●前回のあらすじ
帝国は同盟者たる魔導王モモンガがトブの大森林の支配者であることを理由に、エ・ランテル近郊の領有権を巡って王国に宣戦を布告した。
紛糾する会議の中、ガゼフとレエブン侯の行き違いもあって第一王子バルブロを指揮官とするカルネ村出兵が決まってしまう。
出兵の情報は皇妃クレマンティーヌを通してエンリにも伝わり、二人は回復役の巫女姫を連れ、カルネ村の救出へ向かうことになる。
ただし、移動手段を持たないエンリはその身体を死の宝珠に預け、
幸いカルネ村の住民は避難していたが、村民全員が反逆者に連なるものと断ぜられたため、
「王国に仇なす反逆者エンリよ! 我々はここで貴様を捕縛し、カッツェ平野まで連行する!」
兵士たちはたった二人の女を前に槍を並べ、戦闘態勢をとる。
その数は五千余。それに対峙するのはたった二人と、小さな少女を包み隠すように載せて滞空する三体の
そんな状況でも冒険者の怖さをわかって警戒しているのだから、それなりの精兵ということなのだろう。
「ならば我らは逃げも隠れもせん! この身を捕えたくば、全軍でかかってくるが良い!」
「……えと、殺しちゃっていーんですよね」
「ああ、殺し放題だ」
当たり前のことを聞いてくるクレマンティーヌに、優しい微笑みを向ける。
「――ええい、放て!」
王国軍の前衛が集落から横方向に広がり――すぐに二人へ向けて弓が降り注ぐ。
すぐに
僅かに向かってくる弓を、二人は軽々と回避する。
「おのれ! 魔物を使役するとは!」
「クレマンティーヌ、行くぞ」「りょーかいっ!」
「接近戦だ! 囲め! 数で押し潰せ!」
首の落ちた兵士の向こうでは、クレマンティーヌが雑兵を踏み台に騎兵の頭蓋を貫く姿が見える。
それは人間の限界を越えたとも思える速度だが、以前エンリとして見た記憶とは違って全て目で追いきれるし、身体能力の面でも対応は可能だろう。
――やはり、膨大な死を喰らってきた身体は素晴らしいものに成長するな。
人間も死の宝珠と同様、他者の死を喰らって
それが死の宝珠にとって理解しがたい、人間の持つ非効率な部分だ。
――あの女は考え方こそ良いが、戦い方が非効率なのが惜しい。
「化、化けもどぉっ! ――ぐばっ! がひゅっ! へぼぉっ!」
「ふん、まるで死の詰まった革袋だな。それ、そおれっ!」
次々と首の辺りを狩っていくと、有象無象の断末魔は短く小気味良いものになる。
そうやって
「ひぃぃぃっ! やめ、やめぇぇいだだぁぁぁ!!」
「――貴様ぁっ、我ら精鋭を嬲りものにぎぃっ!!」
「め、めだ? めだめだ目玉ぁあ゛あ゛ぁっ!!」
「えー、片目残ってりゃ戦えるでしょーが。だーらしないなー」
戦士としては強者を仕留めるのに最適化しているクレマンティーヌは、弱者を大量に狩る戦い方には向いていないが、もとよりそういう戦い方を選ぶつもりもないらしい。
もたらす死の数は
周囲が空いて一対一となれば、脚の神経を貫いて崩れ落ちたところで眼窩を穿つなど、死そのものではなく死に至る過程を愉しんでいるようだ。
それによって流れ込んでくる死の風味も幾らか彩りのあるものとなっているが、死を愉しみ放題のこの状況ではたらふく飯を喰らおうという時に米飯の一粒一粒に味付けをしているような迂遠さを感じてしまうのだ。
「退け! いったん退いて弓で射殺せ! 巻き添えになるぞ!」
性急な命令は、指揮官へ着実に近づくクレマンティーヌに恐れをなしてのものだろう。
そのクレマンティーヌは潰走状態の前衛の兵士を追い抜きざまに首を貫き、そのまま弓兵へと躍りかかっていく。
――ふむ、一緒にいてくれないと守れないんだがな。
だが、今回は
熟練のクレマンティーヌが早々に距離を詰めて対処しただけあって、今回の斉射は練度が非常に高い。
そこで王国兵との間に飛び込んで来る大きな影は――二体の
大量の矢が進路を阻まれ、無為にばらばらと落ちる。
