ハイスクールD×D ARC    作:ユウキ003

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今回から京都編です。
修学旅行に行っているのが、夕麻、アーシア、イリナ、
ゼノヴィアなので、ここしばらくは、夕麻が
主人公扱いとなります。


ハイスクールD×D ARC 第25話

~~前回までのあらすじ~~

ロキとの戦いを制した守達は、新たに眷属入りした

仲間、ロスヴァイセや神宮邸に住まうことになった

イリナの報告なども含めて冥界へと赴いていた。

そこで守はサイラオーグと、軽くとは言え拳を

交えるのだった。

やがて、2年生である夕麻、アーシア、ゼノヴィア、

イリナの4人は修学旅行で京都へと赴くことになった。

そんな中で、夕麻は新たな武器をリアスから

与えられるのだった。

 

 

SIDE 夕麻

今、私達は新幹線に乗っていた。改めて人間の

乗り物に乗ったけど、結構速いのね。景色が

代る代る、車窓の外を流れていくわ。

と、景色を眺めているとゼノヴィアがやってきた。

ゼノヴィア「少し良いかな?」

夕麻「えぇ」

丁度隣の席が空いていたので、そこに

座るゼノヴィア。

  「どうかしたの?」

ゼノヴィア「いや、その、忠告というかだな。

      その、私は今丸腰なんだ」

そう告白するゼノヴィアに私はあることを

思い出した。

夕麻「そう言えば、確かデュランダルの攻撃的な

   オーラを抑える術が見つかったって」

ゼノヴィア「あぁ。その術を知る正教会所属の

      錬金術師が居てね。天界経由で

      そちらに送ったままなんだ。

      幸い、守からファイズエッジと

      RTフォンを貰っているので

      戦う事自体は可能だが、普段よりは

      力が無いと思っておいて欲しい」

夕麻「分かったわ。まぁ、戦いがあるとは思えないけど

   注意しておくわ」

それならば仕方ない、と思って頷く私。

しかし直後、彼女が私の左手首に注視している事に

気づいた。

  「どうかした?」

ゼノヴィア「あぁいや。夕麻はそんな腕時計を

      持っていたのか、と思ってな。

      それは?」

夕麻「あぁ。これはサイガブースター。守の、

   ファイズのファイズアクセルをベースに、

   サイガ用に開発された物よ。何とか

   間に合った、と言う事で出立前に

   リアスから渡されたの」

ゼノヴィア「そうか。……何も無ければ良いが」

頷いたゼノヴィアだったけど、彼女はどこか

不安そうだった。

まぁ、無理も無い。私もそうだ。折角の

みんなとの旅行。カオス・ブリゲードが

襲ってくるのなんてごめんだわ。

夕麻「そうね。何も無い事を祈るわ」

彼女の同意するように、私も小さく

呟きながら車窓の外の景色に視線を

向ける。

 

 

やがて、新幹線は無事に京都駅へ到着。

アーシア、ゼノヴィア、イリナの3人は

京都に夢中な様子。

夕麻「ほら3人とも。集合場所はホテルよ~。

   急がないと、午後の自由時間無くなるわよ~」

と、私が3人に声を掛けながら、私達はまず京都駅から

お世話になるホテルへと向かった。

 

他のみんなについて行く事数分。

高級ホテル、『京都サーゼクスホテル』に

到着。……ちなみに、その近くには

『京都セラフォルーホテル』なるものが……。

夕麻「日本の古都も大変ね~。悪魔に土地を

   買われてるなんて」

ゼノヴィア「現職の魔王だからな。やることの

      スケールは想像を絶するよ」

ホテルを見上げながら私はゼノヴィア達と

話をしていた。

私的には、情緒風情溢れる和風の旅館に

泊まってみたかったけど。

イリナ「ほら~二人とも~!早く行くわよ~!」

夕麻「は~い」

急かすイリナに返事をしながら、私達は

入り口のボーイに学生証を見せて中へと

通して貰う。

 

