狐火さんとのコラボ第2弾。
短編として独立させました。

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これまでの話を知りたいならば「タマミツネに、禁止事項が課せられました。」をみてください。

少し文章を訂正・ほんの少し追加しました。


イロトリドリ

…やあ、モノだ。

早速だが俺は今、火山にいる。

何故かを説明しよう。夢だからだ。

俺は今、夢を見ている。

 

…そして、暑い!!!

Tシャツでもすごく暑い!! 汗がダラダラと流れ、Tシャツが肌にべっとりとくっついている。気持ち悪い!!

 

「うぅ…暑い。どっかに涼しいところないかな?」

「…火山から降りよう。」

 

今喋ったのは俺に付きまとう一頭身、クロだ。

俺は、何やらいつもいつも夢越しに怪異に襲われている。

そして、俺は夢越しに怪異を退治する。怪異を退治したら夢から脱出できる。

その怪異退治するためのアドバイスをするのが、クロの役目だ。

声は美少年っぽい声で、声だけ聞いたら大抵の女性はひきつけられてしまうだろう。…あくまでも「声」だけ聞いたらな。

 

俺は火山から降りた。

ここは全然暑くないようだ。

ここから何をしようか迷っているところで、いつか見たような中二病的な装備を装備している人が俺を見つけて、こっちに向かってきた。

 

「よぉー久しぶりだなー!モノ。」

「あ、誰だ?…ああ、レイス!!」

「「ひっさしぶりー!」」

 

俺はいつのまにか、このレイスと意気投合してしまっているようだ。

なにやらレイスはクエストをこなしている途中だったらしく、クエストをリタイア、つまり途中でやめて、俺をユクモ村へと招待してくれた。

 

俺がユクモ村に着くや否や、みんなが俺の再登場を歓迎してくれる。

どうやらなにか一種のヒーロー的な扱いをされていたみたいだ。

まあ俺、タマミツネの件に協力しただけなんだけど?

 

「モノ君!久しぶりだね!」

「あ…ミツさん。久しぶりです。」

「何でここに来たの?」

「火山から出てきました。そこでレイスと偶然出会ったんです。」

「へー、偶然っていうか運命かな?」

 

…言われてみれば。

もしかしたらここに来たのは、なにかやるべきことがあるから来ているのであろう。

俺とクロにしか解決できない問題があるのか…ふふふ。

 

「じゃあとりあえずもうすぐ晩飯の時間だし、ご飯を一緒に食べよー!」

「え、いいんですか!?やった~!ミツサンカラ↓ゴハンノサソイ↑ダー!!味わって食うべ~!!」

 

前回来た時から知っているが、ミツさんの料理の味は絶品である。

見た目は卵焼き、味噌汁とか、なにやら和食的なものが結構そろっているが、味はそんじょそこらのお袋の味よりうまい。

 

だが、晩飯まで時間があったので、とりあえずミツさんの家で一休みすることにした。

 

 

一旦舞台は変わり、ここは古龍観測所―――。

 

隊員二人は気球に乗り、森丘を観測している。

暫く何も起きない、まあつまり平和と言うところだ。

だが、相も変わらず観測を続けていると、何やら森丘のどこかを何か不穏な影がよぎった。

それを目撃した二人は気のせいかと思ったが、観測を続けていると再び不穏な影がよぎった。

その不穏な影の正体は分からなかったが、少なくともゴア・マガラではないことは確かだった。

不思議に思った二人は、通信機を取り出し上の方に報告をした。

なにか、森丘で異変が起きていると。

 

そして、舞台は戻りゆけむり村の食堂。

 

「美味い美味い!!」

「いやーそうかな?異世界の人にもそんなことを言われるなんて照れるなぁ、ハハハ。」

「いや本当に美味いですよ!だってしょっぱすぎないしかといって(くど)い味でもない。これくらいが美味しいんだよね…。」

「あれ?そういえばクロ君は?」

「クロですか?クロなら温泉卵を食べて舌鼓を打ってますよ。」

「あ、温泉卵?あれ僕が作ったんじゃないけど美味しいよね。」

「全くです。」

 

