ハイスクールD×D 俺と愉快な神話生物達と偶に神様   作:心太マグナム

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どうしますか?

→イジり返す
逃げる
キレる
一誠に助けを求める
出番ですよ朱乃さん!
出番ですよ小猫ちゃん!
ゼノヴィア!私が時間を稼ぐ!その隙に奴を襲え!


定治がイジりたそうにそっちを見ている

公開授業の次の日、定治が八つ当たりにニャルラトホテプにレッグラリアットやらコブラツイストやらをやった次の日、オカルト研究部の一同はリアスに連れられ旧校舎にある一室へと招かれた。リアスが言うにはその部屋に僧侶の駒を与えられたリアスの眷属がいるらしく、一誠以降のリアスの眷属たちがまだ見ぬ仲間にドキドキしながら部屋に入るとそこには怯えるように一同を見る金髪美少女がいた。

 

「うぉぉぉ!!アーシアに続き金髪美少女だぁぁぁ!!ヒャッホーウ!!」

 

最初はドキドキしながらリアスの眷属を見た一誠だが可憐なその姿を見た瞬間態度を変えて大喜びしてしまう。

 

しかし、一誠が大喜びしている横では何故かリアスがクスクスと笑っていた。

 

「フフフ一誠、残念だけどその子、ギャスパーは男の子よ」

 

「……え、ちょっと部長何言ってるんですかこんなカワイイ子が男な訳ないですよね?」

 

「いいえ、紛れも無い事実よ。ギャスパーは男の子、女装が趣味なだけの普通の男の子よ。ね?ギャスパー?」

 

「え? は、はい……」

 

「……え?」

 

リアスの口から放たれた衝撃の事実。最初はリアスの言っている事を冗談だと思っていた一誠だが続けざまに言ったリアスの口調からリアスが冗談を言ってるわけでは無いと気づき、その事実に思わず固まってしまう。

 

そしてーーー

 

「えぇぇぇぇ!?」

 

旧校舎の外からでも聞こえる程の絶叫を上げてしまう。仕方ないね。

 

「う、嘘だろ……?こ、こんな事が……あっていいのかよ……!」

 

衝撃の事実を知りガクッと膝から崩れ落ちる一誠。そんな中、定治が面白そうにギャスパーをジロジロ見ながら木場に一つ尋ねる。

 

「祐斗ー、コイツホントに男なの?」

 

「うん、その筈だよ」

 

定治の問いに木場が頷くと定治はヘラヘラと笑いながら何故かギャスパーの元へと歩み寄っていく。

 

「えーホントにー?見た感じ女にしか見えないんだけどなーってホンマや!ホンマにチ○コ付いとるやん!」

 

「え、えぇぇぇ!?な、何するんですかぁぁぁぁ!?」

 

ここで定治、下手な関西弁を口にしながらギャスパーのスカートを捲るというとんでもない行動を起こす。この予想だにしない行動にギャスパーは驚き、感情を昂らせてしまい、自らが持つ力を思わず発動してしまう。

 

「いけないわ定治!」

 

リアスの声と同時にギャスパーは自らが持つ神器、停止世界の邪眼を発動する。この力は目に見えるものを関係なく停止させてしまう厄介極まりないもの。この能力が制御出来ないが為にギャスパーは旧校舎に封印されていた。

 

「(は、発動しちゃった……でもこれなら……に、逃げよう……)」

 

「おいおい逃げんなよ」

 

自らの見た景色を停止させるというこの能力を発動してしまったギャスパーは発動してしまった事に焦りを見せるものの、その場から逃げ出そうとする。しかし、そんなギャスパーの腕を止まっていると思ってい定治が掴む。すると完全に止まったと思っていたギャスパーはこの予想だにしていない光景に驚いてしまう。

 

「えぇ!?何で止まってないんですかぁ!?」

 

「え、何で止まんないと行けないの?意味わかんないんだけど。今何かしたの?」

 

「え、えぇぇぇぇ!?」

 

全く止まっている様子の無い定治を見て驚くギャスパーに対して定治は言っている意味が解らず首を傾げる。停止世界の邪眼が全く効いていないのを目の当たりにしたギャスパーは訳が分からず大騒ぎをしてしまう。しかし定治はそんなギャスパーを無視してヘラヘラ笑いながらギャスパーの身体を不躾にペタペタと触り始める。

 

「いやー世の中広いねぇ。女装してる男、男の娘っていうの?そんな奴実在するなんて流石に思いもしなかったぜ。一つ聞きたいんだけどさ、何で女装なんてしてるん?恥ずかしくないの?」

 

