ー八幡sideー
いよいよ今日は2学期の始業式だ。本当に行きたくない。学校なんてなくなればいいのに…。そうは言ってもなあーと思っていると
「お兄ちゃん、学校いこうー!」
「おう、行くか。」
やはり俺の妹が可愛すぎて天使に見えるのは間違っていない。
まあ、そんなこんなで朝食を食べてから小町と一緒に小学校に行く。
「お兄ちゃん、また帰りねー」
「おう、待ってろよ。」
「うん!」
小町と下駄箱で別れ自分のクラスに入っていく。クラスに入って席に着く。ランドセルから本を出して読む。
え?友達としゃべらないのかだって?
俺に友達はいない。ぼっちである。ぼっちはいい。誰とも接することもなく、自分の時間を使える。何それぼっち最高!でも、生涯ぼっちも悲しいかな…。
そして、時間になり整列して体育館に向かう。俺の隣に並んでやつ明らかに嫌そうな顔してるの気のせいだよね?そうだと願いたい…。
始業式が始まり、それぞれの学年の代表は2学期の目標や頑張りたいことを述べていく。うちの学校は始業式が奇数学年が言って終業式は偶数学年が言う。ちなみに俺は一度もそういうことをやったことがない。なぜかって?
クラスのやつは挙げ句の果てには担任でさえ俺のことをいるのを認識していない場合がある。さすがに入ってて悲しい…。その後校歌を歌い、校長先生のお話と言う地獄が始まる。
うちの校長先生はとにかく話が長い。
というのは他の先生たちもあきらかに嫌そうな顔をするからだ。前は45分ぐらい話して倒れたりする生徒が多発したらしい。前は全校の1/2が倒れたらしい。それでも話は続いたけど。
そうして始業式が終わりクラスに戻る。この後はだいたい学活という暇な時間になり、作業とかして終わる。
と思っていたが今日は違うらしい。
なぜなら担任が
「今日は転校生を紹介する。」
転校生ねえー。俺には関係ないし、話す気もないけど。
そう思っているとクラスのやつらが
「先生!その子は女子ですか?男子ですか?」
「女子だ。」
「なー、女子だって」
「可愛いかな?」
「仲良くなれるかな?」
ワイワイ ガヤガヤ
本当にうるさい。読書に集中できない。
「では入っていいぞ。」
「はい。」
…ん?俺は顔を上げた。聞き覚えのある声だったからだ。顔を上げたとたん俺は驚いた。なぜなら
「雪ノ下陽乃です。みんなよろしくね。」
それは陽乃だったからだ。
ー陽乃sideー
今日から八幡と一緒の小学校に通える。朝から顔がにやけてやばい。学校では仮面をつけないとそう思っていると
「お姉ちゃんー、学校いこう!」トテトテ
やはり私の妹が可愛すぎて天使に見えるのは間違っていない。
雪乃ちゃんは人見知りなのだが私と一緒にいけるのが楽しみでしょうがないらしい。まったくこの子は何度私を萌え死にさせる気だろうか。
そんなこんなで都築の運転する車で学校に行き、私たちは転校生なのでまずクラスにいかず直接始業式に出るらしい。始業式が始まり思ったことは
「校長先生話が長すぎる…」
ふと横を見ると雪乃ちゃんは船を漕いでるみたいだった。それは他の生徒も同じらしくさらには先生たちもうとうとしている。後で八幡に聞いた話だが過去には全校生徒の1/2が倒れたらしい。何コレ?と本気で思った。
始業式が終わりある教室の前で私は待っていた。担任が私を紹介する前にクラスに話すあれだ。私は八幡と同じクラスがいいなと思っていたら担任から声がかかった。
「では入っていいぞ。」
「はい。」
その時ふと1人の男子が私を見て驚いているみたいだった。私も驚いた。八幡がいたのだ。でも今は自己紹介しないと思い
「雪ノ下陽乃です。みんなよろしくね。」
と言った。
俺は驚いていた。陽乃がこの学校に、このクラスに転校してきたのだ。
え、ということは雪乃も?