そして、皆は飯を食べ終わり、それぞれ自分たちの家に帰った。

そして、深夜。寝る前のとある時間。

俺はレイスと会話を交わす。

 

「ん?なんか速報で不穏な影が森丘に出没?一旦目的地が森丘のクエストを受注するのを禁ずる?って言ってるぞ。」

「…不穏な影?狂竜ウイルスに感染したモンスターとかじゃなくて?」

「狂竜ウイルスってなんだ?」

「ああ、それはな…。」

 

狂竜ウイルスと言うのはあるモンスターが撒き散らす鱗粉のことで、ハンター含め生物がそれを吸い込み、一定時間経つと様々な異常が発生する症状、「狂竜症」を発症する。

だが、発症する前に一定回数攻撃して、免疫力を高めることによってそれを阻止できるらしい。

 

「…なんか恐ろしいウイルスだな。」

「だろ?最近は極限状態になるモンスターまで…。」

「極限状態ってなんだ?」

「ああ、それは、モンスターが狂竜ウイルスを克服した状態だ。極限状態のモンスターは劇的に強くなる。」

「なるほどな…そういえば、これが夢って思ったことがないんだよな。リアリティがありすぎて。」

「リアリティねぇ…。それは俺も似たようなことを思っているよ。これが本当に夢の世界なのかって。」

「俺にとっちゃあこれは夢なんだけど、お前らにとっちゃあこれは現実なんだよな。」

「まあそうだ。もしかしたらお前って、本当は夢とか見てないんじゃねぇの?普段はどこかに雲隠れしててとか。」

「…俺が答える必要は何もないさ。だって、いくら本当のことを言ったって、それが本当かウソかなんてわかりゃしないさ。口では何でも言えるからね。証拠があればいいんだけど、その証拠もないんじゃあなぁ…。真実ってのは自分か、もしかしたら誰にも分からないものなんだよ。」

「まぁしっかし…。最初であった時はなんか光に包まれながら消えてったしなぁ…。」

 

そんな会話をしている俺たちを見守ってくれている人が二人…。

 

「いやーしっかし、クロ君。」

「なんでしょうか?」

「本当に君たちが来たのって、偶然なのか、運命なのか。どっちなんだろうね。」

「…運命だと思いますよ。」

「そうかな?」

「…根拠はないです。でも、運命な気がするんです。」

「…そうだね。偶然な訳、ないよね。」

「…はい。」

「…。」

「…。」

「…ねぇ。」

「何でしょうか?」

「君の事、呼び捨てにしてもいいかな?」

「構いませんよ。」

 

何やら二人はそれぞれの保護者的な存在になっていた。

 

 

 

古龍観測所―――。

 

深夜帯に観測する二人は、森丘に降りて謎の不穏な影について探索をしていた。

地面や森についている木の傷などを一個一個調べたりしているが、なにも異常がない。どこもだ。

 

「全然何も起きてないじゃん!不穏な影ってなんだよ!」

「まあ、このまま何も起きないといいんだけどな。」

「つーかさ、夕方観測した二人嘘ついてんじゃねーの?」

「だな。こうやって俺達を出向かせて…。嫌な奴だぜ。」

 

そういいながら会話を交わしていると、森丘が騒ぎ出した。

二人は条件反射でナイフを身構える。

 

「…どこだ?」

「…何も起きないな。」

 

暫く何も起きないので、二人は警戒心を解いてナイフをしまった。

だが、そのナイフをしまう隙を見計らって、不穏な影が姿を現した。

 

「うわあああぁぁぁぁぁ!!何だコイツ!!何だコイツ!!」

「や、ヤベェ…逃げろーーーーーーーーーー!!」

 

二人は逃亡を仕掛けたが、その足の速さは影とは比ではなく、影に瞬く間に捕まってしまった。

拘束された二人は、為す術もなくその影に捕食をされた。

 

