作中ではオリジナルのバイラルコアを出してます。
~~前回までのあらすじ~~
ロキとの戦いが迫る中、守はオーディンがかつてのオルフェノクを
知っていたと言う事実を思い出し、彼にかつてのオルフェノクの事を
尋ねた。
やがてオーディンの口から語られたのは、人々を護るために戦った
先代アークの活躍と当時のオーディンに向けて放った言葉だった。
かつての先代の戦う姿を聞き、守は改めてロキと戦う覚悟を
決めるのだった。
~~ロキとの戦いを明日に控えた夜~~
守の自室。
守「ふっ!はぁっ!!」
今、守は部屋の一角で大きさ・重さ共にファイズブラスターと
同じ鉄製のアイテムを使ってイメージトレーニングを
行っていた。
『敵は北欧神話の神。そして、神をも砕く牙を持つフェンリル。
それに、ロキがそれだけで来るとも限らない以上、
油断は出来ない』
「はぁっ!」
そう、考え事をしながら模擬武装を振るう守。
『けど、そんなの関係無い。僕は、僕の家族を守る!』
「ぜぁっ!」
決意を新たにしながら、手にしたそれを横薙ぎに振った所で
守は構えを解き、息を付いたのだった。
と、そこへ。
『コンコン』
リアス「守?まだ起きているの?」
ドアがノックされると扉が開き、リアスが入って来た。
守「あ、うん。決戦が近いからね。ファイズブラスターの
鍛錬を少しでもしておきたかったんだ」
そう言いつつ、模擬ブラスターを置いてタオルで汗を拭く守。
「それより、お姉ちゃんこそこんな夜にどうしたの?」
リアス「少し、ね。今日はどうせだから、添い寝でもしようかと
思って。お邪魔だった?」
守「ううん。そんな事無いよ。少し待ってて。汗を流して着替えるから」
そう言うと、守は汗を含んだ衣服を脱ぎ、併設されているシャワー
ルームで汗を流すとパジャマに着替えて戻って来た。
そして、同じベッドの上に眠る二人。
リアス「なんだか、懐かしいわ。こうして二人だけで眠るの
なんて、いつ以来かしら」
守「そうだね。最近は家族も増えて来たしね」
そう言って苦笑する守。そんな時だった。
リアス「……なんだか、とても遠くへ来た気がするわ。
守と出会って、色々あって、もうすぐ私達は神と
戦おうとしているのね」
どこか、恐れているかのように呟くリアス。それを見た守は……。
守「大丈夫だよ、リアスお姉ちゃん」
そう言って優しくリアスの頭を、自分の胸に当てるように
抱きしめた。
「神でも何でも、僕達は負けないよ。僕には、心強い仲間が、
みんなが居る。僕の中にホースやウルフたちだっている。
オートバジン達だって、僕達と一緒に戦ってくれる。
ライダーズギアもある」
リアス「守」
彼に抱かれながら顔を赤くしつつ、守の顔を見上げるリアス。
守「だから僕は恐れたりなんかしない。僕は掴んで見せる。
今僕の傍に居てくれる家族を、これから先も、ずっと
一緒に歩んでいく未来を、この手で勝ち取って見せる」
リアス「くすっ、あなたらしい理由ね」
そう言って、笑みを漏らす守。
「私は、信じてるわ。あなたなら必ずみんなを
守ってくれるって」
守「うん。なんてたって、僕は『王』だからね」
そう言って、守は静かにリアスの髪を撫でるのだった。
『そうだ。僕はもう二度と取りこぼさない。
この手で、家族を守り抜く』
彼は静かに決意を固め、リアスを抱きしめながら共に
眠りにつくのだった。
そして、決戦の夜がやってきた。
とある高層ビルの屋上に佇む守、リアスを筆頭とした
新生グレモリー眷属総勢27人。オートバジンや
サイドバッシャー達も既にバトルモードで彼らの後ろに
控えている。更には堕天使側からバラキエルが。
更に北欧神話側からは鎧をまとったロスヴァイセが守達と共に
戦う為に近くで待機していた。更に少し離れた所ではヴァーリ達3人が。
