幻想の投棄物   作:マルペレ

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その18

さぁ、プランの始まりだ

 

「リーダー就任…私が、ですか…?」

「すっげぇ! 大出世じゃん!!」

 

リンドウが完全に捜査打ち切りになり、暫く経ったある日の事。アルトリアは、これまでの功績から第一部隊のリーダーへと就任していた。

 

その後、サキエルの討伐ミッションを終わらせると、フェンリル極東支部の支部長であるシックザールから呼び出しがかかった。リーダー権限の説明のついでに結果を報告しに行くと、彼女はこう言われたのである。

 

―――情報の開示と共有は、我々フェンリルからの信頼の証だ。それがどんな意味を持つか、しっかりと理解してくれたまえ。

 

リーダーとなった責任。アルトリアの騎士としての誓い。

そして、未だに行方不明であるリンドウを殺したと思われるアラガミは―――

 

 

 

 

 

 

吾輩はネコアルク・カオスである

 

~第二部~

 

シオとコショウを振りかけると、あっという間に美味しい料理に早変わ……え? 胡椒は嫌いって? じゃ、じゃあマヨネーズは…? ―――って、かけ過ぎじゃボケぇ! 最早マヨネーズ比9割じゃねぇか!!

 

―――ノ巻。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、コラ! マヨネーズかけ過ぎって言ってるだろう!」

「オイシイぞーー!!!」

「偏食傾向がマヨネーズに比重したか。しかしそこはアラガミ、いくら喰っても太る事は無いのであったとさ。にゃーんてにゃ」

『リンドウ、ここでは食べ物に対するルールなんて無いの。ただ美味しく食べる事が、唯一のルールなのよ…!』

「いやいや、ウロッちも喋れるようになってからテンションおかしくない!?」

『そう…これが戦争(ウォー)なのよ……戦闘準備(ノー・ウォー)! 爆撃開始(ノー・ウォー)!!』

「言ってる事とやってる事が違ぁぁぁぁう! あ、こんのぉ! あたしのエビチリ!!」

「ハッハー! まだまだ行けるぜぇ! リンドォォォォウ!!」

「ネコちゃん、ウロッちはアウトだな。これって…ネタ、って奴だろ?」

「『しまった!?』」

 

そう言うワケで、キサラギ本社(跡)。

彼らはアナグラの大異動にも関係なく、ついに復元できた海産物での酒盛りと愉快なパーリィ(誤字にあらず)を行っていた。

幾度となく補修、改築されていたパーリィルームだったが、ウロッちの種族的進化と、人を喰ったがために力が落ち着いたカオスが暴れたせいで、再び大黒柱にひびが入っている。

……ビルなのに大黒柱が何故あるって? …フフ、キサラギの…ロマンと言うやつだよ………(by.作者一同)

 

ちなみに、この大黒柱は名前のとおりであり、ここを破壊されるとキサラギ本社ビル全体が倒壊します。

 

「ほっしゅう♪ なおすぞっ♪ シオのたのしいもくぞうけんちく~♪」

「なんの歌さ…ソレ」

「シオがかんがえたんだよ! ふっふ~ん」

「だからか。音程ズレまくってて妙に平衡感覚が……う~ん」

「リンドウさーーん!?」

 

説明しよう!

シオが柱の工事をしながらうたったこの歌。

人間には凄まじい程の催眠効果があるのだ! だからリンドウは倒れてしまったのだ!」

 

「いや、カオスもモノローグモドキ要らないから」

「ガーン! 吾輩ショック!」

『あら、ネタを随分と出すじゃない』

「食糧班となった吾輩に怖いものなど無い!」

『ふふふ……じゃあ、コレ』

 

そう言ってウロッちが差し出したのは、一つの紙きれだった。

 

「え…?」

 

ネコアルクは、唖然とした。

 

「【続けてネタを言った場合、しばらくの間、シリアスモードで過ごすこと】…だと!? バカな! 吾輩を殺す気ではないか!?」

『決まりは決まりよ。今作ったルールだけど、此処では私がルールなの』

「クッ……ウロッち、貴様ァ! 読者もギャグを待ち望んでおるのだ! 前回があまりにもシリアスすぎたために、“あれ…? これ、ギャグほとんど入って無くない!?”と作者の一人が頭を抱えたのを忘れたというのか!?」

『Need to know……それを、読者に暴露する貴方は、一体どんなキャットなのかしら?』

 

ネタで反論され、その混沌とした内容に言い返す事ができないネコカオス。

彼には最早、この言葉しか残されていなかった。

 

「貴様の血は何色だぁ!」

『赤に決まってるじゃない』

「そうでしたぁぁぁぁ!」

 

頭を抱えて唸るカオスと、勝ち誇った笑みを浮かべるウロッち。だが、その後ろには魔人が聳えていた。

 

「いいから食料とってこーい」

「こーい!」

「『ウボァー。(まる)』」

 

そう、食欲魔人(マジニじゃないよ!)という名の魔人が、二人も居たのである……

 

奇怪な悲鳴を上げて彼らは、空の彼方へ飛んで行くのであった……

 

 

 

 

 

『あ、本体持っていかないと』

「その辺り不便だよにゃーオヌシ。パージが出来たように思えても、本体と繋がってないと何もできないにゃんて」

『どうせなら、アルダみたいに男神女神に分かれないかしらね?』

「アマテラスがこれ以上強化してどうすんのよ?」

『完全無欠、アマテラスのウロッち! なんてどう思う?』

「すごく……痛いです」

『そうよねー』

 

空の彼方に飛ばされた二人は、カオスはジェットを吹かせて、ウロッちは必ず繋がっている本体との線で身体を引き留めていた。

ウロッちがうんうんと頷きながらも、本体を引きずるように回収して、再び女神像の位置へ身体を滑り込ませると……

 

