戦女神×魔導巧殻 第二期 ~ターペ=エトフへの途~   作:Hermes_0724

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第四十六話:黒竜族の聖地

ディジェネール地方は、ラウルバーシュ大陸最大の原生林地帯であり、その広さはアヴァタール地方とケレース地方全域に匹敵する。この広大な森林地帯には、数多くの亜人族たちが集落を形成しており、その全体像は後世においても判明していない。アヴァタール地方南部からニース地方にかけて統一国家を形成した大国「エディカーヌ帝国」は、ディジェネール地方に関しては侵略を一切、行っておらず、各種族たちと交易を行いながら、対等の関係を保っていると言われている。しかしエディカーヌ帝国は、特に光神殿に対しては極端な秘密主義を採っているため、具体的な交易の実態も不明のままである。

 

ディジェネール地方は、元々はルプートア山脈南部まで続く広大な原生林地帯であったと言われている。七魔神戦争によって、巨大内海「ブレニア内海」が誕生したため、その面積が半減し、ブレニア内海を中心として、人間族の集落が形成されていたたのである。それでも、ブレニア内海南岸部は、龍人族の集落などもあり、アヴァタール地方とディジェネール地方の境界として、依然として人間族の侵入を阻み続けている。

 

ディジェネール地方には、古神に関する遺跡などが複数、存在していることが確認されている。特に、ディジェネール地方の北端にある「勅封の斜宮」は、バリハルト神殿の調査なども入り、人間族にも知られた存在となっている。しかし、バリハルト神殿の調査直後に、巨大な火柱が立ち上り調査隊は全滅、さらに「マルクの街」にあったバリハルト神殿までも崩壊をしてしまった。このため「古神の呪い」などの噂が広まり、ディジェネール地方への旅行者も激減をしたと言われている・・・

 

 

 

 

 

完全武装した龍人族たちが、ディアン一行を取り囲んでいる。全員が必死の形相をしている。ディアンは首を傾げて、皆に尋ねた。

 

『オレの名はディアン・ケヒトだ。十五年前、この集落で世話になった。リ・フィナやグリーデはいないのか?』

 

すると秀麗な顔立ちをした龍人が出てきた。リ・フィナである。だが顔に笑顔は無い。

 

『・・・確かに、十五年ほど前にディアン・ケヒトという人間がこの集落に住んでいました。ですが、彼は人間です。あなたのような「魔神」ではありません。大方、私たちを騙すために、化けているのでしょう。斉射用意っ!』

 

リ・フィナが手を挙げた。他の龍人族たちが弓を番える。ディアンは舌打ちをした。グレモア=メイルで受けた注意を忘れていたのだ。どうやら魔神としての気配が抑えきれないらしい。ディアンは身に纏う魔力を分厚くした。

 

『・・・これでどうだ?人間に見えるか?教えられた「実の剣」を貴女自身に向けたくはない』

 

『・・・ディアン?本当に、ディアン・ケヒトなのですか?』

 

『騙すつもりは無かった。オレは魔神の肉体を持つ人間なのだ。十五年前、長老には見抜かれていたが・・・』

 

『皆、弓を下ろしなさいっ!』

 

リ・フィナが進み出てきた。十五年前と変わらない、美しい顔である。双瞳に涙を浮かべていた。

 

『ディアンッ!』

 

抱きつき、胸の中で泣き出した。戸惑う周囲の中から、グリーデが出てきた。

 

『ディアン、久しぶりだな・・・』

 

『ご無沙汰をしております。グリーデ殿・・・ どうやら、私自身が大きく変化をしていたようです』

 

『そのようだな。お前がこの集落を出た後、長老からお前の正体を聞かされた。まさかとは思っていたが、実際にこの目で見て確信した。お前は、魔神なのだな』

 

『魔神の肉体を持っているだけ、と考えています。心まで魔神になろうとは思いません。人として生き続けようと決めています』

 

グリーデは頷くと、ディアンたちを集落の中に案内した。積もる話は多くあるが、その前にまず、長老に挨拶をする必要があるからだ。

 

 

 

 

 

『フォッフォッ!この気配はやはり、ディアンであったか。それにどうやら伴侶を三人も連れているようじゃのう』

 

十五年前と同じ家の、十五年前と変わらない場所に、十五年前と変わらない姿で長老は笑っていた。天井から下ろされている明かりすら変わっていない。十五年の時の流れを忘れてしまうようであった。ディアンは片膝をついて挨拶をした。

 

『お久しぶりです。長老・・・ ディアン・ケヒト、ただいま帰還致しました』

 

『強くなったな。何よりも心が、魂が育っておる。そのため肉体そのものが変化し、魔神の気配を抑えられなくなっておるのじゃろう・・・』

 

