ハイスクールD×D 俺と愉快な神話生物達と偶に神様   作:心太マグナム

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……来ちゃったなぁ。

来ちゃったなぁ……。

奴が来ちゃったなぁ……。

シリアス書かないといけなくなるなぁ……。

助けて定治!ヘルプミー!


這い寄るシリアス

目の前の美少女を見て冷め切った表情をして、片手に深淵の門(ルールブック)を出す定治だったが、矢儀の「話は色々あるだろうけどご飯を食べてからでもいいでしょう?」という言葉を聞き入れ、大人しく席に着く。

 

夕飯を食べる定治だが目の前にいる少女が気になってしまい、味が全く感じられなかった。定治が黙々と食事をしていると、少女はおもむろに口を開く。

 

「定治さん、最近の調子はどうですか?」

 

「さっきまではそこそこだったけどお前が来たから最悪だな」

 

「も〜★こんな美少女がいるのに最悪とか酷くないですか?」

 

「いやお前まともなのは外面だけじゃん」

 

「ひっどーい★まだ何もしてないのにこんなにヒドく言うなんて……女の子にモテる要素ありませんね★ね?ショゴスくんもそう思うでしょ?」

 

可愛らしい、そして胡散臭い仕草をする少女を定治が冷め切った表情のまま見つめていると少女はショゴスに同意を求める。

 

「うん、定治ちょっと言い過ぎだよ。女の子を泣かせたらいけないんだよ?ダゴンさんが言ってたもん、間違ってないよ、うん」

 

夕飯を食べながらショゴスはうんうんと頷く。その様子を見て定治はため息をつきながら少女に向けて指を指す。

 

「コイツがカワイイ女の子?冗談にも程があるぜショゴスくん。コイツは外なる神が一柱、這い寄る混沌、クソ邪神ニャルラトホテップだよ」

 

定治の言葉を聞いたショゴスは驚きのあまり手に持っていた箸を落としてしまう。そして手を勢いよく振って誰がどう見ても焦った様子を見せる。

 

「……え?……いやいやいや!そんなビッグネームがホイホイ定治の家に来るわけないでしょ!冗談にも程があるよ定治!」

 

「おいニャル、今日お前俺が来るまで何してた?」

 

目の前の少女を這い寄る混沌と認めたくないショゴスを見て定治はため息をついてから少女の方へ先ほどまで何をしていたか尋ねる。ニャルラトホテップは定治の問いに対して人差し指を顎に当てて可愛らしく小首を傾げるとさも当たり前のように話を始める。

 

「えー?何って言われても適当に暇つぶししてただけですよ?この姿で街歩いてたら色んな人間が声かけて来たので、ソイツらを纏めてゲームしてたってだけです★」

 

「え」

 

この時、ショゴスの中で嫌な予感が遅れてやってくる。それはもう、ビンビンに。

 

「因みに、お前の言うゲームで今回何人が生き残った?」

 

「んー、ゼロですね★最近の人間はすぐ発狂して死んでしまうので全然面白くなくてつまらないです★全く、少しは足掻いてくれないと見てる側としてはつまらないので勘弁してほしいです★」

 

ニャルラトホテップがどんなヤツかをある程度理解している定治は夕飯を口にしながら生存者がいるかいないか尋ねると、ニャルラトホテップは笑顔でゼロと答える。そしてショゴスくんはとうとう理解する。目の前の少女がニャルラトホテップ本人だという事に。

 

「ニャ、ニャルラトホテップ様だぁぁぁぁ!?テケリ・リ!テケリ・リ!!』

 

「フフフ、ショゴスの言語で私を崇めてくれますか。嫌いじゃないですよ★あなたみたいなカワイイショゴスと会うのは初めてです。面白そうなのでこれからも見守ってあげますね★」

 

ショゴスは驚きのあまり人間の姿がすこし崩れてしまい、崩れてしまった箇所から現れた口から何かを必死に口ずさむ。ショゴスが何を言っているかわかるニャルラトホテップは笑顔で受け答えるが、それによりショゴスはより早口で何かを必死にニャルラトホテップに伝える。