ただ棒立ちしていれば数十の矢を受けただろうし、間に入った
――む、
王国軍にも物を知っている者がいるのだろう。微々たるものではあるが、スリングショットによる投石などで殴打属性のダメージを与えた者がいる。
そして、目ざとい者も。
「あの魔物には矢は効いておりません! 投石を!」
――こちらから向かっていかねばならんか。
剣を縦横に振るって矢の多くを弾くが、十数本は身体に命中し、そのうち二本が法衣を貫いて僅かな傷を作る。
死の宝珠は身体を借りているだけであり、痛みの感覚はアンデッドと同等なほど鈍いのだが、痛みが興奮を誘発するような身体の作用は健在なようだ。
「ふはははは、身の程を知らぬ愚かな人間どもめ! 幾千の死を我に捧げるがよい!」
中の人が聞いたら寝込んでしまいそうな台詞を撒き散らしながら、弓から剣に持ち替えつつある精鋭兵の一団に斬り込んでいく。
「んふふ、強い人いたら、あっちの化け物じゃなくて私んとこに来なよー」
クレマンティーヌと目が合うが、互いに薄い笑みを交わしながら血煙舞う戦いに身を投じる。
カジットに憑いていた頃は人間を装うためにクレマンティーヌの非常識を諫める側に回ることもあったが、エンリに憑くようになると元から人外を見るような目で見られているので気楽な関係になっている。
エンリの方は宝珠との関係がバレてはまずいと考えているようだが、死の宝珠としてはここまで強靭な身体になってしまえば危険は無いような気がするのだ。
陣形を急ごしらえして迫る槍衾にも怯むことはない。クレマンティーヌは槍を軽やかに飛び渡り、
まだ二人とも深刻な傷を負っていたわけではないが、高度のテストだ。
矢に加えて多くのスリング弾が
「上の奴は駄目だ! スリングの射程に入るまで二人を仕留めるのに集中しろ!」
言われなくとも、射程には入れない。有効距離に入れば大量のスリング弾にひとたまりもないからだ。
余った一体は牽制に使うが、
「どうした、脆弱な人間ども! 骨のある奴はおらんのか!」
黒いもやが漂う剣先が切り裂くのは、兵たちの命。
「無理です! あの二人は化け物だ!」
「ふざけるな! 周囲を包囲し、一斉に攻撃を仕掛けろ!」
しかし、言葉を交わさずとも、二人の思いは一つ。
指揮官を潰せば部隊が潰走してしまうが、そんな勿体ないことはしたくないのだ。
「なぜだ! なぜたった二人を相手に、五千人もの軍でかかって仕留められないのだ!」
バルブロは目を血走らせる。
勇壮なことを言ってはいるが、後退を進言する部下に従って安全な場所へ移動するだけの賢明さは持っていた。
幾度かの移動を経て、今いるのは民兵たちの死体が転がる、血生臭い初期の戦場だ。
「王子。それが一騎当千の冒険者というものでございます」
「そんなもの、見ていればわかる! だから私は――」
だからこそ、戦争という王国の一大事に身勝手に静観できる立場を享受しながら、帝国と魔導王などという怪しげな存在に与した『漆黒』が許せなかったのだ。
しかし今となっては、そんな感情はどうでも良い。
一騎当千――それは確かなのだろう。
戦場に散乱する、人間にやられたとは思えない死体たちがその証人だ。
しかし、その恐ろしさ、凄惨さはこの場にいない者には決して伝わらない。
話題に飢えた貴族たちから見れば、バルブロは五千の兵を率いてたった二人に敗れた無能な王子にしか見えないのだ。
王族の手習いとしては優秀、という程度に剣術をかじったバルブロから見ても、エンリだけでなくもう一人の女も異次元の存在であることはわかる。
下手をすると、二人とも王国戦士長ガゼフ・ストロノーフにも匹敵するかもしれない。
しかし、それを戦いを見ていない者たちに納得させる手段は存在しない。
「おわかりになるならば、ここで撤退の許可を!」
「……ならん! まだ兵は半分以上残っているだろう!」
「殿下! 精鋭の多くを失い、士気は危険な状態です!
