黒歌と白音が無事保護されるようになってから1週間が経った
SIDE 守
僕はその日、窓から射す太陽の光で目を覚ましました
守「う、う~ん、朝か......今日は確か、お休みだったし、
どうせだから、走り込みでも...ふぁぁ~。」
欠伸をして、上半身を起こして右手をベッドに置いた時 ふにゅん
...おかしいな、僕ってベッドにこんな柔らかいもの置いてたかな
恐る恐るその方を見ると、おかしな形に布団が盛り上がっていました
そのまま横にずれようと反対側に手動かすと、そこの先でも、何かが当たった
もう錆びた機械みたいな音を立てながらそっちを見ると、そこには
さっきのよりは小さいけど、確かに盛り上がっていました
僕はそっと布団をどかしてみましたが...予想は当たりました
僕の右では黒歌さんが裸で 左では小猫ちゃん(眷属になるにあたって、
過去の素性がばれないように名前を変えました)がパジャマを着た状態
で寝ていました
守「...また。」
実際、2人が僕のベッドに入ってくるのはこれが初めてではありません。
小猫ちゃんはただ単に僕と一緒に寝たいだけみたいでそれはまだ良いのですが
黒歌さんの方はと言うとなぜか僕と子作りをすると言っていつものように
入ってきます。 その度に断っているんですが...
なんて考えていると2人が起き出しました
小猫「ふぁぁ、守君、おはよう。」
黒歌「おはようニャ~、守。」
2人とも、猫のように手の甲で目元をくしくししていますが、僕はそれを見るといつも
ドキドキしてしまいます
なぜかと言うと...僕は猫派なんです 2人が猫の妖怪というのもあり、たまに
今みたいな猫のような仕草を見ると和んでしまうんです。
黒歌「どうしたのかニャ~守?顔が赤いニャよ~」
守「え!?あ、いや、これはその......そ、それより、早く服を着てください!
何で裸なんですか!?」
黒歌「う~ん?私もリアスお嬢様みたいに裸じゃないと眠れないタイプニャン♪」
守「絶対嘘だ~~!」
そんなこんなで最近の僕の生活はとっても騒がしく、楽しいです
それに黒歌さんが来てからは彼女からも仙術をベースとした新しい力の
特訓も出来るようになりました といってもまだ何もできていませんが...
そんなこんなで何とか黒歌さんに服を着せて、朝食を食べた後、
日課にもなっている森の中の散歩をしていた時でした
???『誰か!!助けて!!』
僕の頭の中に、白音ちゃん達と同じように、助けを求める声が聞こえてきました
その声はとても恐怖におびえている感じだった そしてその場所は人間界
飛べるかわからないけど...行くしかない!!
守「飛べ!!」
僕は気合いを声に乗せ、その場所に飛んだ
SIDE 朱乃
その日私は、お母さんと一緒に、家に居ました でも
いきなり刀を持った和風の男たちが言えに押し入って来たのです
朱璃「誰ですかあなた達は!?」
術者「貴様だな。堕ちた巫女とは...と言う事は、その娘が忌まわしき
人と堕天使の混血か...おい、その女子をこちらに渡せ。そうすれば
命だけは助けてやる。」
刀を向けられた私は、ただ驚いて怯える事しかできませんでした
朱乃『誰か!!助けて!!お父さん!!』
彼女は祈っていた 助けが来る事を
朱璃「この子は私の子供です!見捨てはしません!!」
術者「そうか...では、母子共々、ここで死ぬがいい!」
男の一人、リーダーと思われる人が、私達を串刺しにしようと刀を突き出して来ました
朱乃『お母さん!!誰か...助けて!』
刀が私達に届くと思った時 私達と男の人の空間が揺らいで、いきなり男の子が
現れました
その子は何と素手で刃物を止めてしまいました
守「はぁっ!」
男の子は空いているもう片方の手から衝撃波を放ちました
刀を持っていた男は刀を離して、数歩下がりました
術者「貴様!?一体何者だ!?何処から現れた!?」
守「僕はただ...助けてほしいと言う声に呼ばれてきただけです...」
朱乃『...まさか、私の声に...?』
術者「子供、そこをどけ!我々はそこの子供を殺さなければならんのだ!」
すると男の子は私達の方を一目見てから前に向き直りました
守「...どうして...この子を殺さなきゃいけないんですか?」
術者「その女子は堕天使と人の間にできた忌まわしき子供!だから始末せねば
ならんのだ!」
