リリカルなのはStrikerS ~喰らう牙~   作:ロンギヌス

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『駆ける怪刃』のストックが元通りになるまでの間、しばらくはこちらを更新します。

それでは第一話、どうぞ。


第1話 ミッド到着・機械粉砕

ミッドチルダ首都、クラナガン。

 

そのクラナガンから遠く離れた深き森林にて、突如空間に白い穴が出現する。

 

-プァァァァァァン-

 

その中から現れた列車は地上に降り立ち、そして停止する。

 

「いやぁ~着いた着いたっと」

 

「おぉ? ここ何処だ?」

 

「おいおい、よりによって森の中かよ」

 

停止した列車の自動ドアが開き、中からゲッコーやニュート、サラマンダー達が降りる。厨房のある車両からはモレク、そして先頭車両からは牙王とコブラが降り立つ。

 

「ミッドチルダ……ここが“当たり”だと良いんだがな…」

 

牙王が手に持ったトウモロコシに噛り付く中、コブラがタッチパネルを操作する。

 

「距離はだいぶ離れてはいますが、ここから東にミッドチルダの首都であるクラナガンがあります。しかし…」

 

「管理局、とか言う連中か」

 

「…はい」

 

コブラがタッチパネルを操作し、その画面に“時空管理局”という組織に関する様々なデータが写し出される。

 

「管理局地上本部が、このミッドチルダにあります。迂闊に動く訳にはいかないかと」

 

「…面倒な」

 

牙王はトウモロコシの残りカスをその場に放り捨て、唇を指で拭う。

 

「ん?」

 

その時、辺りをうろついていたサラマンダーが何かに気付く。

 

「どうした?」

 

「…何か来るぜ」

 

「「「「「!」」」」」

 

サラマンダーの言葉に、一同はサラマンダーの向いている方向に振り返る。

 

『ピピピピピ…』

 

『ウィィィィィィィン…』

 

「…何だコイツ等」

 

木々の中を抜けて現れたのは、カプセル状の姿をした灰色の機械が複数。

 

後に“ガジェットドローン”と呼ばれる存在だった。

 

「ロボットか?」

 

「何だってこんな所に…」

 

『ピピピッ』

 

複数のガジェットの中、その内一機のセンサーらしき部分が光り出す。

 

「ん? 何か光って―――」

 

-バシュウッ!!-

 

「ぬぉうっ!?」

 

「!?」

 

「サラマンダーッ!!」

 

疑問を抱いた直後にガジェットがレーザーを発射し、直撃したサラマンダーを大きく吹き飛ばす。

 

『ピピピッ』

 

『ウィィィィン』

 

一機目が攻撃したのを合図に、他のガジェット達も一斉にレーザーで攻撃して来た。

 

「おいおい、何なんだコイツ等!!」

 

「いきなり攻撃して来たぞ!?」

 

「くっ…!!」

 

「チィ…ッ!!」

 

ゲッコーやニュートはその場に伏せて、モレクとコブラは大きくジャンプして回避する。

 

『ピピピッ』

 

ガジェットのレーザーが、今度は牙王に向かって発射される。

 

「!? 牙王様ッ!!」

 

コブラが叫ぶ。しかし…

 

「―――フンッ」

 

-パシィンッ!!-

 

牙王は左手を振るうだけで向かってきたレーザーを弾き返し、弾かれたレーザーはそのまま他のガジェットに命中。爆発を起こす。

 

「下らねぇ…」

 

牙王はペットボトルの水を一口飲んでから言い放つ。

 

「この程度で怯んでんじゃねぇ。こんなポンコツ共、さっさと片付けてしまえ」

 

「は、はいっ!!」

 

コブラ達も素早く態勢を立て直し、襲い来るガジェット達を迎え撃つ。

 

 

 

 

「フッ!!」

 

モレクは大きくジャンプし、ガジェットを次々と踏みつけて破壊していく。

 

『ピピピピ…』

 

-ピュウンッ-

 

「遅い」

 

ガジェットのレーザーをも難なく回避し、モレクは口から長い舌を伸ばして三機のガジェットをまとめて貫き、破壊する。

 

「退屈過ぎてイライラしてたんだ……ストレスを解消させて貰おうか!!」

 

コブラは首を回してゴキゴキ鳴らしつつ、迫り来るガジェットを大剣で斬り裂いて破壊。他のガジェットをその場で蹴り落としてから大剣で貫き、機能を停止させる。

 

「何だ、どいつも歯応えのない……シャッ!!」

 

コブラの口から毒液が飛び、それを浴びたガジェットの機体が溶け、あっという間に消滅する。

 