「愚か者! ここで奴らがカッツェ平野に向かう主力の背後を襲う可能性を考えよ! 多くが死兵となろうとも、何があろうとここで足止めをせねばならん!」
「か、畏まりました。ではせめて我ら――殿下は全体の指揮を取れる後方へお下がりください」
バルブロは大きく頷き、隊列を整えた兵士たちとともに慌ただしく移動していく。
二人は、既に王子の命令がどうにか聞き取れる位置まで迫っていたが、これを追わずに見逃す。
その気になれば数秒で王子周辺を蹂躙できるクレマンティーヌは、目前の民兵の頸部をスティレットで貫きながら呆れ顔だ。
「死兵なんてレベルの奴、本当に居てくれたら面白いんですけどねー。言葉の意味わかってないでしょアイツ」
「まあ、そう言うな。死兵か――ふむ、王族の望みであるし、叶えてやらなくもないぞ」
「んふふ、たった二人でそう追い込めるとも思いませんけど」
死兵とは本来、死を覚悟して強兵となる者のこと。
たった二人の圧倒的強者が集団を蹂躙する異常な戦場では、兵たちは距離がある限り数の有利や無限の逃げ道に心を落ち着かせ、距離が無くなれば覚悟を決める間もなく命を散らす。
自ら死兵となれる余地などは無いのだが――。
「よし、右奥の
「りょーかいっ。指揮官ですか」
「兵も、全てだ」
今回のエンリの願いは、この地、故郷カルネ村を救うということ。
ならば、この地における禍根を絶つために行動すべきである。
人々を救うというのはらしくない行動だが、数千の死を撒き散らす愉しみの中では些細なことだ。
そして、その行動は以前味わえなかった更なる愉しみへと繋がる。
「待て! 逃げるな!」「――おい、
一方的な殺戮が続き、王国軍の士気は地の底まで落ちていた。
王国軍が敗走の機会を掴めずにいるのは、
通常の敗勢濃厚な場面なら目立たない脱走者も、この状況では目立ちすぎるのだ。
「そろそろ、良かろう。――クレマンティーヌ!
「ん、りょーかい。何か面白いことやるんですか?」
「ああ。楽しんだ後始末をしなきゃいかんからな」
急降下し、一体を守りながらも攻撃を仕掛ける二体の
――モモンガ様の偉大な力に触れることができた感動には及ばぬが……やはり、我が手で事を成すというのも格別のものだ。
今の死の宝珠は、あくまで主マーレの言いつけ通りに動いている。
周囲を見れば、屍、屍、屍。その殆どすべてが凄惨な死に方をした者たちで、放っておけばこの地はアンデッドの温床となる。
エンリの記憶の中に、主マーレが考案した「おそうじ」という斬新な解決手段はあったものの、エンリはそれが気に入らないようだ。
ならば、この地の禍根を絶つため、今の死の宝珠が可能とする手段でそれを行うほかないだろう。
「ミコヒメよ、我が詠唱の依り代となれい! 《
村人たちが戻る前に、残存兵力ごと、一気にこの地の屍を処理するのだ。
むしろ、残存兵力が屍たちを導く役目を果たすだろう。
「《
叡者の額冠による《
ここには大量の死があり、死体があり、そして溢れんばかりの負の力がある。
かつて死の宝珠がカジットの身で、ンフィーレアをさらって実現しようとした大魔法が、ここに実を結ぶのだ。
「おい、おまえ生きて?――ひぎゃっ!」
「死体から離れろ! 噛みついてくるぞ!」
「膨れた肉から何か噴き出て――ぐあっ!」
「逃げろ! アンデッドの大量発生だ!!」
肉の削げた死体が起き上がり、はみ出た骨が集まって人の形を成し、肉片から臓物で出来た脚のようなものが生え、あるいは数個の死体が集まった化け物が蠢く。
「撤退! 撤退だ!! 殿下を守れ!!」
確かに、王国軍の一部は
そして、それらはすぐ、死を纏う兵となって王国軍へと襲い掛かるのだ。
もちろん、大多数はすぐに戦意を失い潰走状態となっている。
二千は残っていた王国軍は、各人がどこに逃げているかもわからずに走り回る者ばかり。
「カッツェ平野へ追い込め!!
