ハイスクールD×D ARC    作:ユウキ003

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今回はプール後から会談前までの話です
ちなみに、15、16話は2万字を越えてしまいました
それぞれ二つに分ければよかったのですが、分けられずに
ついつい書いてしまいました。


ハイスクールD×D ARC 第15話

SIDE 守

前日のプールでの一件も終わり、授業参観も近づいて来たある日 

守は、今日は珍しく一人で登校していた そんな時

校門の近くで、眼鏡をかけ、茶色っぽい髪型で、スーツを着た女性を

見つけた その女性は、何やら資料を持っているのか、手元の紙束と

学園の方に交互に目をやっている

 

見た目は、日本人ではないし…肌も日系というよりは、東南アジア系の

人種に近いし……あ、ひょっとして……ある事を思いながら、僕は

その人に近づいた

 

守「あ、あの~…」

???「ここがこれで……あそこかコレ……と言う事はあの裏に…」

何やらぶつぶつと独り言を言っていて、守の声が聞こえていない女性

守「あの~~すみません。」

???「はい?」

と、ここでやっと自分が話しかけられていた事に気づいた女性が

振り返った

守「あ、こんにちは。」

???「え、えぇ、こんにちは。何か用かしら?」

守「あ、いえ。学園の方を見ていたので……ひょっとして海外留学関係ですか?」

???「は?あ、いえ。これは……」

守「あれ?違いました?うちは海外からの留学生も多いので、てっきり

  それ関係の方かと思ったのですが……」

???「あ!えぇ!はい!そうです!私はその……イ、インドネシア政府の

    者で、わが国は近いうちにこことえっと…留学生の交換、プログラムを

    計画していまして!今日はその…下見に…」

守「そうでしたか。それにしても、日本語がお上手ですね。」

???「え!?え、えぇ、まぁ…」

所々、何やら口ごもっている女の人だけど……まぁ、外国の言葉って

理解しづらいよね。 僕の方は、アークの力が勝手に翻訳してくれるから

ありがたいけど…って、そうだ。そろそろ学園に入らなきゃ

守「すみません。わざわざお引き留め締まって。それじゃ、僕はこれで…」

と言って、僕はその場を離れようとしたのだが…

???「あ!ちょ、ちょっと待って!」

守「はい?何ですか?」

???「あ、あの…で、出来れば今学園に通っているあなたの率直な

    感想が聞きたいの!色々質問して良いかしら?」

成程、それなら別に構わないのですが……

守「すみません。そろそろ授業が始まってしまいますし……

  放課後でも構いませんか?」

???「えぇ、構いません。」

守「そうですか。では、午後の3時半、またここに来ます。Ms.……えっと…」

カティ「あぁ、私の事は『カティ』とお呼びください。」

守「わかりました。僕は神宮守と言います。それじゃ、また放課後にここで。」

カティ「はい。お待ちしております。」

と言って、僕はカティさんと別れた 

 

――その出会いが戦いが迫っている事を告げる出会いだったと、知らずに…

 

その日の放課後、僕はカティさんと合流して、学園近くのカフェにやって来た

カティ「では、学園の校風や設備について教えてくれませんか?」

守「はい。学園の校風は、生徒たちの自主性を最大限生かすための教育を

  第一にしています。設備は学食や体育館、プールから剣道場、

  弓道場など、様々な部活か活動が出来るようにいくつもの設備を

  持っています。」

カティ「そうですか。…あぁ、細かい内容もお聞きしても良いですか?

    例えば…会議の内容は一般生徒にも広聴可能なのですか?」

守「いえ。学園の中の会議室は一般生徒は立ち入り禁止ですから。

  …でも、どうしてそんな事まで?」

カティ「あ!いえ!少し、気になった物で……」

と言うと、カティさんは顔を、横のガラスから見える町並みに移してしまった 

 

と、そこに頼んでいた飲み物がやって来て、僕がジュースに口を付けた時でした

   「……この町は…あなたにとってどんな町ですか?」

守「え?…この町ですか…」

カティ「えぇ…どう思いますか…」

守「小さい……東京や大阪と比べられたら、小さな地方の一都市に過ぎない

  のかもしれません。…けど…」

カティ「けど?」

守「僕はこの町が好きですよ。…僕の家族と一緒に過ごす、大切な町ですから。」

カティ「そう……家族、血のつながりか……」

守「カティさん?」

カティ「あ!いえ!何でもないわ……それで質問の続きなんだけど……」

その後、ある程度話をしてから、僕達は別れた

 

そして次の日、思った 駒王に来てから、本当に出会いが増えたな、と

 

翌日、お姉ちゃんと合流した僕は、会談のための会場設営のために、

僕と小猫ちゃん達やアーシア、ソーナお姉ちゃんや夕麻ちゃん達と一緒に

登校していた そんな時だった 校門の前に一人の男性が立っていた 

歳は僕より3つは年上かなと思う背丈と容姿を持っていた 

誰だろうと思ったけど…そんな疑問もすぐに吹き飛んだ 

 

この感じ……ひょっとして 僕はその男性の前で足を止めた

ソーナ「あなた…何者ですか?学園は関係者以外…」

守「待ってお姉ちゃん。」

ソーナ「え?守?」

疑問を示すお姉ちゃんを横目で見ながら、僕は前の男性に向き直った

そして…

守「コカビエルの一件以来ですね。――『白龍皇』…『バニシング・ドラゴン』」

僕の言葉に、後ろに居た全員が驚愕する 

???「はは、さすがだよ原初の王様君。どうして気が付いたんだい?」

守「あなたは、あの時と同じオーラを今も纏っています。

  あの力…肌で感じれば、1年は忘れませんよ。」

ヴァーリ「成程。…では改めて、自己紹介と行こうじゃないか。

     俺は今の白龍皇、『ヴァーリ』だ。」

守「二代目アークオルフェノク…神宮守です。あなたは、どうしてここに?

  戦いが目的…では無さそうですが…」

ヴァーリ「なぜそう言い切れるのかな?」

守「…本気で僕と戦うなら…もっと濃密な殺気を放つでしょう?

  あなたがアザゼルさんからコカビエルを連行するために来たと、あの時

  言っていましたね。だったら、あなたの実力はコカビエル以上……

  なのに、殺気がこれほど薄いと言うのはおかしいでしょう。

  何より、今のあなたからはコカビエルを上回るほどの力を感じられない。」

ヴァーリ「成程……立派な弟を持ったようだな……『リアス・グレモリー』」

その時僕は、前のヴァーリだけを警戒していたので、後ろに現れたお姉ちゃんに

気づかなかった

守「お姉ちゃん…!」

リアス「白龍皇…学園には一体何の用があってきたのかしら?」

そう言っているお姉ちゃんの後ろでは、木場先輩とゼノヴィアが

聖魔剣とデュランダルを構えている しかし、今は昼間、目立ち過ぎる

 

守「木場先輩、ゼノヴィア、剣を収めてください。今の所、この人が

  ここで戦い始める事はありませんから…」

それを聞いて、仕方なく剣を収める2人

ヴァーリ「ふっ。どの道、今この場に居て僕と互角に戦えるのは、

     アーク・グレモリー…君だけだ。彼らでは、僕に傷一つ

     付けられないよ。」

守「それで、ヴァーリさん……あなたはどうしてここに?」

ヴァーリ「何、ただの挨拶さ。あの時はお互い、まともに話も出来なかったしね。

     俺は君に、宣戦布告に来たのさ。」

成程……だから…

守「お言葉ですが、僕は誰かと積極的に戦うつもりはありません。」

ヴァーリ「成程……でも、君がその力を持ち、彼らとの関係を絶たない限り…」

歩き出し、守達の横を通り過ぎていくヴァーリ

    「君は常に戦いの、戦火の中の中央に立ち続ける事になる。

     君が望まなくとも、戦いが向こうから君に迫ってくる。」

守の真横で止まり、視線を交わす二人

    「その中で、いつか僕達が対立する日も来る。……楽しみに

     しているの。赤龍帝に変わる…新たなライバル君。」

そう言うと、ヴァーリ…白龍皇は去って行った

 