「シオもいくぞー」

 

本体の上に、ちゃっかりシオが乗っていた。

 

「む? 留守番組ではなかったか?」

「かみのごいしだって、けーねがいってた」

『見事に染まって来たわね。この子』

「アーミー達の教育の賜物だ」

「はやくカンジつかいたいなー。みんなよみにくいもんね」

 

足をぶらぶらとさせて、久しぶりの外出に心弾ませるシオ。

台詞と行動が合っていないのは、このメンバーならではかもしれない…とか書いてみる。

 

『それで? 今日は何処に行くのかしら』

「ふむむ…各個撃破も良いんじゃん? ってことで、シオは銀魂の廃寺、吾輩はグボロフィッシャー、ウロッちは空母de生体兵器(クアドリガ)に向かおう」

『アタシ、死んでもタダ働きだけは御免だから!』

「ねぇ、それって勿論冗談だよにゃ? ウロッち」

『端から私は、本気だよ!』

「ウロッちーおとなげないぞー」

 

そんなのほほんムードで彼らは各々の方面に向かったのだった……続く。  下に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀魂の廃寺。

カオスがカノンを見かけ、コウタの獲物狩りに巻き込まれそうになり、リンドウの処置を施した場所。なんか色々といつの間にかゆかりの地になってしまっていた、仏像などが立ち並ぶ場所である。

何気に仏像の被害が大きく、アラガミは神(・)であるがゆえに、仏(・)とは相容れぬのであろうか、と言う様な印象もある場所だ。

 

そんな場所に……

 

「グボロだ! フカヒレ~おいしいの~♪」

 

ゴッドイーター達が倒したグボロの死骸を見つけ、そのヒレをはぎ取っているシオが居た。

彼女が此処に来た頃には、既にグボロはこの有様。ここにゴッドイーターが来ているのは明白だった。

 

「えいっ!(小声)」

 

だからこそ、見られないように音を立てずにヒレだけを切り取って食べる。

その部分を持ちながら歩いていると、巨大な仏像の立ち並ぶ大部屋にたどり着いた。しかし、やはり此処もアラガミの被害が出ており、喰い荒された跡が痛々しく残っている。

 

その大量の仏像が並ぶ後ろの方に、シオは光る物を見つけた。

確認の為に歩いて行くと、それは金属の光ではなく、木材の光沢だったことが判明する。

 

「えっと……【もくぞう】…?」

 

渋みのある、年季の入った小さな像。

片手で持てる程度なのに、収まりきらないほどの神々しさ…魂の煌めきが感じられる逸品。職人、という人が創ったものに、こう言ったモノがあると、シオは教えられた知識を思い返していた。

 

そして、それが気に入ったのか来ているフェンリルの旗を巻いただけの様な服に付けられた、ポケットの様な場所。そこに木像を入れると、彼女は浮足立ってその場を―――

 

「誰だ、姿を見せろ!」

(!!)

 

離れようとして、見覚えのある人物がこの参拝堂に入って来ていた。

 

(このまえの……おんなじのだ!)

「いるのは分かってるんだ!」

(でも、ゴメンな。まだすがたはみせちゃいけないって。またあおうな?)

 

内心、シオはそうやって謝罪をフードの男――ソーマ――に告げる。

当然ながらその思いは伝わらず、いらだった様子のソーマは、気配のある方向に神機を向けて……

 

「誰―――」

「ちょ、ちょっと待った! オレだって!」

「…チッ。なんだ、お前か」

 

仲間のゴッドイーター…コウタにその刃を向ける羽目になってしまった。

彼らはどうやら、帰投時間を過ぎても戻ってこないソーマを心配に思ってきていたようだ。

 

だが、彼はその仲間の事を“いらない”と言って突き放してしまう。

コウタは、それに憤慨してどこかに行ってしまった。

 

「お前も、俺みたいな化け物には関わるな……」

「ソーマ。……今更、何を言ってるんですか。………私たちも帰還しましょう、仲間、ですからね」

「…………チッ」

 

呆れながらも、ソーマの冷たい言動に惑わされる事は無く、なんとなく本質を見抜いていたアルトリアは、そう言ってソーマと共にコウタの元に向かった。

 

誰も居なくなったことを確認すると、シオは一人つぶやく。

 

「……おんなじだけど、“ばけもの”……なにが、ダメ?」

 

知識を得て、彼女が思っていたのはそのこと。

ソーマは、自分に近い気配を持っていて、自分の事を化け物と称した。ならば、シオ達は化け物でも仲良くしているのに、どうしてそれが出来ないのか……

 

シオは、そんな悲しい顔は嫌いだったのだ。

 

「またこんど、いっしょにあおうな」

 

優しい微笑みを向けて、シオもまた……降り積もる雪の風景に、雲隠れするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Prre……ヴゥ………

 

「シックザールは海外出張、特異点は吾輩の元に在り、ネコカオスという存在がカモフラージュとなった…か。

 やりすぎだな。榊(・)」

≪よく言う…誰が手間をかけさせたのかな?≫

「すまぬな。完璧主義者なのだ」

≪―――まあいいよ。これでようやくスタートラインに立てたんだ。

 彼が戻るまで時間もある。私たちの計画を開始しよう≫

「そのコトにゃぁ、少し狙ってもらえないか?」

≪シオちゃん……か≫

「ああ、あ奴の興味を持った対象だ。此処は一つ、感動的に行こうじゃにゃいの」

≪いいさ、なら…場を作ろう。盛大にね≫

 

Pi! シュゥゥゥゥゥ………

 

「………時は来た。星よ、覚悟しておけ。戦いこそが、人類の可能性なのかもしれないのだからにゃ―――――」

 

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