ハイスクールD×D 俺と愉快な神話生物達と偶に神様   作:心太マグナム

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今回からオリ主定治くんにヒロインがつきます。

急に路線変更してすみません。

こんな作者ですが今後ともよろしくお願い致します。


肉食系女子

部長と副部長にお仕置きを食らった俺は木に突き刺さって数秒動けなかったけど何とか気合いで持ち直し自販機で飲み物を買いに行った。

 

「ふぃー、ヒドイ目にあった……」

 

いや本当に。あの人たち最近俺に容赦しなくなってるって。一誠の時はあんなに優しいのになんで俺の時はあんなに容赦無いの?定ちゃんコレが全く持ってわからない。

 

もしかして普段の俺の行いに問題が……?

 

いや、無いな。俺成績優秀で運動もできるもん。元気ハツラツさも一誠と同じくらいだし。

 

この前やったイタズラも部長と副部長のカップに滅茶苦茶クエン酸の濃度が高い水をカップ全体に塗っておいて紅茶飲んだ部長と副部長が盛大に吹いたのを見て爆笑したくらいだし。

 

うん、何も悪く無いね!いやー部長と副部長の吹くシーンは腹抱えて爆笑したなぁ。マジ最高だった。

 

「定治」

 

「ん?ゼノヴィアか、どしたん?」

 

冷えた飲み物を顔に当てて涼む俺にゼノヴィアが声をかけてくる。

 

あらやだこの子ったら結構際どい水着着てるじゃない。

 

欲情とか全然しないけど。

 

「少し話をしたい。ついてきてくれ」

 

「ん?まぁいいけど」

 

ゼノヴィアに連れてかれ俺はビート板等が仕舞われている部屋へと入る。あ、そうだスポーツドリンク飲も。やっぱ暑い日はキンキンに冷えたスポーツドリンクか炭酸だよね!

 

あーこの身体の中で水分が満たされる感覚堪りません!

 

「プハァッ!そんで?話って何よ」

 

あ、二口目飲んどこ

 

「うむ単刀直入だが定治、私と子作りをしよう」

 

「ブホォッ!?」

 

ちょ、待って!むせた!器官に入った!マジで入った!

 

コイツ何とんでもないこと言ってんの!?

 

「ゴホッ、ゴホォッ!?お前正気か!?言ってる意味わかってんのかテメェ!?」

 

お、落ち着け俺。先ずはさっき飲めなかった分の水分を補給しておこう。

 

「あぁ、※自主規制※をしようと言っている」

 

「ブホォッ!?」

 

待って!ホントに待って!2回目なの!むせたの2回目なの!器官が機能しなくなっちゃう!ていうか何コイツ堂々と言ってんの!?少しは恥じらいっていうの持てよお前女の子だろ!?

 

「ま、待てゼノヴィア!一体どうした!なんか俺お前に惹かれるような事した!?ていうか昨日俺に斬りかかってたじゃん!何でそんな思考に至ったんだよ!?」

 

いやマジで!俺顔はいい自身あるけど中身コレだよ!?惹かれる要素ないよね!

 

おいやめろゼノヴィア!真剣な顔で俺を見るな!俺の目を真っ直ぐ見るなァ!シリアスな空気を作らないでぇ!

 

 

「……そうだな。話すと少し長くなるがあの時のコカビエルとの一戦。実はあの時私はもっと早くに来る事が出来た。だが私はそれをしなかった、いや出来なかったというべきだろうか。理由はお前だ定治」

 

「……どういう事?」

 

あ、ヤベ

 

俺もシリアスになっちゃった。

 

「お前はあの時コカビエルに手を切り飛ばされたにも関わらず涙を堪える木場祐斗を思い、心配をかけまいとしていた。あの時お前が木場祐斗と背中合わせで見せた笑み。何時もふざけているお前があの時見せた笑みは確かな優しさがあった。気がつけば私はお前に見惚れミ=ゴに声をかけられるまで戦闘態勢に入ることができなかった。……ギャップにやられたとでも言うのだろうか、あの時お前が見せた笑みが私の頭の中で離れないのだ」

 

……待って、結構恥ずかしいんだけど。やめてくれよそう言うの慣れてないんだよ。

 

「それと、昨日の件は話が別だ。単純にイラついたから斬りかかった」

 

「イラついたから斬るとかお前何処の暴力系ヒロインだよ!」

 

「何、お前なら白刃どりすると思ってたさ。後はまぁノリだな」

 

「うんノリなら仕方ないね!」

 

ノリなら仕方ない、ノリなら仕方な……くねぇよ!幾ら何でも殺しに来るのはOUTだよ!やるならせめて竹刀でやってくれよ!

