「あいむしんかー、あいくどぶれいくぃとだうん!」
暇なんで“しんかー”(原曲名は英語表記)歌ってます。ネコアルク・カオスです。
カノン様とシオが友達になってから一週間くらい経って、プレゼントの方もいい感じのが見つかりました。あ、バーチャ○ボー○は却下しましたとも。年代的に。
そんな感じでネコカオスはずっと待っている。
毎日まったりとコアなど採ったりして過ごし、歓迎会の準備も終わっているので、カノンが信号弾を撃ち上げるのを今日か今日かと望遠鏡を覗いていたのだった。
運がいいのか悪いのか、遠出した際にもカノンは訪れず、他のゴッドイーターに出会うこともなかったので、今日まで無事に過ごしていた。シオやウロッちも基本縛ってはいないので色々な所に行ってたりするが、やはり此処に戻って来る。このキサラギ本社は最早、彼らの家と化していた。
そんな毎日が続いて一週間目の今日。
この【嘆きの平原】には、ついに“合図の白い信号弾”が撃ちあがった。
「カノン、きた!」
「ウロッち、ここで堆積物を乗り越えるための触手だけ伸ばして待っていろ」
『コクン』
言うと、二人はビルから飛び降り、平原の竜巻発生部まで向かった。
歓迎会の準備は、万端だ。
◇
「カオスさん来ないかな~」
あ、どうも。台場カノンです。
今日、やっと予定が取れたので、嘆きの平原でコクーンメイデン8匹の討伐の依頼を受けてきました。幸い、他にアラガミも居ないみたいで安全そうだったので、こうして約束の信号弾を撃ち上げています。
そう思っていると、ビル群を支えているアラガミの堆積物の向こう側から、小さな黒い影と子供くらいの白い影が見えました。
「カオスさ~ん! こっちです!」
どんな歓迎してくれるんでしょうか? 楽しみです!
◇
「カオスさ~ん! こっちです!」
向こうで、カノン様が手を振っておいでる。
周りにコクーンメイデンの死骸がある事から、比較的楽なミッションを受諾し、目標を達成した後に、吾輩たちと一緒に過ごすつもりなのだろう。
「待たせたな」
「カノーン! ひさしぶり!」
「こんにちは、シオちゃん」
シオはカノンに飛びついてハグをする。
二人とも満面の笑みを浮かべ、見ている此方が微笑ましくなるほどだ。
「では、行こうか」
「「はーい」」
何処の遠足だ、と軽く突っ込んでからタバコを加える。
堆積物のある場所でウロッちを呼ぶと、すぐさま触手が出てきて、足場になった。これなら、ゴッドイーターでも登れるだろう。
「この触手が吾輩たちの家族の一員。ウロッちの一部だから、そう怖がらずともいい」
「あ、はい」
ひょい、と触手の上に乗ると、触手がすぅー、と移動していった。後はキサラギ本社まで一直線。シオがカノンにどれだけ歓迎するか、などを話し、道中は大いににぎわった。
◇
「ここって、キサラギの本社ですか……」
「む、知っているのか?」
「はい。フェンリルに武装して乗り込んできたっていう人達ですよね? 確か、フェンリルの専用部隊の人達が鎮圧したってだけは聞いているんですけど……」
どうやらニュースでその事が流されていたらしく、カノンもその後社員たちがどうなったのかは聞かされていないようだ。おそらくは、皆殺されているのだろうけども。
そう思い、歓迎室まで到着したエレベーターの扉を抑える。
「それでは、台場カノン様……」
エレベーターの扉を開き――
「「よーこそ!」」
「うわぁ……すごい……!」
歓迎室の扉を開ける。
その先にあったのは、色が身で作られた輪っかの束が垂れ下がった歓迎会場。
そこら中からかき集めた人間の食料を使った料理と、ウロッちが伸ばした触手が一斉にクラッカーを引き、紙吹雪が舞い散る一室だった。
「そして、ご紹介しよう。吾輩の家族の一員、その正体は皆アラガミで……」
「ウロヴォロスのウロッちだよ! カノン、よろしくね!」
『ひらひらり』
「え、えええぇぇぇぇぇ!?」
やはり驚いているようなので、彼女の経緯と、キサラギの真実を教える。