守「それは違いますよ。」
術者「何だと?」
守「確かにこの子はハーフなんでしょうね。でも、生まれてくる子供には
責任はないはずです。違いますか?」
術者「だが!それは堕天使の血を引いているのだぞ!」
守「なら、もしあなたが同じ立場だったら、あなたは自分の子供を殺せるのですか?」
術者「私が堕天使と愛し合う事などない!」
守「...それは関係ありません。僕が言っているのは愛する子供を種族の違いだけで
殺せるかと聞いているんです。あなたにも、あなたの帰りを待つ家族がいるんじゃ
ないですか?」
術者「それは...!」
守「僕は子供です。偉そうなことは言えません。でも、親の人にとって子供は
宝物なはずです。それを種族の違いだけで殺すんですか?」
術者「だが、その女は堕天使と結ばれたんだぞ!?」
守「人が誰かを好きになるのに、種族なんて関係ありません。」
術者「何!?」
守「人も、悪魔も、天使も、堕天使も、誰かを愛する権利はあるはずです。
その人と子を作る権利も...」
術者「貴様!?なぜ3大勢力の事を知っている!?...貴様、ただの人間ではないな!?
貴様は一体!?」
守「僕は...独りぼっちの王様ですよ。」
術者「何?お前は一体...?」
と、その時だった
『バゴォォォン!』
術者B「ぐあぁぁぁ!」
爆音とともに外で見張りをしていたであろう男がふすまを破って部屋の中に飛んできた
術者「ま、まさか!?」
バラキエル「朱璃!朱乃!無事か!?」
破れたふすまから黒い羽を生やした男、『バラキエル』が入って来た
術者「クッ!まさか戻ってくるとは...想定よりも早い...!」
バラキエル「貴様らか!?朱璃と朱乃を襲ったのは!あの世で後悔するがいい!」
お父さんは光の槍を作って刀を持った人たちの方へ投げました でも
守「はぁっ!」
その間にさっきの男の子が割って入り、槍を衝撃波で弾きました
これには、お父さんとお母さんや、男の人たちも驚いています
バラキエル「貴様!なぜ妨害する!?君は朱璃達を守ったのではないのか!?」
守「そうです。でも、この人たちにも帰るべき場所と待っている家族がいます。
だから守りました。」
術者「小僧...」
バラキエル「君は...何者だ...?なぜここにいる?」
守「僕は、ただ、誰かの涙を見たくなかった だからここに来たまでです。
人は、悪魔も、天使も、堕天使も、自分の幸せをつかむ権利があると
思うから。」
バラキエル「君は...本当に子供なのか?」
この時のバラキエルには守が子供には見えなかった
守「僕は...人間をやめた化け物です。でも、誰かに幸せに生きてほしいと言う
気持ちに嘘はありません。」
この時の私は彼の眼がとても悲しそうな眼をしているのに気付きました
そして男の子は後ろの男の人達の方を向きました
「ここで死ぬことには何の意味もありません。お願いです、退いてください。
僕は誰も傷つける気はありませんし、誰にも傷ついてほしくありません。」
それを聞いたリーダーらしき人は、ハンドサインで仲間の人に刀を下ろせと
命じました
術者「...どのみち、ここに堕天使が居る時点で、我らに勝ち目はない。
姫島朱璃、忠告しておこう...できるだけここから離れた安住の地を探せ。」
朱璃「なぜ...そんな事を?」
術者「確かに、生まれてくる子供に罪はない...それに、私にもその子供と
同じくらいの年頃の子供がいるのだ......撤収するぞ...」
やがて、怪我をした人を抱えて撤退しようとした時
「そう言えば小僧、お前の名は何という?」
守「僕は、神宮守です。」
術者「守...守護者か...ふさわしい名前だな...」
そう言うと男の人たちは引き上げていきました
バラキエル「朱璃!朱乃!無事か!?」
朱璃「えぇ、何とか...」
朱乃「うわぁぁん!怖かったよ~!」
そして安心する3人の姿を微笑ましそうに男の子が見つめていたのに、
私は気づいていませんでした
SIDE 守
これで、この人たちも大丈夫だよね
僕がその人たちから離れて、テレポートで戻ろうとした時だった
バラキエル「君!待ってくれ!」
後ろから堕天使の人に呼び止められました
「君は、守君と言ったね...私は君にお礼がしたい...ありがとう。」
守「必要ありません...僕はその子の助けてと言う声に呼ばれただけ...