 

おい何微笑んでんだよ!?最後の方全然いい話じゃねぇだろ!

 

ていうかさっきから何で俺が常識人みたいな立ち位置になってんだよ!!

 

だが俺の心の声を無視しゼノヴィアは再度俺の目を見て話を始めやがったマジファッキン!

 

「それにこう見えて私はお前と相性が良いと思っているぞ。この数日間お前は私に日本での生活に慣れさせるため色々な場所へ連れていってくれただろう?」

 

ああ、確かに部長に頼まれていろんな所に連れて行ったな。

 

"つい先日"

 

『むぅ、中々取れないな』

 

『しょうがねぇなぁ、これは一回で取れるもんじゃねぇんだよ。数回に分けて……ホラ取れたろ?うわ、取ったはいいけどこのクッションちょっと俺の部屋に合わねぇな……よし、コレいらねぇからやるよゼノヴィア』

 

『う、うむ。ありがとう、定治』

 

『おーう』

 

 

 

『ここのカフェはウチの女子どももよく来る店だ。アイツら注文する時謎の言語言ってるからソレ言える方になった方がいいんじゃね?俺カフェラテしか頼めないけど。ここのカフェラテ美味いだろ?俺もここ好きなんだけどさぁ、女子どもの視線が怖くて中々来れないんだよなぁ』

 

『うむ、確かに美味いな。皆がよく来るのも頷ける』

 

『だろー?そうだそうだ、ゼノヴィアに相談したい事があんだけどさー。最近さー、祐斗がなんか近いんだよ。こう、身の危険を感じるっていうかさぁ』

 

『ふむ、確かに同性愛は良く無いな。生産性が無い。主もきっとお怒りになるだろう。だが木場自身は普通に接しているだけでお前の考えすぎかもしれない。暫くは様子を見た方がいいだろう』

 

『あーそうかもなぁ。裕斗の奴も俺に遠慮しなくなっただけなのかもしれないよなぁ。こういうのってホント難しいよなぁ』

 

『ああ、私もこの前お前のマネをしてガラスを突き破ったりしたのだが周りにドン引きされてしまった』

 

『ああやってたな!メッチャ爆笑したわアレ!まさか転入生が入学早々アレやるとは先生達も思わなかっただろうな!先生達目ん玉飛び出るくらい驚いててメッチャ面白かったわ!』

 

『バ、バカな!?定治がやっていた時は皆普通の顔をしていたぞ!?日本ではアレが普通なのではないのか!?』

 

『アッヒャッヒャッヒャッ!いい事教えてやるよ!アレやったの駒王学園で俺とお前だけだぜ!』

 

『私と定治だけだと……?なら一誠にもやらせなくてはいけないな。私だけがあの視線を送られるのはツラいものがあるからな』

 

『アッヒャッヒャッヒャッ!ヤベェわコイツwネタでもウケるわそれw』

 

※後日一誠をぶん投げてマジでガラスに突っ込ませてました。

 

「あの日お前と過ごした時間は純粋に楽しかった。気が合うとでも言うのだろうか。きっとお前となら良い関係を続けられる、そんな気がするのだ」

 

た、確かにコイツ意外とノリいいし、女だけどサバサバしてるから気は会うとは思ったけど……

 

そ、それとこれとは話は別だよね?