すると、構えた神機を下ろし、警戒態勢を解いて……
「そ、そうだったんですか……アラガミでも、こんな事があるんですね……」
『【はじめまして】』
ウロッちはあらかじめ書いておいたプラカードを見せ、部屋の外に巨体の全身を置いていた。こちらに伸びた触手は、全てクラッカーやプラカードの置いてある所に繋げる穴を通っていて、料理を運んだり、たまにそこから喰ったりしていた。
「これあげる。みんなでさがしたんだ!」
「これって?」
「見た目以上に入る収納ボックスと、その中に最新の掃除機、吾輩たちとの直通信端末? みたいな。これなら、アラガミ戦でピンチになっても、すぐに駆けつける事ができるからにゃ」
「ありがとうございます! 箱の方も、これなら、母も喜んでくれると思います」
背中に背負う事ができる程度の大きさの箱であり(モン○ンの小型収納BOX)、本当にうれしそうにしている。蓋を開けて出て来たのは先程言った掃除機と、指輪型の通信機で、カノンは通信機を早速薬指につけていた。左手の。
「ほ~~~う?」
「?」
本気で意味が分かっていないあたり、その辺の知識はアラガミの出現と共に薄れていったらしい。嗚呼、嘆かわしいかな。
そうして宴会は続き、自分達は終始笑顔でいられた。
最終的に、酒が入ったカノンが裏人格を発現させて放射系のバレットで全てを吹き飛ばしてしまったが、これもまあ、無礼講。ということだろう。
その部屋は吹き飛んでしまったが、贈呈品が残っていたのは不幸中の幸い、と言った所か。
……あれ、ゴッドイーターって酔えない筈じゃ?
◇
「今日は、ありがとうございました!」
モンハンの小型アイテムボックス(←最早隠す気もない)を背負い、カノンはぺこりと頭を下げた。
アイテムボックスにはアラガミのコアも十個ほど入っており、カノンの顔をたてる為にそれら全ては中型以上のアラガミコア(無傷)だ。新たなゴッドイーターや、アラガミ装甲防壁の更新に役立つだろうな、と思ってみる。……ま、支部長のノヴァ様に喰わされるだけかもしれないが。
だが、此処でそんな事を表に出す事は出来ない。タバコを吹かして、出来るだけクールに言ってみる。
「良いってことよ、また来るといい」
「またきてな!」
『ふーりふり』
自分達は見送り。
此処、ビルの割れた窓から平原の中心部まで、ウロッちの触手が滑り台のように伸びており、後は此処を滑り降りるだけ。……の筈だったのだが、
「あれ? あの影って……」
「セクメトじゃにゃいか。第二種接触禁忌アラガミが出るなんて……」
望遠鏡で覗けば、セクメトが一匹徘徊していた。
しかもその先、ゴッドイーター体の始発点のところには……
「あれって、サクヤさんと……
橘サクヤと、新型ゴッドイーターが居る。
性別は女性の様で、なにやらサクヤさんと話し合っているのが見えた。おそらく、自己紹介を兼ねての挨拶だろうが、コクーンメイデンの事しか察知できていないのか、セクメトの気配を読めていないようだ。
「大変です! 確かセクメトの
「落ち着け。……シオは此処で待機。此処は吾輩だけが行って瞬殺してこよう。カノン嬢は手伝ってくれるな? これは、吾輩からのミッションだ」
「……! はい!!」
「がんばれな! また、まってるから!」
うむ、双方元気があるようでなにより。それでは、吾輩たちも向かうとしようか。
◇
「セェェェイ!!」
新型ちゃんは中々筋が良いみたいで、重量のあるはずのバスターを軽々と振りまわしていた。
コクーンメイデンを綺麗な太刀筋で切り捨てていき、もう一匹を倒しおわっている。
「ふふ、もしかして、アナグラの誰よりも綺麗な剣筋じゃないかしら?」
見てるだけでも十分だと思ったけど、一対一で相手にするような戦い方は、複数のアラガミと戦うこともあるゴッドイーターにとって、ちょっと危ない気もするわね。後々教えていくとして、今日は帰ったらパーティーでも、しようかしら―――
「オォォォォォ!!」
――って、セクメト!?