『自分では気づきませんでした。まだまだ学ぶことが多く、未熟極まりないと思っているのですが・・・』

 

『この集落を出るべきではなかった・・・ そう思ったこともあったのであろう。じゃが、お前は人間なのだ。たとえ肉体は魔神であろうとも、たとえ無限の寿命を持とうとも、人間として生き、生命を燃やさねばならん。人生という「旅」を永遠に続けるのじゃ。過酷極まりないことじゃが、憐れみはせぬぞ。この十五年間も、嫌なことばかりでは無かったはずじゃ』

 

『この両手は、血と汚濁に塗れています。ですが、恥じない途を歩んできたつもりです』

 

長老は頷いた。ディアンは自分の使徒と使徒予定者を紹介した。三人は緊張していた。目の前の年寄りは、ただの龍人ではない。黄昏の魔神「ディアン・ケヒト」を生み出した龍人である。少なくとも、大きな影響を与えたのは確かだ。長老は三人の紹介を笑って聞いた。

 

『さて、儂に何か、聞きたいことがあって来たのじゃろう?じゃが、それは明日にして今日は宴にしよう。リ・フィナなどは、お前と手合わせをしたがっておるからのう・・・』

 

 

 

 

 

 

炎を囲み、龍人族たちの盛大な宴が開かれる。リ・フィナは剣を持ち、ディアンと向き合った。名剣クラウ・ソラスの輝きに、他の龍人たちも目を瞠らせる。一合だけを交え、リ・フィナは手を挙げて止めた。

 

『もう、私は貴方の足元にも及びません。強くなりました。いえ、強すぎる程です・・・』

 

リ・フィナはその後、グラティナと向き合った。互いに木刀での仕合である。グラティナの「極虚の剣」に、リ・フィナは賞賛の声を上げた。他の龍人たちも拍手をして囃す。ディジェネール特産の果実や獣肉、椰子酒を酌み交わし、お互いにこの十五年間の変化を伝える。ディアンが集落を出てから十年後、リ・フィナは集落の男と結ばれ、娘が出来たそうである。ディアンはターペ=エトフの話をした。多様な種族が共に生きる理想郷に、皆も驚いていた。歌と笑いで満ちた宴は、夜半まで続けられた。

 

『ふむ・・・黒竜族か』

 

翌日、ディアンは長老に黒竜族の聖地について尋ねた。ディジェネール地方の南方にあるとは聞いていたが、具体的な場所までは知らない。

 

『ターペ=エトフに住む黒雷竜ダカーハより、同族の行方について調べて欲しいと依頼を受けています。東方で聞いたところ、ここから南方にある黒竜族の聖地に向かったようなのですが、具体的な場所を知りません。教えて頂けませんか?』

 

『ここから南は、セテトリ地方と呼ばれておる。ディジェネール地方とセテトリ地方の境界に「フェマ山脈」がある。黒竜族は、その山脈を縄張りとしている。かなり大きな縄張りで、相当な数が暮らしているそうだ。恐らく、そこを目指したのじゃろう。じゃが、竜族はただでさえ、他種族との接触を忌避しておる。人間族に追放されたのなら、なおさらじゃろう。下手に近づけば、雷を打たれるかもしれん・・・』

 

『覚悟はしています。あのような事件があった以上、人間族に対して怒りを持つのは、仕方が無いでしょう。ですが、全ての人間族を憎むようになってしまっては、将来の禍根となりかねません。言葉によって、怨恨を解消できないかと考えています』

 

『「慈悲の心」を忘れておらぬようじゃな。竜族に近づける人間は、お前しかおるまい。強き力を持つ者は、大きな責任を負う。お前の手で、竜族を憎しみから救ってやりなさい』

 

ディアンは一礼した。

 

 

 

 

 

ディジェネール地方とセテトリ地方を隔てる山岳地帯「フェマ山脈」へと進んだディアンたちは、さっそく竜族からの警告を受けた。背中に翼を生やした女戦士が舞い降りてくる。

 

『止まれっ!旅人のようだが、此処から先は我ら竜族の領域ぞ。命が惜しくば、このまま立ち去れっ!』

 

ディアンは進み出て、挨拶をした。

 

『私の名はディアン・ケヒト、ここから北方のケレース地方にある国「ターペ=エトフ」の王太師です。ターペ=エトフに住む黒竜族「ダカーハ」より依頼を受け、東方諸国にて住処を追われた黒竜族の生き残りを探しています。タミル地方にて、西方へと向かう複数の黒竜を見たという情報を得て、この地まで来ました。取次をお願いしたい』

 

国王インドリト直筆の身分証明を差し出し、またダカーハから受け取ったウロコを見せる。女戦士は警戒しながらもディアンから受け取り、確認をした。

 

