運命、と聞かれたら皆は何を思うだろう?
皆大抵こぞって「そんなのあるはずない」
と言ったものだ。
しかしこれは外の世界の話
幻想郷に明確なルールはない。様々な種族が存在しているから、だから私は提唱したい。運命はあると。
私は生まれました。ここで違うのは産まれたではなく生まれたであること。私は意識があった。
周りは皆動かない造物、関節はまるで底無し沼にはまったように動けない。
私は最初金縛りと思った。それと同時にそれは違うとも思った。
私は生きている。それだけはわかっていたのだ。
生きていることを実感した瞬間である。
私自身からは身体を動かすことは出来ない、しかし誰かの手に触れるとたちまち相手に従って動き出す。
ある日のこと店の客であろうか、私に似た造形が売られた。
その子はそれを人形と呼んでいた。
(私は人形か、)
聞いた言葉ではないが直感的に自然と納得させられた。
私はなぜここにいるのだろう。
私は暇で暇でしょうがないのだった。
私が生まれて約三年ほど経った。
私は拍子抜けした。
私はとうとう買われるのだ。
そこが大切などではなく、彼が私を買った事に驚いたのだ。
彼とは陰陽屋さんだ。
簡潔に言うと私は生まれ変わった。
無機物的に記憶だけを受け継いでいた。何故かは知らない。
それでも運命なのだからしょうがない。
陰陽屋さん
この言葉が私の脳裏を過ぎ、囁いていた。
こんなに人が蔓延る中、私たちはまた会えたのだ。
それからはどこまでも嬉しかった。
いつまでも片時も離れることなく傍に居られるのだ。
しかし私は気づいてしまった。終わってしまった。冷めてしまった。
あんなのは陰陽屋さんの形をした別人であると理解した。
私は最後まで信じていた。あの時のように最期まで私を大事にしてくれると。
彼は捨てた私を、こんなの陰陽屋さんでない。そんなはずがない。よくも騙したな。
そんな風に思い出した頃、黒の着物の女がやって来た。
「やっと、使えるようになったわね、いや、こっちの話よ。気にしないで。
そんなことより私に協力しない?貴女を騙した男をあなたの手殺させてあげましょう。
その代わりあなたの意思、命は私が使わせてもらうわ」
承諾した。
そのくらい許せなかった。
あんな男が陰陽屋さんの形を持つことなど
どのように殺したかは気にしないでほしい。勿論この世の恐怖を教えてあげたが。
永遠亭では彰の命により、きみが向かっている。
根がどんどん邪魔をする。
永遠亭は輝夜の能力と永琳の弓の矢が飛び交っている。
「慈符 烈愛の業火」
きみはスペルを発動、妖力弾が火の粉のように周りへ飛び散る。
そしてすぐ拡散、相手の根の妖力に反応し大きくなり爆発を起こす。
このスペルは某氷の妖精のように欠点を持つ。
そう近場では効果がない。
「危な!」
ちょうどよく永琳の矢が当たる。
相手の狙いは薬だ。
きみは燃費が悪いスペルを使うと疲労が激しい。
根が背後をとった。
「っえ!?」
きみの後ろにある根がぼとぼとと落ちていく。
「危ないねぇ、こんなどんちゃん騒ぎ。どうして教えてくれなかったんだい?楽しそうじゃないか」
萃香が騒ぎを聞きつけてここに来たようだ。
まるで暇潰しと言わんばかりに根を捌いている、形勢逆転だ。
「お前も酒飲むかい?」
と言って根に被せると酔ったらしく根がフラフラとしている。
「酒をこぼすんじゃないよ!勿体無いじゃないか!」
蹴り飛ばす、それを見ていたきみは
(それはいささか理不尽じゃないですかね?)
と思っているがお構いなしに萃香の猛攻は止まることを知らない。
しばらくすると辺り一体を制圧していた。
ひとまず萃香の大健闘であった。
中編を終わります。