大したことはしていません...」
バラキエル「せめて、君の家の場所を教えてくれ。後で正式にお礼を言いたい。」
...でも、それは無理だもんなぁ
なんて思っていた時
サーゼクス「生憎、それは無理な相談だ。」
部屋の外に魔法陣が現れ、そこからサーゼクスさんが出てきました。
守「サーゼクスさん、どうしてここに...?」
バラキエル「お前は!?4大魔王が一人!サーゼクス・ルシファー!まさか!?
この子供も悪魔か!?」
と言って、後ろに2人をかばうバラキエルさん
サーゼクス「参考までに言っておこう、堕天使バラキエル...守君は悪魔ではない。
今の私は彼の保護者として迎えに来たに過ぎない
事を荒立てるつもりもない。」
守「そういう事です。僕は人でも悪魔でも、堕天使でもありません。」
朱乃『まただ、またあの悲しい眼をしている。』
バラキエル「君は...一体...何者なんだ?」
守「僕は......」
説明しようとした時、サーゼクスさんに肩を掴まれ、止められました
サーゼクス「堕天使バラキエル、私から提案がある。」
バラキエル「何だ?」
サーゼクス「お互いがそれぞれの組織にて高い立場にいる以上、こういった周りの目が
気になる場所では話もできまい。そこで、私が話し合いの席を設けよう
と思うのだが?」
バラキエル「ほう。」
するとサーゼクスさんが手紙のような物を取り出して来ました
サーゼクス「罠かどうかはあなた達が判断してくれて結構だ。
だが、彼の事を知りたいのなら、明後日に、駒王町と言う町の
市役所に来て、それを見せて、グレモリーの名を出せばいい。」
手紙を受け取るバラキエルさん
バラキエル「その町に行けば、彼の事を知れると?」
サーゼクス「そうだ。では、我々は失礼するよ。守君、先に戻ってる。すぐに帰ってくる
んだよ?」
守「はい。」
僕はサーゼクスさんが魔法陣で消えるのを確認してから、3人に向き直って
お辞儀しました
「それでは、失礼します。」
僕は意識を集中させ、グレモリー邸にジャンプしました
そんなこんなで戻ってきてから数分後...
今の僕は部屋に正座させられていて、目の前には怒りのオーラを纏った
リアスお姉ちゃん、黒歌さん、小猫ちゃんが立っていました
リアス「守...今までどこに行っていたの?」
守「少し、人助けに...」
リアス「へぇ...聞いた話では相手は女の子だそうね。」
守「う、うん、狙われてたのは女の子だったみたいで...僕がその間に
割って入って...無事に解決してきたよ。」
黒歌「でもニャ~守、そう言うのは誰かに一言言ってから飛び出してほしいニャ。
ましてや今の私は守の護衛役ニャン。勝手にいなくなられると困るニャン。」
守「か、返す言葉もありません。」
小猫「守君はお人好しすぎ...」
守「ごもっともです。」
リアス「そこで、私達3人はまたあなたが私達に心配させたときのための保険を
作ることにしたの。」
守「何でしょう...?」
オヤ~ナンダカクウウキガアヤシイゾ~?