ビルのはるか上空ではタンニーンが控えていた。
そして、周囲のビルの屋上にはソーナをはじめとしたシトリー眷属が
待機しており、ロキたちの出現と共に彼らを別の場所に転移させるのだ。
そして……。
リアス「……時間ね。会議が始まったころよ」
手首に巻いた腕時計を見ていた彼女が呟くと、夕麻や瑠海、
ミラやイル達が周囲に気を配る。
瑠海「……来ない、っすね」
華菜「その方がありがたいがな」
それぞれ、冷や汗を流しながらも警戒する。と、その時。
『ピクッ』
守「……来た」
静かに、その手にファイズブラスターを持って目をつぶっていた
守の眉がピクつき、彼は虚空を睨みながら呟いた。
周りの眷属がすぐさまベルトなり何なりを構える中……。
『グニャッ!』
突如として空間が歪んだ。かと思うと、その歪みの中から
ロキとフェンリルが姿を現した。
それを見たバラキエルが通信をすると、周囲を覆う程の巨大な
魔法陣が現れ、守達、ヴァーリ達、そしてロキとフェンリルを
光が包んだ。
そして、次に目を開いた時、彼らは既に開けた場所、採石場に
転移していた。
リアス「逃げないのね」
両者がにらみ合う中、リアスがロキに向かって言葉を
投げかける。
ロキ「逃げる?ふ、なめるなよ悪魔。我は悪神ロキ。
貴様らが来ようが、オーディンが会談をしていようが
居まいが、全てを打ち砕くのみ!」
バラキエル「流石は悪神。全てを暴力で解決しようとはな……!」
ロキ「ふふっ。誉め言葉と受け取っておくぞ、堕天使」
守『あの人はやる気だ。だからって、僕達が退く理由には
ならない!』
「オーディン様はやらせない!悪神ロキ!あなたの野望、
ここで僕達が砕く!」
ロキ「面白い!やれるものなら、やってみるが良い小僧!」
守「みんな、行くよ!」
アーク眷属「「「「「「「「「YES MyLORD!」」」」」」」」」
彼の掛け声に従い、各々がベルトを取り出し、腰に巻く。
黒歌「変身……!」
『Standing By』
913 ENTER・315 ENTER・000 ENTER
『『『Standing By』』』
100 ENTER
『『『『『『『『『Standing By』』』』』』』』』』
各々が各々のギアにコードを撃ち込む。
そして、そんな中でミラは静かに、自らの右手に握られた
ブレイクガンナーを注視していた。そして……。
ミラ『出来るかどうかは分からない!それでも、私は
みんなの隣で!』
「戦うんだ!」
拳を打ち付け合うかのように、左掌にブレイクガンナーを
押し付ける。
待機音が鳴り響く。そして……。
『BREAK UP!』
周りの眷属たちが変身する中、守も左手にファイズブラスターを
持ち、そこにファイズフォンを差し込んだ。同じように、
ベルトにフォンを装填する眷属たち。
ブラスター本体のキーを打ち込む。
555 ENTER
『Standing By』
そして、彼、彼女たちはそれぞれの決意を胸に叫ぶ。
「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」」
『『『『『『『『complete』』』』』』』』
『Awakening』
電子音が幾人もの、同じ掛け声が周囲に響き渡り、彼らの
体を光が包み込んだ。
余りの光量に目を背けるロキとフェンリル。
そして、光が弱まり視線を戻した時には、ファイズブラスター
を先頭に何十と言うライダーが並んでいた。
更に……。
『バニシングドラゴン!バランスブレイカー!』
ファイズブラスターと並び立つように、彼の隣に居た
ヴァーリが白龍皇の鎧、スケイルメイルを装着する。
ロキ「く、くくくっ!そうか、その赤き鎧!古に
伝えられたオルフェノクの最強の武具か!
それに白龍皇まで!面白い!面白いぞ!