それを見送ると、瑠海ちゃんやアーシアが大きく息を突いた 

瑠海「なんつ~威圧感……守は平気だったんすか?」

守「何とかね……コカビエルを圧倒できる力なのは、間違いないよ。」

リアス「…今のあなたで、彼に勝てるかしら?」

守「…判らない。…僕はあの人の本気を知らないから……

  最悪、敵になった場合は……アークの力を完全開放でもしない限り…」

ソーナ「でも、それは……」

守「うん…完全開放は『本当に奥の手』だし……『暴走』の危険性だって

  ある。無暗に使えないのは、僕が一番わかってるよ。」

 

そう……僕は今でも、アークの力を完全に制御できていない 

時々、試そうと思った事はある でも、その度に言いようのない

恐怖が僕の心を支配する 『力を解放して大丈夫なのか?』

『僕の自我が消えるんじゃないか?』『周りの皆を傷つけるんじゃないか?』

そう言った恐怖のせいで、僕は今だにこの力の限界を知らない 

いや……知りたくないんだ この力の解放が、何をもたらすかを知らないから……

 

数日後、再び僕は、カティさんと会っていた  再会したのは昨日の放課後

校門を出て歩いていると、カティさんが現れて呼び止められたのだった

今日は学校内の施設についてもっと詳しい話を聞きたいと言う事だった

そんなこんなで色々と説明していた僕

カティ「そう言えば、あの校舎には、木造の建物があると聞きましたが、

    本当ですか?」

守「はい。旧校舎の事ですね。もう古くなった校舎なので、今は使っていない

  そうですよ。僕が入学した時からすでに、もう使われていない様子でした。」

カティ「そうですか………となれば、あの――――の位置は間違いなく…」

そんな時、後半はよく聞こえなかったけど、また何事かをぶつぶつと

言い始めるカティさん そんな時だった

   『キュウゥゥゥ…』

あれ?今の音って…お腹の……

ジュースを飲みながら前を見ると、少しばかり顔が赤いカティさん…あぁ、今のって…

良し…ここは、

守「そ、それで、何か他に聞きたい事はありますか?」

聞こえなかったふりで話をスルーしようと思ったのだけど…

カティ「やめて…そう言う気の利いた反応は地味に来るから……」

と言って、赤くなった顔を両手で覆っているカティさん あぁ、どうしよう?

ここは……

守「何か軽食でも食べますか?奢りますよ?」

僕はテーブルの横に置かれていたメニューをカティさんに見せた

カティ「え?良いわよ。奢ってもらうなんて……」

と、言ったのですが……再び

   『キュウゥゥゥ……』

と、お腹は正直者のようです。 顔を赤くしながら無言でメニュー表を

見始めるカティさんと、苦笑する事しか出来ない僕……やっぱり

恥ずかしいですよね。

その後、軽食としてサンドイッチを食べたカティさん 

   「ふぅ……ありがとう。このお礼は今度するわ。」

守「良いですよ。これ位……誰かの助けになれれば、僕もうれしいですから…」

カティ「そう……あなたって、変わってるわね。」

そう微笑みながら話してくれるカティさん 

守「よく、言われますよ。お節介焼きだって。…でも、そのお節介で誰かが

  笑顔になってくれるなら……そう思ってますから。」

カティ「優しいのね。君って………でも、それは命取りになる時があるわよ。」

と、急に険しい顔になったカティさん 

   「例えあなたが優しくても、誰しもがその優しさに答えてくれるわけじゃない。

    その優しさを利用する、或いは、その優しさを簡単に裏切る人が、世界には

    五万といるわ。」

守「そう、なのかもしれません。……でも、これは僕自身の選んだ道。

  後悔は、していません。…例え、僕の、甘さが原因で命を落としたとしても、

  僕は後悔しません。………僕は、自分の選んだ道を生きていきたいんです。」

カティ「そう……ごめんなさい。こんな話をしてしまって。」

守「いえ。カティさんの言う事も正しいですから……僕が我儘なのは、

  よく判ってますから。」

カティ「そう。」

その後、僕達は別れてそれぞれの帰路についた 

去り際…カティさんが『きっと……巻き込まなくて済む。』と、小さく呟いていたのを、

僕は聞こえて居なかった

 

そんなこんなで時間は過ぎ、公開授業…つまり、授業参観の日が

やって来た

 

そして、その日の授業と言うのが…1年と2年の合同で行われる事に

なったんだ その内容と言うのが……

紙粘土を使って『何か』を作る、と言う内容だった 

……どうしてこうなったんだろう……

なんて思いながら、辺りを見回していると、他のみんなや先輩も

何を作って良いのか迷っている その時、ふと、夕麻ちゃんやアーシア、

そして、二人と同じクラスになったゼノヴィアがこちらに手を振って来た

 

そちらに僕も手を振り返したのだが……

女子「……ひょっとして、守君ってあの先輩たちと知り合いなの?」

隣に座っていた女子が質問してきた

守「う、うん。同じオカ研の先輩なんだ。」

女子「ふ~ん…そうなんだ。……んで、私は何作ろうかな~」

そう言うと悩んでしまう女子 

さて、僕も何か作らなきゃ……あ、そうだ。

 

僕は粘土をちぎって小さな塊に分けてから、それを一つ一つ丁寧に

貰ったヘラを使って削り始めた

 

SIDE 瑠海 

さてと…うちは何を作ろうかな~ う~ん……変なのは作りたくないし…

…できればかっこいいのを……

そう思いながら、窓から見える空を見上げる瑠海 

かっこいい……そう言えば、あの時の…守のファイズはかっこよかったっすね

…そうだ!それっす!

タイトルが思いついた瑠海は、早速粘土をいじり始めた

 

SIDE 夕麻

これが英会話の授業って……先生も何を考えているのか……

まぁとにかく、今はこれを使って何かを作らないと……何を作ろう?

………先生の言っていた『思い描いた物』を考えながら

私は空を見上げた  空……飛ぶ……守に貰った、サイガの力で飛んだ空

……あ、そうね。どうせだから……

 

SIDE アーシア

うぅ、私は何を作れば……こういうのは得意なのですが…何を作れば良いか

判らないと……

と思っていた時、私の脳裏に、黒色の姿で立つ、守さんの変身した

姿が浮かびました そうです!これです!これも、守さんの雄姿を形として

残せと言う天からのお告げに違いありません!

と、さらに題材を決めたアーシア

 

SIDE ゼノヴィア

ふむ、日本の授業ではこのような作業もするのだな 

しかし……こんな事で英語が身に付くのだろうか?

…まぁ、考えてもしかたない。 そうだな…思い描いた物……

ふと視線を巡らすと、私の視界に、何やら作業をしている守の姿が……

…良し、決めた。私はあのアークの姿を作ろう 

題材を決定したゼノヴィア 

 

SIDE 小猫

……何を作ろう……どうせだから、何か格好いい物を作りたい

かっこいい……そう言えば、姉さまのデルタ、かっこいいな。

私も、あんなベルトが欲しい……あ、折角だから、あれを作ろう

上手く作れたら、姉さまやお兄ちゃん、喜んでくれるかな?

