ガンショップ店主と奴隷との生活 -てぃーちんぐ・のーまるらいふ-   作:奥の手

12 / 12
短いお話を一つ。


蛇足編 「レンガ積みの三人の男」

よく晴れたとある街を、大きな男と小さな少女が歩いていました。

 

大きな男は浅黒い肌にモリモリの筋肉を持つ、とてもこわい男です。

小さな少女は真っ白い肌に傷跡を持つ、とてもかわいい少女です。

 

二人は仲良くならんで街を歩いていました。

 

ふと見ると、二人の前にレンガを積んでいる男が表れます。小さな少女は尋ねました。

 

「どうしてレンガを積んでいるんですか?」

「お金を稼ぐためにだよ」

 

少女は続けて訊きました。

 

「あなたはこの仕事が好きですか?」

「まぁまぁ好きだよ」

 

 

○

 

 

よく晴れたとある街を、大きな男と小さな少女が歩いていました。

 

大きな男は浅黒い肌に立派なひげを持つ、だいぶ強面の男です。

小さな少女は真っ白い肌にきれいな金髪をもつ、だいぶかわいい少女です。

 

二人は仲良くならんで街を歩いていました。

 

ふと見ると、二人の前にレンガを積んでいる男が表れます。小さな少女は尋ねました。

 

「どうしてレンガを積んでいるんですか?」

「教会を建てるためにだよ」

 

少女は続けて訊きました。

 

「あなたはこの仕事が好きですか?」

「そこそこ好きだよ」

 

 

○

 

 

よく晴れたとある街を、大きな男と小さな少女が歩いていました。

 

大きな男は太い腕に大量の荷物を持った、とても筋肉質な男です。

小さな少女は細い腕に数冊の本を持った、とても知的な少女です。

 

二人は仲良くならんで街を歩いていました。

 

ふと見ると、二人の前にレンガを積んでいる男が表れます。小さな少女は尋ねました。

 

「どうしてレンガを積んでいるんですか?」

「お金を稼いで、教会を建てて、恵まれない子供たちを助けるためにだよ」

「あなたはすてきな人ですね」

 

少女は続けて訊きました。

 

「あなたはこの仕事が好きですか?」

「大っ嫌いだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○

 

 

とある街の、とある一角。

ひとつの教会が建ちました。この街で唯一の教会です。

 

教会には子供たちがたくさんいます。

親のいない子供たちがたくさんいます。

 

教会の神父は言いました。

 

「私は自分でこの教会を建てたんだ。レンガを積み上げて建てたんだ」

 

子供たちは訊きました。

 

「たいへんだった?」

「あぁ、大変だったとも。雨の日も、晴れの日も、雪の日も、風の日も、どんな時でもレンガを積んだ」

 

子供たちはおどろいて、それから目をキラキラさせて、口々に「すごい」とか「かっこいい」とか「ありがとう神父さん」と言いました。

 

一人の子供がまた訊きました。

 

「どうして神父さんは自分で建てたの?」

 

神父はとっても優しい笑顔で応えました。

 

「お金を稼ぐためにだよ」

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。