東方幾能録   作:arnehe

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二体目の枝麻が存在し、くおとめいが対応にあたる。
あと一歩のとこで逃げられてしまうが...



虚無の人形~下巻~8

異変といったらこの二人

魔理沙と霊夢である。

彼女らは今まで何をしていたのか。

少し時間を遡ってみよう。

紫に異変が発生していることを確認した頃。

勿論いち早く嗅ぎ付けるのは

「おーい!霊夢ー異変だぞ!」

「さぁどうでしょうね?」

「おいおい今回はノリが悪いんだぜ。」

「今回もよ。今回は関与できなさそうなのよ」

「何故だ?こんなにも分かりやすいのに」

といってそこらの木を箒でつんつんとすると

バギバギ!と折れる。

「ただの干ばつかもしれないでしょ?それに犯人わからないし」

「無理があるんだぜ。それにそんなのいつものことだろ?」

「そんなこと言ってもねー」

あっと言う顔をして魔理沙が言い出す。

「そう言えば昔は春が来ない異変があっただろ?」

「あのときは春のもとの部分を集めていたからでしょ?今回とは違うわよ。寒くないし」

「そうじゃなくて、あのときは迷惑しただろ?」

「確かに寒くて迷惑だったけど」

「それならそれで良いんだぜ。」

「と言って今度は行かないわよ。」

霊夢は意味がわからないというように言うと魔理沙は肩をすくめる。

魔理沙はいつかは来てくれるだろうと考えていたようだ。

博麗神社は対等、これは幻想郷のルールだ。だから無闇に行動するのはよくないと紫に言われていた。

「まぁ待ってやるから。準備しとけよー」

強引なところはある意味いいことなのかもしれない。

「行かないってばー!もう」

遠くなっていく魔理沙の背に向かって叫ぶ。

「どうした霊夢」

慧音が神社に顔を出していた。

 

「ふーん食糧難ねー」

「ああ、これは少し厄介だ。」

事情を話すと

「バランスを保つのが巫女の仕事だし良いわよ。引き受けたわ」

基本面倒臭がり屋の霊夢だが、仕事であれば話は別だ。

「私も同行しよう。これは私の問題でもある。」

異変解決への歩を進めるのである。

 

「私ったら最強...ピチュン」

魔理沙は大概妖精にたいして扱いが雑である。

「また邪魔が入ったぜ。」

冬と勘違いしている。チルノを押し退け、森を突き進む。

ここは親友であるアリスに協力を要請しようと言うことだ。

そして

コンコン「おーい、アリス居るか?」

家に到着はするが返事がない。

もう一度ドアを叩くが当然のように返事がない。

「出かけたのかな?」

そう考え、一人でいくことにした。

「あっ魔理沙か、ここにいたのか」

「ん?」

声がする方を向くと

萃香がいた。

「永遠亭の方でなんか面白そうなことしてるから、魔理沙もくるかい?」

「面白いことって喧嘩でもしてるのか?」

魔理沙は尋ねる。

「うーんそういうわけではないんだけど騒ぎが大きいから楽しそうなのさ」

「ふーんまぁ萃香は行ってきな。私は文屋のとこでもいってくるから」

「お?何かそっちも面白いことするのか?」

「そうだな。簡単に言えば異変だよ。」

萃香このときおかしく感じた。

純粋な疑問だが何故ここまで断定しているのだろう?異変となんて

(まぁいいか)と萃香は思いこの場をあとにする。

 

枯れ葉が溜まりにたまって子供たちが焼き芋を作っていた。

はぁーとため息をつく霊夢は人里の状況を理解する。

この状況に至った過程が分からない。

それが疑問である。

頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると

「あれってアリスよね。珍しい今日は人形劇でもしてたっけ?」

「いや、予定ではそんなことなかったが」

慧音がそう答えると

「ねぇあれって魔理沙よね?どこほっつき歩いていたんだか」

「そうだな。」

その時だった。

虚ろな目をしている二人は対峙しているかと思ったら戦闘を始める。

「「はい!?」」

理解不能だ。魔理沙が何かしたのだろうか?