その後、ホールに生徒達が集められ、点呼などを

終えた後、先生方から注意事項を聞いていた。

途中、ロスヴァイセ先生が何やら百均について

語っていたのは、みんなドン引きしてたけど……。

 

その後、私達は諸々注意を受けた後、部屋に荷物を

置いてから京都市内を散策する事にした。

ちなみに外出は午後5時半まで。あまり遠出も

ダメとの事。

ちなみに部屋は二人部屋のようね。

私はアーシアと同室になったわ。

そして部屋の作りは洋風。大きめのベッドが

二つに京都駅周辺を一望出来る窓。

 

アーシア「す、すごい景色ですね~」

夕麻「そうね」

窓から外を見つめ目をキラキラさせている

アーシア。

しばし私も京都の街並みを見ていると……。

   『コンコンッ』

ゼノヴィア「アーシア、夕麻~」

っと、外からゼノヴィアの声が聞こえてきた。

夕麻「アーシア、そろそろ行きましょ。 

   折角の自由行動、景色だけを眺めてるつもり?」

アーシア「あっ!そ、そうでした!」

私達は、必要最低限の物、お財布とかケータイ、

あと私の場合は不可視の術を掛けてある

サイガのベルトを巻いて、外に出た。

 

夕麻「お待たせ。それじゃ行きましょ」

そして、私達はホテルの外まで出たのだけど……。

イリナ「それじゃあ、どこに行きましょうか?」

早速目的地に迷ってしまった。

4人で首をひねっていたとき、ふと私は

男子が先生に、伏見稲荷へ行く事がOKか

どうか許可を取って、OKを貰っていたことを

思い出した。

 

夕麻「あっ、それなら伏見稲荷大社なんて

   どうかしら?」

ゼノヴィア「フシミか。確か、赤い門、トリイという

      奴がたくさん並んでいると言う所か」

イリナ「あっ!確か千本鳥居とか言う奴ね!

    私も見てみたい!」

アーシア「わ、私もそれ見てみたいです」

夕麻「じゃあ決定ね。伏見稲荷大社に行きましょう」

 

と、言う感じで私達4人はまず、伏見稲荷大社へと

向かった。

途中、商店街でお土産を見ていると、3人は狐の

小物を気に入った様子。

アーシア「それにしても、どうして狐さんなんでしょうか?」

ゼノヴィア「ん。そう言われてみればそうだな」

と、なぜ狐なのか疑問に思って居る3人。

あっ、折角だから……。

夕麻「それはね、狐が稲荷大社に祭られている

   神様の眷属だかららしいわよ」

イリナ「へ~。じゃあこの狐は、言わばミカエル様に

    使える私と言う事ね!」

と、何やら曲解した解釈をしているイリナ。

いやでも、仕えていると言う意味では違わないの

かもしれないけど……。

夕麻「あ、ハハハ。ま、まぁそう解釈も出来なくも、

   無い、のかな?」

私は苦笑を浮かべるのだった。

 

その後、私達は伏見稲荷大社に到着し、桜門を

見た後、千本鳥居を抜け、頂上を目指す。

 

のだけど……。

何というか、さっきから付けられているように

感じている。

桜門の辺りからかしら。何か、嫌な予感が

するわね。

その後、何とか頂上に到着した私達は、そこを

参拝した。

 

直後。

 

夕麻「いつまでコソコソ後を付けてくる気?

   正直、折角の旅行を邪魔されたく無い

   んだけど……」

私は振り返り、周囲を警戒しながら静かに

呟く。すると……。

???「貴様等、京の者では無いな?」

どこからか、少女の声がしたかと思うと、

私達の周囲を白装束に狐の面、刀で武装した

男達が私達を囲う。

ゼノヴィア「アーシア、私の後ろへ」

アーシア「は、はいっ」

ゼノヴィアは、アーシアを庇いつつ、鞄から

ファイズエッジとRTフォンに付いている

ミッションメモリーを取り出した。

 

   『ready』

起動音と共に、赤銅色のエネルギーの刃を

発生させたファイズエッジを構えるゼノヴィア。

イリナも光の剣を作り出して構える。

そして、一触即発という事態の時。

   『バッ』

どこからともなく、一人だけ巫女服に金色の

尻尾と耳を生やした、金髪の少女が現れた。

更にその背後には、カラス天狗と思われる

従者らしき姿もある。

 

???「よそ者め!よくも……!