リアス「もし今後、私達に無断で飛び出したらその度に私達3人それぞれの
お願いを聞いてもらうからね!」
守「そんなぁぁぁ!!」
リアス「これはお姉ちゃんからの罰よ守、今日は見逃してあげる。
でも、次破ったら、そうね、どんなことをお願いしようかしら?」
その時、隣にいた黒歌さんがお姉ちゃんに耳打ちした
それを聞いてお姉ちゃんは笑みを浮かべた
「喜んで守、たった今当面のお願いが決まったわ。」
守「ど、どんな事でしょうか?」
リアス「もし約束を破ったら...その度に私達3人にキスをするのよ!!」
守「えぇぇぇ!!??僕まだ子供だよ!?」
黒歌「キスに子供も大人も関係ないニャン♪それに守の世界の人間は親しい人と
キスをするのは当たり前と聞いた事があるニャン。」
守「それは基本的に外国の人とかだよ!日本人は違うよ!」
リアス「ともあれ、これは私達3人が決定したとこ...これからはこのルールに
従ってもらうから...覚悟しておいてね。守♪」
守「は、はぁぁい。」
僕は、力なく返事する事しかできなかった
SIDE 朱乃
あの後、私達は壊れたふすまなどを治してから昼食にしました
でも、お父さんもお母さんも何も言いません 最初に口を開いたのは、お父さん
でした
バラキエル「2人とも、すまなかった...私のせいで2人を......」
朱璃「そこから先は聞きませんよ。あなた。」
バラキエル「しかし...!」
朱璃「今は私達全員が無事な事を喜びましょう。ね?」
バラキエル「朱璃......わかった...」
そして私は、気になっていた事を話し始めました
朱乃「お父さん、明後日、駒王町に行くの?」
バラキエル「あぁ...あの子に助けられたのは事実...私としても
ちゃんとした礼を言っておきたい。だが、2人はここに残って」
朱璃「それはできません、私達も同行します。」
バラキエル「朱璃!これは罠かもしれんのだぞ!」
朱璃「でも、私達だけで残っている方がもっと危険です。
それは今日を襲われたことでよく理解できました。」
バラキエル「う、うむ...わかった。では3人で行くとしよう。」
朱乃「また、あの子に会えるかな?」
朱璃「朱乃、あの子の事が気になるの?」
朱乃「うん、あの子、自分が化け物だって言ってた時、とても悲しそうな眼を
してたから...それが気になって...」
それを聞いて顔を見合わせる朱璃とバラキエルだった
そして約束の日がやってきた
私達3人は駒王町の市役所までやってきました
受付嬢「こんにちは、今日はどういったご用件ですか。」
バラキエル「人と会う約束があるんだ...話ではこれを市役所で見せて、グレモリーの
名を出せと言われたのだが?」
そう言って受付嬢に手紙を渡すバラキエル
それを見て受付嬢は
受付嬢「伺っております。今案内の者を呼んでまいりますので、少々お待ちください。」
2,3分もすると白いスーツ姿の男を連れて戻って来た受付嬢
そしてその男と言うのが
サーゼクス「すみません。お待たせして。」
あの時、男の子を迎えに来た悪魔でした
バラキエル「問題ない。それで、我々は何処へ行けば?」
サーゼクス「どうぞこちらへ...」
そう言って案内され、市役所内の会議室の様な部屋へと案内された私達
は部屋の中で3人の人がいるのに気づきました
一人は昨日の男 もう一人は黒髪で着物姿の女の人でした
それに、男の人と同じようにスーツを着た女の人もいました
「どうぞみなさん、好きな席におかけください。
グレイフィア、人数分のお茶を。」
グレイフィア「畏まりました。」
するとスーツ姿の女の人が出て行ってしましました
その後、さっきの男の子を挟むように座った着物姿の人と白いスーツの人
その向かいに私を挟むようにお父さんとお母さんが座っています
朱璃「あ、そうだ...これを...」
席に座ると、あ母さんが持っていた風呂敷を机の上に置きました
「あの時はありがとう、つまらないものだけど、受け取って。」
と言って男の子の方に風呂敷で包んだものを差し出しました
守「い、いえ、僕は別にそう言う物がほしくてやったわけではないので...