白龍皇!オルフェノク!」
ヴァーリ「………!」
無言で飛び出すヴァーリ。それに対しロキは自身の周囲に
防御魔法陣を展開、そこから更に光の帯状の攻撃を
放って来た。だが……。
5214 ENTER
『Faiz Blaster・Discharge』
電子音と共に両肩にブラッディ・キャノンを展開。更に。
103 ENTER
『Blaster Mode』
ファイズブラスターをブラスターモードにしたファイズ。
そして……。
『ドドドドドドッ!』
両肩、ブラスターから連続して放たれた光弾がファイズと
ヴァーリに迫った魔力の帯を次々と撃ち落とし、ヴァーリの
道を作った。
そしてさらに……。
守「ハァッ!」
3門をロキに向けて集中砲火するファイズ。
『ビキビキッ!バリィィィンッ!』
それによってロキの防御魔法陣が砕け散る。
ロキ「くっ!?」
ヴァーリ「まずは、初手だ」
攻撃で注意が守、ファイズに向いていたその時、
ヴァーリが北欧魔術による攻撃をロキに向かって
放った。
『ドドドドドドドッ!』
凄まじい連射がロキを襲う。採石場の3分の1を吹き飛ばす
かのような威力に、後ろに居た夕麻や瑠海やアーシア達が
驚く。
夕麻「な、なんて攻撃。あれで覚えたてって」
爆風から、アーシアのビショップトルーパーを庇いながらも
攻撃で出来た巨大なクレーターの方に目を向ける夕麻サイガ。
カテレア「しかしあれで全力とも思えない。相変わらず、
恐ろしい男だ、あいつは」
そんなサイガの傍で呟くカテレアオーガ。
そして、ファイズがそちらに視線を向けロキを探していた時。
ロキ「ふはははははっ!」
不意に上空から声がし、視線を上に向けるファイズ。そこには
服が少しボロボロになった程度で、傷らしい傷が無いロキが
浮かんでいた。
守『あの攻撃で無傷!やっぱり神の名は伊達ではないって
事か!』
静かにブラスターを構えなおすファイズ。
ロキ「さて、ではそろそろ。こちらの番だ」
『パチンッ』
指を鳴らすロキ。すると、後ろに控えていたフェンリルが
一歩前に出て、唸り声を上げる。
「さぁフェンリルよ!お前の持つ神をも殺す牙の力で、
あやつらをみな食い殺せ!」
そうロキが命令を下した次の瞬間。
リアス「黒歌ッ!」
黒歌「はいニャっ!」
彼女の変身しているデルタが右手を前に翳すと、彼女の
周囲に数個の魔法陣が展開され、そこから巨大かつ太い鎖、
グレイプニルが召喚される。それをパワー自慢のタンニーンや
バラキエル、ルークトルーパーの面々や小猫たち、
更にオートバジン達が掴み、投げる。
ロキもグレイプニルの対策はしていたようだが、彼の予想を
越えて強化されていたグレイプニルが作戦通りフェンリルを
捕縛した。
しかし、それでもロキは余裕の態度を崩さなかった。
ロキ「ふん。まさかグレイプニルに細工をしていたとはな。
だが!」
次の瞬間、ロキが両手を広げると両隣の空間が歪み、そこから
2体の狼が、新たなフェンリルが出現した。
レイヴェル「そんな!まだ2体もフェンリルが!?」
その姿を見て、アーク眷属たちの間に動揺が走る。
ロキ「この者達こそ、フェンリルの子。親よりスペックは
劣るが、それでも貴様らを殺すのには十分だ。
さぁ行け!スコル!ハティ!」
ロキが命令をすると、二匹の子フェンリルが駆け出した。
美南風「来ますっ!」
守「くっ!各自遠距離武器で応戦!奴らの牙と爪は危険すぎる!