「……え?……だ、だって……この格好の方がかわいいんだもん…」

 

ペタペタ触りながら尋ねる定治にギャスパーが戸惑いながらも涙目で答える。するとギャスパーの返事を聞いた定治は面白そうに笑い声を上げる。

 

「アッヒャッヒャッヒャッ!"もん"って、男が"もん"っていうの初めて見たわ!アッヒャッヒャッヒャッ!何こいつ超面白ぇ!」

 

予想外の口調に定治は暫くの間大笑いし続ける。しかし数分経つと流石に面白く無くなって来たようで定治はギャスパーの腕を持ち上げて無理矢理立たせてギャスパーを部屋から連れ出そうとする。

 

「うーし、一通り笑えた事だし取り敢えず外出んぞ。あー面白かった」

 

「は、放して下さいー!」

 

「嫌でーす。アッヒャッヒャッヒャッ!」

 

抵抗するギャスパーだがいくら頑張っても定治から逃れる事は出来ない。

 

そんなギャスパーを無視して部室に連れて行く為に定治が振り返る。するとそこにはリアス達がポカンとした様子で見定治をていた。

 

「あれ、みんなどうしたんだよ。そんな鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して」

 

首を傾げる定治にリアスは驚き、戸惑いながら一つだけ質問をする。

 

「定治、あなたギャスパーの能力が効かなかったの?」

 

「いやーそれが全く気づかなかったんですよねぇ。ホント、何されたか分かんないのが一番厄介ですよねーっておいこら逃げんな」

 

「ヒィィィ!?なんなんですかこの人ーーー!?」

 

定治の口調から察するに定治はギャスパーの能力が全く効いていなかったのを理解したリアスは思わずため息をついてしまう。

 

「ハァ…相変わらず規格外の子ね……」

 

「……凄いな定治くんは」

 

「ギャーくんの能力が効かない人間なんて初めて見ました」

 

リアスが呟いた一言に木場と小猫が頷いたのだった。

 

ギャスパーを部室へと連行した定治はソファに座り、ギャスパーの過去や能力などについて一通りの説明を受ける

 

「なるほど停止世界の邪眼ねぇ。面白そうなの持ってんじゃん」

 

「ふぇぇ……僕の話なんかしないで下さいぃ」

 

ギャスパーの事情などを粗方聞いた定治は興味深そうにギャスパーを眺める。するとギャスパーは先程の影響ですっかり定治に苦手意識を持ってしまった為、隠れるように段ボールに閉じこもってしまう。だがそれは間違った行動で、その行動を見た定治に悪戯小僧のような笑みを浮かべさせてしまう。

 

「アッヒャッヒャッヒャッ!おいおいやめてくれよ。そんな事されたら俺、余計にイジりたくなっちまうよ」

 

段ボールに隠れててもわかるくらい震えるギャスパーに定治はニヤニヤしながら歩み寄り、段ボールごとギャスパーを持ち上げて段ボールを上下に振り始める。

 

「ほーら、早く段ボールから出ないとシャカシャカチ○ンみたいに延々シャカシャカされちゃうぞー」

 

「ヒィィィィィ!?」

 

定治が上下にシャカシャカ振り始めたせいでギャスパーが悲鳴を上げる。そんな様子を見たリアスだが、これでギャスパーが段ボールから出てくれれば幸いだと思い、定治に強く注意せず紅茶に口をつける。

 

「定治、あまりギャスパーをイジメてはダメよ?」

 

「うーっすシャカシャカ」

 

「ヒィィィ!誰か止めて下さいぃぃぃ!!」

 

リアスの真意に気づいているの気づかないのかはわからないが定治はニヤニヤしながら段ボールを振る手を一向にやめない。

 

一方でずっと上下に振られているギャスパーは悲鳴こそ上げるものの段ボールから出る気は全くる無く、それが余計に定治の嗜虐心をくすぐらせ上下に振るスピードを上げさせてしまう。

 

「おい定治!流石にやりすぎだ!」

 

「そうです!ギャスパーくんが可哀想ですよ!」

 

「一誠、アーシアちゃん、そうやって甘やかすのがダメなんだよ。引きこもりっていうのは少しでも甘くしちゃうとつけあがっちゃうからな。引きこもり改善の為には心を鬼にして厳しく接しないといけないんだよ。だから俺はシャカシャカをやめませーんアッヒャッヒャッヒャッ!」

 

「ヒィィィィッ!?」

 

「(判断を間違えたかしら……?いえ、定治の言う通り時には心を鬼にする必要があるわ。定治の無茶苦茶ぶりはギャスパーにとっていい刺激になる筈よ……多分)」

 