そう言うのは...」
朱璃「良いのよ、どうせただのおはぎだから、さぁ。」
守「そ、そうですか、それじゃ、後程いただきます。」
風呂敷を受け取る男の子
サーゼクス「さて、それではせっかくだからお互いの自己紹介と行こうじゃないか。
私はもう知っていると思うが、サーゼクス・ルシファーだ。」
守「えっと、神宮守です、よろしくお願いします。」
黒歌「私は黒歌、守の家臣ニャン♪」
バラキエル「では、私の名はバラキエルだ。」
朱璃「私は姫島朱璃と申します、以後お見知りおきを、こっちは娘の、」
朱乃「姫島朱乃です。はじめまして。」
その後、ちょうどさっきの女の人がお茶を持ってきました
サーゼクス「彼女はグレイフィア・ルキフグス。私の下僕だ。」
グレイフィア「以後、お見知りおきを。」
これで一通りの挨拶を終えました
サーゼクス「それでは早速だが、本題に入ろう。」
バラキエル「そうだな......では、改めて、守君、君には妻と娘を
守ってもらった恩がある、この度は世話になった。ありがとう。」
守「気にしないでください。僕は、朱乃ちゃんの助けてと言う声が聞こえたから
飛んできただけですから...」
バラキエル「それでも、礼を言わせてくれ。ありがとう。」
朱璃「私からもお礼を言わせて、ありがとう守君、おかげで私も朱乃もこうして
家族みんなでいられるのもあなたのおかげよ。」
守「いえ...僕は当然のことをしたまでです。」
朱璃「でも、あの大人を聞き伏せる説得力と言い、本当にすごかったわよ。
まるで子供じゃないみたい。」
それを聞くと、守君がまた前のように少し悲しそうな眼をしてしまいました
朱乃『なんで?何でそんな眼をしてるの?』
バラキエル「君には感謝している...だが、君は一体何者なんだ?」
それを聞いたサーゼクスさんは
サーゼクス「守君、あの事は、私から彼らに話そう。君は少し、外の風に当たっている
と良い。」
守「お願いできますか?」
サーゼクス「あぁ。任せてくれ。」
守「すみません。」
そう言うと彼は出て行ってしまいました それを見た私は
朱乃「ねぇお母さん、守君と一緒に行ってきていい?」
朱璃「え?...そうね、横に公園があったはずだから、そこで2人で遊んで来たら?」
朱乃「うん!」
そして私は、守君の後を追いました
SIDE サーゼクス
朱乃ちゃんが守君と一緒に遊んでくれるなら特に問題はないだろう
私はこっちに彼の説明をしなくてはな
バラキエル「すまない、私達は彼に何か失礼な事を聞いただろうか?」
サーゼクス「...えぇ、これは彼にとってもつらい過去の話ですから。
あまり他人に聞かせる話ではないのですが......聞きますか?」
バラキエル「お願いする...そこから少しでも彼に恩返しできる事が見つかる
かもしれない。」
サーゼクス「わかりました。...あなたは、灰色の種族について知っている
事はありますか?」
バラキエル「灰色の種族?おとぎ話に出てくる大戦前に滅んだ種族の事か?
それが彼と何の関係が?」
サーゼクス「彼は、今から1年ほど前、ある教会でその種族、オルフェノクの王、
アークオルフェノク復活のための素体にされたんです。」
これには二人も驚愕している
朱璃「素体?あんな子供がですか?」
バラキエル「...彼の親は?」
私はゆっくりと首を振ってから答えた
サーゼクス「彼の話を聞く限りでは、儀式の最中、彼の体から生えた触手に刺され、
衣服を残して灰になったと...」
朱璃「そんな!!」
バラキエル「まさか、その親たちも望んで儀式に?」
サーゼクス「...おそらく...」
そう答える私の横でも、黒歌君が苦虫をかみつぶしたような顔をしている
バラキエル「何と言う親だ!自分の子供を何だと思っているんだ!」
朱璃「あなた、落ち着いて...」
怒りで頭に血が上るバラキエルを朱璃がなだめている
サーゼクス「そして...儀式の結果、彼はアークオルフェノクの姿と力だけを
継承する形になってしまった。
私が情報を聞いて駆け付けた時には儀式が終わった後だった。
灰が積もった教会で、彼は声をあげて泣いていた。
そして彼は儀式によって復活の生贄になった人々は自分が殺したと
思っている。」
朱璃「それは!」
サーゼクス「えぇ、それは彼の罪ではなく、その儀式を起こした主犯のものです。
ですが、何より彼のやさしさと正義感がそれを許さない。」
バラキエル「まさか、彼の他人を思う心も?」
私はその問いにうなずいた
サーゼクス「私達が彼を見つけ時、彼は私に『殺してくれ』と言ってきました。」
黒・朱・バ「「「!!??」」」
黒歌「ちょっと待つニャ!?守がそんなことを言ったなんて初耳ニャ!」
サーゼクス「あの時の彼は...自分を化け物と呼び、誰かを傷つけてしまう
存在だから、私に殺してくれと言ってきました。」
朱璃「ひどい...!」
バラキエル「なんて親だ!子供にそんな重荷を背負わせるとは!」
サーゼクス「私も、同様の怒りをあの時、覚えました。でも、だからこそ
あの子のやさしさを死なせるのが惜しいと思った。
その後、私達は彼を説得し、彼の生きる意味を見つけさせる事が
できました。」
黒歌「それが、私達や一昨日みたいに誰かを救う事かニャ?」
サーゼクス「それが私が彼にに与えてあげられる、彼の生きる意味だ。」
バラキエル「そんな過去があったのか......だが、どうして話そうと思ったのだ?