    母上を返して貰うぞ!」

 

……はぁっ!?

 

夕麻「ちょ、ちょっと待ちなさい!あんたは酷い

   勘違いをしてるのよ!?私達はあなたのお母さん

   を誘拐なんかしてないわよ!」

???「黙れ!私の目は誤魔化しきれんのじゃ!」

あの少女が手を振り下ろすと、周囲の男達は

天狗が襲いかかってきた。

夕麻「ッ!?このっ!」

私は襲いかかってきた男の一人を蹴り返すと、

ベルトを可視化させ、サイガフォンを取り出す。

  「やるしか無いわね……!」

 

3・1・5 ENTER

   『standing By』

  「変身!」

コードを打ち込み、ベルトに装填する私。

   『complete』

私の体を青いフォトンストリームが駆け巡り、私は

仮面ライダーサイガに変身した。あと、今は

フライングアタッカーは装備していない状態。

???「ッ!?面妖な!」

夕麻「誰が面妖よ!妖怪に、言われたく無いわ!」

そう叫びながら、私は白装束の男一人を

殴り飛ばす。

にしても、ここは狭いから戦いにくい!

  「ゼノヴィア!イリナ!アーシアを

   連れて後ろの林へ!援護するから!」

1・0・6 ENTER

   『Single Mode』

私はサイガフォンをブラスターモードに

切り替えて構える。

   『ビシュッ!』

そして、放たれた弾丸が白装束の男に命中し、

男は倒れた。

 

けどこれは、あくまでも相手をしびれさせる、

言わば、スタン弾。少し前、相手を殺さずに

拘束するためにと、私達のフォンを一斉に

アップデートしたけど、まさかもう使う事に

なるとは、ね!

   『ビシュッ!』

フォンブラスターで牽制しながら私は他の3人を

追って後ろに跳躍し、森林へと入る。

 

森は下り坂になっており、私は木々を蹴って

先に森に入った3人の元に着地する。

振り返れば、男や天狗たちが追ってきていた。

???「不浄なる魔の存在め!絶対に許すことは

    出来ないのじゃ!」

どうやら、あの子はこっちの話を聞く気が

無い様子。あ~も~!なんでこうなるのかな~!

夕麻「折角の旅行だから穏便に行きたいし!

3人とも、しょうが無いけど、相手を

殺さないようにね!後、一応国の文化財

とかだから、物を壊さないようにね!」

ゼノヴィア「了解したっ!」

イリナ「OK!」

 

夕麻「行くわよ!」

私のかけ声で、私、ゼノヴィア、イリナが前に

飛び出し、アーシアは少し戸惑いながらも

フォンブラスターを起動していく。

 

夕麻「ハッ!たぁっ!」

振り下ろされる刀を防ぎ、手刀でへし折ると、

相手の服を掴んで、投げ飛ばした。

更に、襲いかかってくる天狗の錫(しゃく)杖(じょう)を掴んで

止め、腹部にパンチをたたき込んで吹き飛ばした。

 

周囲に目をやれば、イリナとゼノヴィアも

数人を相手に善戦していた。

しかし……。

アーシア「あ、当たって下さい!」

   『ビシュビシュッ』

RTフォンからスタン弾を放つアーシア。

しかし、アーシアの腕はまだまだ未熟。

襲ってくる二人の内、片方には当たったけど、

もう一人はそれを避け、アーシアに迫った。

    「ッ!?」

夕麻「アーシアッ!」

私は、咄嗟にフライングアタッカーを

呼び出し、飛翔。

   『ドゴォッ!』

アーシアに襲いかかった白装束の一人を

横から蹴り飛ばした。

 

アーシアを守る為、彼女の前に立つ私の

更に左右に立つイリナとゼノヴィア。

白装束とカラス天狗達も、例の少女の側に

集まる。

 

???「くっ。て、撤退じゃ……!