近接戦は避けて、魔力やフォンブラスターを主軸に攻撃!」
ビショップトルーパーの美南風が叫び、咄嗟に指示を出すファイズ。
それを聞いたアーク眷属たちは、アクセレイガンや専用武器の
スナイパーライフル、RTフォンをフォンブラスターに変形させ
射撃準備をする。更に、小猫や祐斗たちも各々遠距離攻撃の
態勢を取る。オートバジン達もバスターホイールで、
サイドバッシャー達もフォトンバルカンを構える。そして……。
リアス「攻撃っ!」
彼女の合図に合わせ、全員が攻撃を繰り出す。フォトンブラッドの
光弾や地を走る剣の波、デュランダルの斬撃、滅びの力など、
各々の攻撃が二匹の子フェンリルに殺到する。
だが、フェンリルはその攻撃を受けてもひるまずに突進
していった。
守「くっ!このぉぉぉぉぉっ!」
その状況に歯噛みしつつ、ファイズはブラスターとキャノンを
ロキ目掛けて連射する。
そこからは、殆ど撃ち合いだった。
ロキも先ほどと同じ攻撃で守のファイズと撃ち合いに
突入する。破壊力はほぼ互角。しかしロキの方に手数では
分があり、いくつかの攻撃がファイズに迫る。それでも守は
その攻撃を避けつつ、ブラスターの連射を緩めようとは
しなかった。
だが、それが次の攻撃へと繋ぐ一瞬になる。
ヴァーリ「俺を無視とは……」
一瞬にしてヴァーリがロキの背後を取る。
「なめられた物だな」
そのままヴァーリは巨大な魔力の塊をロキに叩きつけようと
した。
だが。
『バグンッ!』
「ぐぅっ!?」
不意に、横合いから現れた巨大な牙がヴァーリの体に
喰らいついた。
守「ヴァーリさん!ッ!?」
咄嗟に叫んだ守は、視界に映った物の方へと視線を
向けた。その先では、先ほどまでフェンリルを捉えていた
グレイプニルの鎖を加えている2匹の子フェンリルだった。
『ヴァーリさんはロキとの戦いの要だ!それに、例え
敵だとしても、今は同じ敵と戦う仲間だ!それを
目の前で殺させる物か!!』
「ヴァーリさんを、離せぇぇぇぇぇっ!」
フェンリルに向かって突進する守。
ロキ「おぉっと!私を忘れてもらっては困るな!」
しかしその進路をロキが遮る。その事に歯噛みした守は……。
守「そこを、どけぇぇぇぇぇっ!!」
143 ENTER
『Blade Mode』
ファイズブラスターの銃身が分解され、剣へと再結合される。
「おぉぉぉぉぉぉっ!」
ロキ「近接戦か!面白い!」
斬りかかる守の斬撃を、ロキは手に力を纏わせる事で
創り出した、手刀で防ぐ。だが……。
守「まだ、だぁっ!」
ENTER
『EXCEED CHARGE』
ブラスターのエンターボタンを押すと、ブレードが更に赤い
エネルギーの刃に包まれ、威力を増した。そして。
「ハァッ!」
『バキィッ!』
威力を増した一撃でロキを吹き飛ばすファイズ。
吹き飛ばされたロキは数十メートル後退してから制動を
かけて何とか停止した。
ロキが自らの手を見ると、皮膚の一部が焼けただれていた。
ロキ「成程。……これが万物を浸食すると言われた毒、
フォトンブラッドの力か。……ならば!」
次の瞬間、再び空間が歪み、そこから『8匹』もの、タンニーン
サイズの巨大な龍が現れた。それは……。
守「あれは!?」
彼には、その姿に見覚えがあった。つい先日、真っ白な
世界で邂逅した『ミドガルズオルム』にそっくりだったからだ。
タンニーン「まさか、ミドガルズオルムを量産していたのか!?」
ロキ「その通りだ!」
その声を合図に、量産型ミドガルズオルムが火炎を吐く。
それに対抗するタンニーン。
新たな敵の参戦に、戦場は次第に混沌としつつあった。
レイヴェル「各自、フォトンブラッドを生かした攻撃を!
先ほどの守の攻撃はロキにも効いていました!