『・・・我だけでは決められぬ。皆と話し合う故、この場にて暫し待て』

 

そう言うと、飛び去っていった。

 

『・・・警戒しておけ。竜族を相手にするとなると命懸けだ。黒雷竜の強さは、魔神にも匹敵する。この地にいる竜族全員が攻めてきたら、オレでも命は無いだろう』

 

レイナとグラティナは、神経を尖らせた。ディアンは腕を組んで、瞑目して待ち続けた。日が傾きはじめた頃、空から一体の黒雷龍が舞い降りてきた。殺気は無いが、猛々しい気配を漂わせている。

 

『お主がディアン・ケヒトか。あのウロコを何処で手に入れた・・・いやその前に、お主・・・人間では無いなっ!』

 

いきなり雷が襲ってきた。ディアンは魔術障壁を繰り出して防ぐ。人間の貌を外し、魔神へと転じる。

 

«オレの名はディアン・ケヒト、白と黒・正と邪・光と闇・人と魔物の狭間に生きし、黄昏の魔神だ。嘘はついていないぞ。人間だと思い込んだのはお前たちだ・・・»

 

『そのような小賢しい言い訳が通じると思っているのか!』

 

竜は咆哮した。複数の黒雷竜たちが一斉に姿を見せる。使徒たちは剣を抜こうとした。だがディアンがそれを止めた。一歩進み出る。

 

«竜族は誇り高い種族と聞いていたが、どうやらオレの見込み違いのようだな。身分を明らかにし、取次を願い出た者を複数で襲いかかるのがお前たちの流儀か?»

 

『・・・だが、お前は魔神だろう」

 

«いつオレが、お前たちに害を為した?確かに魔神だが、きちんと礼節に則って取次を願い出たはずだ»

 

『・・・・・・』

 

沈黙する竜に対して、人間に戻ったディアンが言葉を続けた。

 

『最初から魔神化しなかったのは、魔神となれば無条件で襲ってくる奴もいるからだ。叡智の種族であれば、まずオレが何の用で来たのか、確認をすべきでは無いか?』

 

黒き竜は鼻から息を吹き出した。

 

『・・・なるほど、確かにお主の言う通りだ。その気になれば魔神として戦うことが出来ようものを敢えて、言葉によって通じようとするか・・・ 我が名はガプタール、あのウロコは我の友「ダカーハ」のものに相違ない。ダカーハは生きているのか?』

 

『ダカーハ殿は、この地から北方にある国「ターペ=エトフ」にて、国王の友として生きている。ルプートア山脈という巨大山脈の一部を縄張りとしているが、ただ独りの存在なのだ。オレは東方諸国を周り、黒竜族の跡地を見た。また白竜族からも話を聞いた。生き残りが唯独りなどあり得ぬ、という話を信じ、探していたのだ。ガプタール殿は、東方にあった黒竜族の聖地から来たのか?』

 

『そうだ。西榮國は長年の友好関係を破棄し、ある日いきなり、我等を攻めてきた。多くの仲間が殺された。ダカーハも死んだと思っていたが・・・』

 

『ダカーハ殿は、単身で逃げたそうだ。その際、全ての種族を呪ってしまったせいで、自身も呪いに掛かってしまったと言っていた。オレは東方諸国を旅し、あの事件の首謀者であった人物の日誌を手に入れた』

 

ディアンは革袋から、李甫の日誌を取り出した。ディアンが示した部分を、女戦士が読み上げる。ガプタール以下、黒雷竜たちは黙ってそれを聞いていた。

 

『西榮國の太師であった李甫は、先史文明の技術であった「火薬」の原料を手に入れようと考え、貴方がたの土地を求めていた。李甫自身は、言葉によって貴方がたを説得しようと考えていたようだが、西榮國の国王「懐王」は、力づくで奪おうとし、結果としてあの事件に繋がってしまったのだ。李甫は、そのことを後々まで悔いている。そして懐王は、龍國との戦で命を落としている。事件の首謀者二人は、もういないのだ。水に流せとは言わない。だが、人間族全てが、このような暴挙を行う野蛮な種族だとは思わないで欲しい・・・』

 

『・・・なるほど、事情は良く解った。彼らの所業を許すわけにはいかぬが、それを他の人間族にぶつけるのは、筋違いというものであろう。その日誌をダカーハにも見せてやってくれ。ダカーハの呪いの正体は「行き場のない怒り」であろう。その日誌を読めば、怒りも少しは静まるに違いない』

 

『ターペ=エトフは、黒竜族を同盟者として受け入れた。良かったら貴方がたも、ターペ=エトフに来ないか?ダカーハ殿も喜ぶと思うのだが・・・』

 

