今回は風鈴の過去編です!
ではどうぞー!
私の名前は風野風鈴、小学5年生だ。
今はわけあって義輝さんの家に居候している。(同じ家で生活しているので名前で呼ぶように私がお願いした。)夕飯だから義輝さんを呼びに部屋に向かう。
「義輝さんご飯ですよ。」
「ふむ、すぐに向かう。ちょっと待っておれ。」
そう言って義輝は少し片付けてからこっちへ来た。
「ではまいるか!」
「はい!」
こうして私達はリビングに向かいそれぞれの席につく。
「「「「いただきます。」」」」
お義父さんとお義母さんと義輝さん、そして私。こんなみんなで食べる当たり前のことはさえまえは考えられなかった。
ちなみに義輝さんの両親をこう呼んでいるのは2人に言われたからだ。(まあ将来は義輝さんと結婚するつもりだから問題ない!)
こんな暖かな気持ちはいつぶりだろう…。
私はこれまでを振り返りながらあの日を思い出していた。
私は幼いときに両親を事故でなくした。当時は実感がなくよくわからなかった。幼い私は親戚に預けられた。それからだった。地獄が始まったのは…
教育費や給食など必要なお金は払ってくれていたがそれ以外は必要最低限だった。服や靴は2つか3つ、ご飯も少しだけだった。
私が小学4年生になるとその親戚の人はいきなり私を殴り始めた。切られたりもしたし火傷もした。しかもやるところは服で見えなくなるところだった。体育とかではみんなにばれないように着替えていた。
友達ができた。名前は比企谷小町ちゃん。小町ちゃんは良い子だ。面白い話を良くしてくれるし、よく遊んだ。話の内容は小町ちゃんのお兄ちゃんが多いが…。
私は小町ちゃんにうちのことを相談しようとしたがやめた。小町ちゃんに迷惑をかけられない。小町ちゃんに何かあったらどうしよう…。そう考えれば考えるほど私は言えなかった。
そして小学5年生になった。最近ではろくにご飯もくれず家に入れてもらえないこともあった。
そんなある日のこと私は熱を出していた。学校が終わり家に帰ると思った通り開いてなかった。しょうがなく公園とかで時間を潰そうかなと思って熱があるのにかかわらずふらふらと歩いていた。そこで限界がきたのか私は倒れてしまった。
このまま死ぬのかな。ごめんね小町ちゃん…。そんなときだ。
「ぬ!?お主大丈夫か!?」
顔を上げると1人の人が声をかけてきた。たぶん中学生だろう。この人もあの人たちと同じように私に声をかけるだけだろう。 そう思ったけれども言わずにはいられなかった。
「は、はい。み、水を…。」
「あい、わかった。」
そう言うとその人は行ってしまった。
ほらやっぱり…と思っていたらその人は本当に水を持って帰ってきてくれた。
「ほら水だぞ。」
「あ、ありがとう。」
私は水を礼を言ってから少し水を飲んだ。その後私は気を失ってしまった。
・・・・
目が覚めたのは病院だった。見渡すとさっき水をくれた人が寝ていた。おそらく私を病院に運んでくれたのはこの人だろう。
そこでふと右手に違和感を感じる。
見ると右手はその人と繋がってくれた。なぜ?と思うよりも何故か暖かかった。こんな気持ちは初めてだ。そのまま私は安心して再び目を閉じた。
次に目が覚めると数人の人がいた。
その中には小町ちゃんもいて驚いた。
自己紹介を終えると助けてくれた人が材木座さんということがわかった。
助けてくれたお礼をまずは言わないと。
「はい!ありがとうございました!」
そのあと小町ちゃんがこんなことを聞いてきた。
「そういえば風鈴ちゃんどうして熱があるのに外に出てたの?」
「それは…」
私は答えられなかった。言ってしまったら小町ちゃんたちに迷惑をかけてしまう。
しかし…
「風鈴ちゃん、あなた虐待されてるわね?」
「「「「「!?」」」」」
「………」
冬乃さんにばれてしまった私は今までのことを正直にこれまでのことを話した。話し終えると我慢できなかったからか涙が出てきた。そんなとき
「大丈夫だ。」
なんと材木座さんが私の頭を撫でた。
「我らがなんとかしてみせる。友達だろう。」
「と、友達?」ヒック
「小町殿の友達なら我も友達だろう。」
「そうだな。」
「そうよね。」
「そうね。」
「そうだよ風鈴ちゃん!」
材木座さんがそう言うと小町ちゃんたちはみんなそういってくれた。
「風野殿はどうしたいのだ?」
「ど……う?」ヒック
材木座さんが聞いてきた。
「その者たちと暮らしたいのか?」
いやだ!あんな人たちとはもう暮らしたくない。もうつらい思いはやだよ…
「もうあの家に帰りたくない…」 ヒック
そう私が言うと
「あいわかった。我らに任せよ。 なんとかしてみせよう。」
材木座さんはこう答えてしまった。
「ほ、本当?」ヒック
「うむ、この剣豪将軍材木座義輝に任せよ!」
そう材木座さんが言うと私は材木座の元で我慢していたものを全て吐き出した。そしてそのまま眠ってしまった。
・・・・
それから一週間後、私は家の前にいた。とても不安だ。
「だ、大丈夫かな…」
「ははは!我らに任せろ!」
「はい!」
材木座さんがそう励ましてくれた。
そうして私たちは家に入っていった。
冬乃さんがいろいろと話していると材木座さんがパソコンを取り出して私がやられている動画を見せた。そして冬乃さんが言葉で追いつめると
「うるさい!元々お前が悪いんだ!お前のせいでこうなったじゃないか!」
そのまま私を殴ろうとした。怖くて私は動けなかった。 目を閉じて殴れると思った。けどいつまでたっても痛みは来ない。目を開けるとそこは
「なっ!」
材木座さんが男の手を掴んでいた。
「お主らいい加減にしないか!それが大人のやることか!自分に非があるくせにそれを他人にぶつけるとはどういうこうだ!貴様それでも大人か!?」
守ってくれた、私を守ってくれた。
材木座さんはこんな私を…
かっこいい…。
そう思うと顔が熱い。さらに胸がドキドキする。小町ちゃんが前に言っていた。これが恋。そうして私は恋に落ちた。
それから家から出て私たちは冬乃さんの家にいた。
「ねえねえ風鈴ちゃん、これからどこに住むの?」
小町ちゃんがそう言った後に冬乃さんが
「もしよかったうちに来る?部屋もあるし。」
と言ってくれた。でも私は…
「あの!」
「「「「「「?」」」」」」
「私、材木座さんの家に住みたいです///」カオマッカ
私は顔を真っ赤にしながら言った。
「「「「「「は?」」」」」」
「材木座さんダメですか?」ウルウル
これで断られたらどうしよう…。
そう思っていたが
「わ、我はべ、べちゅに構わないが…。」
材木座さんはいいといってくれた。
こんなにもいいことはないだろう…。
「本当!?やったー!」
こうして私は材木座さんの家に居候することになったのだ。
ふと回想しているといつの間にか食べ終えていた。私は隣の義輝の肩に頭を預けた。
「ど、どうした風鈴殿!?」
「私幸せです。」
「そ、そうか。しかしこの程度で満足するでないぞ。まだまだたくさんなことがあるからの!」
「はい!」
私は今、幸せです!