それはつまり、神格にもフォトンブラッドの毒性は
効果があると言う事!」
しかしそれでも、彼女たちは恐れずに思考し、考え、動く。
夕麻「だったら!」
着地したサイガが、背中のフライングアタッカーを両腰に
回し、ブースラーライフルモードにしてフォトンブラッドの
光弾を撃ちまくる。
更に、それを援護するようにサイドバッシャー達も
フォトンバルカンを撃ちまくり、弾幕の雨を作り出す。
それでも、子フェンリル達は止まらずに攻撃を再開しようと
する。
そこに。
バラキエル「雷光よっ!」
巨大な光、バラキエルの雷光が襲い掛かり穿つ。しかしそれでも
子フェンリル達は止まらない。
ミラ「このぉっ!」
『GUN!』
魔進チェイサーに変身しているミラがブレイクガンナーから
エネルギー弾を撃ちまくる。
「あいつら、あれでダメージを受けてないの!?」
シュリヤー「撃っても撃っても突っ込んでくるんだけど!?」
リアス「いいえ!ダメージは確実に通っているわ!痛みは
肉体の危険信号!それを無視し続ければ、いずれ
動けなくなる!それまで攻撃を緩めないで!」
雪蘭「それってつまり……」
イザベラ「つまり、撃って撃って撃ちまくれという事だっ!」
カイザブレイガン、フォンブラスターモードのカイザフォンの
二丁拳銃で、イザベラ、カイザがフォトンブラッドを撃ちまくる。
その雨の中を、攻撃を受けながら前進する子フェンリル。
だが、その時。
祐斗「僕達の事も忘れてもらっては、困るねっ!」
次の瞬間、一匹の子フェンリルの額に祐斗の聖魔剣が振り下ろされ、
子フェンリルは額から血を流した。
ゼノヴィア「貰ったぁぁぁっ!」
そこにすかさず攻撃を加えようとするゼノヴィア。しかし。
『ザクッ!』
「ぐあぁぁぁぁぁっ!」
子フェンリルの前足による反撃がさく裂し、鮮血と共に
ゼノヴィアが吹っ飛んだ。
イリナ「ゼノヴィア!」
咄嗟にイリナが彼女の元に駆け寄り、今回の作戦で全員に
行きわたっているフェニックスの涙でゼノヴィアの傷を
回復させた。
何とか立ち上がるゼノヴィア。そこへ。
シーリス「ゼノヴィア!これを!」
近くにいたナイトトルーパーのシーリスがオートバジンの
一機からファイズエッジを一本抜き取り、彼女にパスした。
ゼノヴィア「すまない!」
リアス「ギャスパー!フェンリルの視界を奪って!」
ギャスパー「は、はい!」
彼女の指揮に従い、コウモリとなったギャスパーがフェンリルの
目元にまとわりつき、その視界を奪う。
小猫「この隙に気を断ちます!姉様!」
黒歌「行くニャッ!!」
そして、視界が奪われている刹那、小猫とデルタ、二人の気を練り込んだ
一撃が、フェンリルの足と胴体に一発ずつ命中した。
「加えて、持ってけフォトンブラッド!」
そしてさらに、黒歌デルタが手にしたムーバーから
フォトンブラッドの光弾を放つ。
リアス「ゼノヴィア!」
ゼノヴィア「任された!」
デュランダルとファイズエッジを手に駆け出すゼノヴィア。
「はぁぁぁぁぁぁっ!」
デュランダルだけではなく、ファイズエッジにも聖なる力を
纏わせ、双剣を振り抜くゼノヴィア。
『ズババッ!』
フェンリルの体に、二筋の斬撃が浮かび上がる。だが、それだけ
ではない。
祐斗「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
今度は、速度を生かした無数の斬撃がフェンリルの体に幾重
もの傷を作る。
更に……。
朱乃「お父さん!」
バラキエル「おう!朱乃、合わせるぞ!」
二人は互いに視線を合わせ、頷く。
朱・バ「「雷光よっ!!」」
そして、二人は同時に雷光を放つ。二つの雷光は一つとなって、
フェンリルに命中する。流石のフェンリルも、こうも連続に
攻撃を受けた後では動きが鈍っていた。
そして……。
リアス「黒歌!イザベラ!」
ここが正念場だと考えたリアスが命令を飛ばす。
『『Ready』』
その声にこたえるように、イザベラカイザがカイザポインターに
ミッションメモリーを。黒歌デルタが同じくメモリーを
デルタムーバーに装填する。
黒歌「check!」
『EXCEED CHARGE』
更に、カイザフォンのENTERボタンを押すイザベラカイザ。
『EXCEED CHARGE』
イザベラ「黒歌!合わせるぞ!」
黒歌「オッケー!」
同時に駆け出すカイザ。
「喰らえぇぇぇぇっ!」
『ドドドッ!』
ムーバーから光弾を発射し、子フェンリルの一体を
高速する黒歌デルタ。更に。
イザベラ「はぁぁぁぁぁっ!」
飛び上がったイザベラデルタが、両足を揃え動けない
子フェンリルに向ける。更に黄色いポインターが発射され、
その動きを阻害する。
イ・黒「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」
そして、二人のダブルライダーキックが子フェンリルに
向けて繰り出され、その体を貫通した。
強烈な攻撃を喰らった子フェンリルはうめき声を上げながら
灰化するのだけは何とか防いだ。
しかしそれでも、その足は震え、既に限界が近いのは
誰の目にも明らかだった。
リアス「そっちの子供フェンリルは弱ってきてるわ!