同じく、題材を決めた小猫

 

~数十分後~

 

SIDE 守

先生「な、なんという素晴らしい作品だ!それも5つも!」

作業をしていた僕がその声で我に返ると、先生が何やら複数の粘土細工を

中央、僕の席の近くに持ってきた それは

――クリムゾンスマッシュを放つ態勢のファイズ 作者・瑠海

――フライングアタッカーで空を飛ぶサイガ 作者・夕麻

――ワイズマンローブを風にたなびかせながら、剣を地面に突き立てるオーガ

  作者・アーシア

――堂々と腕を組んだ姿で立ち、背中のマフラーをたなびかせるアークオルフェノク 

作者・ゼノヴィア

――デルタムーバーを正面に構えるデルタ 作者・小猫

 

みんな、それぞれ思い思いの物を作ったみたいだけど……

それに、ゼノヴィア、何で僕の姿を……

 

先生「何と言う美しい造形なんだ!まるで生きているような躍動感!

   素晴らしい!私はこれほどまでに才能を持った生徒を見つけられた!

   やはりこの授業は正解だったんだ!」

その周囲では、大勢の生徒が集まり…

生徒「おぉかっけ~」「どれどれ?俺にも見せて。」

「すっご~い、アーシアさん達って器用だね~」

などと、大勢の生徒が感想を漏らしていた そんな中、僕はずっと手元の作業を

続けていた

そこに、興味を持ったのか、女子生徒が近づいて来た

 

女子「?どれどれ~?守君は何をってぇぇ!?ちょっ!?守君!?」

咄嗟に耳元で騒がれてびっくりした僕 それには夕麻ちゃん達の作品に

眼が言っていた他の生徒や先生もびっくりしていた

先生「ど、どうかしましたかな?」

女子「こ、これ見てください!」

と、聞かれた生徒は守の机の上に置かれた二頭身のネンドロイドの内の

一体を取って先生に見せた 

それは――着色されていない、駒王の学生服を着た――二頭身のリアスだった

笑顔の表情のまま、かわいくデフォルメされたリアス 

それ以外にも、同じく制服を着たソーナ、朱乃、小猫、夕麻、瑠海、木場、

着物姿の黒歌、私服姿のレイヴェルや、華菜、イザベラ達など、

総勢20名以上にもなるネンドロイドだった 

 

生徒「「「「「「おおぉぉぉぉぉ!」」」」」」

  「これってグレモリー先輩!?」

  「おい!こっちは姫島先輩だぜ!」

  「かわいい~!これって小猫ちゃん!?」

  「これって木場君!?」

  「こっちは会長だ~!」

  「他のもかわいいしクオリティたっけえな!」

と、全員が今度は守の机の前に集まった そして…

  「リアス先輩のネンドロイドに5千出す!だから譲ってくれ!」

と言って、生徒(2年)の一人が守に詰め寄った

守「え?えぇ?」

  「なら私は小猫ちゃんのネンドロイドに7千!」

  「俺は全部まとめて2万!いや3万!」

  「だったら俺は7万だ!」

  「じゃあ俺はこっちのフィギュアもまとめて10万だ!」

と、いつの間にか、僕のネンドロイドと夕麻ちゃん達のフィギュアを

掛けたオークションが始まってしまった

 

でも、結局オークションにはならず、せめて、と言う事で

写真撮影会へと発展した

 

その後、僕とアーシア達は、校舎の日陰でお姉ちゃん達と合流した

リアス「それにしても、よくできているわね。」

あの後、慎重に熱で固めたネンドロイドを今はお姉ちゃん達が持っている

守「うん。…みんなにはずっとお世話になってるからね。

  かわいく作れたら、渡そうと思ってたんだ。だから、アーシア達にも…」

と言って、僕は持っていたカバンに入っていたネンドロイドを

アーシアや夕麻ちゃん、ゼノヴィア達に渡した 

アーシア「ありがとうございます。」

小猫「……これが、私…ありがとう。」

夕麻「ありがとう。大切にするわね。」

瑠海「ほえ~よくできてるっすね~」

ゼノヴィア「私も貰っていいのかい?」

守「はい。ゼノヴィアも大切な仲間であり、友人ですから。」

ゼノヴィア「成程…ありがたくいただくよ。」

 

そんな事をしていた時……

佑斗「おや?みんなこんな所に居たんだね。」

リアス「あら?佑斗も休憩?」

佑斗「いえ。実は魔女っ娘の人がいるらしく。面白そうなので

   様子を見に来たんです。」

と言う先輩の言葉に、僕達は首を傾げた

その後、僕達が体育館に行くと、そこでは猛然と撮影会が

始っていた そこでは、確かにアニメの魔女のようなコスプレをした

人と大勢の男子生徒がカメラのフラッシュを焚いていた

 

それにしても…あの人も相変わらずですね

僕達はゆっくりとそちらに向かって歩き出した

 

と、そこに生徒会の匙先輩がやって来て男子生徒たちを退散させた

匙「あの…生徒の御家族方でしょうか?」

???「うん。そうだよ。」

匙「でしたら、そのような恰好で来られるのは困ります。

  できれば節度ある服装で…」

守「匙先輩。その人にはそんな事を言っても通用しませんよ。」

匙「ん?神宮、それにリアス先輩たちまで…どうして――」

セラフォルー「ひょっとして守君!?久しぶり!」

横の匙先輩を押しのけて、その人物――セラフォルー・レヴィアタンは

守の方に走って来て飛びついた

守「セラフォルーさん。お久しぶりです。」

セラフォルー「本当だよね~!もう何年になるかな~?

       大きくなったし、活躍はサー君から聞いてるよ。

       今はリアスちゃんの弟なんでしょ?」

守「はい。今はもう一つ…アーク・グレモリーと言う名前もあります。」

セラフォルー「そっか~ますます強くなっていくし、ソーナちゃんの

       旦那さんにはぴったりだね☆後ろの子達は、君の眷属の子

       だよね?」

守「はい。右から順番に、アーシア、夕麻ちゃん、瑠海ちゃんです。」

セラフォルー「うんうん!守君もだんだんすごくなってくね~!」

笑みを浮かべ、自分の事のように喜ぶセラフォルーさん

 

匙「え?えぇ?何が、どうなってるんだ?」

と、そんな自体を飲み込めていない様子の先輩 よし…

守「匙先輩。この人はセラフォルー・レヴィアタンさん。

  ソーナお姉ちゃんのお姉さんで、現魔王の一人です。」

 

匙「え?……えぇぇぇ!?ソーナ会長のお姉さんだったんですかぁ!?」

守「それと、セラフォルーさん、あの人は2年の匙元士郎さん。

  ソーナお姉ちゃんの眷属の人だよ。」

セラフォルー「そうなの?それじゃ……」

と言って、匙先輩の右手を取るセラフォルーさん

      「ソーナちゃんの事、よろしくね。あの子、結構抱え込みやすい

       性格だから、色々と手伝ってあげてね。」

匙「は、はい!不肖匙元士郎!ソーナ様のポーンとして!必ずや

  ご期待に沿えるように努力します!」

と、ビシッと背筋を正す先輩 と、そこに…

 

ソーナ「匙!何の騒ぎですか!」

僕達が入って来たのとは別のドアを開けて、ソーナお姉ちゃんが入って来た

セラフォルー「あ!ソーナちゃん見つけた!」

ソーナ「あ!お、お姉さま…」

と、気まずそうな雰囲気になるソーナお姉ちゃん 

 

あぁ、そう言えば……ソーナお姉ちゃんて中学に上がるくらいからかな?

