物事に犠牲はつきものでそれは変わらない事実。それをいかに私たちは過ごしているか。今回はそんな彰のお話です。
「ご主人様この泥棒を...「言わせないよ!?」」
朝っぱらから紫の襲撃である。南館倉庫が襲われた。それに青筋を浮かべ追いかける従者四人。正直双方ともに自嘲してほしい。
「零符 知らんぷりの澄まし顔」
(あーやっちゃったー。とりあえず片付けはめいに任せるか。)
「なんとか捕まえました。」
めいが報告する。従者四人がかりで紫を捕まえる。流石である。しかしそんなことは彰にとっては意味などない。どちらかと言えば倉持邸南館が崩壊した事に怒るのである。
説教中
「反省の言葉は?」
「「「すみませんでした。」」」「嫌です。」
そう言うのはめいである。めいだけが不満そうにこちらを見つめてくる。
「なぜ!ご主人様は私達にそこまで怒るんですか!?どうしてご主人様は許せるんですか!?どうして!どうして...」そしてそのまま踵を返し飛び去っていく。
「あっおい!」
彰は何もできず何も言葉を出せず小さくなっていくめいの後ろ姿を見るしかなかった。
「めいにしては珍しいねぇ。」
きみがニヤリと笑いながら言う。
「確かにいつも冷静な彼女らしくありません。」
くおもそう感じたようだ。
そしていつもどうりのセレスが
「まぁめいのことはいいので、この泥棒をどうしようか?」
マイペースは本当に空気を読まない。しかしそれでも従者の質問に答える彰。
「封印でもするか」
「えっ!?ちょっとまっ···」
紫を静かにしたところで、
(探しにいかないとな。)
彰は思うのであった。
人里に訪れるめいを見つけると小鈴が嬉々として近づいてくる。
「めいさんではないですか。どうしたんです?」
当然このような質問が来るもので流石にちょっとした喧嘩をしたなどと言えるはずもなく。
「···それは···その」
「言いにくいことならいいんですよ。私はただ久し振りに会えたことと助けていただいた恩を返したいと思いましてね。」
「そんな大したことをしたわけではないのでいいんですよ。最近どうですか?仕事とか人里の様子とか」
めいが話を変えたくて強行突破を試みて質問する。
「そうですね。最近は仕事はあまり良くないですね。実質本は暇の合間を縫って読むもの、様子もそうですが人里全体としてあまり良い傾向ではありませんね。」
「···そうですか。」
何となくで言った質問が何とも難しい内容の答えが帰ってきてしまい扱いに困る。実際、彰たちがすぐに退治できなかったせいだからだ。その責任は拭え切れない。勿論ここ数日で死者もでている。本格的に信用を失いかけている気がしてならない。しかしここでは下手に声に出さず人里の現状を知ることが大切に思いめいが今聞いている。それが従者としての存在理由。
さっき静かにした紫がなんとか復帰しさっきの出来事について聞いてきた。
「あの、さっきのことだけど···」
「ああ、その事かそれは「それはあたいが説明しようか」」
彰とめいが思う冷静が違うことを気づけない二人。紫がその説明で聞いたものとは?
次回
紙一重