    おのれ邪悪な存在め!必ず母上を

    返して貰うぞ!」

そう言うと、少女と白装束、天狗達は竜巻を

発生させると、土埃を巻き上げながら撤退していった。

 

私達が砂煙から顔を守っていた手をどけた頃には、

彼女達の姿は消えていた。

夕麻「……。逃げた、わね」

周囲を見回し、彼女達が完全に撤退したことを

確認すると、私はサイガフォンを抜き取り

変身を解除した。

 

  「ハァ」

そして、私は大きなため息をついた。

なぜか、まぁ答えはただ一つ。

この京都でも、何か大きな事が起きているように

感じたからだ。そして、そういう時に限って

私達は巻き込まれたりするからだ。

  「……普通の修学旅行を期待

してたのにな~」

嫌な予感から、私はそんな淡い期待を

捨てるのだった。

 

そして、私はホテルに戻った後、

アザゼル様やロスヴァイセ先生へ事の

次第を報告した。

 

アザゼル「なぜ京都で襲撃を受けるんだ?」

夕麻「さ、さぁ。私達にもその理由は。

   ……ただ」

アザゼル「ん?ただ、何だ?」

夕麻「実は、襲ってきた集団のリーダーだと思われる

   少女は、母上を取り返す、と言って

   襲ってきました」

アザゼル「母親を?まさか、お前等を母親の

     誘拐犯と勘違いして襲ってきたと?」

夕麻「あくまでも私の私見ですので確証は

   ありませんが……」

アザゼル「そうか。とりあえず、情報を

     持ち帰ってくれたのはありがたい。

     あんな事があった後だ。

今日はもう良いぞ」

夕麻「分かりました。失礼します」

私はアザゼル様たちと別れ、自分の部屋に

戻った。

その後、ホテルで用意された夕食を済ませた

私達は部屋に戻って着替えを手に大浴場へと

向かった。

 

  「はぁ~~~。沁みるわ~~」

私は体を湯に付け、長々と息を吐き出しながら

感想を述べる。

しかし、まさか京都に来てまで襲われるなんて。

つくづく運が無いのかしら?私は。

けど……。

 

???「よくも……!母上を返して貰うぞ!」

 

彼女の行動原理は、大切な人を助けたいと言う

思いだと私は思う。そして、そんな彼女の

思いを、今の私なら、分かる気がする。

家族を助けたい、守りたいと言う意思と覚悟。

今も、暖かい家族とともに過ごす日々は、

守達と一緒に過ごす日々は、とても充実

している。それを誰かが土足で踏みにじった

のだとしたら……。

 

恐らく私も、怒りと憎悪に駆られていたでしょう。

そして、今のあの少女も、きっと同じ。

大切な人を奪われたと言う、『怒り』。

それを取り戻したいと考える、『焦り』。

それにしても……。一体、誰が……。

 

と、その時。

アーシア「あ、あの。夕麻さん?」

夕麻「あ、え?な、何?アーシア?」

不意に、アーシアに声を掛けられた事で私は

我に返った。

アーシア「大丈夫ですか?何か、とても考え込んで

     いたように見えたんですけど……」

夕麻「そ、そう?大丈夫よ。ただ、明日どこに

   行こうかな~って考えていただけだから」

アーシアにまさか、あの戦いのことを考えていた

なんては言えない。折角の旅行だし、そう言うのは

あんまり考えたくない。

 