 

「そ、それだけで子作りする理由にはなりませんよね?」

 

定ちゃん何でかわからないけど思わず敬語になっちゃう。心なしか口が上手く回りません。

 

「ああその点だが、以前の私は神に仕え奉仕するという目的があった。だがしかし今はそれが無い。それについて今後どうするべきか部長に訪ねたのだが部長には悪魔として欲望のままに好きな様に生きろと言われてな。そこで私は破れかぶれとは言え悪魔になったのだ、これからは一人の女性としての幸せを掴んでみたいと思った」

 

「そ、それで?」

 

何でだろう、僕の声、凄い震えてるよ。

 

「うむ、悪魔になった私は新たな夢を持つ事にした。コカビエルとの戦いで私はお前の強さを目にした。武術を極め、英雄と同等の身体能力を持ち、多彩な魔術を扱う魔力量と知識、怪異な生き物を従えるカリスマ、そして何よりも私より遥かに多い聖なる因子の量。私は子供には何か特別な力を持って欲しいと思っている。お前と私が子を産めば恐らくかつてのアーサー王、騎士ローランといった伝説の英雄にすら劣らない聖なる因子を持つ子供が生まれる筈だ。理由はわかったな?なら早速」

 

「ま、待て!ほら、一誠とかどうだ?アイツはドラゴンの魂をその身に宿してるじゃん!アイツとかどうよ!きっと俺なんかより強い子を産むと思うぜ絶対!こ、ここは一誠にしておこう!きっとその方がいいですよゼノヴィアさん!」

 

「ふむ、確かにそうかもしれない」

 

「だろォ!?ここは一誠にしときましょうぜゼノヴィアの姐さん!」

 

「だが私は兵藤一誠よりもお前に惹かれている」

 

オーマイゴッド!

 

『(ヨンダ?)』

 

呼んでねぇよ!

 

「そ、そうだ!俺お前タイプじゃねぇんだよ!俺30歳以上の熟れた女の人がタイプなんだよ!こう、熟れた女性特有の色気持ってて母性に溢れている人っていうのかな?そういうのがタイプだからさ!悪いなゼノヴィア!俺お前と※自主規制※する気にはなれないから!」

 

「ふむ、その点なのだが確かお前が熟れた女性が好きになったのは初恋が母親でそれに引きずられてそうなってしまったのだろう?」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

 

ちょっと待って!何でお前それ知ってんの!?それ昔からの付き合いの神話生物達と一誠くらいしか知らない筈なんだけど!?元浜と松田も知らない俺のヤバい秘密なんだけど!?

 

「一誠から聞いた」

 

何言ってんだあの野郎ゥゥゥゥ!?絶対に秘密にするって言ってくれてたじゃん!!何言ってくれてんだアイツ!?シバくぞあの野郎ゥゥゥゥ!!

 

後ナチュラルに人の心を読まないで!プライバシーって結構大事だから!

 

「お前の性癖は初恋によるものが大きい。ならば私がそれを上回ればいいだけの事。というわけだ、さぁ早速始めようか!」

 

「ちょっ待っ!俺人間!お前悪魔!そこら辺わかってんのかお前!?」

 

おいやめろ水着を脱ぐな!ハリのあるおっぱいを見せんじゃねぇ!

 

「フ、そんなものお前が悪魔に転生すれば片付く問題だろう。さぁ子供は何人欲しい?私としては最低3人は欲しいところだな!」

 

お願い気づいて!キミ今すっごい理不尽な事言ってる!そう簡単に人を悪魔にさせようとしないで!

 

おいやめろ組みつくなのし掛かるな俺の側に近寄るなぁぁぁぁ!!

 

「ぬぉぉぉ!?コ、コイツ力強っ!?へ、ヘェェェルプ!誰かぁぁぁ!!助けてぇぇぇぇ!!」

 

「あ、ここから定治の声が聞こえたよ!ほら一誠くんこっち!」

 

「ホントだ!よし行こうぜショゴスくん!」

 

おぉその声はショゴスくんとマイベストフレンド一誠!良かった!来てくれるって信じてたよ!さぁこの逆※自主規制※を今すぐ止めてくれ!三百円あげるから!

 

「大丈夫か定治!……あ」

 

おい、待て

 

全てを察したような顔をすんじゃねぇ

 

「………」

 

無言でゴムを取り出すなぁ!やめろォ!それを持って俺に近づくんじゃねぇ!ていうかお前どこからゴム取り出した!?

 

ゴムを近くに置くな!微笑みながら退出しようとするなァ!