 

『テケリ・リ!テケリ・リ!』

 

「いえいえ★そんなにかしこまらなくていいですよ★ただ見守るだけですから★」

 

「ヒィィィ!!?さ、定治ぅ!!」

 

とうとう恐怖に耐えきれなくなり、ショゴスは人間の姿で隣に座る定治の腕にしがみつく。ショゴスにしがみつかれた定治はため息をつくとニャルラトホテップを戒めるような視線を送る。

 

「ニャル、あまりショゴスくんを虐めてやるなよ。」

 

「えー★虐めてなんかいませんよ★」

 

「……ニャル」

 

とぼけるニャルラトホテップを見て定治がキツイ視線で睨むとニャルラトホテップはやれやれとため息をつく。

 

「もう★わかりましたよ★定治さんがそう言うのならやめますよ★あ、ご飯ごちそうさまでーす★」

 

「ほ……」

 

ニャルラトホテップはそれだけ言うと使い終わった食器をキッチンへと持っていく。どうにか災厄を免れたショゴスが安心してホッとため息をついていると、ニャルラトホテップがショゴスの元へ向かいショゴスの耳元で静かに呟く。

 

「命拾いしましたね★」

 

「ヒィィィ!?ぼ、僕もごちそうさまでしたぁぁぁ!!さ、定治僕もう帰るね!!お邪魔しましたぁぁぁぁ!!」

 

耳元で呟かれたショゴスは悲鳴を上げながら食器をキッチンに置くと逃げるように自身がやってきた門へと走り去っていく。ショゴスが帰ってから数分ほど経ち、定治も夕飯を食べ終え食器をキッチンへと持って行き、その後誰もいない部屋の方へ指を向ける。

 

「ごちそうさん。さて飯も食い終わった事だし、ついて来いニャル」

 

「えー?誰もいない部屋にこんなカワイイ女の子連れて行ってナニするもりですか?ヤラシイですねぇ定治さん★でもいいですよ?定治さんにならあげちゃいます!私のは・じ・め・て♡」

 

「おう、サンキューな」

 

「定ちゃーん、あまり声を大きくしないように頼むわよー?ウチが広いとはいえあまり声を大きくしたらご近所さんに迷惑だからー」

 

「それはコイツ次第だからなぁ。善処はしとくよ母さん。行くぞニャル」

 

「はーい★」

 

ニャルラトホテップは何を思っているのか頬に手を当てて体をクネらせているが、定治はそれを見ても至って普通に対応する。

 

部屋へ入る途中に洗い物をしている矢儀の言ってきた言葉に答えてから定治はニャルラトホテップを誰もいない部屋へと連れて行った。

 

 

ここは阿見家の客室、畳が置かれた広い部屋にはテーブルと座布団が置かれており、定治とニャルラトホテップはそこで話をしていた。だが、話をしているのに二人とも座布団もテーブルも使っていない。

 

何故なら現在定治が美少女姿のニャルラトホテップに容赦無く卍固めをかけているからである。

 

「それで今日は一体どんなご用件でしょうか、クソ邪神様?」

 

「イダダダ!?言ってることに対してやってる事違いすぎません!?ていうか何でいきなり卍固め!?さっきまでのシリアスは何処に行ったんですイダダダッ!!ギブギブギブ!!」

 

卍固めをかけられ悲鳴をあげるニャルラトホテップ。ニャルラトホテップの首を抑えている足に力を込めながら定治は真顔で答える。

 

「だってさっきくれるって言ってたじゃん。お前のは・じ・め・て(の卍固め)♡」

 

「何でそうなるんですか!?痛い痛い痛い!もうホント勘弁して下さいホントに!体のあちこちが悲鳴を上げてイダダダッ!?卍固めやめて下さいお願いします!!」

 

「キミがッ泣くまで!卍固めをやめないッ!」

 

「もう泣いてますから!目尻にうっすら涙浮かんでますから!だからもうやめて下さイダダダッ!?」

 