とか思って居ると……。

村山「夕麻ちゃんって胸おっきいよね~」

夕麻「え!?」

不意に側から聞こえた声に私は驚いた。

見ると、クラスメイト数人が私の胸を

見ていた。

  「な、何?どうかしたの?」

私は腕で胸を隠しながら後退る。

片瀬「いや~、何というか、大きいな~

   と思って観察してるだけ」

と言いつつ、みんななぜか私の胸を

見ている。

と、その時。

ゼノヴィア「待て!大きさなら私も

      負けては居ないぞ!」

突然仁王立ちで立ち上がるゼノヴィア。

それによって、みんな彼女の胸に注目

している。

女子「「「「おぉ~~~!」」」」

夕麻「って!そこは張り合わなくて良いの!」

 

私達はお風呂でそんなやりとりをしていたのだった。

 

その後、お風呂から出た私達はそれぞれの

部屋に戻った。私はアーシアと一緒に

昼間スマホで撮影した写真を見ていたの

だけど……。

 

   『コンコンッ』

夕麻「ん?は~い、今開けま~す」

ドアをノックする音が聞こえ、私は立ち上がって

ドアを開けた。

  「あ。ロスヴァイセ先生」

そこに立っていたのはジャージ姿の

ロスヴァイセ先生だった。

ロス「こんばんは。実は今ちゃんと部屋に

   生徒がいるか見回っているんですけど……」

と言いつつ、少しだけロスヴァイセ先生は

私に顔を近づけた。

 

  「アザゼル先生が呼んでます。魔王

   レヴィアタン様も居るとの事です」

夕麻「ッ」

魔王様の一人が?なぜここに……。

すると、ロスヴァイセ先生が懐から小さな

紙切れを取り出した。

ロス「このメモにある場所へ。そこで

   シトリー眷属の人達も待っていますから」

夕麻「分かりました。ありがとうございます」

ロス「では、後で。……あんまり夜更かししちゃ

   ダメですよ。じゃあ」

そう言って、教師らしい事を言うとロスヴァイセ先生

は遠ざかっていった。

 

その後、私はイリナ、ゼノヴィア、アーシアと一緒に

指定された場所へと向かった。

向かったのは料亭のような場所で、そこには

既に匙君など2年生のシトリー眷属、アザゼル先生、

ロスヴァイセ先生、先に来ていた木場君、

そして変装しているレヴィアタン様が集まっていた。

 

アザゼル「よ~し、全員揃ったな」

セラフォルー「は~いみんな、ここの鳥料理は絶品

       なのよ。みんな、たっくさん食べてね♪」

と、相変わらずのテンションのレヴィアタン様。

しかし……。

夕麻「あの。なぜ魔王の一人のレヴィアタン様が

   ここに?」

セラ「それはね、仕事よ。京都の妖怪さん達と

   協力体制を作りに来たの」

成程。それで外交を任されているレヴィアタン様が。

   「ただ、どうにも大変な事が起きててね」

木場「大変な事?」

セラ「京都の妖怪を束ねる御大将、九尾の狐

   がね、行方不明なの」

夕麻「ッ!?九尾、狐……?」

 

私は顎に手を当て、昼間の事を思い出す。

あの少女も確か、それくらいの数の尻尾を

生やして、狐のような耳をしていた。

まさか……。

  「レヴィアタン様。私達は今日、

   伏見稲荷大社で、妖怪と思われる

   少女に襲撃されました。少女は、

   母上を返せ、と言って襲ってきましたが、

   もしかして……」

私の言葉に、レヴィアタン様が無言で頷く。

セラ「アザゼルちゃんからも聞いてるけど、

十中八九、間違い無くその少女は

御大将の娘でしょうね」

夕麻「……。一地域を纏める程の人物を

   誘拐するなんて、生半可な組織に

   出来るとは思えません。まさか……」

アザゼル「あぁ。天野の読通りだ。恐らく

     犯人はカオス・ブリゲードだろう」

匙「ッ!?また奴らかよ」

彼が苦々しい表情をしていると、立ち

上がるアザゼル様。

アザゼル「ったく。こちとら学生の面倒で

     精一杯だってのに……!」

吐き捨てるようにそう言うと、出て行こうと

するアザゼル様。

 

夕麻「あ、あの!アザゼル様!」

それを咄嗟に呼び止める私。

アザゼル「ん?何だ?」

夕麻「もし、この一件にカオス・ブリゲードが

   絡んでいるのなら、守たちに連絡して、

   援軍を頼むべきではありませんか?