何と言うか…僕達と居る時と人前の時で口調が変わるようになったの

今は、人前、公の場の時の口調だけど……その時って

大概セラフォルーさんによくペースを崩されてたし……苦手なのかな?

昔はあんなに仲が良かったのに…

 

そして、僕の予想は的中し……

ソーナ「うぅ……もう!耐えられません!」

セラフォルー「あぁ!待ってソーナちゃん!」

ソーナ「来ないでください!」

瞳に涙を浮かべたソーナお姉ちゃんが走り出して、それを追うセラフォルーさん

守「匙先輩、お姉ちゃんのフォロー、お願いします。

  セラフォルーさんと一緒だと、お姉ちゃんてペースが崩されて

  しまって……」

匙「あ、あぁ、そうみたいだな。」

と言って、お姉ちゃんを追って体育館を飛び出して行く匙先輩

 

瑠海「何か……あの人魔王様って割にはフランクっすね。威厳が無い

   って言うか…」

アーシア「は、はい。」

リアス「あぁ、それはね、仕方ないのよ。ウチのお兄様もそうだけど、

    今の魔王様の4人は、皆プライベートが軽いの。

    さっきのセラフォルー様もその一例ね。」

夕麻「成程ね。…と言うか、魔王様があんなに軽い性格な人で良いの?

   ノリで戦争を起こしたりしないの?」

守「あ~まぁ、そこは大丈夫だろうけど……ただ、セラフォルーさんの場合は…」

ゼノヴィア「ん?どうかしたのか?」

守「今見て貰ったけど、あんな風にセラフォルーさんはソーナお姉ちゃんを溺愛

  しててね。もし堕天使や天使のせいでソーナお姉ちゃんが大変な事にでも

  なれば…それこそ戦争を始めかねない位なんだよね。…」

瑠海「ま、マジっすか。」

まぁ、だからこそあの時は、僕が自力で解決する方法を選んだ理由

の30%位になってるんだよね  あの人が来て本当に戦争にならないために…

 

その後、僕達は校舎のエントランスに来たのだが、そこで…

ジオティクス「リアス、守。」

守「あ。ジオティクスさん!それに……」

リアス「お父様!それに、お母様まで!?」

リアスお姉ちゃんのお父さんであり、僕のお父さんともいえる赤髪の男性

『ジオティクス』さんと、その人の妻、つまり、リアスお姉ちゃんの

お母さんである『ヴェネラナ』さんの姿があった

守「お久しぶりです、ジオティクスさん。ヴェネラナさん。」

ジオティクス「おいおい。それは無いだろう?私達はもう、実の家族なのだから、

       さん付けは必要ないんだぞ?

ヴェネラナ「そうそう。私達の事は、実の親と思ってもらって良いんだからね?」

守「え、え~っと…それじゃ……お久しぶりです…お、お父さん。お、お母さん。」

ジオティクス「うん。やはり親子ならそうでなくちゃな。

       しかし、これで我が家も安泰だな。魔王のサーゼクスに、

       当主候補が守を入れて3人……いやはや、もう怖い物無しだな。」

ヴェネラナ「そうですね。」

守「本当、なんですか?……僕がその…後継者の候補だなんて……  

  僕は、血のつながりも無い…赤の他人で…」

ジオティクス「……君の数少ない欠点は、そうやってすぐ自分を卑下する事だ。」

と言って、守の頭を撫でるジオティクス

      「心配せずとも、君を候補者にしたことを、我々グレモリー家の中

       では、家臣を含めて、誰も反対してはいない。まぁ、もし

       分家の者たちが反対したとしても、私とサーゼクス、リアス達が

       黙らせるから安心したまえ。」

ヴェネラナ「そうよ。あなたには人を惹きつける立派な才能があるのだから、

      自信を持ちなさい。」

守「は、はい……あ、ありがとうございます。」

 

その後、ある程度話していると、お、お父さん達も今日は僕の家に

止まっていく事になった 

さらにはセラフォルーさんまで来ると言い出してしまって……

 

僕はリアスお姉ちゃんやソーナお姉ちゃん、小猫ちゃん達と一緒に、

兄さんやとお父さん、セラフォルーさんを連れて帰宅しました

ジオティクス「ほぉ、ここが守の新居か。…もう少し大きくできそうだな。」

ヴェネラナ「いっその事、ここにお城を建てるのも良いんじゃありませんか?」

サーゼクス「成程、守の眷属も今後増えていくでしょうし、良いかもしれませんね。」

と、だんだん話が大きくなっていっている

守「いや良いですよ!今のままでも十分大きいですから!

  そ、それに、部屋だってまだたくさん余ってますし…今の所、その、

  新しい眷属を迎えるような事もありませんし……」

ジオティクス「ふむ。……ではいっその事、リアスとソーナ嬢を

       眷属に加えてはどうかな?」

守・リ・ソ「「「え??」」」

ジオティクス「元々、リアスやソーナ嬢は君の事が好きなのだし、

       もう3人とも高校生なのだし、同棲をしたとしても

       大して問題ないだろう。好きな者同士、お互い近くに居た方が

       何よりだろう?」

リアス「ちょっ!?何を言いだすんですかお父様!」

ヴェネラナ「そうね。良い考えじゃないかしら?親族を眷属にした

      例がない訳でもないし……」

守「ヴェネ…お母さんまで変な事言い出さないでください!」

サーゼクス「ふむ。そうなると、リアスの眷属は自動的に守君の

      眷属になるわけか。」

と言って、ちらっと小猫の方を向くサーゼクス 

その言葉に反応したのか、何事かを考え始める小猫

その後、中に入ったのだが……

守「ただいま~」

美南風「あら?守、おかえりなさ……えっと…どうしてリアス様やソーナ様まで?

    後ろの方たちは?」

守「あぁ、えっと…この人は…リアスお姉ちゃんや僕の、お、お父さんとお母さんで、

  こっちはソーナお姉ちゃんのお姉さん、セラフォルー・レヴィアタンさんです。」

美南風「……え?えぇぇ!?リアス様のご両親に、魔王のセラフォルー様まで!?

    ちょ、ちょっとみんな!大変よ!」

と言って、リビングに戻って行ってしまう美南風お姉ちゃん

黒歌「美南風、どうしたのニャ。そんなに慌てて…」

美南風「どうしたもこうしたもないわよ!今そこに魔王のセラフォルー様と

    リアス様のご両親の方が来ているのよ!」

黒歌「んぐっ!?ゲホッ!ゲホッ!嘘!?マジで!?」

美南風「だからあんたもお菓子食べてないで片づけて!」

黒歌「りょ、了解ニャ~!」

と、ドタバタとした音が聞こえて来た あぁ、なんかデジャブ…

ヴェネラナ「ふふ。守の家は随分賑やかなのね。」

守「は、はい。」

 

その後、片付いたリビングにみんなで集まったのだけど…

ヴェネラナ「………」

アーク眷属「「「「「「「「………」」」」」」」」

みんながヴェネラナさんの前で正座している

ヴェネラナ「…あなた達が、守の眷属の方々ね?」

レイヴェル「は、はい。」

眷属の中で、特に悪魔勢のみんなが落ち着きが無い様子だった

それもそうかもしれない ヴェネラナさんは昔、『亜麻髪の絶滅淑女』と

呼ばれるほどの強い人で、出身家の方でも、『バアル家最強の女』と言われている

そうで……まぁ、僕の方はヴェ、お、お母さんが過去に何をしたのか、

全く知らないのですが……

とにかく、みんなヴェネ、お母さんにビクビクしている様子

そんな中、お母さんは眷属、レイヴェルちゃんの前で同じように正座した

当のレイヴェルちゃんは、何をされるのかわからないからなのか、周りの

皆以上にビクビクしている

と、正座したお母さんは、レイヴェルちゃんの手を取った

レイヴェル「あ、あの…これは……」

ヴェネラナ「守の事、よろしくお願いするわね。

      あの子の未来、あの子の傍で見届けてあげて。

      眷属として、家族として。守が作る未来を。」

それを聞いたみんなは……

アーク眷属「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」

決意の籠った返事を返した

 