「くっ……!」
「サクヤ!?」
飛んできた炎の弾を何とか避けた。
でも、いけない! 新型ちゃんじゃ、セクメトは厳しい……それにしても、どうしていきなり第二種接触禁忌アラガミが……? それに、ここには先にカノンちゃんがきていた筈。新型ちゃんの為に数を減らしていたから、帰りは一緒になるって言っていたわよね…?
「カノンちゃん! どこにいるの!!?」
「サクヤ! 私はどうすればいいでしょうか!?」
「メイデンを倒したら、遠くから爆発系のバレットを撃っていてちょうだい! 絶対に近づいたらダメよ!」
「ですが…!」
「ダメ! あなたじゃまだ勝てない!」
レーザーのバレットで牽制しながら、カノンを探すサクヤ。
新型も加勢しようとするが、あまりにも違い過ぎる実力差があり、サクヤに止められる。実力が分かっている分、よほど歯がゆい思いをしているのか、碧の瞳でセクメトを睨みつけ、決して油断しないように見据える。どんな攻撃でも避ける事ができるように、そして、サクヤの指令にすぐ従えるように。
遠距離型で、長い間生き残って来たサクヤとはいえ、第二種接触禁忌アラガミであるセクメトが相手では、かなり苦戦していた。
もともと、接触禁忌種は多数のゴッドイーターが相手にして、確実に倒しに行く相手なのでから。
「この……喰らいなさい!」
スナイパーの銃身は、レーザーを打つ際に消費するエネルギー量が少なくなる。
それを最大限利用し、サクヤは連続で射出できるタイプのレーザーバレットを放っていた。一本一本の威力は高くとも、接触禁忌のアラガミのオラクル結合の前ではそれも些細なダメージにしかならないようで、ジュ……という焼ける音はするものの、オウガテイル程度なら完全に貫く筈のレーザーは、セクメトの表面だけを焼くに留まった。
打つ手はないかのように思われたその時、黒い、小さな影がセクメトに覆い被さった。
視界を閉ざされたセクメトは、振り払うように黒い何かを引きはがそうとしている。
「あれは……?」
「遅くなりました! 申し訳ありません!!」
「カノンちゃん!」
いつの間にか、サクヤの下にはカノンが到着していた。サクヤの視界の端に、黒い何かがカノンから離れていくようにも思えるものを捉えたが、今はそんな事を気にしている暇はない。
余計な考えを振り払ったサクヤに、カノンが指示を出す。
「すみません、今は私の友達がセクメトを抑えているので、その間にオラクルの回復を……」
「友達…?」
「……後で話します。今は!」
そう言いつつ、黒い影が離れた瞬間に放射の一撃でセクメトを吹き飛ばすカノン。
その必死な様子でセクメトという脅威を思い出し、とにかく今は、この状況を乗り越える為、と“Oアンプル”を口にする。
回復したオラクルが体を巡り、神機に装填出来たことを確認すると、サクヤは指揮権を執った。
「新型ちゃんはさっきと同じで遠くから牽制! カノンちゃんは隙ができたら放射のバレットを叩き込んで! それまでのサポートや、誘導。あなたたちの道は――」
連続レーザーのバレットをセクメトに命中させ、仰け反らせた事を確認すると、再び引き金を引く!