 

「……学生なんだからゴムだけはしとけよ?流石に学生で"できちゃった♡"はマズいからな。ショゴスくん、自販機コーナー行こうぜ。アイス奢るから」

 

「わーい!」

 

ショゴスくんチョロすぎぃぃぃぃ!!おいやめろ何処へ行くんだ一誠!お願いだからこの場から立ち去ろうとしないでぇぇぇぇ!!

 

「待ってぇぇぇ!待てやマイベストフレンドォォォォ!!アイス食べに行くならせめてこの状況なんとかしていってぇぇぇ!」

 

「え?嫌だけど?」

 

「なんでよ!?」

 

ホントになんでよ!?

 

「…………」

 

おい何で真面目な顔してんだよ!一体何を喋ろうとしてんだよ!?

 

いやもうわかった!何も言わなくていいから!この場から去ってもいいから!お願いだから今すぐその口を閉じろ一誠ィィィィ!!

 

「……定治、俺は前からお前に対してある懸念をしていたんだ。コイツホントに結婚できるのかって」

 

「余計なお世話だこの野郎!」

 

「まぁ待て定治。お前は確かに顔はイケメンだし背も高い。オマケに文武両道で意外と面倒見もいい。性格もまぁ慣れればどうって事はない。だけどな、一番の問題はお前の性癖なんだよ」

 

よしコイツぶっ飛ばす!ていうかそういうお前も問題だらけだろうがこの性欲魔人!自分の事棚に上げてんじゃねぇよ!

 

「お前のタイプは30歳以上の熟れた女性、しかもできればお前のトコのおば……矢儀さんみたいに美人で母性溢れる人。まずこんな人がいるならもう二十代に絶対結婚してる。周りの男がほっとかないからな。それでもまだお前には未亡人という手が残ってるが、お前は亡くなった夫から新たに自分へと乗り換える女性というものが気に入らない。あくまで夫に一途な未亡人に惹かれるものはあるけど、実際お前が迫っても軽くあしらってくれた方が嬉しい。お前、あんまり言いたくないけどタイプにうるさ過ぎなんだよ」

 

「ぶっ殺すぞテメェ!」

 

クソッ!コイツ部長に大事にされてから心に余裕持つようになりやがった!恨みますよ部長!いつかあの綺麗な顔を納豆まみれにしてやる!ネッバネバにしてやるからな!

 

「まぁ落ち着け定治。お前がそんな性癖になったのは初恋である矢儀さんが大部分を占めてる。ならそれ以上の恋をすればお前の性癖は何とかなるっていうのが俺の考えだ。それに、逆※自主規制※から始まる恋ってやつもあると思います!」

 

「無ぇーよ!!」

 

あ!あの野郎逃げやがった!

 

「フ、一誠もああ言ってくれている。さぁ始めよう定治!何痛いのは私だけだ。むしろお前は気持ち良く「ッシャオラァァァ!!」ブホォッ!?な、何故だ……ガクッ」

 

危ねぇ!最初に気づいてればよかった!なんで今まで気づかなかったんだ!両手が塞がってても俺には足があるじゃない!足が空いてるならゼノヴィアのお腹に膝蹴りすればいいじゃない!もっと早くこうすればよかった!いやマジで!

 

気絶するゼノヴィアを退かして寝ているようなポーズを取らせる。後は水着をつけてっと。よしこれでOK。

 

そう言えばさっきゼノヴィアは俺に何故だとか言ってたな……

 

「何故だもこうもあるかバーカ!バーカバーカ!ええっとバーカ!バァァァァカ!!」

 

バーカバーカ!

 

チクショウ何だコレ!意味わかんねぇ!顔が熱いんだけど!マジで意味わかんねぇ!

 

クソがぁぁぁぁ!!