ガプタールは首を振った。

 

『我らはこの地に受け入れられた。この地の竜族には、一方ならぬ恩義がある。義理を欠くわけにはいかぬ。ダカーハに伝えてくれ。インドリト王との約束を果たした後には、この地に来いとな・・・』

 

『解った。必ず伝えよう』

 

これで用件は終わったはずであった。だがディアンは、その場を離れず、ガプタールに質問をした。

 

『良かったら教えてくれないか?竜族の「聖地」とは、一体何なのだ?この大陸には、何箇所か、そうした聖地があるそうだが・・・』

 

『お主には関係のないことだ。学ぼうとする姿勢は良いが、好奇の心も度が過ぎると、寿命を縮めるぞ』

 

『オレは魔神だ。寿命などあって無きようなものだ・・・だが、教えられないというのであれば、無理に聞くつもりはない。何かしらの事情があるのだろう。世話になったな・・・』

 

『・・・「災の種」』

 

立ち去ろうとするディアンに、ガプタールが声を掛けた。

 

『竜族には、古来より伝承がある。ネイ=ステリナより伝わる「破壊神」を封印するための要石だ。黒竜族と白竜族は、それぞれ「封神の要石」を預けられている。このディル=リフィーナにおいて、要石は重要な役割を果たしている。置くべきところに置かねば、災いが起きると言われている・・・』

 

『待て、東方の聖地にも要石はあったのか?では、それは今どうなっている?』

 

『さてな・・・災いは主に、人間族に振りかかる。我等には関係のないこと・・・というのは冗談だ。要石は目のつかぬところに安置されている。余程の変わり者でない限り、その石を取ろうなどとは思うまい・・・』

 

ガプタールは低く笑った。だがディアンは笑うことは出来なかった。万一にも、何も知らない人間がその石を取り除こうものなら、何が起きるか解らない。龍國に警告しておく必要があった。

 

『もし、その要石が全て取り除かれたら、何が起きるのだ?』

 

『・・・「絶対的な破壊神」が蘇る。そう伝わっている。遥か昔、ネイ=ステリナにおいて光と闇の神々が、総力を結集して封印した圧倒的な破壊神だそうだ』

 

『アークリオンとヴァスタールが協力し合ったのか・・・余程の危険な存在であったのだろうな』

 

『要石はディル=リフィーナの各地に置かれている。何かの間違いがあって一つが取り除かれても、他の要石がある限り、破壊神は復活しない。だが、幾つかの変調が起きるらしい』

 

『具体的には、何が起きるのだ?』

 

(ひず)みが大きくなり、異界が出現したりする。本来ならば存在し得ないような・・・例えば「神々の処刑場」などが出現するらしい。我も詳しくは知らないが・・・』

 

『・・・初めて聞く話だ。良く覚えておこう』

 

ガプタールに礼を述べ、ディアンたちは山を降りた。

 

 

 

 

 

後に、「封神の要石」の話はターペ=エトフから龍國に伝わる。龍儀はターペ=エトフからの警告を受け、西榮國にある黒竜族の聖地跡を厳重に封鎖した。しかしこのことが却って、注目される原因となってしまった。龍儀の死後、東方諸国を統一した龍國は、しばらく安定をするが、やがて数カ国に分裂をしてしまう。そうした混乱の中で、「黒龍族の聖地跡に宝が眠っている」という噂がたち、東方の要石は行方不明となってしまった。ガプタールの警告から二百四十年後の話である・・・

 

 

 

 

 

『さて、ダカーハとの約束も果たしたし、ターペ=エトフに戻るか!』

 

『そうね。途中のプレイアで、リタに会いましょう。龍國からの使者を取り次いでくれたはずだから、御礼を言わないと・・・』

 

まずは龍人族の村に戻り、長老に報告をしなければならない。ディアンはガプタールが語った「破壊神」が気になっていた。長老なら何か、知っている可能性がある。現神などどうなろうと構わないが、この世界そのものが滅んでは転生した意味が無い。破壊神について、調べる必要を感じていた。そしてこの時の話が、後にディアン・ケヒトの人生に大きな影響を与えることになるのだが、それはずっと後の話である・・・

 

 

 

 




【次話予告】
次話は6月13日(月)22時アップ予定です。

プレイアの街にある「ラギールの店」で、ディアンは衝撃的な光景を見る。店員の首に「奴隷」の証である首輪が塡められているのである。ターペ=エトフでは、奴隷売買は厳しく禁じられている。ディアンは覚悟を決めて、リタ・ラギールに会う。


戦女神×魔導巧殻 第二期 ~ターペ=エトフ(絶壁の操竜子爵への途)~ 第四十七話「リタ・ラギールの過去」

・・・月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也・・・

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