先ほどからずっと卍固めを掛けられているニャルラトホテップの目には自身が言う通り涙が浮かんでいる。普通の人なら美少女が浮かべる涙に卍固めをやめてしまいそうなものだが、定治は先ほどまでの冷め切った表情からニンマリとゲスな笑みを浮かべて、足と肘により一層力を込める。

 

「そしてッキミがッ泣いても!卍固めをやめないッ!」

 

「鬼ですかあなたは!?」

 

定治がより一層力を込めた分ニャルラトホテップの悲鳴もより一層大きくなる。定治はニャルラトホテップの腰に当てている肘をグリグリと捩込むようにしながらニャルラトホテップに向かって口を開く。

 

「さぁ吐けニャル!何をしに来た!?吐くまで卍固めはやめねぇからな!」

 

「痛い痛い痛い!大した用じゃないんです!ただ定治さんの顔を見に来ただけですから!ほら言いましたよ!だから離してくださいよぉぉぉ!!」

 

「嘘をつくな嘘をッ!テメェがそんな理由でここに来る訳ねぇだろぉ!!」

 

ニャルラトホテップは定治に聞かれた事に対して素直に答えるが定治はそれを嘘と決めつけ、卍固めから流れるように飛びつき腕十字固めを決める。

 

「卍固めからまさかの飛びつき腕十字固め来たぁぁぁぁ!?イダダダッ!!」

 

「ほら吐け!何で此処に来た!!言え!」

 

「ギャアアァァァッ!!いやホントに顔を見に来ただけなんですって!信じてくださいよぉ!!」

 

「テメェの俺に対する信用、説得、その他諸々の技能は全部ゼロだから無理!!」

 

「何でぇぇぇ!?少しは私の事信用して下さいよぉぉぉ!!痛い痛い痛い!!何で私がこんな目にぃぃぃ!?」

 

腕十字固めを決められ、悲鳴をあげるニャルラトホテップ。そんな声に反応したのか隣の部屋から矢儀の声が聞こえてくる。

 

「定ちゃーん、ニャルちゃんの声もうちょっと落とさせてー!テレビの音が聞こえないのー!」

 

「りょーかーい!おいニャル!もうちょっと声押さえろオラァ!!」

 

「それなら技かけるのやめて下さいよぉぉぉ!!ギャアアァァァッ!!」

 

ここで矢儀、プロレス技をやめてあげなさいというのでは無く、テレビの声が聞こえないから声を落とすように言ってくる。悲鳴に対しては特にこれといった感情を抱いてないあたり、阿見家の住人はジッサイスゴイ。

 

矢儀の声に定治が返すと、定治はニャルラトホテップに声を抑えるよう言いながら力を込めるが、それで声が小さくなるはずも無く、悲鳴は大きくなるばかりである。このニャルラトホテップの悲鳴はしばらくの間阿見家に響き渡るのであった。

 

 

ニャルラトホテップの悲鳴が治ってからしばらくして、現在客間には四つん這いになってガクガク震えるニャルラトホテップとそれを上から見下ろす定治の姿があった。

 

「……で、ホントに顔を見に来ただけなの?」

 

「だからさっきからそう言ってるじゃないですか!!少しは私を信用して下さいよぉ!!」

 

「やだ」

 

「ヒドっ!?定治さんは本当に相変わらず自由人ですね……シクシク……ま、そこがいいんですけどね!」

 

「(もうちょっと技かけりゃ良かったと思った)」

 

今までの体験上、ニャルラトホテップと関わると碌な事がない事を理解している定治は未だ疑うような視線をニャルラトホテップに送るが、涙を流すニャルラトホテップを見て流石に悪かったかもと少し思う。

 

だがしかし直ぐに泣き止んでケロッとしているニャルラトホテップを見てついでに他のプロレス技でもやれば良かったと後悔する。

 

ニャルラトホテップは座布団に座り、定治によってブレイクされた序盤にあったはずのシリアスをどうにか取り戻そうと思い、話題として定治の神器、深淵の門(ルールブック)の事を尋ねる。

 

「定治さん、深淵の門(Gate of abyss)の使い心地はどうですか?」

 