各自、そのフェンリルに攻撃を集中!
もう一匹は……」
美猴「俺っち達に任せな~~!伸びろ如意棒!!」
そして、もう一匹の子フェンリルは美猴とアーサーが
二人掛かりで抑え込んでいた。
それを援護するカテレアオーガ。
カテレア「はぁぁぁぁぁぁっ!」
『EXCEED CHARGE』
エネルギーを纏い巨大化したオーガストランザーを
子フェンリルに叩きつけた。
と、そこへ。
タンニーン「ぐぉぉぉぉっ!!」
量産型ミドガルズオルムと戦っていたタンニーンのうめき声が
聞こえて来た。
「くっ!?流石に8匹も居たのでは分が悪いか!」
悔しそうに吐き捨てるタンニーン。そして、それを見ていた
ミラは……。
ミラ『タンニーン様を助けて、あの量産型を倒せばタンニーン様も
フェンリルと戦える!だったら!』
「ごめん、私タンニーン様を手伝う!」
リアス「ッ。……わかったわ!けど無茶だけはしないで!」
その言葉に、一瞬思考を巡らせてからGOサインを出すリアス。
そして、それに頷くとミラの魔進チェイサーは背中から
悪魔の翼を生やし、タンニーンの元へと向かって行った。
一方、親フェンリルとロキの攻撃を避けつつ、何とか
ブラスターで反撃する守のファイズブラスター。
しかし、親フェンリルが未だにヴァーリを咥えている事と、
守一人に対し二人掛かりである事。ヴァーリを傷つけないように
上手く守が親フェンリルに攻撃できない事が相まって、
守は押されていた。
守『くっ!?何とか、ヴァーリさんを助けないと!』
そう考えていた時。
ヴァーリ「……神宮、守」
守「ッ!ヴァーリさん!」
親フェンリルに咥えられたままだが、それでもヴァーリが
守に語り掛ける。
ヴァーリ「こうなれば、プランBだ」
プランB。それは、守がヴァーリと立てていた作戦の一つだ。
万が一、ロキ&フェンリルをファイズブラスター&ヴァーリが
相手にする、という状況を想定した物だ。
それは、ロキと守。フェンリルとヴァーリ。と言う1対1の
タイマン作戦だった。
それに、少しばかり歯を食いしばった後、守は……。
守「だったら、あなたを信じて託します!白龍皇!