そして結局…

ミラ「ね、ねぇ、これってどういう状況なわけ?」

今現在、リビングに集まり、僕やグレイフィアさん、華菜さん達が作った

食事を食べながら、リビングの大型テレビで、僕、リアスお姉ちゃん、

ソーナお姉ちゃんの3人の一日の授業の様子が流されていた 

 

僕を撮ったのはグレイフィアさん、リアスお姉ちゃんが兄さん、

ソーナお姉ちゃんは言わずもがな、セラフォルーさん 

しかも、セラフォルーさんが取った映像の中には、所々…

『ソーナちゃんがんばれ~!』とか『ソーナちゃんすご~い!』と言った

撮影者本人の声がばっちり録音されていて、撮影された中でも、一番

恥ずかしい内容になっていた 

 

しまいには、ソーナお姉ちゃんがやけになって、

置いてあったイザベラさんが用意してくれたお酒を飲んで、酔いつぶれてしまった 

守「あぁ……えっと、僕はお姉ちゃんを寝かせてきますね。」

ソーナお姉ちゃんをおんぶして、空いている部屋へと連れて行く僕

セラフォルー「あはは~☆そのまま二人でベッドインでも良いよ~☆」

と、茶化すような声が聞こえましたが……聞かなかった事にしよう

 

そんな中、僕がお姉ちゃんを寝かせに行っている間に、リアスお姉ちゃんと兄さんと

の間で何か話があったようで、後日、ある事が僕に話された

それは――

『リアスお姉ちゃんの眷属――ギャスパー・ヴラディを解放する事』だった

 

翌日、僕はリアスお姉ちゃん達やアーシア、夕麻ちゃん達と一緒に、

旧校舎の一室、『KEEP OUT』と書かれたテープが張られた部屋の

前に立っていた

瑠海「部長の眷属って…木場達以外にも居たんすね。どうしてこんな所に

   封印されてるんすか?」

守「ギャスパー君の神器、『停止世界の邪眼』は彼の瞳に映った世界の

  時間を一定時間停止させるものなんだ。…ただ、彼自身がその力を

  制御できてなくてね。これでも、小猫ちゃん達眷属の中では

  一番の稼ぎ頭なんだけど……」

そんな事を言っている内に封印が解放され、扉が開いたのだけど…

ギャスパー「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ものすごい悲鳴が聞こえ、アーシアや瑠海ちゃんが耳を抑えた

僕やリアスお姉ちゃん達は、驚きもせず、中へと入って行った

守「ギャスパー君、久しぶり。元気だった?」

ゆっくりと歩き出して、中に居る銀に近い金髪の人物の元へと

歩き出す僕

ギャスパー「ななな!何で守君が居るんですかぁぁぁ!僕はとうとう王様を

      怒らせちゃったんですかぁぁ!?」

う~ん……極度の対人恐怖症は相変わらずか……仕方ない まずは話をしないと

守「落ち着いて…僕は何もしないから。僕はただ、君と話がしたいだけなんだ。」

ベッドの上で震えているギャスパー君の元へと近づき、視線が下になるように、

床に座る僕

ギャスパー「うぅぅ……ほ、本当に?」

守「うん。お姉ちゃん達は少し待ってて。」

リアス「えぇ、わかったわ。一度扉を閉めておくわね。」

守「うん、わかった。」

 

そう言うと、お姉ちゃんは一度扉を閉めた

 

SIDE リアス

ハァ…ギャスパーの人見知りは相変わらずのようね。 

今も、心を開いているのは私より守の方だし…いっその事ギャスパーも

守の眷属にした方が良いのかしら?

なんて思っていると

アーシア「部長さん。あの子が僧侶の眷属の方なのですか?」

リアス「えぇ、名前はギャスパー・ヴラディ。吸血鬼と人間のハーフなの。」

瑠海「ハーフ…それにしても、凄い人見知りっすね。」

リアス「えぇ、今の所、まともに、と言うか、落ち着いて話せるのは   

    守だけなのよ。」

小猫「ギャー君は人見知りが激しいから、仕方ない。」

夕麻「ギャー…『君』?あの子の見た目は女の子だったわよね?」

朱乃「あぁ、ギャスパー君のあれは女装ですわ。」

と言った時、アーシアや夕麻達4人が凍り付いたような表情になった

瑠海「え、え?えっと…つまりあのハーフは俗に言う『男の娘』的な?」

夕麻「それで引きこもりって…」

朱乃「本人曰く、女子の制服の方がかわいいから、だそうですわ。」

アーシア「本当に男の方なのですか?」

そうよね。誰だって最初はそう言われたら驚くし信じられないわよね

…まぁ、とにかく今は守に任せるしかないわね

 

SIDE 守

部屋に入った僕は、ギャスパー君と話し始めた

守「こうして会うのは、2年ぶり位だね。体調の方は大丈夫?」

ギャスパー「う、うん。」

守「そっか、良かった。あ、後ね、ギャスパー君にプレゼントがあるんだ。」

ギャスパー「え?」

懐から、ラッピングした小さな箱を取り出して、僕はギャスパー君に

渡した

     「これって…?」

守「開けてみて。」

貼ってあったテープを外して、ラップを剥がし、箱を空けた中から出て来たのは…

ギャスパー「これって、僕?」

先日の授業の際に作っていた、ネンドロイドだった 

今と同じように女子の制服を着ている姿で、さらに着色された二頭身の

可愛くデフォルメされたギャスパーだった

守「うん。この前の授業で粘土を使ったのがあってね。お姉ちゃん達や

  木場先輩のも作ったんだ。ギャスパー君にも渡そうと思ってたんだけど、

  ゴメンね。遅くなっちゃって。」

ギャスパー「そ、そんな事ありません!あ、ありがとうございます。

      ぼ、僕なんて、こんなに可愛くしてもらうほどでもないのに…」

守「そんな事無いよ。ギャスパー君、僕から見たら十分かわいいよ。」

ギャスパー「ほ、本当に?でも、変、じゃないの?僕、男なのに、

      こんな弱くて、女の子の恰好なんかして…」

それを聞いた守は、ゆっくりと立ち上がってから、ベッドの上のギャスパー

に近づき、少し怯えているギャスパーを、優しく抱きしめた

     「ふぇ!?守君!?」

守「大丈夫。ギャスパー君はギャスパー君なんだ。例え君が女装していた

  としても、それは君だ。君のやりたい事、したい事。僕はそれを否定なんて

  しないよ。だって、君も、僕の大切な家族だから。」

そう言われ、笑みを向けられた瞬間、ギャスパーは顔を赤く染め、心はキュンキュンが

止まらなかった お互いに中性な顔立ちをしているためなのもあるが、

かつてから自分に優しく接してくれていた守に、ギャスパーは乙女心の

ような物を募らせていたのだった

 

かつて、ヴァンパイアハンターによって殺され、リアスの眷属となった

ギャスパーは、人が信じられず、人を極度に避けていた しかし、そんな中で、

グレモリー邸で暮らしていた際に出会った、自分と同い年の少年

それが守だった  守自身は、彼の制御できない力に過去の自分を重ね、

ギャスパーに対して、積極的に接触を繰り返した 自分と同じように、

力に恐怖している自分を救ってくれる人が必ず傍に居ると伝えるために。

最初こそ、ギャスパーは守を避けていたものの、次第にその心の真意を知り、

今のように、ある程度会話できるまでになったのだった 

 