 

俺はミツさんの家に泊まらせてもらっていた。

布団があったかい…。一生起きたくない…。

 

だが、こんなところで怠けてても仕方がないので、起きることにした。

 

「あ、モノ、おはよー。」

「おはようございます、ミツさん。」

「ちょっとちょっと、そんな堅苦しくしなくていいって~。ため口でいいよ。」

 

と言いながらミツさんは首を小さく横に振る。

俺はミツさんの家に届いていた新聞を読む。そこには大きな見出しでこう書かれていた。

 

『森丘で二人が行方不明、現在捜索中。なお、引き続き森丘が目的地のクエストは受注することを禁ずる』

 

…前回の速報と合わせて、これは何かが起きているようだな…。

これをミツさんに見せると、少しだけ目を見開いた。

 

「えー!?こんなことが起きてるの!?」

 

知らなかったのか…。

俺は外に出ると、何やら民衆の人達が騒いでいた。

俺がそこに行こうとすると、なぜか知らないけど皆俺を敵対するような目で、俺を指さした。

 

「こんなことが起きたのはお前のせいだろ?」

 

いきなり訳の分からないことを言い出す。

 

「は?お、俺は何も知らな―――。」

「しらばっくれても無駄だ!お前がこの世界に来てから明らかにこのような事が起きている。お前何かしただろ!」

「だーかーら、知らないって!」

 

俺がいくら自分の無罪を証明しようとしても白を切ってるなどしらばっくれても無駄だなど言われて、腹が立ったがそこに状況を嗅ぎつけたのかミツさんが現れた。

 

「みんなみんな、この人を疑うのはやめてくれない?」

「あ、ミツさん!」

「何だと!ミツさんこの人をかばうってのか!じゃあお前も裏切り者か!」

「え、えぇ?なんでそうなる?」

「だってそうだろ!もうネタは上がってるんだよ!じゃあこいつが犯人じゃないっていう証拠はどこだ?どこにある?」

「うっ、それは…。」

 

俺含め、こっち側の人は何も言えなくなった。

だがそこに、偶然にもレイスが現れた。どうやら話が聞こえてたらしい。

 

「じゃあこいつが犯人っていう証拠はどこだ?」

「…そ、それは。」

「レイス…!!」

 

レイスの一言により、一瞬で辺りが静まり返った。

これで騒ぎが終わったと思いきや、それでもまだ俺達を疑うのをあきらめない愚か者が居る。

結局その後また騒ぎだして、冤罪を証明しきれず、ミツさんとレイス、そして俺は止むを得ず逃げるしかなかった。

 

…逃げて数分、俺たちは森の中に隠れ姿をくらまそうとした。

 

「…チッ、俺たちのあの時の恩も忘れやがって…。」

「…面倒臭いな…。どうやって落ち着かせよう。」

「あ、ちょっと待て!姉さんは!?」

「え?ミツさん?…あれ?居ない!?」

 

突如としてミツさんが消えた。

一人だけ違う道を突っ走ったのだろうか。あれ…そういえば、民衆たちがこっちに来ていない。

という事は…ミツさんの方向へ向かったのでは!?

 

「ヤバい!ミツさんが多分追われてる!!」

「マジかよ…!?クソッ、今はぐれたら危険なのに…。」

 

 

ミツside

 

「…うっ、ハァ…ッハァ…。」

 

走って数分、息切れがしてきた。

直ぐどこかに隠れ、体力を回復しようとしても、また直ぐに見つかる。

なぜ彼らは追ってくるのだろうか。僕達が疑われたらそれで今までの功績、信頼も全部失われるのだろうか。

少なくとも掩護してくれる人達がいたけど、その人は普通に騒動なんかどこ吹く風みたいにその場を立ち去っていた。

結局、みんな自分の事しか考えてないんだな…。というか皆大体こんな不気味な話は早く誰かを犯人にして無理矢理でも終わらせるとか、そんなこと絶対考えてる。

…うう、胃が痛くなってきた。

 

