「何かしら、この強い妖力は」
魔理沙の家に遊びに行った帰り、魔法の森の奥深くから強い妖力を感じたので、そこに
向かってみた。
「並大抵の妖怪じゃないわね。妖力をこんなに分かり易くして、何を考えてるのかしら?」
怪しく思いながら霊夢は、そこに向かう。そこには、気を失っている少年がいた。
「少年が倒れている。妖力を感じるのはあの少年からだし。しかし、あの少年、妖怪でも人間でもない感じがする。何者かしら?......とりあえず保護しますか」
少年を抱えて霊夢は、神社に戻ることにした。
「それにしても、気を失っても強い妖力を出し続けるだなんて本当に何者かしら」
気にしながら神社の方に向かって飛んだ。少年を抱えながら飛んでいたので、いつも以上に時間が掛かった。夕日が沈みそうになるころに、神社に着いた。
「やっと着いた。さすがに、抱えながら飛ぶのはきついわ」
少年を部屋に運ぼうとした時、霊夢の前に八雲紫がスキマから姿を現した。
「ごきげんよう。霊夢」
「紫か。私は、疲れてるから用が有るなら後にしてくれる」
「珍しいわね、霊夢が疲れているなんて。何かあったのかしら?」
説明するのが面倒だったけど、とりあえず霊夢は、少年の事を説明した。
「強い妖力を感じてそこに向かったら、少年が倒れていたのよ。ほっとくのも後味が悪かったから、とりあえず保護したのよ」
「そんなことがあったのですね。......それにしても、強い妖力か」
「何か心当たりがあるの。紫?」
「いいえ。それにしても、保護したのだから最後まで面倒を見てあげるのよ。霊夢」
「わかってるわよ」
霊夢は、元からそのつもりだった。
「霊夢。私は、そろそろ帰りますわね」
紫は、そう言って帰って行った。少年の事を知ってそうな感じだと霊夢は思ったが、特に気にしなっかた。今日は、少年を抱えながら飛んだので、早めに寝ることにした。次の日に、少年が目を覚ますことを思いながら。
次の日霊夢は、いつもより遅く起きた。
「よく寝たわ。昨日は、さすがに疲れたわね。さて、少年は起きてるかしら」
霊夢は、少年が寝ている方に向かってみる。だけど、少年は、目を覚ましていない。
「やっぱり、目を覚ましていないか」
いつ目を覚ますか気にしながら、霊夢は、いつも通り境内の掃除をした。
「何か物音がしたわね」
昼過ぎに少年が寝ている方から物音がしたので、霊夢は向かってみた。そして、少年が目を覚ましていた。
「やっと目を覚ましたかしら」
「あ、あの」
少年が何か言おうとしたが、霊夢が口を挟み問いかけた。
「なぜ、あんな森深くに倒れていたか覚えてる?」
「覚えていません」
「えっ!」
霊夢は、驚いた。とりあえず名前を聞くことにした。
「名前は、何ていうの?」
「すみません。名前、覚えていません」
「名前を覚えていない!」
少年は、名前を覚えていなかった。霊夢は、どうしようか悩んでいたら、昨日を思い出した。
(たしか、紫が知ってそうな感じだったわね)
霊夢は、紫に聞いてみることにした。
「ちょっと待ってなさい!」
「は、はい」
神社を出た霊夢は、紫を探す。
「紫は、気まぐれだから、どうやって探そう」
手当たり次第に探している内に、向こうから姿を現した。
「お探しかしら。霊夢」
「やっといた」
ようやく見つけられて、さっそく少年の事を聞いてみる。
「紫。あんた少年の事何か知ってるでしょ。知ってるなら教えて頂戴」
「聞いて全てを受け入れられる?霊夢」
紫の言葉が、何か重々しく感じた。
「何かあるの?あの少年に?」
「私は、受け入れられるか聞いているのよ」
霊夢の返事は、すぐに決まった。
「保護したのだから、最後まで面倒を見るつもりよ。だから、受け入れるわ」
「わかったわ。だったら、すべてを言うわ」
紫は、少年の事を話始める。
「あの少年は、異界の者。この世界とまったく違う次元の世界から来たの。霊夢、あの少年の妖力が強いのに気づいたかしら」
「えぇ。気づいたわよ。それが、どうかしたの?」
「あの少年は、妖力が強すぎたため別の世界、いわゆる異次元世界を崩壊させてしまったのよ」
「えっ!」
紫の言葉に霊夢は、驚きを隠せなかった。
「崩壊させたって、どういうことよ」
「簡単に言えば暴走ね。自身の力が押さえられなかったのよ」
霊夢は、思う。もし、その力が幻想郷で使われでもしたらどうなるのだろうと。
「それって、まずいのじゃないの」
「今は、大丈夫ですわ。私が封印したから。ついでにあの少年、自分が世界を崩壊させたことに苦しんでいたから、記憶を全て消してあげたのよ」
記憶が無い理由は、理解したけど、これからどうしようかと霊夢は思う。
「これからどうすればいいの?」
「しばらく面倒を見てあげたら。最後まで面倒見るのでしょ」
霊夢は、自分の言ったことに後悔した。だけど、言ったからしかたないと霊夢は思った。
「わかったわよ。最後まで面倒見てあげるわ。あの少年が一人立ちできるまで」
「さすが霊夢ですわ。後、少年じゃなくて名前を付けてあげたらどうかしら」
「名前?」
少年は、記憶を消されて名前を覚えていないことに気づく。
「紫は、名前を知らないの?」
「名前までは、知りませんわ。だから、保護者である霊夢に付けてあげて欲しいのよ」
しかたないかと霊夢は、納得した。
「わかったわ」
「それでは、後はよろしくお願いしますわ。ごきげんよう」
紫は、別れの言葉を言ってこの場所を去った。
「私も戻りますか。ずっと一人にするのも危ないし」
危険な力を持ってるから、急いで霊夢は神社に戻った。そして、神社に着き少年の元に向かう。
「いるかしら」
「は、はい。います」
少年は、ずっと待っていた。少し申し訳ないと思いながら話を進めた。
「あんた、何も覚えてないのでしょ」
「はい」
「だったら、此処に住んでもらうわ。一人立ちできるまで。ついでに、名前も付けてあげる」
少年の表情は、明るくなった。
「本当ですか?」
「本当よ。とりあえず、名前を付けるわね」
霊夢は、少し考える素振りをしたけど、予め決めておいた。
「今日からあんたの名前は、博麗霊魔ね」
苗字の由来は、博麗と名乗れば滅多に襲われない霊夢の考えで、名前の由来は、自分の名前と親友の魔理沙の名前を借りたのだ。
「名前を付けて下さって、ありがとうございます」
「わかったから、その敬語やめてくれるかしら。しばらく此処に住むのだから」
少年は、少し考える表情を見せた。そして、敬語をやめることにした。
「わかった。後、一つ聞いていい?」
「何かしら?」
「貴女の名前は何?」
霊夢は、自分の名前を言ってなかったことに気づく。
「そういえば、言ってなかったわね。私は、博麗霊夢。ちなみに、これからはあんたの保護者だからね」
「わかった。これからよろしくね、霊夢」
こうして、二人の生活が始まった。
誤字などがあったら教えて下さい