流石にやりすぎなのではと一誠とアーシアが定治に注意するが定治は全く辞める気配は無く悪戯小僧モードを続行する。そして悲鳴を上げ続けるギャスパーにリアスは一瞬判断を間違えたかもしれないと思うがギャスパーの為を思い心を鬼にすると決断した後、時計がとある時刻を指しているのを見て立ち上がる。

 

「さてみんな、そろそろ私と朱乃は会談に向けての打ち合わせが入っているわ。祐斗、あなたも来てちょうだい。お兄様たちがあなたの力の事で知りたい事があるそうだから」

 

「わかりました」

 

「私達が出かけている間貴方達にはギャスパーの教育をお願いするわ」

 

「いいっすよー。シャカシャカシャカシャカシャカシャカ!」

 

「ヒィィィィ!?ホントなんなんですかこの人ーーー!?」

 

 

 

 

リアスにギャスパーの教育を頼まれた一同は旧校舎の外でギャスパーを鍛えていた。

 

「ほぉら走れ走れ!走らないと斬るぞ!」

 

「ヒィィィ!?」

 

「なぁなぁ、吸血鬼ってマジで十字架効くの?試していーい?」

 

「ヒィィィ!?こ、この人たち悪魔ですぅぅぅ!」

 

「悪魔だが?」「あ、俺は人間です」

 

「ヒィィィィィィィ!?」

 

ギャスパーを追いかけているのはデュランダルを手にしたゼノヴィアと十字架を手にした定治。

 

二人は全力疾走しているギャスパーに追いつくか追いつかないか位ギリギリの距離を保ちながらギャスパーを追い回す。そんな二人に恐怖を抱いて悲鳴を上げるギャスパーだがいくら悲鳴を上げてもゼノヴィアは熱血教師のような厳しい表情で、そして定治はヘラヘラ笑いながら追いかけてくる。

 

このように、先日のプールで起こった逆※※※未遂事件加害者&被害者コンビがギャスパーを追いかけ回していると、様子を見に来たついでに遊びに来た匙がやって来る。

 

「お、やってるなオカ研!って誰だそこの超絶美少女はァ!?」

 

涙目で走り続けるギャスパーを見て匙が鼻息を荒くする。だがその横では一誠がまるで少し前の自分を見ているような気持ちで匙を眺めていた。

 

「……匙、残念だけどソイツは男だ。もう一度だけ言うぞ。ソイツは、男だ」

 

「ハァ?何言ってんだ兵藤、こんなカワイ子ちゃんが男な訳無いだろ!」

 

一誠の言う事を冗談だと思い言葉を荒げる匙、しかし一誠の哀愁の漂う表情を暫く見てから一誠が冗談を言ってる訳では無いと気づき始める。

 

「……え、マジ?」

 

「俺も信じたくなかったよ……だけどな、定治がスカートめくって確認したんだよ……そしたらさ……付いてたんだよ……アレが……」

 

「嘘、だろ……」

 

匙がガックリと膝から崩れ落ちる。一方、ゼノヴィアと定治に追いかけられたギャスパーは息も絶え絶えの状態で地面にへたり込んでしまっていた。

 

「ハァ……ハァ……もう走れません〜」

 

「情け無い、健全な身体にならなければ神器を制御する事など出来んぞ!全く、このような根性無しでは先が思いやられる!」

 

「そ、そんな事言われてももう走れないものは走れませんー!」

 

へたり込むギャスパーに罵声を浴びせるゼノヴィア。しかしギャスパーは涙目で目を潤ませて弱音を吐くだけで再び立ち上がる様子は見えない。そんなギャスパーを見たゼノヴィアがイライラしながら再び罵声を放とうとしたその時、何故か小猫がギャスパーに歩み寄っていく。

 

「だらしないですギャーくん」

 

「こ、小猫ちゃ〜ん」

 

涙目で助けを請うギャスパー。しかし小猫が手に持つものを見た瞬間、悲鳴を上げて逃げ出してしまう。

 

「これを食べてスタミナをつけた方がいいです」

 

「やだぁぁぁ!ニンニク嫌いぃぃぃ!!」

 

「食べるんです。好き嫌いはいけません」

 

小猫が手に持つニンニクを見たギャスパーが逃げ出すと小猫は無表情のまま追いかけて行く。この小猫が人をイジるという中々見れない光景を見て定治は面白そうに笑い声を上げてしまう。

 

「アッヒャッヒャッヒャッ!いやー、小猫ちゃんナチュラルにSだなーアッヒャッヒャッヒャッ!……チッ」

 