ヴァーリ・ルシファー!」
その言葉に、少しばかり驚いてからヴァーリは……。
ヴァーリ「託す、か。良いだろう!答えてあげようじゃないか!」
そう言って、仮面の下で笑みを浮かべるヴァーリ。その時。
『我、目覚めるは――』
切札のための詠唱を始めるヴァーリ。彼のスケイルメイルの
宝玉が七色に輝きだす。その時。
≪消し飛ぶよっ!≫≪消し飛ぶねっ!≫
ヴァーリ、いや、鎧の中からおどろおどろしい、とでも形容
出来そうな声が、周囲に響く。
そして……。
『ゾクッ』
守『な、なんだこれ。あれは、まさか先代の白龍皇の
残留思念?何と言うか、深い闇が声になったような』
守は、その声に恐怖を覚えるのだった。
そんな中でもヴァーリは詠唱を続ける。
『覇の理に全てを奪われし、二天龍なり――』
≪夢が終わるっ!≫≪幻が始まるっ!≫
『無限を妬み、夢幻を想う――』
≪全部だっ!≫≪そう、全てを捧げろっ!≫
『我、白き龍の覇道を極め――』
『『『『『『汝を無垢の極限へと誘おうッ!』』』』』』
声がいくつも重なった、刹那。
『ジャガーノートドライブッ!!!』
その言葉が周囲に響くのと同時に、ヴァーリの体が
白い光に包まれ始めた。それを見た守が……。
守「黒歌さん!」
黒歌「了解ニャッ!」
予め作戦で指定されていた地点に、変化し始める
ヴァーリとフェンリルを転移させた。
静かにそれを見送る守のファイズブラスター。
そして……。
静かにロキの方へと振り返り、ブレードモードの
ブラスターを構える守ファイズ。
ロキ「ほう?我の相手は貴様一人か。オルフェノクの王」
守「負けるわけには行かない。今、この場で戦っている
みんなの為にも、僕があなたに負けるわけには行かない。
だからっ!」
『ギュッ!』
「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ブレードを手に、突進する守。ここに、神と王の1対1の対決が
はじまった。
一方、子フェンリルを相手にしているリアス達と離れ、一人
タンニーンやロスヴァイセと共に量産型ミドガルズオルムと
相対するミラの魔進チェイサー。
『GUN!』
ミラ「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
『ドキュンドキュンッ!』
放たれる紫色の光弾がミドガルズオルムの表皮に命中する。
しかし。
『シャァァァァァッ!』
それでも量産型の表皮は固く、それだけでは有効打には
成らなかった。
逆に量産型はターゲットをミラに絞って向かって突進
して来た。
「くっ!?」
何とか悪魔の翼を使ってそれを回避するミラチェイサー。
だが……。
『ボバァァァァァァッ!』
そこに、避けたのとは別の量産型が放った火炎が
向かって来た。
「しまっ!!」
避けようとするが、間に合わずに直撃するミラ。
「ぐ、あぁぁぁぁぁぁぁっ!」
チェイサーの鎧をまとっていた為か、燃やし尽くされる
事は無かったが、ダメージからか静かに落下しだすミラ。
そして、とうとう変身までもが解除されてしまった。
夕麻「ッ!?ミラ!!」
アーシア「ミラさんっ!!」
それを見た、夕麻やアーシア達が狼狽する。
咄嗟に夕麻サイガが飛んで助けに行こうとするが、そこに
ミラの相手にしていた量産型ミドガルズオルムや子フェンリルが
襲い掛かり、それを拒む。
夕麻「くっ!?邪魔を、するなぁぁぁぁぁっ!!」
彼女たちは戦う。家族を、仲間を守る為に。
そして、ミラは……。
ミラ『私、やっぱり、無理だったのかな?守みたいに、
みんなを守れないのかな』
落下し、薄れる意識の中で、そう考えてしまうミラ。
『私じゃ、みんなを、守れない』
それは諦めだった。自らは弱い、と。そう考えてしまうミラ。
彼女の目から涙があふれ、それが空に消えていく。
指の力が緩み、あと少しでブレイクガンナーを離して
しまいそうになった。
だが、その時。
夕麻「ミラァァァァァァッ!」
ミラ「ッ!」
不意に、叫びが聞こえる。彼女が視線を巡らせると、
サイガがミラに向かって飛翔していた。その背に
量産型が追いすがるが、夕麻は、サイガはそんな事
お構いなしに、ただひたすらにミラへ駆ける。
『ボバァァァァァッ!』
夕麻「ぐっ!?ま、だぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
その背に、火炎を受けながらも夕麻は飛び、そして……。
ミラ「夕、麻」
その姿が、ミラにあの時の会話を思い出させる。
『もっと、自分に自信を持ちなさい』
その言葉が、ミラの脳裏に思い起こされる。その時。
『ボバァァァッ!』
『ドガァァァンッ!』
夕麻「きゃぁぁぁぁぁっ!」
その背に、二度目の火炎を受けたサイガのフライングアタッカーが
爆発し、更に、夕麻の変身まで解除されてしまった。
ミラ「ッ!夕麻っ!夕麻ァァァァァァァァッ!」
咄嗟に叫びながらも、何とか体を動かしブレイクガンナーを
握り直すミラ。
『私は、私は、みんなを守りたいっ!』
そう思いながら、彼女はポケットの中から
ライノスーパーバイラルコアを取り出す。
『私は、弱いかもしれない。でも、守りたい人達が
居るの!私は、そんな人たちの居る世界を守りたい!