「…森の中に入るか。今のうちに。」

 

小声で独り言をつぶやく。

さっきまで岩の陰に隠れていたが、今、別の方角をみんな向いているためその隙に森の中に隠れる。

これでしばらくは目を欺くことは出来るだろう。

 

…。

もう少し、奥まで入ってみよう。

というか、レイス君とモノ君がいない。

はぐれてしまったんだろうか…うう、今の状況じゃ最悪だ。

 

「…足音が近づいてきた…。」

「いいえ、僕ですよ。」

「え!?ひうっ!」

 

…あ、クロだ。

ってあれ?なんでこんなところにいるの?

 

「僕は心が読めるんで、民衆の心を読み、そしてミツさんやレイス、モノを追っていると知り、ここまで来ることができました。はぐれましたね?」

「…うん、言っている通りだよ。」

「だったら、少しついてきてください。レイスやモノとも出会うことができますよ。」

「…え?どういうことなの?」

「…いいから付いてきてください。」

 

僕はクロの言われる通り、森の奥深くまで案内してもらった。

だが、僕が向かったところは、ずっと森の中。

歩いて数十分。まだ付かないのか…と、足が棒になりそうだ。

…あれ?何か引っかかるところがあるなぁ…。

クロってモノから聞くあたり、優しく、心が読めるはず。

今僕は疲れている。数時間も歩いているから。僕がそれを口に出さなくても、彼は心が読めるからそれに気づき、僕のことを気遣ってくれても(まま)おかしくは無い。

ということは、少々強引な仮説ではあるけど、もしかしてこのクロは…偽物?

ずっと森の中を歩いているから、多分ここは森丘だろう。隊員行方不明事件の舞台も森丘だし…。影がクロに化けているのか?

 

「…はい、着きましたよ。」

 

そう考えているうち、いつの間にか洞窟に入り行き止まりの所に来ていた。

 

「…貴方の墓場に。」

 

その言葉を聞き、僕は鳥肌が立った。

同時に、このクロは化けている。さっき僕が立てた仮説はあながち間違いではなかったということにも確信がつく。

逃げようとしたが、恐怖のあまり腰を抜かし足も少し震えているので、逃げることができない。

クロは変身を解き、其の影と言う姿を現した。

 

「……!!」

「どうだ?信頼していた人に裏切られるという感覚は?」

 

そういいながら、影は大きく口を開ける。

苦し紛れに僕は攻撃用の泡を出し、その影に当てたが、少し動きが止まっただけで何も反応がない。

…もう駄目だ。僕は今から、捕食をされる。

これは、僕がモンスターだから分かることである。

もうじき死にそうなのに、ここまで冷静でいけるのは、僕はもうあきらめているから。

ヘタに抵抗するより、今ここであきらめてしまえば、潔いだろう。

さようなら、みんな―――。

 

 

 

 

「…さーん…。」

 

…ん…?

 

「ミツさーん!!」

「のわっ!!」

 

目が覚めた。ここは自分の部屋の様だ。

って、え!?あれっ!?モノにレイス君!?

僕って死んだんじゃなかったの!?

 

「ああ、それはですね、あなたが森丘の奥深くで倒れていたのが発見されましてですね。」

「陽炎サンが偶然発見されたみたいで、うまく救出することができました。」

「あ、陽炎が…?」

 

よく分からないけど、助かったのか、僕は…。

だけど、いまだ民衆の不信感は解かれてないみたいで、迂闊に外には出れない。

しっかし、あの影は…。いったい何者なんだろうか?