あーいや、やっぱりあったな。魔道書とか。今回とは関係ないだろうが

「...っ!」

「くっ!」

やっぱりおかしい。

「普通ならもう少し怒った声でも聞こえてきそうなのに」

いささかそれは物騒である。

「確かに...「危ない!」」

霊夢がお祓い棒は振るうとなにもないところに何かがお祓い棒に当たる。

「...どうして気づかれた」

枝麻が地面から出てくる。

「勘よ」

勘かよと慧音が思う。

「そう。せっかくあなたたちにも遊びに加わって人形役してほしかったのに」

「人形?」

「あなたが魔理沙たちを操ってるのね?」

「うーんまぁそういうことにしとくよ」

(どうくる?さっき不意討ちしていたが今度も?いやもう効かないと相手も思っているだろう)

「霊夢は二人を頼む。私はこの妖怪を相手する。」

「うんわかったわ、頼んだわよ」

ボコッと地面が穴をあけそこに枝麻が逃げる。

「ちょっ逃げるの?」

霊夢はそう言うと二人の方がこちらを向き接近してくる。

それを見た霊夢はため息を漏らし

「さっさ終わらせるわよ。」

「...っ!」

「くっ!」

魔理沙たちは宣言をせずにスペルを使ってくる。

霊夢の避けたマスタースパークが炸裂し民家を襲う。

「操られてても行動はいつも一緒なのね」

霊夢が反撃しようとスペルカードを用意したがふわっとアリスたちは空中から張りつめていた糸が切れたように地面に落下していった。

(逃げるため時間稼ぎ?それともただ単にさっきいた枝魔が言っていたように遊びだったの?)

疑問は積もるばかりである。

 

意識が混濁するなか魔理沙たちは

(辛い、足も口もまともに動かせない、もどかしい。)

(おねぇさんたち、どう?人形になった気持ちは)

((最悪よ)だぜ)

(ねぇ、枝麻はいつもこんな気持ちだったの?)

アリスが訊くと

(う~んそんなことなかったわよ。だってあの方がいたと思ってたもの。でも偽物だった。)

そう暗く言っていた枝麻だったがすぐに明るい口調で大丈夫と言う。

(あなたたちに危害は加えないわ。約束してあげる。人間どもにはとっくの昔に仕返ししてるし、後は偽物を殺すだけね)

(偽物?)

(あなたたちには関係ないわ、もう少し操られてなさい。)

(あっおいちょっと待つんだぜ!)

(...?どうしたの)

(貴女は昔は御伽という名前だったと言ったわよね?)

アリスがすかさず引き留めのフォローに入る。

(ええ、そうよ)

(いい名前ね。)

(えへへ、そう?やっぱり陰陽屋さんは特別だよ。)

照れるような声が聴こえる。話が無茶苦茶だがこれが限界だった。

(だけどね。感覚を共有してるからあなたたちの意図はわかるのよ?)

(...く!)

(ふふ、私の能力は根を広げる程度の能力。私を中心にネットワークを構築し共有させたりできるの)

(何だぜ筒抜けなのか)

(そういうことになるわね)

(話はこれくらいにしないとそろそろこっちも危ないのよね)

((?それはどういう...))

プツンと音がして感覚が突如戻ってくる。

「うう、眩しいんだぜ」

「何してるのよ魔理沙、黒幕が逃げちゃったじゃない」

「しょうがないぜ。なぁアリス」

「え!?ええそうね」

偽物これは何を示しているのだろう?これ疑問だけがアリスの周りをぐるぐると回っていた。

「アリス!行くわよ」

「わかってるわよ」

 

