放課後の学校の屋上で彼女は問う。
「私のこと愛してる?」と……。
これは彼女と彼の会話。
彼女と彼がお互いの愛を確かめ合う会話。
一種の愛のお話。

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私とアナタ

「私のこと愛してる?」

 放課後、夕焼けに染まる屋上で彼氏である彼に聞いてみた。

 最初、不思議そうな表情で――無駄に長い前髪のせいで、表情なんてよく分からないけど――首を傾げる彼だったけど、微笑みながら「愛してる」と言う。

「嘘。本当は愛してなんかいないくせに」

 彼の言葉にそう返すと、悲しそう表情に変わる。

「どうしてそんな風に思うんだ?」

「……あなた学校で何て言われてるか知ってる?」

「ああ、貞夫だろ?」

 私の問いに何の戸惑いもなく答える彼。男版貞子といじめられて呼ばれているのを理解しているのに。

「それじゃあ、私は?」

「……魔女」

 今度は戸惑いながら答える彼。左半身にある酷い火傷跡を気持ち悪がられ、いじめられて呼ばれてるのを理解してるから。

「私ね、思うの。アナタが私と付き合ってるのは同情から。イジメられてる者同士だから。美女でも醜い火傷跡がある不良品の私ならアナタは簡単に付き合えるから。私の家がお金持ちだから。私が大金だけ渡されて、両親に捨てられたから。実の妹も私のことをゴミとして見下していて、とても心が傷ついてるから」

「それは違う。僕は哀れみで付き合っているんじゃない。不良品だから付き合ってるんじゃない。金持ちだから付き合ってるんじゃない。両親に捨てられたから付き合ってるんじゃない。妹に蔑まれてるから付き合ってるんじゃない」

 私の言葉に即答してくれる。……嬉しい。

「じゃあ、どうして?」

 彼は一度深呼吸して、真剣な表情で私を抱きしめ……。

「キミを愛してる」

「……私もよ」

 彼の言葉に頬が熱くなるのを感じながら胸に顔を埋め、彼の匂いを堪能しながら強く抱きしめ返す。

「私のこと愛してる?」

「愛してる」

「私の願いを叶えてくれる?」

「叶えるさ」

「それじゃあ前髪切らないで。アナタのカッコいい顔を素敵な表情を私だけのものにしたいの」

「分かった。切らないよ」

「1日一回は抱きしめてくれる?」

「一回以上抱きしめるよ」

「私、大きい家に一人暮らしなのよ。今日から一緒に住んでくれる?」

「喜んで」

「将来、結婚してくれる?」

「もちろん」

「その、恥ずかしいけど……夜の営みは毎日してくれる?」

「当然」

「私のこと守ってくれる?」

「キミを害する輩を殺したいといつも思ってるよ」

「アナタの心を頂戴」

「僕の心は、初めて会った時からキミの物さ」

 私は少しだけ背伸びしながら彼にキスをする。とっても気持ちよくて、心がポカポカするキス。

 暫くして、唇を離して彼を見ると嬉しそうな表情になっていて、その表情のまま私の首筋に顔を埋める。

「僕のこと愛してる」

「愛してるわ」

「僕の願い叶えてくれる?」

「叶えるわ」

「僕以外の男のこと愛さないで」

「アナタ以外の人間に興味はないわ」

「これから毎日、キスさせて」

「当然。けれど個人的にはキス以外も沢山してほしいわ」

「キミと一緒に住みたいな」

「今日帰ったら、すぐにアナタの家に引っ越し業者を向かわせるわ」

「将来、結婚したい」

「結婚式は洋式にしましょう」

「夜の営みは毎日しよう」

「今日からしましょう」

「キミを害する輩を殺させてくれ」

「それはダメ。アナタと離れ離れになりたくない。そんなことになったら私、死んじゃうから」

「キミの心を頂戴」

「既に心はアナタの物よ」

 彼は少し屈みながらキスをしてくれる。さっきよりも長いキス。心が満せれ、身体が火照る。お願い、もっと頂戴。アナタを頂戴。私もアナタにあげるから……。

 好きとは違う、そんなに軽いものじゃない。私たちの想いは重いから。

 この気持ちは恋なのかな?

 いいえ、きっと違う。恋と表現するには重過ぎる気持ち。

 私はアナタを愛しています。アナタにならどんなことをされても平気。アナタと一緒なら何処までも堕ちていけるわ。だから、私と一緒に堕ちましょう。堕ちましょう。

 アナタを愛します。永遠に。

 死が二人を分かっても、私の愛はアナタの物よ。

 乙女(わたし)だけの流クン(アナタ)……。

 

 

 




久々の投稿です。
色々と忙しくて投稿できないでいますが、頑張って行きたいと思います。
読んで下さった方、色々なアドバイスと感想頂けると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします

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