   出来れば、王である守に――」

アザゼル「それはダメだ」

私の提案を遮るアザゼル様。

夕麻「なっ!?なぜですか!?守なら大抵の

   敵など、歯牙にも掛けずに!」

アザゼル「だからこそだよ。……あいつは、

     この前の戦闘で北欧の悪神ロキと

     互角の戦いを繰り広げた。

     だが、だからこそあいつは目立つ。

     ヴァーリの野郎がブリゲードの

     連中にアクセルブラスターの事を

     話してないとも言えないんだ。

     仮に守を呼んで、警戒されて

     九尾諸共逃げられました、ってのは

     避けたい」

ッ。確かに、アザゼル様の言う事も一理ある。

 

守は強い。少なくとも、あのヴァーリと

ある程度戦える程には。しかし故に目立ってしまう。

守が来れば、敵はそれを警戒して逃げるかも

しれない。

誘拐した、九尾を連れて。それは最悪の事態と

言っても良いのかも知れない。

 

    「だからこそ、援軍は出来るだけ

     目立たず最小限の奴らを送って貰え」

夕麻「え?」

アザゼル「お前等には悪いが、俺的にはもっと

     戦力が欲しい。だからせめて、3人

     くらい、守の方から送って貰え。

     それと、今のうちに言っておく。

     お前等はあくまでも修学旅行として

     京都に来たんだ。変に気負うな。今は

     旅行を楽しめ」

夕麻「はい」

 

その後、私達は食事を楽しみ、ホテルへの

帰路についた。

 

その途中。

 

夕麻「あ。みんなごめん。私さきに守へ

   連絡しておくわ」

そう言って、私はサイガフォンを取り出した。

 

 

SIDE 守

それは夜の事だった。部屋で明日の予習を

していた時、ふと僕は京都にいる

皆のことを考えていた。すると突然、

テーブルの上に置いてあったファイズフォンが

震えた。

 

守「はい、もしもし?」

夕麻『あ。守?こんな夜にごめんなさい』

守「ううん。僕は大丈夫だよ。それより、

  どうかしたの?」

夕麻『実は……』

 

その後、僕は夕麻ちゃんの口から事の次第を

聞いた。

京都のトップである九尾の狐が何者かに

誘拐されている事。その影にカオス・ブリゲード

がいるかもしれないと言う事。

そして、援軍を送って欲しい事。

目立たないように僕は止めた方が良い事などを。

 

守「……。わかった。それじゃあ3人、

  みんなの中からそっちへ向かって貰うよ。

  新幹線とかは監視されている可能性が

  あるから、オートバジンやサイドバッシャー

  で向かって貰うよ。それに、あの子達なら

  火力支援やサポートも出来るし」

夕麻『そうね、ありがとう守』

 

守「お礼なんて良いよ。みんなの事を

  守れるのなら、これくらい。本当なら

  僕が真っ先に飛んでいくべきなのかも

  しれないけど……」

 

夕麻『大丈夫よ。私は負けないわ。あなたの

   眷属のクイーンとして。貴方に貰った

   サイガギアだってあるし』

 

守「そう。……夕麻ちゃん、必ず、みんなで

  無事に帰ってきてね。良い?」

 

夕麻『YES、MYLOAD。……必ず、

   みんなで帰ります』

 

守「うん」

 

その後、僕達は短いやりとりをして通話を

切った。

そして僕は……。

 ≪みんな、今すぐリビングに集合して。

  悪い知らせだ≫

家の中にいる皆にテレパスで声を掛けた。

 