 

 

楽しかったプールの時間も終わり、一同は旧校舎にある部室へと集合していた。

 

「フフ、ゼノヴィアも大胆な事するのねぇ」

 

「その程度で済まさないで下さいよ!」

 

ゼノヴィアに迫られ大騒ぎした定治は事の顛末をリアスに話してゼノヴィアが自重するよう頼むがリアスは面白そうにクスクス笑うだけで注意するようには見えない。

 

「ウフフ、ごめんなさい面白かったからつい。それにしても私も見てみたかったわ。定治がゼノヴィアに詰め寄られて慌ててるところ」

 

「ホント面白かったですよ部長。定治があんなに困惑してるの久々に見ましたよ」

 

「クソッ!味方がいねぇ!」

 

「ショゴス、定治を落とすにはどうすればいいんだ?」

 

「そのまま押せ押せでいけば大丈夫だよ。定治、前に女の子こっ酷くフッてお父さんに骨何本か折られるくらいボコボコにされてるから自分に恋する女の子に対してあまりヒドいことできないもん」

 

「なるほど、礼をいうショゴス。お礼のチョコレートだ。受け取ってくれ」

 

「わーい!」

 

「ちょっとショゴスくーーーーん!?何言ってんのぉぉぉぉ!?」

 

「僕は事実言っただけだよ定治」

 

ゼノヴィアにアドバイスをしたショゴスはお礼にと貰った巨大なチョコレートを嬉しそうに食べる。父親にボコボコにされた自らの記憶を話されツッコむ定治だがショゴスは全く気にしている様子は無い。

 

「俺に味方してくれる人がいなくて絶望した!もうヤダ!俺もう寝る!」

 

周りに自分の味方をしてくれる人がいない定治はふてくされてソファにうつ伏せに寝転んでしまう。

 

ふてくされる定治の姿に何時も振り回される側の一同が思わず笑っていると部室に転移用の魔法陣が出現する。

 

「随分と賑やかだね」

 

「ま、魔王様!?どうして此処に!?」

 

魔法陣から現れたのはサーゼクスとグレイフィア。いきなり現れたサーゼクスに一誠達は驚きながらも敬意を払って跪く。

 

「(この人が魔王様、リアス部長のお兄様!)」

 

跪く一同の中で初めて魔王という存在に会ったアーシアが視線を送っているとそれに気づいたサーゼクスがアーシアに微笑みかける。

 

「アーシア・アルジェントだね。リアスが世話になっている。優秀なビショップと聞いているよ。リアスの事、今後ともよろしく頼む」

 

「は、はい!」

 

悪魔のトップであるサーゼクスに話しかけられアーシアは緊張気味に頭を下げてしまう。その姿にサーゼクスはクスリと笑い、跪くオカルト研究部のメンバーに視線を向ける。

 

「皆、そう畏まらなくていい。今日はプライベートで来たんだ。寛いでくれたまえ。……一人寛ぎすぎな子もいるけどね」

 

サーゼクスの言葉に一同はおずおずと頭を上げる。すると先程までふてくされていた定治が全く敬意を払っていない寝転んだ姿勢でサーゼクスの顔を見つめ、何か思い出したような顔を見せる。

 

「あ、思い出した。齋藤さんだ」

 

「だから齋藤さんって誰だい!?」

 

「………?」

 

ツッコむサーゼクスに定治は首を傾げる。するとサーゼクスは無言で寝転んでいる定治を起き上がらせ、定治の肩をガッシリ掴み顔を数センチ程の距離まで近づける。

 

「前にも言ったが私はサーゼクス・ルシファーだ。決して齋藤さんではない。いいね?」

 

「あ、ハイ(顔近ぇ……)」

 

「定治くん、此度のコカビエル討伐本当に感謝している。キミがいなければリアス達はやられていたかもしれない。感謝してもしきれないよ。魔王サーゼクス・ルシファーである私が改めて礼を言おう。この、サーゼクス・ルシファーが。ありがとう定治くん」

 

「それこの距離で言う事ですかね?」

 

後数センチでキスしてしまう距離のまま礼を言うサーゼクスに定治は顔が近いのを嫌がりサーゼクスを押し退ける。

 

「フフ、相変わらず物怖じしない子だ」

 

あからさまに嫌そうな顔で押し退けられたサーゼクス。しかしそれに対してサーゼクスは気にしている様子は無く、逆に全く緊張していない定治を見てクスクスと笑う。

 

だが一方でサーゼクスの後ろに控えているグレイフィアは再び寝転んだ定治を注意深く見ていた。

 

