アニメの俺ガイル2期を見直していて、衝動的に書きたくなったお話です。
初心者ですので、誤字脱字などありましたら教えて頂けるとうれしいです。
時系列は原作に沿って進めていくつもりです。
八幡視点だったり姫菜視点だったり、話によって代えるつもりです。
今回は姫菜視点です。
いつからだろう。ふとした瞬間、彼を目で追ってしまうようになったのは。
いつからだろう。彼の行動の本当の意味を理解できるようになったのは。
よくよく考えると、初めてちゃんと彼を見た時から気にはなっていたのかもしれない。彼ならと、期待していたのかもしれない。
初めてまともに彼を見たのは、優美子達とテニスコートへ押しかけた時。
彼は訳の分からないことを言いながらも、戸塚くんの大切な場所を守って見せた。
初めてちゃんとした交流をしたのは千葉村へ行った時。
いきなり話し掛けたらビクッとしてたなぁ。
あの時は誰も思いつかない、普通の人には思いつけない方法で問題を「解消」していたな。
そしてつい先日行われた文化祭。彼は学校一の嫌われ者になった。
私はまったく興味が無かったけれど、相模という女子はそれなりに周囲への影響力があったようで、噂はあっという間に広がっていった。
そんな彼にも、居場所はあった。
『奉仕部』
私の友達である由比ヶ浜結衣と、才色兼備な雪ノ下雪乃さんと、彼。
そんな彼の居場所でもある奉仕部のドアの前に今私は立っている。
名目上は奉仕部への依頼の為に。
けれど彼なら、きっと理解してくれるだろう。
私の言葉の本当の意味を。
私の蓋をしてしまった心の中を見透かすように。
さぁ、いつまでもこの場に立ち止まっていないで行きますか。
偽りの仮面を被って。
ガラガラ…
「失礼します。やぁ結衣、はろはろ〜」
―――――――――――――――――――――――――――――
私からの依頼について一通りの説明は終わった。
戸部っちの名前が出た時の結衣のリアクションからして、戸部っちもここに相談をしに来た事はすぐにわかってしまった。
彼女達は、本当に私が今のグループが変わってしまうことを心配しているのだと思っているのだろう。
けれど、そうじゃない。
私の本当の依頼はまた別にある。
彼ならきっとわかるだろう。
念のため、部室からの帰り際に
「ヒキタニく〜ん、よろしくね〜」
と言っておいたし、きっと大丈夫だろう。
彼は今回、どんな方法で私を助けてくれるのかな。
「ふふっ♪」
柄にもない。けれど楽しみでしかたない。
彼の行動に期待しつつ、私は家路についた。
―――――――――――――――――――――――――――――
そして修学旅行最終日の夜、私は戸部っちに呼び出された。
あれー?ヒキタニくん?
私の本当の依頼に、まさか気づいてないわけないよね?
なにかしらしてくるんだよねー?
呼び出された場所に私は向かう。
ここから見えるのは戸部っち一人。
あれ…?
戸部っちが私に向かい合い、何かを伝えようとする。
あぁ…私のお願い、彼には理解してもらえなかったのかな。
それとも、理解はしたけど助けてくれないのかな。
私は半ば諦めて、目線を下に向け、戸部っちの言葉を聞こうとする。
そんな時
ザッザッザッ…
足音?
私は気になって顔を上げる。
そこには彼がいる。
私が、きっと理解してくれるだろうと期待していた彼がいる。
そんな彼が口を開く。
「ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください」
……ぷっ。ダメだ笑っちゃいそう。
私の予想を遥かに超えてきた。
わかる、わかるんだよ?
これで私が
「ごめんなさい。今は誰とも付き合う気がないの。誰に告白されても、付き合う気はないよ」
と言えば、この場は終わるのだろう。
戸部っちも告白できず、私達のグループはこれまでどおり。
でも、ごめんね☆
「こんな私でよければ、お願いします。『比企谷』くん♪」
「「…………………は?」」
あ、二人がハモった。これはとべはちの予感!
ここまでご覧頂きありがとうございました。
何か思う事があれば、ご意見頂けるとうれしいですm(_ _)m
次の話は八幡視点になると思います!