僕は二人にその影について話した。

 

「ナニィッ!?そんなのが!?」

 

レイスは驚愕したような声を出す。

 

「…ふむふむ、成程。」

 

モノは落ち着いた表情で返事をする。

その反応だと、モノはその正体を知っているみたいだ。

僕はそれは何なのかと問いかけてみた。

 

「その影って、もしかして"異形"っていう怪異の一種じゃないか?」

「異形?」

「ああ、そうだ。」

「でも、どうやって?」

「…多分、俺達がこの世界に来たから、現れたんだろう。きっと、道連れみたいな感じで。」

「…へえ、そう。というか、僕はどうやって助かったんだろう?」

 

僕が疑問に思っていると、僕の部屋のドアがガチャリと開いた。

 

「それは、僕のおかげですぅ。」

「ん?あ!ロッド君!!」

 

ロッド。この人もモンスターで、ホロロホルル。

僕が最近見つけた、新しい男の娘。

 

「って、え?助けたの?君が?」

「はいそうですぅ。」

 

「…なんかさ、あいつ、腹立たない?」

「分かる。あざとすぎるだろ。」

 

…聞こえてるよ、君達。

 

「気まぐれに探索していたら、何か知らないけどお札を見つけましてぇ。そっから更に探索してから洞窟を見つけましてぇ。奧に行ったらあなたが何かに食われそうになっててピンチだったんですよぉ。」

「…うん、要は僕が助かったのは偶然の産物ってこと?」

「まあ、そんなところですかねぇ。助けなきゃと思い、お札を投げたらその何かが怯みましてぇ。その間にあなたを担いで脱出したんですけど、何か知らないけどいつの間にか落としちゃいまして。」

「え!?落としたの!?」

 

…人を落とすとか、天然すぎないか?

それともそれほどに大胆な運びかたなの?

 

「でも、助かったんですねぇ。よかったですぅ。」

「…ふう。でも、あの怪異を放っとく訳にはいかないな。浄化しなきゃ。」

「でも、どうやって?」

「うっ…。モノ、なにか策がある?」

 

モノは頭を抱えた。

そしてしばらく考えた後、一つの声を導き出したように手をパンッと叩いた。

 

「よし!こうだ。まず、ロッド君、君がお札を投げた時その異形は少し怯んだでしょ?それは多分、すこしダメージを与えられたんだろう。そのまま強力な札を投げれば、浄化できる可能性が高い。だけど、俺が知っている限り、その異形は素早いと聞く。」

 

この場にいる全員が相槌を打った。

 

「ミツさんが泡を当てた時、すこし動きが止まったんでしょ?だから、その隙に当てればいい。だけど、それが困難なんだよね…。」

「成程ね。…成程。」と僕。

「困難なんですかぁ?」とロッド。

「うわー、メンドクセェ。」とレイス。

 

だが、曲がりなりにもモノは異世界から来たと証言し、様々な怪異に会ったと聞く。

この人の意見を信用するほか、なさそうだ…。

…あ、聞くのを忘れてた。

 

「じゃあさ、何で異形はクロに化けたの?」

「あ…そういえばクロいないし。どこ行ったんだ?」

「じゃあもしかして、取り込まれたとか…。」

「え…。…ええええええええええええ!?」

 

飽く迄も推測だが。

うーん、これはヤバい。一刻も早く浄化しないと…というか、モノが発狂している。

クロってそこまで大事な生き物だったのか…。

 

 

強力なお札、か…。民衆たちに見つからないよう外に出て、少しお寺で手に入れて来よう。

 

「すいませーん…。」

 

寺に着き、声をかけると扉が開き、仏頂面の坊さんが現れた。

 

「何の用ですか?」

「ここに代々伝わる、強力な札ってありませんか?」

「ありますが、貸せられません。」

 

うう…予想通りの答えが返ってきてしまった。

 

「何に使用するつもりですか?」

「最近現れている、あの異形を浄化するために…。」

「…私家に伝わるお札で浄化できる保証はありますか?」

「あ、はい!あります!」

 

坊さんは少々お待ちくださいと言うと、何やら妖しいオーラを放っているお札が渡された。

 

「これが私家に代々伝わるお札、"誰遁異形札(だれのがれいぎょうふだ)"です。絶対に失くさぬよう。あと、必ず異形を浄化してください。」

「…はい、分かりました!」

 

話の分かる坊さんだった。

これでまず強力なお札は手に入れられた。次は、動きを止める泡だけど…僕の手じゃ大量に出せない。どうしようか…。

 

…ああ!そういえば!!