「(アザゼルは彼の正体はあの悪童アーミテイジだと言っていた。そして彼の持つ神器が最悪の神器と呼ばれた悪名高き深淵の門(ゲートオブアビス)だとも。にわかに信じられませんがお嬢様は定治様が魔王と同等か、もしくはそれ以上の怪物を呼び出したと言っていました。私の知る限り魔王レベルの怪物を呼び出せる神器は存在しない。ですが未だ能力も謎が多いゲートオブアビスなら可能なのでしょうか?……わかりませんね)」

 

「(……ウゼェな)」

 

探るように定治を観察するグレイフィアだが定治がソレに気づき、一瞬不機嫌そうな表情を見せて舌打ちを一つするとグレイフィアがハッとした表情で慌てて視線を逸らす。

 

舌打ち一つでグレイフィアの視線を逸らさせた定治は次にサーゼクスへと視線を向ける。

 

「で、魔王さんが此処に何の用です?」

 

「ああそれはだね。ほら、明日は公開授業だろう?私は妹が勉学に励む姿を是非とも見たくてね。こうして私自らやって来たのさ」

 

「公開……授業……?ハッ!?……ヤバい…忘れてた…マジでヤバい……」

 

サーゼクスが言った"公開授業"という単語を聞いた途端、定治が急にガタガタと震え始める。

 

まるで悪夢を見たように震え始めた定治にゼノヴィアがすぐ気づき、心配した表情で定治の元へ近づいていく。

 

「どうした定治、何を怯えている?」

 

「ヤベェ……すっかり忘れてた……あの地獄の日が今年もやって来ちまった……」

 

「何が恐ろしいのだ?公開授業とはそんなにも恐ろしいものなのか定治」

 

怯える定治の姿にゼノヴィアは噂に聞いた公開授業が怯える程恐ろしいものなのかと不思議そうに首を傾げて定治に問いかけるが定治はガタガタと震えているだけでゼノヴィアの話を聞いている様子は全く見られない。訳が解らず更に首を傾げるゼノヴィアに一誠が定治の代わりに彼が怯えている理由を話し始める。

 

「いや、違うんだゼノヴィア。ウチの公開授業は至って普通の授業参観だ。父親母親、家族が子供の授業風景を実際に見るっていう普通の授業参観なんだけどさ、普段バカやってる定治がその日だけは絶対に大人しいんだよ。理由はたった一つだけ、定治の母親の矢儀さんがメッチャはしゃぐから定治は恥ずかしくて仕方ねぇんだよ……。定治の母親、矢儀さんって言うんだけどな?この人がとんでもない親バカでさ。あの人、公開授業の度に定治の顔がプリントされたハッピと" I Love 定ちゃん♡ "って書かれたハチマキとうちわ、そして超高級ハンディカメラを装備してやって来るんだよ……」

 

定治と長い付き合いの一誠は過去の記憶を思い出す。はしゃぐ矢儀を背後に顔を真っ赤にして涙目で震える定治の姿。あれはずっと見られずにいられない。見てたら恐らく誰しも涙を流して憐れむだろう。流石にあのレベルはやり過ぎだ、と。

 

「……矢儀さんの猫可愛がりぶりはハンパじゃねぇ。クラスメイト全員が思わず同情しちまうレベルだ。普段は定治の親父の夢桐さんが抑えてるからそこまででは無いんだけど、その日は夢桐さんがどう頑張っても無理らしい。その証拠の一つに定治は過去に案内の紙を燃やしたり川にぶん投げたり色々妨害して矢儀さんが来るのを阻止しようとしたんだけど矢儀さんは定治がどうあがいても絶対にやって来る」

 

「や、やめてくれ母さん……学校で定ちゃんって呼ばないで……問題当てたくらいでそんなに喜ばないで……駆け寄って抱きつかないで……周りの人ドン引きしてるから……恥ずかしい……恥ずかしすぎる……やめてくれ……やめてくれ……」

 

「Oh……」

 

悪夢を見たように一人でに呟く定治。その姿にゼノヴィアは一誠の言葉が冗談などでは無い事に気づき、哀れみの視線を定治に送る。

 

だがしかし、一匹だけ全く違う反応をする者がいた。

 

 

