守護の都〜上巻〜1
今前にいるのは天下に名を轟かせその身を皆の未来のために使う者、その名を聖徳太子、改め豊聡耳 神子。彼女が言うには先の妖怪はこの近辺には生息していない存在のようである。
「で?これを俺に言うってことは?」
「……はい。私どもと協力してもらいたく、また道教の柱として皆様に紹介したく思っております。」
ここまで聞いた俺は考えた。そもそもここはどこなのかも分からぬまま承諾して良いものか?と。彰がここに来る前に燃やした本は幻想郷の記憶に関する一冊、つまりここ数ヶ月のことを記録したものである。そのため、彼は状況把握をうまくできずにいた。
しかしこうやって第一村人を発見した今、周りの今でも攻撃を開始しかねない従者四人を宥めながらこう切り出すことにしたのである。
「そもそも、ここはどこか説明してくれるか?」
そして帰って来た返事は、
「「「へ?」」」
尚彼らは顔見知り三人の声である。
〜少女たち説明中〜
「……つまり何だ?ここはあの妖怪の賢者 八雲紫の作った幻想郷っていうところだっていうのか?」
「はい、そうなりますね。図らずともこの世界に来てしまったのはなんと言いますか。ある意味この世界ではエラーに該当するようです。」
「えらー?」
「はい。基本は八雲のところがこのような住人を管理しているようなので。此度の件は八雲の存ぜぬ存在となっているでしょう。」
「ふむ。そういうことか。まぁその時はその時で挨拶していくとしよう。」
「あのー……。」
以後従者たち心の会話
ねぇねぇ。めい。
なんですか?セレス。
あの幽霊っぽいやついるじゃん?なんかご主人もとい漸様の顔ジロジロ見てて気持ち悪いんだけど。こいつ殺す?殺していいよね?
いや、あれはれっきとした亡霊ですから。しかしそれにしてもあの亡霊、名はなんていうんでしたっけ?
はー、めいさんもセレスもお行儀が悪いですよ?確かあの人は、蘇我 屠自古と言ったはずです。……ていうか記憶担当はめいさんですよね?
あーありがとうね。くお。まぁ、しょうがないのよ。ご主人様以外の記憶なんて必要無いし。ていうか、くお。最近私に冷たくないですか?あの頃のくおが、懐かしいオヨヨ。
あの騒動起こした人が何言ってるんですか。それに私たち殺し合った仲ですよ?
それもそうだったわね。まぁ話を戻してっとあの蘇我とやらを殺しますか。
そうですね。
そうだねー。
いやいやいや、まてよお前ら。
なに邪魔をするんですか。きみ。今蘇我とやらの頭の中を書き換えて発狂させ自害まで追い込もうって時に。
さりげなく対応もえげつないな。それはともかく大人しくしとけって。特にお前なんてさっき怒られたばっかだろうが。
うーん。そうなんですけど。きみに言われるとなんか嫌になると言いますか。
ほほう。お前さては喧嘩売ってるな?残念でしたー。私そんな簡単な挑発のりませんー。
万年捨てられた女が何言ってるんですか。きみに、これから先希望が叶うことなんてないですから。
前言撤回だ。お前表出ろ!!
「あのー、全部聞こえてますよ?」
「「「「……あ?」」」」
この後、彰とその一行は、彼らの申し出を一時保留にさせてもらい、倉持邸へと説教しに帰るのであった。
薄暗い廃墟にて
黒と称する女と妖怪となった男が一人。彼はある程度、石を埋めてくるとこう口を開いた。
「この石が俺の妖怪化とに関係あるのか?」
そう言うと彼女は不敵とも嘲笑ともとれる顔でつらつらと言うのである。
「これはね。この土地の龍脈を崩すの。何が起こるかというと……。と言われても貴方あそこのハクタクにそこまで教わってないか。」
「慧音先生は関係ないだろう。」
そういうかの慧音の生徒の一人であった男に彼女は畳み掛けた。
「いいえ。関係ないだなんて言わせないわ。知ってるでしょう?最近守矢神社の動向など宗教の今後介入してくることを。だから此度の一件によってハクタクも博麗の巫女も守矢神社も命蓮寺も道教の者共もみんな理解するのよ。真にこの世を救う存在を。そしていかに自分たちは無力で愚かであるかを。」
そう最近彼らの中で異様な行動をしているのは確かであった。ビラ配りに加え宗教の拡大や、人物探し等もしていた。そしてそれはどの宗派も同じである。
「だからこの戦ではっきりさせましょう。幻想郷を守るにたる存在とやらをね。」
「そのために俺が必要だ。と?」
「ええ、あなたとの契約はしっかりと施行するから心配しないで。ふふふ。」
黒く笑うその姿に少し見惚れながらその姿を妖怪へと変え一声の雄叫びを放った。