「良いと思うぜ。神話生物の奴らは頼もしくて強い、なによりみんな面白いから退屈せずにすむ」

 

ニャルラトホテップが無理やり話を変え、尋ねた事に定治は直ぐに返答する。定治がどう言うかある程度予測のついていたニャルラトホテップだが、改めて定治の返答を聞き面白そうにクスクスと笑う。

 

「フフ、深淵の門(Gate of abyss)歴代所持者たちの中でそれを言うのはあなただけですよ。定治さん、神器というのは聖書に記された神が作ったのは知ってますね?ですがその神器だけは違います。その神器の大元は白痴の魔王が望み、面白半分に全てを知る無名の霧が書き上げ、最後に私がちょっとした祝福をかけた後、たくさんの神器たちの中に紛れ込ませたモノなんです。つまりは完全なるイレギュラー、人間からすれば碌なモノじゃないということ。そんなものを"良い"、なんて言うのはあなたくらいですよ(ま、あの後聖書の神は直ぐに気づいて、深淵の門(Gate of abyss)の削除こそ出来ていませんでしたがちょっとした仕掛けを施していましたけど。それで、地球の神もそこまで無能じゃなかったって続きの話があるんですけどメンドくさいので話しません)」

 

『あ、シャッガイからの昆虫、飲み物とってきて』

 

『うぃーw』

 

「うっわ全然興味なさそう」

 

ニャルラトホテップが深淵の門(ルールブック)がどういった物なのかを話すが定治は全く興味を持っておらず、シャッガイからの昆虫を呼び出し飲み物を持ってくるように頼む。シャッガイからの昆虫は素直に定治の頼みを聞き入れ、ペットボトルに入ったお茶を持ってくる。

 

先ほどまでニャルラトホテップにプロレス技をかけていて喉が渇いていたのか定治はペットボトルに入ったお茶をラッパ飲みして身体に水分が満ちるような感覚と共に気持ちのいい声を上げてからニャルラトホテップの言葉に反応する。

 

「……プハァッ!だって全然興味無いし。ていうかさ、前々から気になってたんだけどお前何深淵の門(ルールブック)の事深淵の門(Gate of abyss)って言ってんの?間違えんのやめてくれよ。コレ深淵の門(Gate of abyss)じゃなくて深淵の門(ルールブック)だから。」

 

「え?いやそう言われてもソレ深淵の門(Gate of abyss)って名前ですし……アレ?」

 

定治がルールブックを見せながら、自身の神器深淵の門(ルールブック)の呼び名が間違っていると指摘するとニャルラトホテップは頭にクエスチョンマークを浮かべて深淵の門(Gate of abyss)と書かれている筈の本のタイトルを見て固まる。

 

数秒後ニャルラトホテップは驚きのあまり大声を出してしまう。

 

「タイトルがRule Bookになってるぅぅぅぅ!?ええ!?ちょ、ま!えぇ!?なんでぇぇぇ!?」

 

「ニャルちゃんうるさーい!」

 

「ごめんなさい!ル、ルールブックゥ!?え、ええ!?」

 

大声を出した事でテレビを見ている矢儀に怒られ、直ぐに謝るニャルラトホテップだが驚きは未だ収まっていない様で深淵の門(ルールブック)の表紙にデカデカと書かれているRule Bookというタイトルを再び見てから再度驚愕の表情を見せる。驚愕の表情を見せるニャルラトホテップとは対照に定治はいたって普通な顔でさも当たり前の様に話す。

 

深淵の門(Gate of abyss)って名前ダサいから無理矢理ルールブックにタイトル改名させた」

 

「えぇぇぇ!?そんなホイホイ出来るもんなんですか!?」

 

「コレにお前ルールブックだよな?って言い続けたら出来たぞ」

 

「定治さんSUGEEEEE!!」

 

衝撃の事実を知り、再度驚くニャルラトホテップ。しかしここでいつの間にかシリアスが消えかけている事に気付き、軽く咳払いをして話題を変えてシリアスを取り戻そうと画策する。

 