だから、お願い!あなたの力を貸して!
みんなを、夕麻を、守れる力を!』
祈るように、両手でスーパーバイラルコアを握りしめるミラ。
と、その時。
『パァァァァァッ!』
彼女の掌から、銀色の光が溢れ出した。
驚き、手を開いたミラ。その時、ミラの手からコアが
一人でに動き出した。そして、ボディが瞬く間に変わる。
黄金のサイのようだったそれが、銀色のワニのように
変化した。
「これって」
突然の事に驚くミラだが、すぐに現状を思い出した
彼女は、ブレイクガンナーを握りしめる。
『これが何なのかは分からない。それでも、
今これで、みんなを、私の家族を守れるのなら!』
『TUNE!ALLIGATOR!』
その新たなるコア、『アリゲータースーパーバイラルコア』を
装填する。そして……。
『私は、変わる!』
「変身っ!!!!」
『SUPER!BREAK UP!』
銃口を押し込むミラ。すると彼女の左右に銀色のタイヤ状の
パーツが現れ、更に銀色のエネルギーが彼女の体を覆う。
そして、そこから現れた姿は、守の超魔進チェイサーとは
似て非なる存在だった。
金色だった部分が銀色となり、サイの角に似た両肩のパーツは
動物の牙を模したかのような棘が数個生えていた。
更に、アリゲーターバイラルコアが装填された際に銃口上の
パーツからはみ出していたワニの顎を模したパーツが
分離して巨大化。
ワニが口を閉じるようにしてガンナーの銃口に上下から
接続された。
そして……。
ミラ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
彼女の叫びに合わせて、力の波動が採石場を駆け巡る。
それに気づいて、リアスや守達を始め、ロキや子フェンリル、
量産型ミドガルズオルムまでもが天を仰ぐ。
リアス「あれ、は……」
驚き、しばし放心してしまうリアス。
華菜「まさか、超魔進チェイサーになったのか?」
瑠海「い、いやでも、あれ何か違くないっすか?!」
彼女のその姿に、驚くリアス達。
しかし、ミラはそんな事お構いなしに、落下する夕麻の
元へと駆ける。そして、彼女の腕を掴んで夕麻をお姫様
抱っこするミラ。
夕麻「ミ、ラ?」
ミラ「ごめん夕麻。心配かけて」
そう言って、マスクの下でほほ笑むミラ。
その時。
『シャァァァァァッ!』
量産型の一匹がミラと、彼女に抱かれた夕麻へと向かって行く。
ニィ「危ないニャッ!」
マリオン「避けてミラ!」
それに気づいた彼女たちが叫ぶ。
しかし、ミラは臆することなく、片手で新たな姿となった
ブレイクガンナーを量産型に向ける。
すると、閉じていた顎が音を立てて開き、上下のパーツの間で
バチバチと電撃が煌めく。
そして、彼女が引き金を引いた。次の瞬間。
『ドヒュッ!』
魔進チェイサーのガンモードが比較にならない程、顎状の
パーツによって加速した銀色のエネルギー弾が射出された。
そして、それは……。
『ボヒュッ!!!』
寸分たがわず、量産型ミドガルズオルムの額を撃ち抜いた。
静かに落ちて行くミドガルズオルムを見て、驚いてから
その新たなチェイサーに目を向ける夕麻。
夕麻「ミラ、その姿は……」
ミラ「よくは分かんない。でも、みんなを守りたいって
思ったら、コアが答えてくれたの。
……もう、守の真似何かじゃない。これは……。
これは、私だけの魔進チェイサーの姿なんだから!」
戦場に彼女の叫びが響く。
それこそが、ミラが自らの意思で至った姿。
彼女専用の、『もう一つの超魔進チェイサー』の姿だ。
守「進化、した。ミラちゃんが……」
眷属の進化に驚く守ファイズ。
しかし、それだけではない。眷属の躍進が、主の不安を
拭い去る時が迫る。
決着の時は、近い。
第22話 END
次回は後編です。(多分これでロキとの戦いは終わるかも……)(断言はできません)