「はいはーい。
見れば、今回の戦闘で覚えのない黒衣の集団が不死の軍勢に加わり、それらは
「ふはは、いきなり
死の宝珠としても初めての経験でワクワクすることばかりである。
魂を歪ませるほどの絶望を与えたのも、複数人をぐちゃぐちゃに地中に埋めて殺したのも実は主であるマーレの仕業なのだが、そんなことを知らない死の宝珠にとってはカルネ村の人々への好感度を少しだけ上げる気分の良いサプライズでしかなかった。
「お前たちなら、指揮官クラスも潰せるだろう」
王国軍における生者の数が千を切った時、増えに増えた三千超のアンデッドのみによる半包囲が完成する。
「ふはははは! 逃げよ逃げよ! 死の淵の絶望が深ければこちらの愉しみが増える! 南北は囲んだからクレマンティーヌも好きにやれい!」
「さっすがエンリ様。うんじゃ、遠慮なくやりますよー」
そんな死者の宴の只中へ飛び込んで、クレマンティーヌもようやくお楽しみタイムだ。手近な兵士の腱を潰し、スティレットの先端を頬肉に差し込みながら優しく語り掛ける。
「ねーぇ、痛い?」
制御外の低級アンデッドがクレマンティーヌに食らいつくが、軽々と回避して拷問の時間を愉しんでいる。
――制御可能数もやたらと増えたが、それ以上にこれは……何だ? 群としての指揮が随分とラクなような……。
ところで、このたびバハルス帝国がリ・エスティーゼ王国に宛てた宣戦布告文において、戦場はカッツェ平野と指定されている。
すなわち――。
「このままカッツェ平野までついていくと、冒険者が戦争に関与したってことになっちゃいますよ」
「ああ、そうだな。それに時間も迫っている。そろそろ戻るとしよう」
――とりあえずアレは恐怖を伝えさせるため残して、カッツェ平野まで追い込む。それだけでいいな。転んで死んだりするかもしれんが、そこまでは知らん。
死の宝珠の目的は多くの死を撒き散らし貪ることだが、エンリから身体を任された理由は故郷のカルネ村を守ることだ。
十分な恐怖と見せしめを送り届ける態勢ができた以上、そろそろ潮時かもしれない。
「私も皇帝から参戦を止められてるんで、このへんにしておきます」
宣戦布告文から外れた部分であれば、何百何千と殺してもその戦争とは関係がない。
スレイン法国の特殊部隊出身のクレマンティーヌは、そういうことには詳しかった。
村へ近づくと、怯えに染まった男たちに迎えられる。
野伏などは居ないようで、不器用に遠くの樹上などから村の様子を窺っていた者たちだ。
「え、エンリ……なのか?」
「村を……助けてくれて――いや、お助けいただいたことは本当にありがたく……」
おそらくエンリの記憶では見覚えのあるような顔ぶれなのだろうが、心の距離は地平の果てまで開いているようだ。
死の宝珠としては下手に対応してエンリを困らせるつもりもないので、なるべく自然に交代することを考える。
「どこでもいい。戦いの
村長に歓待の準備があるそうなので、クレマンティーヌとミコヒメを向かわせておく。
空き家になっていたエモット家のベッドに村で最高の客用布団が運び込まれ、
今日は最高の一日だった。楽しい殺戮の時間に加えて《
エンリのために柄でもなく救うことになったこのカルネ村についても、いきなり
その後自ら本体である宝珠を手放すと、ベッドの下へそっと転がした。
死の宝珠の仕事はこれで終わりではないが、エンリのことを考えれば戦場で身体の支配を手放すわけにはいかなかった。助けてやるよう言われていたから仕方がないことだが、次の仕事へ向かうのに主の手を煩わせてしまうのが心苦しいところだ。
「――はぁ。帰ってきちゃった」
エンリは粗末な板張りの天井を見上げる。
暮らす者がなく、多くの家財が運び出されたからっぽの家でも、生まれてから十六年間見てきた天井だけは変わらない。
