はるのんとはちまんくん   作:アルスDQ

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日常

陽乃と雪乃が俺たちの学校に来てもう2週間。陽乃はクラスでも人気ものになったようで学級委員(代議員)になった。うちの学校では学級委員は学期ごとに変えるため転校してきた陽乃でもなれたわけだ。俺は当然ながら楽な掲示係や生き物係をやろうとしたが現実はそう甘くなかったりする。

なぜなら…

 

 

-係決めの時-

 

「誰か学級委員やってくれないかな?」

 

「はい!私やります。」

 

「おー、雪ノ下なら大丈夫そうだな。雪ノ下でいい人は拍手ー。」

 

  パチパチパチパチパチパチ

 

陽乃が学級委員か、まあ大丈夫だろ。

男子は誰がやるのかなー

と俺が思っていた時

 

「では、次に男子の学級委員を…」

 

「先生!」

 

「ん?なんだ雪ノ下。」

 

「私は比企谷君がいいと思います!」

 

…ん?

 

「雪ノ下がそういうなら…。みんなもいいか?」

 

「まあ、雪ノ下さんがいいなら。」

 

「まあ、俺やりたくないし。」

 

「いいでしょ。」

 

え…俺もやりたくないんだけども。

 

「じゃあ、ヒキタニいいか?」

 

「あ、はい。」

 

ということでなんと陽乃と一緒に学級委員をやることなった。どうしてこうなった。というかうちの担任いい加減俺の名前覚えろよ。

 

放課後になり一緒に帰ってる時にさすがに気になったので聞いてみた。

 

「なあ、陽乃。」

 

「なーに、八幡?」

 

「どうして俺を推薦したんだ?」

 

そう言うと陽乃は顔を赤くして

 

「だって、八幡と一緒にやりたかったんだもん///」

 

えー、何この生物。可愛いすぎでしょ。今なら告白して振られちゃうレベル…。振られちゃうのかよ…。

 

「お、おう///」

 

「え、その、八幡はいやだったよね…」シュン

 

「い、いや、全然いやじゃない!むしろ陽乃と一緒にできてうれしいし。」

 

「そっか、ありがとう八幡!」ニコッ

 

「お、おう。」

 

何この笑顔。守りたい。

 

「それに八幡以外の男子とやるのはやだし…」ボソッ

 

「ん?なんか言った?」

 

「う、ううん///なんでもない。」

 

「ならいいけど。」

 

「そういえばうちの担任未だに八幡の名前間違えてるよね?わざとだったら本当に頭にくる!」イライラ

 

「まあ、今更別にいいよ。もう慣れたし…。」

 

「でも!」

 

「まあ、なんだ。陽乃が俺をしっかり呼んでくれるなら大丈夫さ。」ナデナデ

 

「ふぁ///」

 

「ありがとうな陽乃。」ニコッ

 

「う、うん///」カオマッカ

 

 

かくして俺は学級委員をやることになった。まあ、陽乃と一緒ならいいからいいんだけどね。

 

後にこの2人は歴代の学級委員の中でもっとも仕事をこなし伝説になるがまたそれは別のお話。

 

「ねえ、雪乃ちゃん。」

 

「何?小町ちゃん。」

 

「小町たち空気じゃない?」

 

「ええ、そうね。」

 

「「はあ…………」」

 

そんな風に溜息する妹たちが姉と兄をあきれたように、でも微笑ましく見ていたそうな。

 

 

俺が学級委員になって数日たった日の昼休み、俺は複数の男子に屋上に呼び出された。なぜに?と思っていたら

 

「お前、雪ノ下さんにつきまとってるらしいな。」

 

「同じ学級委員だからって調子のるなよ。」

 

あー、なるほど。

要はこいつら嫉妬してるってわけね。

俺が陽乃と一緒にいるの。

本当にバカが多いなー。

 

俺が他人事のようにいろいろ考えていると

 

「おい、なんとか言えよ。」

 

「今さら怖くなったのか?」

 

1人の男子が俺の胸ぐらをつかんで言ってくる。

はあー、めんどくさい。とっとと殴られるなら殴って終われよ。そして、殴りかかろうとしたときに…

 