「ごちそうさまー!ん?どうしてみんな定治にそんな視線送ってるの?……あー、定治フラッシュバックしてるね。しょうがないなぁ定治は」

 

 

チョコレートを食べ終えたショゴスは震える定治に気づくと握り拳を作り、ニコニコとした表情で定治の鳩尾に狙いを定めると

 

「どーん☆」

 

「ブホォッ!?」

 

定治の鳩尾を綺麗に撃ち抜いた。

 

一見リラックスした状態で放たれた拳。だがその拳は無駄な筋力を使わずにショゴス本来の身体の全体重が乗った非常に重い拳。全体重を乗せ、正確に鳩尾を撃ち抜いた拳を受けた定治はソファから転げ落ち鳩尾を抑えてピクピクと痙攣する事しかできない。

 

ショゴスは痙攣する定治の前で屈むと苦笑いを浮かべながら定治の肩に手を当てる。

 

「諦めが肝心だよ定治。定治が気づいてなかっただけで定治のママもう十日前には準備してたよ。それに今回は定治のパパどころかニャル様も巻き込まれてたよ。定治のママが公開授業に来るのはどう足掻いても逃げられない運命なんだよ定治。大人しく諦めて受け入れた方が身の為だよ」

 

それだけ言うとショゴスは痙攣する定治を小さな身体のまま担ぎ上げると振り返って一同に手を振る。

 

「定治も動かなくなった事だし、僕たちはそろそろ帰るね!じゃあみんなバイバーイ!」

 

「ヤバい……久々に食らった……ショゴスくんの拳マジヤバい…キャラで忘れるけどショゴスくん普通に強いんだった……マジ痛い……シャレになんないレベルで痛い……」

 

こうして定治は一同を置いてけぼりにし、絶望と激痛を鳩尾に抱えながらショゴスに担がれ家へと帰るのだった。

 

 

オマケ

 

"公開授業!公開授業よニャルちゃん!!"

 

マッマ「もうすぐ公開授業よ!年に何回あるかわからない大イベント!気合を入れて行かなきゃいけないわ!ニャルちゃん!定ちゃんを全力で応援し、定ちゃんの成長過程を見守る為にこれとこれを着ていくのよ!そうだこのうちわも忘れちゃダメよ!わかったわね!」

 

ニャル「えぇ!?何ですかこの悪趣味なハッピとハチマキとうちわ!?いくら私でもコレ装着するのはイヤなんですけど!」

 

マッマ「ア"ア"ンッ!?」

 

ニャル「ハイ着ます!喜んで着させて頂きます!だからその顔やめて!」

 

満身創痍パッパ「コヒュー……コヒュー……すまない定治……今年も矢儀を止められなかった……ハハ……また今年も周りの保護者の人達に謝り続けなければいけないのか……ゴフッ」orz




ハイ、というわけでヒロイン追加しました。

結構悩んだんですが結局追加しました。

ヒロインなんかいらねぇよ!と思われてた方、本当にすみません。もう決めた事なので何と言われようと変える気はありませんが。

ゼノヴィアをヒロインにした理由はゼノヴィアって結構強引な所あるからコイツなら定治振り回せるな、と思ったからっていうのが一つ。

そしてアニメとこの作品見比べてたらゼノヴィアが一誠に惹かれるのが神器くらいしかねぇ!と思ったからです。

まあ作者がゼノヴィア気に入ったっていうのもありますがね!!

ゼノヴィアが定治の性癖を改変できるかは今後次第、ということで。

オマケ?
今回の章で披露する予定のショゴスくんと斉藤さんの秘密技能。ネタバレ防止の為一部非公開。
ショゴスくんの秘密技能
○○(ショゴス流○○○○)
斉藤さんの秘密技能
○○○○ 隠れる ○○


今回の話で定治も言ってましたがショゴスくんは普通に強いです。今回の章ではそれを見せられたらいいなと思ってます。

次は多分公開授業。恐らく久々にマッマが登場すると思います。それではおやすみなさい。

2017/3/10 AM1:57追記
尚、この作品でのヒロインの追加要請等といったヒロインについての意見は一切受け付けておりません。ヒロインについては作者なりに考えておりますのでそこだけは皆様ノータッチでお願いします。
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