東方幾能録   作:arnehe

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燃えた

くお、守るって一体なんだろう?突如開 始される疑問。くおに投げかける。問い かける彰。それは幻想郷管理人代理解雇 の後のお話。

 

扉を閉める音、想定内の自体を告げる音 であった。セレスがこちらに気づいて手 を振る。それを君とくおがたしなめる。 なんともあの後の雰囲気としては、場違 いな感じがしてしまう。しかしこの雰囲 気がいつも通りなのだ。そう、これが元 の彰の世界。

 

部屋から数十冊の本を持ってきた。題名 はない。庭にぽっかりと空いた穴に全て を捨て入れ、

 

「やっと消せる…。」

 

そう言ってマッチで火をつける。メラメ ラと先端で赤く燃えるその炎がアキラの 目に映る。その表情はやっとの思いでこ れらを燃やせる安堵か、それとも悦に 入っているのか。定まらない目の焦点。 そして火にくべられる。その瞬間勢いよ く燃え出す。燃え続ける。そして何に反 応したのか、炎の色が変わっていく。悲 しい青、楽しみの緑、怒りの赤、喜びの 黄。色とりどりの炎が本の周りを踊り狂 う。そう見えているだけなのかもしれない。やはり人の感覚はあてにならないとそう思う彰である。最後は灰となり風にさらわれる。何 もなかったかのように。そこには何も残 らなかった。

 

暫くすると彰は周りの従者に声を掛け る。

 

「さぁ行こうか?」

 

「「「はい!」」」

 

そして結界を張った屋敷の外に出る。ふ と気付いたように彰はこう尋ねる。

 

「めいはどうしたっけ?」

 

従者のくおは優しい目でこう答える。それがただの確認の問いでないことを知っているから。

 

「人里に遊びに行きましたよ。」

 

「そうか、それは良かった。」

 

めいも世間に遊びに行けるほど興味を持て たのかと気の合う仲でも出来たのかと彰は安心して楽しそうに周りに話 しかける。未だ従者は優しい目で彰をみ る。数十分前の真実を知っているから。

 

「ふふ、ははは!あははは。」

 

彰は突然久しぶりの季節の陽気や外の活気を感じ楽しそうに笑い出すと

「外へ出るのは()()()()()。楽しい な?」

 

「それはまことに喜ばしいことであります。」

 

くおがまたそう返した。従者たちは優しい目で彰を見ている。この言葉の意味を従者は知っているから。

 

彼に起こっているのは、前にめいがしたような記憶の欠如だけなのではない。めいは記憶の管理者、ゆえにその能力の本質は記憶を本として今後に残すこと。前に紫が癇癪を起こしたが、全く記憶は消していない。しかしその記憶はたった今消えた。記憶を消したいと思ったわけはこの世界で三人だけだった。

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