「「「比企谷君!(お兄ちゃん!)(お義兄ちゃん!)」」」

 

陽乃と雪乃と小町がやってきた。

小町は俺の胸ぐらをつかんでいる男子に近寄ると

 

「ねえ、お兄ちゃんを離してよ!」

 

といってその男子の服を引っ張っている。そうするとそいつは

 

「うるさい!」ドン

 

「きゃっ!」ペタン

 

そいつはあろうことか小町を突き飛ばした。

 

「「「小町!(小町ちゃん!)」」」

 

「う、痛いよ…」グスッ

 

小町が足を擦りむいていた。

俺はカチンときた。

 

「おい」

 

「は、はい」

 

「お前、俺の妹に何してやがる…」

 

さっきまでとは違いドスの効いた声で言う。小町を傷つけるとはどうなるかわかってるのかねー。

 

「だ、だってお前が雪ノ下さんに付きまとってるから…。」

 

そう小町をケガさせたクズが言うと

 

「ねえ」

 

陽乃が口を開いた。

 

「ゆ、雪ノ下さん?」

 

あー、陽乃切れてるよ。

笑顔が怖い。うん。

 

「私がいつ付きまとわれてるっていったのかな?」

 

「い、いってないけど。」

 

「なら君は何をしているの?」

 

「え、ええと。」

 

「君が勝手に判断して勝手にやったことだよね。違う?」

 

陽乃が有無を言わせないように言うと

 

「は、はい。そうです。」

 

「さらに比企谷君、ううん八幡だけでなく小町ちゃんまで傷つけた。これがどういうことかわかるよね?」

 

「だ、だってそいつが。」

 

「黙って、もう声も聞きたくない。もう二度と私や八幡たちの視界に現れないで。私の大切な人を傷つけたあなたたちは…」

 

「・・・・・」

 

「嫌い。早く消えて」

 

男子たちは陽乃に言葉に従い屋上を後にしようとした。そのときに俺は

 

「おい」

 

「は、はい!」

 

「今度、小町や陽乃、雪乃に手を出したらどうなるかわかるよな…。わかったらとっとといけ!」

 

そう言うとクズたちは走って逃げた。

すぐさま俺は小町に駆け寄る。

 

「小町!大丈夫か!」

 

「う、うん。お兄ちゃんは?」

 

「俺か?俺は大丈夫だ。それよりも早く消毒しないと。」

 

俺は小町をおんぶすると

 

「八幡!(お義兄ちゃん!)大丈夫!?」

 

「ああ、大丈夫だ。それよりも陽乃たちにケガがなくてよかった。」

 

「でも、八幡傷が…」

 

「大丈夫だって。」

 

「私は心配なの!」

 

「お、おう。そうか心配かけたか。ごめん。」

 

「お義兄ちゃん、大丈夫?」

 

「ああ、悪いな。心配かけて。」ナデナデ

 

「えへへ…」

 

「八幡、私も!」

 

「はいはい。」ナデナデ

 

「えへへ…///」

 

「さてと保健室行くか。」

 

「八幡と小町ちゃんに危害を与えたクズどうしよかなー?」

 

「おいおい、物騒なことをするなよ…。」

 

かくして俺たちは保健室に向かった。

 

 

その夜、

陽乃と雪乃から八幡と小町にケガをさせたということを聞いた雪ノ下家はそいつらをさらい1週間何かをしたそうな。次の週に見たそいつらは生きてるのか疑うほどになっていた。

 

これによりこの小学校、後に行く中学校、高校ではこういう暗黙のルールがある。

 

 

一つ 比企谷八幡に手を出してはならない

 

一つ もしも手を出した場合、雪ノ下家が仕返しをする

 

一つ 比企谷小町に手を出すと比企谷八幡がキレる。そうなったら最後雪ノ下陽乃と雪ノ下雪乃、比企谷小町が止めるまで止まらない

 

一つ 雪ノ下陽乃、雪ノ下雪乃に手を出すと雪ノ下家・比企谷八幡、比企谷小町が報復に来る

 

以上から、比企谷八幡・雪ノ下陽乃・比企谷小町・雪ノ下雪乃に手を出すということは死を意味する。

 


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