そして僕がリビングに降りる頃には皆が

既に集まっていた。

リアス「どうしたの守。こんな夜中に」

守「ごめん。実は今、京都にいる夕麻ちゃん

  から連絡があったんだ。そこで、

  カオス・ブリゲードの物と思われる活動が

  確認された」

僕がそう呟くと、みんながざわめく。

 

 「夕麻ちゃんの話では、援軍を送って欲しい

  との事だった。けれど僕は目立ちすぎる

  と言う事だったので、ダメだと言われた。

  同様の事から、ここから送り出すのは、

  3人だ」

ミラ「3人」

カテレア「たった3人だけを?」

守「はい。敵は、京都の妖怪の大将を誘拐

  しているとの事でした。なので、大勢で

  行く事で相手を警戒させ、剰え逃げられる事を

  危惧しての事です」

ニィ「け、けど、じゃあ誰が?」

瑠海「こん中で強いっていったら、カイザとかを

   持ってる黒歌とかイザベラ、カテレア

   っすね」

守「うん。そこで、人選だけど……。

  まずは、ミラちゃん」

 

ミラ「ッ!はいっ!」

 

守「次に、黒歌さん」

 

黒歌「はいニャっ!」

 

守「それと、イザベラさん」

 

イザベラ「わかった」

 

守に呼ばれた3人が、それぞれ返事を

する。

守「京都には、この3人に、それも

  目立たないようにオートバジンと

  サイドバッシャーを使って向かって

  貰う。それと、これが囮の可能性も

  考えてカテレアさんはこっちに残って貰います。

  いざという時、オーガの力が必要に

  なった時のために」

カテレア「わかったわ」

 

彼女が頷くと、守は3人の方へと視線を向ける。

 

守「3人にはすまないと思うけど、出来れば」

黒歌「今すぐにでも京都に向かって欲しい、

   でしょ?」

と、黒歌さんが僕の言いたい事を読んで、

呟く。

僕は静かに、その言葉に頷いた。

守「カオス・ブリゲードの目的が一切

  分からない以上、3人には早急に

  京都へと向かって欲しい。頼めるかな?」

 

ミラ「何を今更」

イザベラ「私達の王はお前だ、守」

黒歌「王の願い、聞き届けない訳には

   行かないニャ」

そう言って、3人は笑みを浮かべてくれた。

 

守「3人とも、ありがとう。……これは

  夕麻ちゃんにも言った事だけど、

  みんな、必ず無事に帰ってきて欲しい。

  誰一人、欠けてはならない。

  それだけは、守って欲しい」

 

3人「「「YES、MYLOAD」」」

 

 

その後、黒歌がオートバジンに。

イザベラがサイドバッシャーに。ミラは

そのサイドカーに乗り、夜の道を

京都に向かって走り出した。

それを守やリアス、他の眷属達が

総出で見送る。

 

ギャス「大丈夫でしょうか、皆さん」

その時、僕の側に居たギャスパー君が

不安そうな表情を浮かべていた。

守「大丈夫だよ」

そんなギャスパー君の頭を、僕は優しく撫でる。

 

 「いざと言う時は僕がテレポートで

  飛んでいくからさ」

そして、僕はギャスパー君を安心させるために

精一杯の笑みを浮かべた。

その後、みんなが家の中に戻っていく中で

僕は最後に、3人の走り去っていった道路の方

へと視線を向けた。

 

 「カオス・ブリゲード。京都で一体何を……」

 

誰に聞くでも無く、僕は答えの返ってこない

問いかけをした後、家の中へと

戻っていくのだった。

 

 

京都へと赴いた夕麻達。しかしそこで

待っていたのは次の戦いだった。

果たして、夕麻達に何が待っているのだろうか?

 

     第25話 END

 




投稿の間隔が空いてホントすいません。けど、地道に
やってくんで、何卒よろしくお願いします。
感想や評価など、お待ちしています!
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