同性同士、ダメだとわかっていても、ギャスパーは次第に守に惹かれ

始めていたのだった そんな時、興奮によってギャスパーの邪眼は発動してしまい、

部屋の中全体の時間が停止してしまった やってしまったと思い目を瞑り、

俯いたギャスパーだが、その頭を優しく撫でる手があった 守の手だった

ギャスパー「え?どうして…結界の中で…」

守「大丈夫…これ位…少し力を出せば、この結界の中でも、僕は

  君の傍に居られるから……ッ…」

そこでギャスパーは気づいた 自分が彼の力を使わせてしまった事を

ギャスパーもまた、守の過去を彼自身の口から聞いていた 

オルフェノクと化した自分の事、力に恐怖していた事など…

だから自分が許せなかった 自分が目の前に相手を苦しめているのだと

再び目を瞑ったギャスパーを、再び抱擁する守

 

 「大丈夫。僕は傍に居るから。君は、一人じゃないから。」

その言葉を聞いた瞬間、ギャスパーは大粒の涙を流し始めた

ギャスパー「ほ、本当…?…グスッ……本当に、僕は一人じゃないの?」

守「うん。世界中の人を敵に回したって、僕は家族を守るよ。それは、

  ギャスパー・ヴラディ、君も同じだ。」

それを聞いたギャスパーは、顔を真っ赤にして、涙を流しながら守の

胸に飛びついた それを受け入れ、頭を優しく撫でる守 

 

しばらくして…

ギャスパー「ねぇ、守君。」

守「何?」

ギャスパー「僕がね…守君を好きだって言ったら、守君とキスしたいって言ったら、

守君は僕の事、嫌いになる?」

守「え?」

ギャスパー「変、だよね。男同士なんて……ごめんなさい、今のは忘れて――」

守「…そんな事…ないよ。」

ギャスパー「え?ん!」

守に背を向けたギャスパーを抱き寄せ、振り向いたギャスパーにキスをする守

驚きでギャスパーの目が見開かれた後、その目はトロンとした

やがて、唇を離す守  

     「どう、して?」

守「…誰かを好きになるのに、年齢も、性別も、そんなの関係ないんだよ。

  僕がお姉ちゃんや眷属のみんなが好きなように…僕もギャスパー君の事は

  好きだよ。」

ギャスパー「ほ、本当に?本当の本当に?」

守「本当の本当だよ。…僕は、我儘かもしれないけど、皆が大好きだ。

  お姉ちゃん達や、兄さん…僕の家族になってくれた、レイヴェルちゃん達…

  みんな大好きだ。愛してる。でも、僕は誰かひとりを選ぶ事ができなんだ。」

ギャスパー「守、君。」

守「でも、これだけは言える。僕は、皆が世界で一番大好きだ。

  みんなの為なら、何だってできる。もし、僕の大好きな人を、  

  世界が否定するのなら、僕は世界とだって戦う。

  僕を家族として迎えてくれた、愛する人のために。」

ギャスパー「守君……ありがとう////」

守「どういたしまして…」

 

その後、僕はギャスパー君を落ち着かせ、邪眼を停止させた後、

話を切り出した

 「それと、今日ここに来たのは、お姉ちゃんからギャスパー君に

  話があるからなんだ。呼んでも良いかな?」

ギャスパー「う、うん。でも、お話している間、傍に居てくれる?」

涙目で守を見上げるギャスパー

守「うん。わかった。」

 

そして、テレパスで外のリアスに呼びかけた守

リアス達がドアを開けて入って来た時には、ギャスパーはベッドの淵に

腰かけた守の服の袖にしがみ付いていた

 

リアス「ギャスパー……単刀直入に言うけど、今の私は、色々な功績…

    と言うか、守があなたの傍に居ると言う条件付きで、あなたの

    自由行動を認める事になったわ。」

ギャスパー「えっと……それってどういう意味ですか?」

朱乃「ギャスパー君は、守が傍に居ればお外に出られる、と言う事ですわ。」

リアス「この中で、邪眼が発動したとしても、その中で動ける人物且つ、

    あなたを安心させられる相手は守だけなの。だから、

    守が傍に居る時だけは外出が許可されたわ。」

ギャスパー「え?お外…ですか……いいです。外は日の光とか…色々、苦手ですから…」

と言って守の袖を握りしめるギャスパー 

それを見た守は、ゆっくりとギャスパーの頭を撫でた 

 

瑠海「………」

アーシア「瑠海さん?どうかしたのですか?」

瑠海「いや…なんか嫌な予感が……」

リアスや朱乃とギャスパーが話している間、遠巻きにそれを見ていた瑠海が

ギャスパーの行動を訝しんでいる

木場「ふふ、そうだね。こういっては何だけど、ギャスパー君も、

   君たちのライバルになるんだろうね。」

夕麻「ど、どういう意味?」

木場「ギャスパー君が眷属になった順番は、僕より前なんだ。

   小猫ちゃん、朱乃さん、ギャスパー君、僕、そしてゼノヴィアの順番なんだよ。

   だから、これは聞いた話なんだけど、ギャスパー君が眷属になりたての頃は

   誰ともまともに話そうとしなかったんだって。でも、そんな中でも

   ギャスパー君と積極的に話をしていたのが守君だったんだって。

   彼の過去に、守君はかつての、力をコントロールできない自分を  

   重ねていたんだろうね。ギャスパー君もそれに気づいてからは、

   守君とよく話すようになっていったんだよ。主たる部長よりね。」

アーシア「そうだったんですか。」

木場「部長の高校、つまり学園への進学に合わせて、ギャスパー君も

   この旧校舎に封印される事が決まってね。グレモリー家を離れる時は、

   それは随分嫌がっていたよ。『守君と離れたくない』って、大声で

   泣いてたくらいにね。でもまぁ、あの後守君が説得したみたいで、

   今に至るってわけさ。…それで、ここからが大事な事なんだろうけど、

   ギャスパー君の中での守君の存在は大きいよ。君たちと同じくらいにね。」

瑠海「そ、それってまさか…あのギャスパーってハーフもひょっとして……」

木場「まぁ、ご想像通り、守君が彼にとって『一番大切な人』なのかもしれないね。」

夕麻「そ、それってつまり…男同士の……」

と、言いかけて、顔を赤くする夕麻  

 

※ 彼女が何を想像したかは、読者の皆様のご想像にお任せします

 