俺の時代来たー!と思っていると
「では、雪ノ下の席はヒキタニの隣だ。」
「はい、わかりました。」
マジで!?陽乃が隣!?
俺もう死んでもいいかなーびっくりしまくりだわ。
てかうちの担任生徒の名前ぐらい覚えようよ…。と思っていると陽乃があいさつしてきた。
「よろしくね、比企谷君。」
周りから嫉妬の目線があったが
「おう。」
と答えた。てか、みんな陽乃の仮面なや騙されてやがる。バカどもがと思っていると
(八幡、今日一緒に帰ろ!)ニコッ
と他の人たちには見せていない心からの笑顔で、俺しかわからないようにアイコンタクトでいってきたので
(おう!)
と、俺もアイコンタクトで答えた。
そうして今日の学校が終わり放課後になった。陽乃はみんなから質問責めにあっていたがあの強化外骨格みたいな外面をつけながら答えている。外面しかみてないバカどもが。そうすると陽乃が
(校門で待ってて、雪乃ちゃんも来るから。)
といったので
(分かった。先に行ってる。)
(ごめんね。)
(いいよ、小町と雪乃と待ってるよ。早くそいつらを切り上げて来いよ。)
(うん、こんな人たちと話しているより八幡と話してた方が好きかな。)ニコッ
俺は陽乃がそんなことを言うので照れてしまった。速攻でクラスを出て校門に向かった。ちなみにここまでの時間にして3秒。夏休み中一緒にいたら陽乃とはアイコンタクトで会話できるようになってしまった。俺もどうなったらできるようになったかは今もわからん。
校門に着くとすでに小町と雪乃が待っておりこっちに気づくと抱きついてきた。
「お兄ちゃんー!」ダキッ
「お義兄ちゃんー!」ダキッ
「おう、てか雪乃も転校してきたのか。陽乃が転校してきたもんで一緒だとは思ったが。」ナデナデ
「うん!お義兄ちゃんと小町ちゃんと同じ学校で嬉しい。」ニコッ
「小町も雪乃ちゃんと一緒でよかったよー!」
そう3人でやっていると陽乃がやってきて
(すぐ近くに都築を待たせているから話はその中で。)
(分かった。)
そうして4人で都築さんのいるところに向かう。
「お待ちしておりました、陽乃お嬢様・雪乃お嬢様・若旦那様・小町様」
「都築さん、若旦那様はやめてください…」
「いいじゃありませんか。どうぞ中へ。」
都築さんがそういいドアを開けて俺たちを中に入れてくれた。そして、中に入った瞬間…
「八幡ー!」ダキッ
いきなり陽乃が抱きついてきた。
え、何コレご褒美?
「お、おう」
「まさか八幡と同じ学校で同じクラスなんて思わなかったよー!」
「俺も陽乃がうちの学校に来るとは思わなかったけどな。」
「これで学校でも八幡と一緒にいれて嬉しいな///」
「俺も陽乃と一緒でよかったよ///」ナデナデ
「えへへ///」
「てか、クラスのやつには仮面つけてるんだな。」
「うん、でも八幡がきちんと私のこと見てくれれば私は充分だよ」ニコッ
「そ、そうか。」
「うん!」
仮面をつけていない嘘偽りのない陽乃の笑顔。うん、可愛すぎて嫁にしたいレベル。」
「・・・///」カオマッカ
ん?どうして陽乃は顔真っ赤なんだ?
「お兄ちゃん声に出てたよ。」
「え?マジで。」
「・・・///」コクン
陽乃が顔を真っ赤にしながらうなづいた。やばい俺の黒歴史でも上位に入るぞこれは。
「・・・///」
「・・・///」
この後雪ノ下家に着くまで俺と陽乃の顔は真っ赤だった。けど、陽乃と雪乃と小町がこれから一緒の学校だと思うと心が弾んだ。
一方、運転していた都築はというと
「青春してますなー、これは本当に若旦那様になるのも早いかもしれません。」
といっていた。