そのような話、おいそれと他人に話すことでは...」
サーゼクス「確かに...ですが、あなた達には彼のやさしさと過去を乗り越えよう
とする彼を知っておいてほしかったんです。」
朱璃「どういう事ですか?」
サーゼクス「これは、私の直感ですが...いずれ、彼のもとには多くの人が集うと
思うのです。」
バラキエル「彼が、王だからか?」
サーゼクス「いえ、その人々は彼の『やさしさ』に集うと思うのです。」
バラキエル「どういう事だ?」
サーゼクス「今の彼が誰かに殺意を向ける所を、私は見た事がありません。
きっと今の彼は不殺を目標にしているはずです。」
バラキエル「まさか、あの時朱璃達を襲った者たちを守ったのも?」
サーゼクス「...今の彼にとって、自分の力とは守るためにあるものと
認識しています。だからこそ、その力で誰かを傷つける事をしようとは
しないのですよ。彼にとって、あの力は誰かを救うためのものなんです。」
黒歌「......私も、もとははぐれ悪魔として、無理を強いる主から逃げ出した身ニャ。
守と出会って無ければ、今頃私達はどうなっていたか......
だからこそ、今は守の役に立ちたいって思ってるニャ...」
サーゼクス「彼女のように、彼に救われ、彼の心を知り、彼に惹かれる者も、
すでに少なからず存在します。各いう私もなんですがね。
いずれ、もしかしたら彼のもとには3大勢力の枠を超えた人々が
集まるかもしれない...そして彼の存在が...」
バラキエル「ん?」
サーゼクス「いえ、これはまだ先の話過ぎます。...ですが、私は彼に世界をもっと
見てほしい。だからこそ、もしもの時は彼に力を貸してあげてほしいんで す。」
バラキエル「私に、彼に助力しろと?」
サーゼクス「彼から頼まれた時で構いません。お願いできませんか?」
バラキエル「.........」
朱璃「あなた......」
バラキエル「...彼には妻子を助けられた恩がある、それでこの恩が返せるなら
本望だ。」
サーゼクス「ありがとうございます。」
『ひょっとしたら、これが3大勢力の和平に繋がるかもしれない』
握手を交わすサーゼクスとバラキエル
一方その頃、守と朱乃の2人は市役所横の公園で遊んでいた
時は遡って20分くらい前
SIDE 朱乃
守君に追いついた私は一緒に横の公園のブランコで遊んでいました
朱乃「守君てまだ7歳なの?」
守「うん、そうだけど。」
朱乃「へぇ、じゃあ私の方が年上なんだ。」
守「いくつなの?」
朱乃「今は9歳なんだよ。2つ年上だね。」
守「そうなんだ...」
なんて話していた時、私は気になった事を彼に聞きました
朱乃「ねぇ、守君はどうしてたまに、悲しそうな眼をしてるの?」
それを聞いた守君はブランコを止めてしまいました
「守君...」
守「僕にはね...本当の家族がいないんだ...」
朱乃「え?お父さんとお母さんは?」
私の問いに守君は首を横に振るだけでした
守「1年前に......」
朱乃「そうだったんだ...」
守「今では家族と呼べる人が僕の周りにいるから寂しくはないんだ。
だからこそ、一昨日の戦いで、誰も死なずに、全員が家族の元に帰れたのが
うれしかった......でも、家族と引き換えに手に入れたのは化け物の力だ け...僕は...あの力のせいで、ひとりぼっちになっちゃんだ...」
朱乃「......」
守「今の僕の周りには...僕を家族だって言ってくれる人がたくさんいる...で も...今の僕には...本当の家族が、いないんだ...」
そう言って俯いてします守君
「ごめん、朱乃ちゃんの話すことじゃなかったよね...ゴメン。」
私は胸の中が切なくなるのを感じた