 

 

「只今ー。」

「おかえりなさーい…。」

 

モノはさっきまで発狂していたが、今は落ち着いたようだ。

どうやらレイスに目覚ましビンタを食らったらしい。

 

「早速だけど、僕は強力なお札を手に入れてきたんだ。だから、異形を倒しに行くよ!」

「「はぁぁぁぃぃぃ!?泡は!?」」

「ふふーん、それは大丈夫だよ。水を汲んだバケツがあれば。」

 

今回の僕の作戦には相当な自信がある。

何故なら…って、今は話さなくてもいいかな。

 

 

森丘―――。

 

僕達は木をかき分けて森の中を進む。

 

「ここに異形っているのか…?」

「大丈夫。僕が喰われそうになったところに多分いるはず。」

「ああ、そこね。」

 

ちなみにロッド君には置いてきてもらった。

その理由は民衆たちを説得してもらうのと、せっかく見つけた男の娘に簡単に死なせてもらうわけにはいかない。

 

「…うう。」

「どうしたんだ?」

「クロのことが心配になってきて。」

「ああ…大丈夫さ。きっと。」

「本当かなぁ…。」

 

そういえば、あえて言ってないけどクロってなんか女子力がある気がする。

もしかしてクロって、女なんじゃないかな?

まあ今は言う必要はないかな。なにか気に障るから。

 

…洞窟に着いた。

ここの僕が喰われそうになった場所にたどり着く。

そして、僕の予想通り、…僕がさっき喰われそうになった異形が居た。

異形はあたかも漆黒の影の様で、もやもやと常に動いており実態が掴みとれない。

物理攻撃はどうやらすり抜けるようだが、札とかそういうモノはちゃんと効くようだ。

というか、準物理攻撃的な?

 

異形がゆっくりとこちらに振り向く。

僕は異形に向かって叫ぶ。

 

「僕はお前を倒しに来た!お前はここに居るべきではない、在るべき所に還すために!」

 

…なんか、これを言っている自分って、カッコいいかも。

 

「…愚か者が。」

 

異形は重低音の男性のような声で言葉を発する。

 

「いいや!僕達は愚か者ではない!僕たち全員が、勇ましき者だ!」

 

僕は大それたことを宣言する。

これで敗北したらみんなに面目が立たない。絶対に浄化しなければ…。

 

 

異形は僕たちの足元から漆黒の手を伸ばし、僕たちをつかみ取ろうとする。

手の動きが素早く、少し掴まれそうにもなったが何とか回避ができた。

さすが、怪異だ…。

 

「よし!モノ!今がチャンス!」

「オッケイ!」

 

一応、札以外にも攻撃方法があり、どうやらお祓いなどが効果があるようだ。

モノは懐から聖水で清めたというナイフを取り出し、異形に向かって素早く投げた。

予想通り、聖水は怪異にも有効なようで、すこし相手を怯ませることができた。

 

一瞬だけ、攻撃してこない隙が生まれる―――。

レイスは水を汲んだバケツを手に持ち、一瞬で異形の懐に入らんばかりの所に近寄った。

それを確認した僕は、僕の滑液が入った容器の蓋を開け、バケツの中に放り込む。

刹那、バケツの中に入っていた水が、すべて泡になった!

