東方幾能録   作:arnehe

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守護の都〜中巻〜7

過去の話をしている慧音や藍らと代わって彰一行は。

 

「んーこの団子は上手いな。」

 

「はい。私もそう思います。」

 

「右に同じでーす!」

 

「……。」

 

そう彰が感想を口にすると他も続く。そんな中、きみは団子を瞳に写し見つめていた。

 

「……どうした?きみ、そんなに見つめて。」

 

そう彰が聞くとそのことに興味を持ったのか。めい、セレスがきみに顔を向けた。ちなみに、くおは所用で出かけていた。きみはしばらくその団子を見つめていたが、彰の方を向くと。

 

「素晴らしい!!」

 

一同ハテナマークを頭に浮かべた。そしてきみはお菓子の良さを事細かに説明しだした。

 

「……つまり?その団子が美味しいと?」

 

めいがめんどくさそうにそう訊いた。

 

「おう、やっぱりこの光沢、餡子とのバランスそして何よりこの甘さ。美味!」

 

「つまり美味しいんでしょ?」

 

今度はセレスが確認するように言う。

 

「うん。やっぱり年代物は違うなー。うんうん。ご主人様ここは一五十個ほど買いためて欲しいな。」

 

「ダメですね手遅れです。セレス、手をつけられないほどの馬鹿さ加減を披露してますね。こいつ。」

 

「ああ?テメェになんでそんなこと言われないといけねぇんだよ。」

 

めいに呆れ顔でそう言われ、きみは激昂した。

 

普段適当で周りに当たり散らす、きみとは一風変わって可愛らしくお菓子への愛情を語っている。少し異常ではあるが。

 

「ん?見かけねぇ顔だな。」

 

ふと近くで言葉が聞こえた。彰は声のする方へ振り返る。そこには星のような笑顔を振りまく金髪魔法使い、霧雨魔理沙が店先で立っていた。

 

「そこの従者らは知ってるけど。そこの男は誰だ?」

 

その魔理沙はというと団子を片手にそこの男といったものを怪訝そうな顔で見つめていた。

 

「ああ、お久しぶりですね。魔理沙?さん。」

 

「おう、久し振りだな。確かめいだっけか?」

 

めいがいきなり喧嘩売っているが魔理沙はそこをスルーして続けた。

 

「人の名前くらい覚えていて欲しいものです。」

 

少なくともめいが言えたものではないと思うが魔理沙は知らない男に顔を近づけた。

 

「んー?どっかで見た気がするんだけどな。まぁいっか。私の名前は霧雨魔理沙、魔法使いだぜ。趣味は読書でいいかな?まぁそんなとこだ。お前は?見たところどこかの神だろう?」

 

そう顔を近づけた魔理沙に従者がうるさく言っているので収拾をつけるため彰は仕方なく名前を口にする。

 

「はじめまして、俺は……そうだな漸鑑の御神とでも名乗ろうか。旅人を見届けるもの守護神を務めている。なんでも気軽に呼んでくれ。」

 

「うーんやっぱり知らないしわかんないな。っま、私も神というのにそこまで詳しいわけじゃないけどな。」

 

と魔理沙はそこまで言うと一息お茶をすすった。

 

「っで?私としては驚きだぜ。あの従者らが彰以外に敬っている存在がいるってのがな。ああ、彰ってのはこいつらの主人な。」

 

「聞き及んでいるよ。」

 

そこで従者の暴走が始まる。

 

「何を言いますか。彰様や漸様以外にも翔様や雅様そして……。」

 

「めい!話しすぎだよー。……死ぬ?」

 

「テメェ恩も忘れたわけじゃあねぇよな。」

 

きみとセレスが座った目でめいを見つめた。それに気づくとめいは取り成すように、こほんとわざと可愛く咳払いで間を空け

 

「確かに、少し悦に入っていたのは否定しませんが。殺される気はありませんよ。皆さん?」

 

と応戦の意思を見せた。

 

「上等だ!めい、ここで決着をつけるとするか!」

 

きみの執拗な因縁には周りも辟易としていた。そんな時

 

「何やってるのよ。あんた達団子屋の前で喧嘩なんかして。銭のなくて団子も食べられない私に対して喧嘩売ってるの?」

 

「おー霊夢じゃねーか。どうだ?団子食べるか?」

 

そう言って魔理沙が一つ団子を差し出した。

 

「へ?ああ、ありがとう魔理沙気がきくじゃない。」

 

そう言ってあっという間に食べてしまった。そう食べてしまったのだ。

 

「……それ。私の何だけど?ピクピク。」

 

「あ?知らないわよ文句はあいつにいいなさいよ。」

 

すぐさま魔理沙を囮に使った。

 

「っ私の団子!魔符 菓子の恨み」

 

ネタに走っているのかわからないが少なくともきみは本気で殺しにかかった。それを止めるのは

 

「止まれ。あとで団子買ってやるから。」

 

「はい。」

 

きみが気持ち悪いくらい、しおらしくなっていた。それを見ていた魔理沙は

 

「何だぜ?この茶番は?」

 

「あんたのせいよ!!」

 

青筋を額にあげながら霊夢は叫んでいた。

 

少女落ち着け中……。

 

「っで?こいつらの素性は?」

 

霊夢の意見は最もである。

 

「ああ、こいつらは彰の従者と……。」

 

「俺は漸鑑の御神。気軽に漸とでも呼んでくれ。」

 

ふーんあそ。と霊夢が軽くあしらい。目的を聞いた。

 

「俺は旅の神でね。いろんなとこを回っていたんだが彰がここにいるってんで会いに来たんだ。あいつ幻想郷の管理人代理してるんだろう?」

 

「それはもう終わってる話よ。もうここにはいないし帰ってくることもないわよ。あら?でも従者もあることだしまだいるの?」

 

霊夢はそうセレスに話しかけた。

 

「んー?多分?」

 

「はー、そう言うとこ適当ね。」

 

「私もそこまで予定知らされてないもん。」

 

褒めていないのに無い胸を張った。

 

「あんた達、折角だし私に協力しなさいよ。ちょうどあんた神?らしいし。」

 

「はー最近そういうのが多いな。なんかのイベントなのか?」

 

たしかにここ最近で道教の輩にも勧誘を受けている彰は呆れるようにため息をついた。

 

「?あんた知らないでここにいるの?今わたし達は信者集めて金を巻き上……平和な世の中にするのに頑張ってるの。」

 

「今、素で巻き上げるって言ったぜ。霊夢のやつ。」

 

「見てはダメですよ。そいつは人を金と思ってそうですから。魔理沙さんもたかられますよ。」

 

「本人目の前で何言ってるのかしら?むしろたかられてるのは私の方よ!」

 

怒気を噴出し辺りの村民が道を開けた。ここまでくるといっそ哀れである。

 

そしてその時

 

ドーン!

 

遠くで破壊された音が鳴り響いた。

 

「よ、妖怪だ!妖怪が出たぞ!」

 

「魔理沙!」「分かってるぜ霊夢!」

 

「ご主人様。ここは私が……。」

 

「きみか。分かった。解決したら甘味処に一緒に行こうか。」

 

「よっしゃ!乗ってきた。」

 

純真な心を持つ少女達の戦いが始まったのである。

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