その後、リアスお姉ちゃんや朱乃お姉ちゃん、木場先輩は兄さんの所へ

説明などで行く事になり、残った僕、小猫ちゃん、夕麻ちゃん、瑠海ちゃん、

アーシア、ゼノヴィアでギャスパー君を教育する事になったんだけど……

ギャスパー「お外…やだ…行きたくない。」

ベッドに腰かけた僕にしがみ付いたまま、動こうとしない涙目のギャスパー君

かれこれ1時間、ずっと僕達がギャスパー君を外に引っ張り出そうと説得を

試みていますが…結果はずっとNOのままで…

ゼノヴィア「仕方ない…こうなれば…」

と言って、ゼノヴィアは異空間より聖剣デュランダルを取り出し構えた…

     「多少荒療治でも、『ポコッ!』痛ッ!何をする守!」

守「荒療治すぎます。それで余計外が怖くなったり、対人恐怖症が

  悪化したらどうするんですか?誰だって、剣を片手に襲ってくる人を

  見たら、恐怖しますよ。」

と言うと、半ば唸りながら聖剣をしまうゼノヴィア 

それにしても…どうにかしないと……あ、そう言えば…学園の花壇がそろそろ

咲いているはず。ここは……

 「ねぇギャスパー君。お花、見たくない?」

ギャスパー「え?」

守「校庭にある花壇が見ごろなんだ。色んな色の花が咲いていて綺麗だよ。

  一緒に見に行かない?」

ギャスパー「で、でも…そしたらお外に出る事になるし…僕、日の光は嫌いだし…」

守「それじゃ、はい。これ。」

僕は、少しばかり力を使って、家に置いてあった麦わら帽子を引き寄せ、

ギャスパー君の頭に被せた

 「僕は、君と一緒に綺麗な花を見たいな。…ダメかな?」

すると、ギャスパー君は帽子の鍔を両手で掴んでから、少しだけ、首を縦に振った

 「良し。それじゃ、行こう。」

こうして、僕はギャスパー君を連れて、外に出た 

少しだけ日光を遮るように、不可視のフィールドをギャスパー君の周りに

張った状態で……

 

その後、みんなで花壇の所に行くと、そこではジャージ姿で作業をしている匙先輩の

姿があった

匙「ん?」

守「匙先輩、お疲れさまです。」

匙「あ、神宮か。どうした、こんな所に用か?」

守「用、と言うほどの物ではないのですが…」

と言って、僕は後ろで、麦わら帽子で顔を隠しているギャスパー君の方に

目を向けた

匙「ん?…あ、その子が例の解放された先輩の眷属って奴か?」

守「はい。ギャスパー君、先輩に挨拶して。」

ギャスパー「うぅ……はい。」

そう言って麦わら帽子を取るギャスパー君 しかし……

匙「おぉ!美少女じゃないか!しかも金髪!」

ギャスパー「ひ、ひぃぃぃ!」

匙先輩の興奮ぶりに、少々引き気味のギャスパー君 

しかし、匙先輩の横にゼノヴィアが現れ、

ゼノヴィア「残念だがこの子は男のようだ。女装趣味らしい。」

匙「は?……はぁぁ!?この可愛い子が男!?んなバカな?!」

小猫「本当です。ギャー君は男の子です。」

匙「ま、マジで?」

小猫「マジです。」

と言うと、何処か沈んだような表情になる先輩  

僕はその事を気にしながら、花壇の近くに屈んで、ギャスパー君を手招きした

同じように、僕の横に屈んで、花壇を見つめるギャスパー君

 

守「どう?綺麗でしょ?」

ギャスパー「……うん。」

そう言って薄い笑みを浮かべながら、花壇を見つめているギャスパー君を

僕は笑みを浮かべながら見ていた  

 

そんな時

アザゼル「へぇ、その小僧が『停止世界の邪眼』の保持者か。」

何処からともなく声が聞こえ、花壇の横、校舎の影から、

浴衣の姿のアザゼルさんが現れた 

夕麻「あ、アザゼル様!?どうしてここに!?」

唯一、その人物の事を知っていた僕、夕麻ちゃん、瑠海ちゃん、アーシア、

小猫ちゃんが反応し、夕麻ちゃんの声で、相手の正体を知った

匙先輩、ゼノヴィア、ギャスパー君が反応した 

匙「お、おい!今なんて言った!?こいつが、堕天使の総督!?

  本当なのかよ!?」

小猫「事実です。あの人が、堕天使の総督のアザゼルです。」

小猫ちゃんの声を聴くと、匙先輩が自身のセイクリッドギアと

ゼノヴィアがデュランダルを展開して構えた 

 

しかし、僕はその横に行き、二人に構えを解くように促した

守「大丈夫です。アザゼルさんはコカビエルのような戦闘狂ではありません。

  それに、敵意があるなら、わざわざこんな事はしません。」

僕はそう言ってから、アザゼルさんの前に出て――右手を差し出した

 「お久しぶりです。アザゼルさん。教会での一件以来ですね。」

アザゼル「おう。そうだな。お前も相変わらず、みたいだな。」

同じように右手を出して、握手を返すアザゼルさん

 

その様子を、匙先輩とゼノヴィアは、驚いた様子で見ていた

匙「お、おい。神宮、お前まさか…堕天使の総督とも面識があったのか?」

守「はい。以前一度だけお会いした事があるんです。…まともに話をした訳

  ではありませんが……」

匙「お前って……堕天使と悪魔のトップと顔見知りって…何なんだよ。」

アザゼル「それにしても、コカビエルの一件じゃ、迷惑かけちまったみたいだし、

     この前はヴァーリの野郎が来たんだって?」

守「えぇ、僕の事をライバルと認める、と言う風な事を言ってました。」

アザゼル「成程な。アイツらしいこった。」

守「それで、今日はどうしてここに?」

アザゼル「ん?まぁ、今言った先日の謝罪と、会談に備えての下見をな。

     ……にしても…」

と言って視線を僕から神器を展開した匙先輩に移し、何やら先輩の神器の解説を

始めたアザゼルさん あぁ、そう言えばアザゼルさんて今神器の研究をしているって

バラキエルさんが言ってたっけ?

 

その後、今度はギャスパー君の方に近づいて色々と探っているアザゼルさん

しかし、その前ではギャスパー君がビクビクしっぱなしです。

守「アザゼルさん。もうその辺で。ギャスパー君は極度の人見知りなんですよ。」

アザゼル「ん?そうなのか。」

と言ってギャスパー君から離れるアザゼルさん 

    「あ、そうそう。謝りついでに教えておいてやるが、

     そのハーフのガキの力、コントロールできるようにするには、

     さっき言ったように、そっちのブリトラの神器の力を使うか……

     オルフェノクの眷属にするって手もある。」

守「?どういう意味ですか?」

アザゼル「これは俺が独自のルートで手に入れた情報なりなんなりを統合して

     得た結論だが、お前達悪魔が転生に使うあの駒。あれを使った

     転生悪魔と主の間には、ある種の接続が生まれる。

     確か、ルークの駒はキングと位置を交換できるんだろ?

     それが良い例だ。つまり主の力を転生側が受け取って使えるように…

もし、お前とそのガキがつながれば、お前はそのガキの力を

外部からある程度コントロール出来るかもってわけだ。」

ギャスパー「それ……本当なん、ですか?」

アザゼル「さあな。今のはあくまで俺の研究成果の結論だ。

     試した事もないからわからん。」

ギャスパー「僕が…守君の、眷属に……」

守「……僕が、ギャスパー君のストッパーになれる、と言う事ですか?」

アザゼル「あくまで可能性の話だ。信じる信じないは、お前達の勝手だがな。」

守「そうですか。……アザゼルさん。」

アザゼル「ん?」

守「アドバイス、ありがとうございました。参考になりました。」

アザゼル「ん。…そんじゃ、俺は帰るわ。会談の時にまた会おうぜ。」

そう言うと、アザゼルさんは何処かへとか帰って行ってしまいました

 

それを見送る僕を、ギャスパー君が複雑な瞳で見て居た事を、僕は知っていた

 

