる。

 

「追わぬのか?」

 

「待って」

 

 フィオはそう言うと、魔術による肉体操作で視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚、五感を統合し、更にそれら一つ一つに強化を施す。

 

 共感覚。

 

 全ての五感が完全にリンクし、それぞれに魔術による強化が施された今のフィオの感覚は、普段はバラバラに働いている一つ一つの感覚から得られるものとは桁違いの膨大な情報量を彼女に与えてくれる。それは単純な広域センサー能力に留まらず、人の感情を読み取る事すら可能にする。

 

 ものの2秒で、逃亡した切嗣は捕捉出来た。今も出来るだけ自分から離れようと、断続的にあの時間制御の魔術を使っているのだろう。凄いスピードで遠ざかっていく。

 

 この辺りは流石にプロと言えるだろう。勝算が無い時には速やかに退くのが鉄則。作戦失敗時の生死はどれだけ早くその場から離れられるかで決まる。撤退の判断を下すのが一秒遅れるごとに、死神が一歩ずつ近付いてくるのを、彼は知っているのだ。

 

 視線を動かすと、ライダーが狙撃を防御した方向にいた狙撃手も既に離脱していたらしい。視えるのは残り香だけで存在が感じ取れなくなっている。

 

 今からなら追い付けない距離ではないが……だが、あの魔術使いは今日はもう仕掛けてこないだろうとフィオは予測する。

 

 彼の「心の色」は、今は敵意の青よりも怯えの緑の方が濃くなっている。あの手の敵は、勝算が見えなければ襲ってはこないだろう。

 

 その旨をライダーに伝えると、フィオは感覚の統合を解除した。

 

「ふむ……奏者は、色々と面白い事が出来るものだな……では先程、あやつの銃を破壊したのは何だ?」

 

「ああ、あれは”アリアドネ”よ」

 

 フィオはそう言うと「良く見ろ」と、そっと手を掲げる。

 

「……んん?」

 

 掲げられた手の、袖口の辺りにライダーが目を凝らすと、月明かりに反射して何か、光る物が何本も伸びているのがやっと見えるようになる。

 

 より注視すると、それが目に見えない程に細い鋼線(ワイヤー)であると分かった。

 

 これがフィオが持つ魔術礼装の一つ、”アリアドネ”。

 

 その正体は単純であり、通した魔力によって操られる無数の鋼線である。

 

 ただし、材質はただの鉄や銅ではなく、蜘蛛の糸もかくやと言う強度としなやかさを誇る無重力合金。

 

 攻撃・防御・索敵全てに転用出来る万能型礼装であり、そのスピードは先程切嗣のキャリコの弾幕を防いだ時のように近距離で発射された銃弾にすら先んじ、フィオに命中する全ての弾丸を防御する為の”盾”を編み上げる程に速く。

 

 攻撃面に於いてはその細さ・見えにくさ故に、コンテンダーとキャリコを真っ二つに括り断たれながら、切嗣に攻撃の正体を悟らせなかった奇襲性を持つ。

 

 長ささえ十分ならこれ一つでビルをも真っ二つに出来るような”兵器”であった。

 

「ほお……」

 

 恐れ入ったという表情を見せるライダー。

 

 魔術師としてのみならず、戦闘者としても自分のマスターは一級だと思っていたが、しかしその認識はどうやら甘かったらしい。フィオの実力は、自分の予想の遥か上を行っているようだ。

 

「ならば余とて、強き奏者に相応しい、強きサーヴァントであるという証を立てねばなるまい!!」

 

 謳うように、高らかにそう宣言し、俄然やる気になったライダーは歪な形状の長剣『原初の火』を振りかざし「見よ」と、セイバーとランサーの決闘の舞台である広場へと切っ先を向ける。

 

「今し方そなたが派手に暴れたせいでセイバーとランサーの戦いも、一時止まってしまっているようだ。故に、ここは一つ余が直々に参陣し、この状況に埒を明けようと思うが、どうか?」

 

「……」

 

 ライダーのその提案に、フィオは少し考える仕草を見せる。戦いはまだ序盤。早々にこちらの戦力を開示するような真似は、どうだろうか……? だが、自分達の当面の目的から考えれば……

 

 そんなマスターの迷いを読み取ったのか、ライダーはもう一言を重ねた。

 

「のう奏者よ、昼間に出会ったセイバーは間近で話した事もあって真に誇り高い英霊、”違う”とすぐに分かったが、ランサーについてはそなたが探しているサーヴァントであるか否か……こうして遠目に見ているだけでは……何も分かるまい?」

 

「……確かに」

 

 一人の英雄として純粋にあの場に参じたいという欲求も見え隠れはするが、しかし一方でライダーが真摯に自分の望みに応えようとしてくれている事、また一方で、必ず共に聖杯へと辿り着ける強い戦友であると示そうとしてくれている赤心も、フィオは確かに感じ取る事が出来た。

 

 ならば、その心を汲み取らずして何のマスターか。

 

「分かったわ、ライダー。全てあなたに任せる。好きにやって良いわよ」

 

「ふふん♪」

 

 喉を鳴らし、気持ちの良い笑みを見せるライダー。召喚されてまだ共に在る時間は短いが、このマスターはちゃんと自分の事を理解し、立ててくれている。

 

 自分と奏者は紛れも無くこの聖杯戦争の主役、他の六騎全てを駆逐し、聖杯を手にする最強の陣営なのだ。それが幕を開けるべき初戦では暗殺者に先を越され、今また第二戦にまで顔を出さなかったとあらば道理に合わぬ。

 

 ここはひとつ、派手に行くとしようか。

 

「では始めるとするか、奏者よ。セイバーとして喚ばれた時には持ち得ない、ライダーとしての余の宝具を見せてやろう」

 

 ライダーは自信に満ちた笑みを見せ、そして手にした『原初の火』に魔力を乗せて、虚空へ向けて思い切り振り抜いた。

 

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