自分より幼い彼が、そんな過去を背負って戦っているのを知ったら
とても愛おしくかんじるようになってしまった
私は彼を後ろから抱きしめた
「朱乃、ちゃん?」
朱乃「守君は一人なんかじゃないよ...私がいつか大きくなったら、守君と結婚して
ホントの家族になってあげる...」
守「僕は......」
朱乃「あなたは私のお母さんを助けてくれた優しい人、私、みんなのために戦う
守君の姿を見てたら、一目惚れしちゃった☆」
守「ふぇぇぇ!?」
朱乃「いつか、私が迎えに行くまで、待っていてね。私のダーリン♪」
守「だ、ダーリン!?」
朱乃「そろそろ寒くなって来たし、中に戻りましょう?」
ブランコに座る守君に手を差し出す私
守「うん、朱乃お姉ちゃん。」
その後、私たちは手をつないだまま元の部屋に戻りました
SIDE 守
その後、もと居た会議室に戻る僕と朱乃お姉ちゃん
守「失礼します。」
サーゼクス「おぉ、戻って来たか。こっちも話は終わった所だ。」
僕たちがそれぞれの席に着いた時でした
朱乃「あの、サーゼクスさん。」
サーゼクス「何だい?」
朱乃「私と、守君が出来るだけ一緒に居られる方法がありませんか?」
サーゼクス「君も、彼に恩を返したいと言う事かい?」
朱乃「はい。」
サーゼクス「ふむ......方法が無いわけでは無いが、おそらく君の父君が
承認しないだろう...」
バラキエル「まさか、転生悪魔になれと言うのではないだろうな!そんな事は
認めんぞ!」
サーゼクス「やっぱりね。」
と、その時
朱乃「構いません。少しでも彼の傍で助けができるのなら。」
バラキエル「朱乃!自分が何を言っているのかわかっているのか!?」
朱乃「お父さんは黙っていてください!私の道は、私が決めます!」
バラキエル「朱乃......」
朱璃「あなた、良いじゃありませんか...」
バラキエル「しかし...」
朱璃「これは朱乃自身が選んだ道、私達がどうこう言うのも、野暮、と言う物ですよ。」
バラキエル「む、むぅ...」
でも、やっぱりバラキエルさんは納得してはいないみたい
サーゼクス「では、我々からもあるものを提供しよう。」
バラキエル「何?」
サーゼクス「実は駒王町には神社があったのだが、神主の方が数年前に亡くなって以来
後継人が居なくてね。そこを好きに使ってくれて構わない。
それに特例として堕天使バラキエルのこの町での生活を承認しよう。」
バラキエル「悪魔の町に、我々が暮らすことを許すと?」
サーゼクス「ここなら、他勢力から余計な襲撃を心配する必要はあるまい?
バラキエル殿には、ここで生活している事をばれない様にして
もらわなければならないが...どうかな?」
バラキエル「確かに、願ったり叶ったりの申し出だが...なぜ?」
サーゼクス「彼、守君に協力してもらう以上、出来るだけ近くに居てもらった方が
こちらとしても便利、と言うのもある。」
バラキエル「...そうか......朱乃、本当に良いんだな?お前は悪魔になるんだ ぞ?」
朱乃「大丈夫、私は、もう迷わないから...守君に恩返しをしたいから。」
バラキエル「そうか...なら、俺からいう事はない。」
朱璃「朱乃、しっかりね。」
朱乃「はい!」
こうして、リアスお姉ちゃんの眷属になった朱乃お姉ちゃん......なんだけど
とある日の朝
守「何で今度は朱乃お姉ちゃんまでベッドに入り込んでるの!!??」
朱乃「言ったでしょう?私も恩返しをするって♪」
黒歌「守は天然のたらしニャね~♪」
守「僕にそんなつもりはないよ~!」
さらに騒がしい日常が始まりました
プロローグ 第4話 END
次の回からやっと本編入りします。
ご期待に添えるよう、頑張っていきます。