「私が切り開く!!」
「「了解!」」
カノンが仰け反ったセクメトに接近し、爆発のバレットを連続で放射する。
耐性を取り直したセクメトが腕を回転させるが、新人とは思えない程の命中率の高さで、腕に弾丸を当て続けた新型のお陰か、セクメトの両腕羽が結合崩壊を起こした。ここが狙い目だと、防御面が薄くなったセクメトに弾幕の雨が降り注ぐ。
だが、それをも凌ぎきったセクメトは飛行態勢に入り、一番実力が低いだろうと当たりをつけたのか、新型神機使いの方へ飛び立った。新型は逃げようとするのだが、到達する前に、再び小さな黒い影が飛行中の横腹に激突し、体勢を崩したセクメトごとその勢いのまま黒い影に壁へ叩きつける。
そして、これが最後だと感じとったのか、カノンが8つのチップ全てを放射に費やしたバレットを装填し―――
「弾けとびなよ!!!」
引き金を引いたと同時に、カノンの神機から氷の全放射バレットがセクメトを襲った。
顔面、足、胸、両腕羽とその全てに放射の連続放射を喰らったセクメトは遂に倒れ、現在の生命活動を停止させるに至った。
セクメトの、犬のような面に嵌めこまれた紅玉の瞳から光が消え、体を構成するオラクル細胞が黒い霞となって漂い始める。こうして、第二種接触禁忌アラガミであるセクメトは、再び指向性の持たないただの細胞片として身を散らした。
その死体を見届けた黒い影は離れていき、ゴッドイーター達は安堵の域を吐く。
近くに小型のアラガミも居ないようなので、彼女達は疲労で座り込んだ。
「な、何とかなりましたね…………」
「ええ。あなたのお友達が居なかったら、どうなっていたか……」
拳をつくり、コツンと付き合わせて勝利を祝う。
その二人に新型の少女は近づき、深く礼をした。
「独断専行をしようとし、非常に申し訳ありません。ですが、貴女のおかげで助かりました。カノン、貴女に感謝を…」
「へ? い、いいよいいよ! 私も遅れたわけですし、カオスさんが居なかったら、皆やられてたかもしれませんし……あっ」
思わず名前を出してしまい、失態に気付くカノン。
そのまま忘れていればよかった物を、サクヤが先程の戦闘中に行っていた事を思い出し、カノンに問い詰める。
「ねぇ、さっき友達って言ってたけど、どういうことなの?」
「そ、それは……」
なにかいい事はないかと考えた結果、ウロッちを思い出したカノンは……
「あの、その……意志を持ったアラガミに友達が居るんです…」
「アラガミが!?」
「それで、ほら、これなんですけど……」
そう言って、戦う前に地面に下ろしていた箱を見せる。
「母の生活に役立ちそうな者が無いかって聞いたら、探してくれるって言ってくれたので、このミッションのついでに貰いに行っていたんです。遅れてしまい、申し訳ありません!」
「……そう、あなたが無事なら、それでいいわ。それに、友達はさっきの黒い影の事ね?」
「……」
カノンはコクリと頷く。
その顔をずっと見ていたサクヤだったが……
「うん、もういいわ。危険が無いのなら、また会いに行ってもいいんじゃないかしら」
「……! ありがとうございます!」
嬉しそうに、カノンは再び礼をした。
その二人に、新型の少女が近づいて、
「あの、今度私も合わせて貰っても構わないでしょうか?」
「え……?」
「今度、直に礼を言わせてもらいたい。受けた恩は、しっかりと返さねばなりません」
「……そうですね! 今度、友達も連れてきてもいいって言ってましたし」
思案して、そう結論を出す。
新型の少女は顔を綻ばせ、
「それでは!」
「うん。今度一緒に行きましょうね……えーっと……」
「あ、申し遅れました。私の名はアルトリア。アルトリア・セイバーガーデンと申します」
「アルトリアちゃん。これから、よろしくお願いします!」
「こちらこそ。民を守るため、共に戦う友として、宜しくお願いします」
紹介を済ませ、新型の少女……アルトリアがカノンと握手をする。
こうして、波乱の新人ミッションは幕を下ろし、ゴッドイーター達は迎えのヘリに乗ってアナグラへと帰還していったのであった…………
◇
「うんうん。…………あの新型少女、まんまセイバーじゃん」
親睦を深めるゴッドイーター達を見送った後、吾輩は本社に戻って来たのだが、なにやら気配が増えている。少し不思議に思い帰還すると、なにか嬉しそうなシオが居た。
「もどったぜい。……んん? シオ、どうしたのだ?」
「やったねかおす! かぞくがふえるよ!」
「オイバカやめろ……って、家族?」
そう首を傾げた瞬間、後ろからバッ! と羽交い締めにされた。
な、何をするだァーー!?
「かっわいい~! ネコカオスだっけ? どもども~~~~」
「む、は、放して……ちょ、また息が…!」
「おっと、ゴメンゴメン!」
「ぶほっ!!」
パッといきなり開放され、床と熱いキスを交わす羽目になった。
なんだこのテンション高い少女ボイスは、と思って後ろを振り返ると……
「これからお世話になるね! あたしはオレーシャっていうの! よろしく!!」
「にゃにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!???」
哀れ、
チャンチャン♪