「ゲ~ケケケケケケケッ!!」

 

「どうしたぁ? 他にも何かしてみろよ!!」

 

ゲッコーは剣をガジェットに突き刺してショートさせ、ニュートは二本ある小型の鎌でガジェットを滅多切りにする。

 

「ほらほら、暴れんじゃえぇよ……っとぉ!!」

 

「そ~らぶっ飛べっ!!」

 

そして二人同時にガジェットを蹴り飛ばし、二体が直撃して爆発する。

 

「オラオラオラァッ!!」

 

先程吹っ飛ばされたサラマンダーもすぐに戦闘に加わり、踏みつけたガジェットに柄の長いハンマーピッケルを叩きつける。

 

「ゴミクズの分際で……さっきはよくもやってくれやがったなぁっ!!」

 

機械に攻撃されたのが気に入らなかったのか頭に血が昇っており、何度もハンマーピッケルを叩きつけてガジェットを粉々に粉砕する。

 

『『『ピピピ』』』

 

『『『ウィィィィィン』』』

 

「まだいやがるか……なら」

 

サラマンダーはハンマーピッケルを納め、代わりに鎖付き鉄球を取り出す。

 

「コイツでも喰らっとけやぁっ!!」

 

サラマンダーが鉄球を振り回し、ガジェット達を粉砕していく。

 

「ちょ、危な!?」

 

「うぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

しかし怒り狂っている所為か、ガジェットだけでなく周りの木々も次々となぎ倒しており、ゲッコーやニュート達にも危うく当たりそうになる。

 

「おいサラマンダー、こっちにまで当てようとしてんじゃねぇ!!」

 

「オラァッ、纏めて潰してやらぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「そして聞いてねぇし!?」

 

ゲッコーの声も、ぶちキレたサラマンダーの耳には届かず。

 

そして遂に、事故は起きた。

 

 

 

 

「ん――――ごはぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「「「「…あ」」」」

 

サラマンダーが怒りのままに振り回していた鉄球が、ちょうどガジェットを破壊していたモレクの後頭部に直撃。吹っ飛ばされたモレクは地面を大きくスライディングしてしまった。

 

「「「……」」」

 

 

 

やっちまったよコイツ。

 

 

 

そう言うかのような目で、コブラ達がサラマンダーに振り向く。

 

「あ、あははははは…」

 

流石のサラマンダーも一気に頭が冷え、目の前で起こった事故を見て顔を青ざめる。

 

「…サラマンダー」

 

「は、はぃぃっ!?」

 

後頭部を押さえつつも何とか立ち上がるモレクの声に、サラマンダーがビクつく。

 

「お前…」

 

 

 

 

 

「今日の晩飯、覚悟するんだな」

 

「Noooooooooooooooooooooooo!!!」

 

そして、サラマンダーに極刑が申し渡されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「コイツで最後か」

 

破壊されたガジェットを踏みつける牙王の周りでは、ガジェット達がただの残骸となっていた。

 

「で、そっちは終わったのか?」

 

「はい、こっちも終わりました…………肉体的ダメージを少量と、精神的ダメージを大量に負ったのがそれぞれ一名ずついますが」

 

コブラの振り返った先には、強く打った後頭部を手で擦っているモレクと、体育座りの状態で沈んでいるサラマンダーの姿。

 

「…なら、さっさとずらかるぞ。管理局に勘付かれると面倒だ」

 

「(思い切りスルーしたなこの人)は、はい。じゃあ今すぐに列車へ…」

 

コブラ達が列車へと移動する中、牙王も同じように移動する。

 

「…ん?」

 

その時、地面に転がっているガジェットの破片を見た牙王がある事に気付く。

 

「これは…」

 

牙王はしゃがんで拾い上げ、確認する。

 

(この世界の言語……ミッド語か。今までの世界にも、似たような言語はあったが…)

 

「牙王様! 早く列車に!」

 

「…あぁ、今行く」

 

文字を解読しようと挑んでみた牙王だったが、コブラに呼ばれたので断念する。

 

(恐らく、誰かの名前なんだろうが…)

 

「まぁ、どうでも良いか」

 

牙王は破片を放り捨てる。

 

「相手が誰であろうと、敵なら俺が喰らい尽くしてやるだけだ」

 

そう言って、彼も列車へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに…

 

「お前の今日の晩飯、小魚一匹だけな」

 

「すんませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

(((おぉう……機嫌悪いなぁアイツ…)))

 

列車では、こんなやり取りがあったりなかったり。

 

 




まだ変身はしません。変身してでの戦闘はまだ先です。

それでは感想、お待ちしてます。
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