大量の泡が異形に大量に当たり、弾けて、異形の動きが大きく止まる。

 

「姉さん!!今だッ!!!」

「分かった!!」

 

僕は目を大きく見開き、異形に向かって突っ走った。

…この、"誰遁異形札"を手に持ちながら。

 

「はあああぁぁぁぁぁっっ!!!」

 

僕は大きく飛び上がり、お札を異形の額に張り付けた。

直後、異形は悶絶し、眩しい光を大きく放ちながら塵となり消えた。

僕含む全員はその場で歓喜し、お互いに喜び合った。

 

「やったー!異形を倒せたぞー!」

 

レイスは子供かと言うほど喜びまわる。

 

「あれ!?クロは!?」

 

そんなレイスを気にせず、真っ先にクロを心配するモノ。

 

「ああぁぁぁ~~~…。よかった~~…。」

 

脱力した声を出し、体がふにゃふにゃになる僕。

 

モノがどうやらクロが無事なことを確認したみたいで、同時に行方不明になった古龍観測隊の二人も同時に現れた。

どうやら食べられるとかではなく、ただ取り込まれるだけだったらしい。

モノはクロが無事なことを確認したら、胸に手を当てて、大きなため息をついた。

 

 

ユクモ村―――。

 

僕達がユクモ村に帰還すると、さっきまで僕達を敵対視していた民衆が一斉に歓声の声を上げる。どうやら信頼を取り戻したみたいだ。

そして、夜―――。

 

「今回はモノ達にも、特別大サービスをするよ!」

「え、いいんですか!?やった~!ミツサンノ↓ダイサービス↑ダー!!家宝にすっぺ~!!」

「家宝ってなに?」

 

クロが冷静なつっこみを入れる。

さっきまで食われていたというのに―――。元気な人だなあ。

…食事を食べ終わったころ。古龍観測隊の二人が本部からお礼の品を渡しに来た。

 

「ありがとう。君達。これはほんのお礼さ。」

「わー!なんですか?コレ。」

 

何か人型をしたものだが…。

 

「"フィギュア"だ。つまらないものだが…。」

「「「「本当にいらねえええええええええええええええええええええええええええ!!」」」」

 

その後、フィギュアは陽炎の手により跡形もなく消し炭になったという。

それを直で見た古龍観測隊の二人は、三日ぐらい寝込んだという。

 

そして、寝る前の夜。

今回も泊まらせてあげようと思ったら、もう元の世界に帰ってしまうらしい…。

 

「…今回は、楽しかった。」

「うん。君が元の世界に帰っても、今まで通りの生活を続けるといいよ。」

「そうだ。例えこれが、夢だとしてもな…。」

「…。別れるのが惜しいな。」

「…いや、きっと、また会えるよ!」

「…そうだ!また会えるさ!」

 

「…ああ。そうだな!きっと、また会える!ところで、俺君たちに言いたいことがあるんだけど…。」

「何?」

「…今度は―――」

 

モノは全て言えずに、光に包まれて消えてしまった。

今度は…何が言いたかったんだろうか?

…嗚呼、やっぱり、また会ってみたい。

いや、会うじゃなくて、逢う…かな。

 

「レイス…。」

「…何だ?」

「…また、逢ってみたい?」

「…当たり前のことを言わせるな。」

 

あ…。

レイスは少し涙目になっているようだ。

やっぱり、別れるのがものすごく惜しいのか。

…うん、僕も、そうだ。

 

 

 

この白黒の世界に色を付けてくれたあの人に。

 

 

 

 

白黒side

 

…元の世界に、帰ってきた。

勿論、クロもだ。

俺達は、あの夢を見たって、何とも思わない。

何故なら、ただの夢だから。見ても現実では何も起きない、ただの夢なのだから。

だけど、時折俺の見る夢には、このような夢がある。

その時は、また見たいとも思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

…いや、見たい。

 

 

 

 

 

 

 

「…今度は、君達も夢を見てこの世界に来るといいさ。」




…うごおおおおお。
今回も最後はひどい駄文になってしまったぁぁ…。
今回の小説は、自分の中ではよくできた小説だと思います。
狐火さん。勝手に続きを書いても許可してくれたことを心から感謝いたします。



「真実ってのは自分か、もしかしたら誰にも分からないものなんだよ。」

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