――見られてる。あれは戦いを見てた反応だよね。それにしたって、怯えすぎ。
確かに死の宝珠は怖いかもしれないが、村の人たちが戦場を見ていた場所までは声は届かないはずだ。
行方不明の野伏ラッチモンがかつてエンリを含めた村の若者に教えてくれた幾つかの場所は、いざという時に村や周囲の様子を遠巻きに見られるだけだ。戦場の声も届かなければ死の宝珠とクレマンティーヌの残虐行為の詳細を知ることもできない。
戦争なんだから、みんなのために戦うのは仕方がないはずなのに。
かつて戦争から帰ってきた村人たちだって同じように人を殺してきたはずなのに。
それでも、あんな目で見られた人は一人もいなかったのに。
エンリは不条理を噛みしめる。
それに、エンリの姿は村を出た時と変わっていないはずだ。
顔を洗う時など、いつも自分の顔が旅立つ前と変わらないことを確認している。
特に、死の宝珠に身体を使われた後は念入りに水の中の自分と睨めっこするのだ。
「おなか……すいたな」
エンリは空腹を感じ、村長の家へ向かうことにした。
先日マーレの所有物だと知った
エンリの気持ちの絡まりをほぐしたのは、ネムや他の子供たちだ。
先ほど怯えた態度をとった者たちや、同じように万一の際に村の様子を見に行く役割の村人の子供は誰ひとりとして姿が見えないが、それ以外には偏見が広まっていないようだ。
――明日には全員に伝わっているんだろうけど。
それでも、懐かしい顔ぶれとの会食は楽しい。
怯えきった偵察役の男たちの方を見なければ、普通に相手をしてくれる者もいるのだ。
「エンリは村のために頑張ったんだから、遠慮しないでもっと食べてくださいな」
「これネム、食事中はおとなしくしなさい」
「クレマンティーヌ様、かっこいー!」
さすがに皇妃様という身分を明かすのもよくないので、元冒険者で今は帝国の偉い人ということになっている。
以前村を訪れた時から露出多めのクレマンティーヌがお気に入りだというネムの感覚が心配になってくるが。
「お姉ちゃんも凄い! たった二人で村を軍隊から守ってくれたんだよね!」
村長の家で暮らし村の子供たちを率いるような立場になっていたネムは、十〇歳という若さで既に目を背けるべき部分を理解しているようにも見えた。
マジックアイテムである黒衣に染みはできないが、素肌の返り血は取り切れていない。そういう部分に触れず笑顔を絶やさないのはありがたい。
いまいち近寄り辛そうにしている子供たちを見渡した上で、ネムはこういう態度を取ってくれているのだ。
今日も明日もその後も、ネムさえ村に留まってくれれば、エンリには帰ってくる場所が残っているかもしれない。
そう思うとネムを連れて行くのが惜しまれるが、ネムのためにも村のためにも仕方のないことだ。
●次こそマーレ
そろそろ働きます。
使えるものは使う子なので暗躍気味かもしれませんが。
●さあみんなで、あんですあーみー!
「原作で起こった死霊系イベントを回避したままで皆ハッピー」というのは、この話にはそぐわないと思うのです。
遅ればせながら、あんですあーみーのお時間なのですよ。
●死の宝珠(inエンリ)の能力上昇について(独自設定)
inカジット時代には死の宝珠のアイテムレベルとされる40レベルの力を持つようには見えなかったので、原作でいうアイテムレベルの40は同時に死の宝珠の上限レベルだったものと考えます。
現状の上限は、以前エンリについて語ったのと同様、「エンリの上限(不明)と宝珠の上限の高い方」が適用されることにします。
もちろん地平の果てまで満ちていたビーストマンの大虐殺のご相伴にあずかったことで、経験値とレベルアップはたっぷりと。
(ただし現地勢は魔法の位階が簡単には上がらないので、原作同様、あんですあーみー初体験は叡者の額冠のおかげです)