霊夢とその一行は迷い森を歩く

アリスと魔理沙が最後に記憶していた場所だ。

「ねぇこの根っこどう思う?」

何かを見つけた霊夢が言ってくる。

「明らかに怪しいだろ」

当然のように慧音が答えると

「そうよね。良かったー感覚狂ってなくて」

そう言いながら「御札を貼ろうとするな!」

根っこから姿を現すのは右腕と左足の無い方の枝麻である。

「あー危なかった。妖怪なんだからもう少し優しくしてよ!」

(子供か。)と思う彼女らである。

ふと思って

「誰よ!あなた」

「初対面でそれはないでしょー、私の名前は、旧名、御伽、今は枝麻。」

「枝麻?私たちもさっき枝麻とやらに会ってきたが?」

「ああ、あの子達ね。あれは...」

言い掛けたが、炸裂音にさいぎられる。

「みーつけた」

「...やっと会えた」

枝麻が三人いる。皆は混乱している。

「枝麻が三人!?」

霊夢が声をあげる。

「どこいってたの?」

「しょうがないよ。私たちはもとは一緒でも私たちは感覚を共有出来ないんだから」

「どういうこと?」

疑問をアリスが口にする

 

「私たちは三身一体。私が右腕で」

「...私が左足」

「そして私が本体といったところ。三分割ということは脳機能も感情もみんなバラバラということなの。

ところで確かここにはスカルカードルールというのがあるんだっけ?」

「スペルね、骨じゃないわよ」

アリスが正す。

「そうそれ、折角だしそれに従いましょう。」

「もしかして三人で?」

「いや、全員でかかっていいよ。」

と言って二人は本体に近づき

「私は一人でするから」

本体を貫く。そして三人に植物が取り巻きひとつになる。

「なっ!」

「ん?どうしたの?元に戻っただけだよ。どう?こっちの方がやっぱり動きやすいんだよねー。さあ、体も戻ったことだし始めよう。」

「多少むごいことになってるけど、要はそれでするのね?」

「そう、私対皆でね」

 

一方その頃

(穴をあけた奴はどこへいったのだろうか。)

くおをセレスに預けめいは穴を探索する。

そこは真っ暗もよいところと言えるくらい何も視界に入らない。

風切りの音が空洞を通り、涼しいより寒い。めいといえ服装が和服なだけに寒いだろう。

だが顔に出さないのがめいである。変に見栄を張るのだ。

砂でできた壁はすぐにでも壊れるほどにボロボロとしている。壊れないのだろうが。

めいは疑問を持つと納得するまで突き詰める子だ。

だから彰が渡したあの本も当然読んでいた。

今もその疑問を持ち続けている。

本に書かれていた問題

[私は何を求めたでしょう?]

ふざけた問題だ。

指示語が何一つない解かせる気がないようだ。

しかしめいにはわかっていた。

彰の意図が

(いかんいかん仕事に集中しなくては)

その思考を突いたように声が聞こえてきた。

「なんとまあ誰に似たんだか」

「誰!」

(この私が気付かなかった何者だ?)

「あれ?きみは私のこといってないんだ。意外ね」

洞窟に黒い着物が同化してわからなかったが

めいのすぐそばにいたようだ。

「その様子じゃあ言ってないのね。知らないならそれでいいわ。私は敵であり味方である。これの意味貴女には分かりでしょう?」

「貴女はまさか!?」

驚きを隠せないようだ。

「うん機転が回るところはやっぱりあの人に似てるわね。ってこんな話しに来たんじゃなくて、能力は機能しているのね。模範回答は貴女の中に眠っているわ。あ!あと、早くしないと死ぬかもね。そして最後に嫌な見栄は良くないわよ。」

「っ!貴女は一体...」

風が突然吹き荒れる洞窟なのに。その強風にめいは自分の視界を覆う。

やむ頃には黒い影は無くなっていた。

「...いない」

めいの声が響く

めいの見栄とは何なのだろうか?




第三章最後となりました。

枝魔という少女に翻弄された少女たち
偽物を探していると言うがいったい誰なのだろうか?

次回 虚無の人形最終話 記憶のすみに
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