「ゴホン、そう言えば定治さん。あなた教会の人間たちと手を組む事にしたんですよね?……あの娘たちも可愛そうですよねぇ、本人たちが知らないとは言え、敵が自分より強いヤツなのにその相手をしなければならないんですから。……聖書に記された神なんてもういないというのに一体彼女たちは何のために戦ってるんでしょうね?」

 

「ああ、だけど立場上やるしか無いんだから仕方ないんじゃねぇの?事が終わったらドリームランドで鬼ごっこさせてやるけどな。……おい待てお前今最後何つった?」

 

「あぁっと!私の混沌レーダーがビンビンに立ちました!ちょっとそっちに向かいますね!それじゃお邪魔しました!消滅(VANISH)!」

 

ここでニャルラトホテップは定治にシリアスを殺される前に逃げる事を思いつき、片手をシュタッと上げて消滅の呪文を使ってこの場から去る。後には驚いた表情を浮かべる定治とソレを興味深そうに眺めるシャッガイからの昆虫だけが残る。数秒経ち、ニャルラトホテップが言い逃げした事に気づいてから定治はワナワナと身体を震わせてペットボトルを握りつぶす。

 

「あのクソ邪神最後にとんでもないこと言って消えやがった!!」

 

『定治がめっちゃ驚いてるんだけどw』

 

『何コレ大爆笑w』

 

『ちょーウケるwダッヒャッヒャッヒャッw!!』

 

「クソがぁぁぁ!!だからアイツ嫌いなんだよ!いつもいつもとんでもないネタぶっ込んできやがって!!今回はそうさせないように注意してたのに言い逃げしやがった!!あんのクソ邪神がぁぁぁぁ!!「定ちゃんうるさーい!」ごめんなさい!」

 

爆笑して笑い転げているシャッガイからの昆虫を無視して定治は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて絶叫する。絶叫をしたため、定治は矢儀に怒られ声を抑えるがその顔は今度ニャルラトホテップに会ったら地獄の断頭台をやりかねないような表情を浮かべていた。

 

 

「いやー相変わらず定治さんは面白いですね★ホント、人間にしておくには惜しい方です★」

 

定治の家から出ていったニャルラトホテップは消滅の呪文用の箱を回収してから夜の街をのんびりと歩く。その姿は千の貌を持つものと呼ぶに相応しく、1歩くにつれ様々なものへと変化する。

 

1歩歩く、その姿は赤き衣を纏った威厳ある女性へ。

 

「定治、妾がお主に初めて会った時言った言葉を覚えておるか?」

 

1歩歩く、その姿はスーツを着た褐色肌の青年へ。

 

「あの時キミは興味無さそうにしてたが、今はもう違うんじゃ無いかい?」

 

1歩歩く、その姿は白衣を纏った研究者へ。

 

「お前は今も昔も、そしてこれからも様々な事に巻き込まれるだろう、私が手を出すまでも無く。」

 

1歩歩く、その姿は胸元が大きく開いたスーツを身に纏ったメガネをかけた美女へ。

 

「キミは我が主が選んだ主役、私はキミという存在にすごく興味を持っているんだ。」

 

1歩歩く、その姿は顔の無いファラオへ。

 

「故に貴様という一つの物語を盛り上げるため、協力は惜しまぬ。」

 

1歩歩く、その姿は長い銀髪の美少女へ。

 

「楽しみにさせて貰いますよ★あなたの物語を、ね。……おっと」

 

銀髪の美少女へと姿を変えたニャルラトホテップだったが、曲がり角にいる人物を察知し、その姿を神父服を着た三、四十代ほどの白髪の男へと変化させる。神父の姿へとなって歩いてから二、三分経つとそこに階位の高い者が着る法衣を纏った男がいた。男、バルパー・ガリレイは神父の姿へとなったニャルラトホテップを見つけると険しい表情を浮かべて歩み寄る。

 

「探したぞナイ。何処に行っていた?」

 

「なに、ちょっとした散歩ですよ。気分転換には丁度いいので」

 

「まったく、散歩に行くのなら一言くらい言え。今は一刻一秒が惜しいのだ、勝手な行動は許さん」

 