翌日、僕は夕麻ちゃん、瑠海ちゃん、華菜さんと一緒に、駒王町にある、

朱乃お姉ちゃん達が暮らす神社へとやってきました。

理由は、何やら個人的な話だとか?詳しくは僕も聞いていないので理由は

知りませんが……

瑠海「それにしても、どうしてウチらも呼ばれたんすかね?」

華菜「学園関係なら、私まで呼ばれる事は無いだろうし…

   ひょっとして堕天使関係なのか?」

夕麻「とにかく、行ってみましょう。そうすれば答えがわかるわ。」

やがて、階段を登っていると、視界が晴れて、そこには巫女姿の

朱乃お姉ちゃんと朱璃さん、和服姿のバラキエルさん、そして……

瑠海「ドーナシーク!」

以前出会った時と同じような服装のドーナシークさんの姿があった

ドーナシーク「みんな、久しぶりだな。」

夕麻「ドーナシーク、あなたがどうしてここに?」

ドーナシーク「今の私は、バラキエル様の補佐官として働いているのだ。

       私も、近々開催される会談には、バラキエル様の護衛として

       参加する。」

守「と言う事は、バラキエルさんも会談に?」

バラキエル「あぁ…まぁ、護衛と言う形だけの参加のような物だがな。」

華菜「しかし、こうして会うのは数カ月ぶりになるのか。元気にやっているか?」

ドーナシーク「あぁ、仕事は充実しているし、疲れるほど充実

       しているよ。お前達の方も……かなり充実しているようだな。

       そう言えば、名を変えたそうだな?」

夕麻「えぇ、今の私は天野夕麻。」

瑠海「ウチは天野瑠海っす!」

華菜「私は天野華菜だ。」

夕麻「今は、守の眷属として、一緒に生活しているわ。」

ドーナシーク「そうか……神宮守。」

守「はい。」

ドーナシーク「改めて、君に感謝する。君のお陰で、我々は新しい人生を

       選ぶ事が出来た。ありがとう。」

守「いえ…僕は、皆の命を救いたいから戦っただけです。

  感謝されるほどの事でもありません。…あ、そうだ。ドーナシークさんに、

  渡しておきたい物があるんです。」

ドーナシーク「ん?」

僕は、アークの力で、家においてある、予備のRTフォンを引き寄せ、

それをドーナシークさんに手渡した

      「これは?」

守「それはRTフォン、光線銃にもなる万能ツールです。

  もし、僕に何か手伝えることがあったら、それを使って

  連絡してください。すぐに行きますから。」

ドーナシーク「頼もしい限りだな。ありがたく頂戴するよ。」

受け取ったRTフォンをポケットにしまうドーナシーク

バラキエル「うむ。では、ここではなんだ。まずは中に入ってくれ。」

そう言って、僕達はバラキエルさんに居間へと案内された

 

守「それで、今日はどうして僕達が呼ばれたんですか?」

バラキエル「まぁ、今日君を呼んだのは、我々からある物を渡す

      為なんだ。」

守「ある物?」

朱乃「これですわ。」

そう言って、僕の横に居た朱乃お姉ちゃんが壁の近くに置かれていた木箱を

僕の前に置いた 

守「これですか?」

バラキエル「あぁ、君には、コカビエルの野望阻止において、多大な功績を

      残している。それはアザゼルから君宛に預かった物だ。

      先日の事件のお礼と、巻き込んでしまった謝罪、だそうだ。」

守「そうなんですか……中身を拝見しても良いですか?」

バラキエル「あぁ……実を言うと、私も中身をあまり知らなくてね。

      アイツの話では、人工セイクリッドギアの研究と、

      太古の昔に存在した鎧の技術を統合して作り上げたとか

      言っていたが……」

そんな事を聞きながら、僕が木箱を開けると、そこには……

紫色の…拳銃?のような物が入っていた 

 

と言っても、形自体は銃とはかけ離れて居て、どちらかと言うと、

ナックルガードに近いような形だ

これって…… と、その時、僕は木箱の下に手紙が入っているのを見つけ、

それを開いた そこには…このアイテムの説明が書かれていた 

 

守「え~っと……このアイテムの名前は…『ブレイクガンナー』で…

  大昔の武器?…これがですか?」

バラキエル「あぁ、何やら、太古に存在した武器をモデルにしているらしいが、

      中身は大昔の物と変わらないそうだ。

      もっとも、そこいらの神器よりは格段に強烈だと、

      アザゼルは言っていたが……すまんな。私も詳しい話は知らんのだ。」

守「そうなんですか。…ありがとうございます。使ってみます。」

 

その後、結局話し合いはそれだけで、その日の昼食は、神社で貰う事になった

 「すみません。わざわざ…」

朱璃「気にしなくて平気よ。守君には今までお世話にもなってるし、これ位当然よ。」

朱乃「私達が腕によりと掛けて作りますから、少し待っていてくださいね。」

守「は、はい。」

朱璃「あなた、それまで、守君の相手をお願いしますね。」

バラキエル「あぁ、守君。将棋はできるかな?」

守「はい。少しなら…」

バラキエル「では、一勝負お願い出来るかな?」

そう言った時、少しだけバラキエルさんの視線が夕麻ちゃん達に行ったような

気がした……あぁ、成程

守「はい。よろしくお願いします。」

バラキエル「そうか。なら、天気も良いし、外で指すか。」

守「はい。」

そう言って僕達は一度部屋を出た

 

SIDE 夕麻

残された私達は、出された飲み物を飲みながら、少しばかり沈黙していた

…どうしよう、何を話そう?

ドーナシーク「それで…彼との共同生活はどうなんだ?」

と、先にあっちから話題を切り出して来た 

瑠海「楽しいっすよ。今や20人の大家族っすからね。」

ドーナシーク「そうか。彼は悪魔達も眷属にしたと言っていたな。

       それで、いがみ合っていた種族との生活はどんな感じだ?」

華菜「正直に言えば……戦争なんてバカバカしいと思えてしまうほど、

   充実しているよ。彼女達も…今は私達と共に生活する事を何ら不思議に

   思ってはいない。」

ドーナシーク「そうか…しかし、その眷属達はライバルなのだろう?」

夕・瑠・華「「「え???」」」

ドーナシーク「とぼけるな。お前達があの男に惚れているのはとっくに

       知っている。大変なんじゃないか?恋の争奪戦とやらは。

       ハハハ。」

瑠海「ま、まぁ、そうっすけど……」

華菜「確かに…ライバルは増える一方だし…困っている限りだ。」

ドーナシーク「まぁ、この和平の話が進めば、私達3大勢力が表立って

       争う事は無くなるだろう。」

夕麻「そうね……ん?待って、表立って、とは、どういう意味?」

それを私が聞くと、ドーナシークは辺りを見回してから、私達の方に

顔を近づけた 

ドーナシーク「それが…私も噂でしか聞いた事が無いのだが、

       今回の会談を、よく思っていない悪魔側の人間が

       いると言う話を少し耳にしたんだ。そっちは何も知らないのか?」

夕麻「いいえ。初耳よ。数日前に魔王の二人と話したけど……   

   あの時はプライベートだったから、そう言った話はしてなかったし…」

ドーナシーク「そうか。…まぁ、こう言ったものは単なる噂だ。

       仮に和平を妨害したとしても、それは3大勢力全てを

       敵に回しかねない。そんな事をしようとする相手がいるとも思えん。」

瑠海「そうっすね。それに、そんな辛気臭い話は無しっす。折角再会できたんすから。

   思い出話に花を咲かせるっす!」

ドーナシーク「ほぅ。お前も言うようになったじゃないか。」

瑠海「当たり前っす!ウチだって変わったんすから!」

と、そこに、料理を持った朱乃先輩たちが戻って来て、さらに外の

守達も戻って来て、私達は久しぶりの友人との食事を楽しんだ

……ホント、幸せよね。毎日が

私は…少しだけ開いた窓から見える晴れた空を見上げた 

 

――新たなる戦いの火種が…近づいている事も知らずに……

 

     第15話 END

 

 

 




次回は会談とヴァーリとの決闘ですね。
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