「フフフ、すみません。これからはそうしますよ」

 

バルパーの非難の言葉をニャルラトホテップは笑って軽く受け流すとバルパーは呆れたように溜息をつく。

 

「ハァ、計画は既に最終段階へと向かっているのだ、勝手な行動をされては困る。……計画は私の予想よりはるかに順調に事が進んでいる。後は準備を整え、機を待つのみ。これも何かと協力してくれた貴様のお陰だな」

 

「フフフ、私は自身の目的の為にあなたの計画に一枚噛ませて頂いているだけなので。どうか私の事はお気になさらず」

 

遠回しに礼を言うバルパーだがニャルラトホテップは軽く笑って気にもとめていない。バルパーは未だニャルラトホテップの真意を掴めず探るような視線を向けるがそれも時間の無駄と判断し、ニャルラトホテップに背を向ける。

 

「……私はもう戻る。エクスカリバーの事が気になるのでな。貴様も気分転換とやらが済み次第来い」

 

「了解いたしました。ああ、そう言えば話は変わりますが近くのコンビニで一風変わったBLTサンドが発売されたとか。私はこの後買いに行く予定ですがバルパーさんの分も買ってきて差し上げましょうか?」

 

「いらん。飯など栄養さえ足りてればそれで良い。」

 

ニャルラトホテップの言葉をバルパーは一蹴し、コツコツと歩いて何処かへ向かう。バルパーが見えなくなるのを確認した後、バルパーを嘲笑うかのように笑う。

 

「全く、困った人間だ。やはりアレはダメだ、全く面白くない。まぁ、つまらない人間でも物語のちょっとした刺激にはなるか。その点では期待しているよ、バルパー・ガリレイ」

 

ニャルラトホテップは神父服の男の姿から銀髪の少女へと姿を変え、空に浮かぶ星たちの、その先を見て目尻を下げ、口角を吊り上げてニンマリと笑う。

 

「定治さん、初めて会った時に言った"門のある所に安息など無い"、この言葉ゆめゆめお忘れなきように……フフフフフフフ!」

 

その言葉を最後にニャルラトホテップの姿は夜の闇の中へと消えた。




こんなに長く書いたの初めてだゾ……ぬぅぅわぁぁぁん疲れたもぉぉぉん!

作者が凄く疲れてる……これもニャルラトホテップって奴の仕業なんだ(確信)

さて、ニャルラトホテップ登場。彼がこの作品においてどんな役割なのかはもう決めてあります。おふざけ的な意味で、ですが。

それと一応言っておきますが、現在ニャルラトホテップはナイ神父の姿をしてますが別にアーカム計画とかはやらないのでご安心を。

定治がこの邪神の所為でどんな目にあったのかはちょくちょくポロっと書きます。

テキトーな外なる神講座

Nyarlathotep
外なる神の総帥、白痴の魔王アザトースをあやす蕃神。知性の無い主の意思を具現化させるために動いている一方で、その主の事を冷笑している。千の貌を持つとされ、様々な姿(化身)としてその姿を現し、混沌と狂気をもたらす。過去に色々な事に定治を巻き込み、そのせいか定治はこの神に対して非常に辛辣。なお、基本的に人間を見下しているのでたまに手痛いしっぺ返しをされることがあるそうな。

SANチェック この神が人間の姿をしている時、SANチェックは無い。


卍固め
日本の有名なプロレスラーが使っていた技。肩、脇腹に最もダメージを与え、首筋、腰にもダメージを与えられる一度で4度おいしい技。ノリで一回された事あるけどメチャクチャ痛かったゾ。良い子は絶対友達にやっちゃダメだゾ。

飛びつき腕十字固め
文字通り相手の腕に飛びついて勢いで相手をマットに倒しそのまま腕十字固めを決める、という技。動画で見てなんかカッコいいと思いました(コナミ感


作者はプロレスあまり詳しくないので何かカッコいい、派手なプロレス技とかあったら(定治にやらせたいので)作者に教えて下さい!お願いします!
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