愉快そうに笑っていた定治だがここで何かに気づき、舌打ちと同時にルールブックを手元に呼び出して何時でもゲートを出せるように魔力を込め始める。

 

「ん?どうしたんだ定治、ルールブック呼び出して」

 

「……お客さんだ」

 

定治が苛立たしげに顎をしゃくるとその方向には学園にいる限り滅多に見ない和服を着た男、アザゼルがやって来る。

 

「ソレを納めてくれ、お前さんと事を成すつもりは無い」

 

「アザゼルッ!?」

 

両手を上げてやってくるアザゼルを見て一誠がアザゼルの名を叫んだ瞬間、一同は驚きながらもそれぞれ自らの神器や武器を手にし始める。

 

「へぇ、アンタがアザゼルか」

 

アザゼルの真意が分からない一同は緊張した面持ちで警戒をしている中、定治はルールブックを手にアザゼルに近づいていき、アザゼルに確実に蹴りを当てられる間合いに入る。

 

「そんで?戦うつもりが無いなら何しに来たんだよ」

 

「ちょっと散歩がてら来たら何やら面白い事をやってるのが見えてな。アドバイスをしに来ただけだ。他意はない、本当だ」

 

「……ふーん」

 

他意はないというアザゼルを定治がジロジロと眺める。

 

定治が見る限り、アザゼルには本当に戦闘意思が無い。だが万が一自分が攻撃をした時はアザゼルはそれに全力で抗うだろう。自分一人ならまだしもここは駒王学園で、仲間である一誠達がいる。もし戦闘に発展してしまった場合、被害はこちらの方が大きくなってしまうだろう。

 

アザゼルに敵意が無いのを確認した定治はルールブックをしまう。

 

アザゼルの言う通り、奴は一誠を攫う気は無いのだろう。ならば自分が守る必要は無い。だがアザゼルは戦闘意思こそ無いが自分を警戒し、下手に自分が動こうものなら直ぐに戦闘態勢に入るのは確かだ。

 

「一誠、聞いてやれよ。俺よりか何度も接触しているお前の方が相手も話をしやすいだろ。俺はちょっとトイレしてくる」

 

「え、定治!おい!」

 

「阿見!トイレなんて言ってる場合じゃねぇだろ!」

 

「いやマジ無理、これすぐ行かないとヤバい奴だわ。俺にはここで堂々と漏らす度胸なんてないんでトイレ行ってきますね。大丈夫、少なくともコイツはここで何かするつもりは無いみたいだぜ。そういう訳なんで、後はヨロシク!」

 

自分がここにいない方が話はしやすいだろう。そう考えた定治は彼を呼び止める仲間の声を無視し、定治はトイレに向かって歩いて行った。

 

 

一同がアザゼルと接触してから数時間が経った。アザゼルのアドバイスを元に特訓をした一誠と定治だが何故か二人は困ったような表情でギャスパーの部屋の前で座り込んでいた。

 

「いやー、やりすぎちったなぁ」

 

「ああ、俺もやり過ぎちまった……」

 

"一時間前"

 

一誠『相手のコートにボールをシュウゥゥゥッ!』トス!

 

定治『超、エキサイティン!』アタック!

 

"パァンッ!"

 

ギャスパー『ヒィィィィッ!?』

 

匙『お前らコレ特訓だってわかってんのか!?ガチなバレーボールしてんじゃねぇよ!』

 

定治&一誠『ハッ!?つい何時ものノリでやっちまった!?』

 

一誠がアザゼルから聞いたアドバイスに従い、一同は途中で茶番を挟みつつも匙の神器で余分な力を吸ってギャスパーに神器の制御をさせようと試みた。

 

しかし何度やってもギャスパーが力を制御できている様子はなく、怯えたギャスパーが再び引きこもってしまうという最悪な結果になってしまった。

 

そんな事もあってから暫くの間、再びギャスパーを外に出す為にはどうすべきか悩んだ定治だが中々いい考えが浮かばず、気分転換にコーヒーでも飲もうと思い立ち上がる。

 

「一誠、俺コーヒー買ってくるわ。お前も何か飲む?」

 

「お前と同じので頼むわ。あ、ついでにコンビニの新作デザート出てたから買ってきてくんね?」

 

「あいよー」

 

 

一誠の返事を聞くと定治はコーヒーを買いに行く為、財布を片手にギャスパーの部屋から去っていく。一誠は去って行く定治が視界に消えるまで見届けた後、二人きりな事を利用して扉越しにいるギャスパーの説得を試みる事にした。

 

 

定治がコーヒーを買いに行ってから数分が経ち、コンビニでコーヒーとデザートを買って来た定治は鼻歌を歌いながらギャスパーの部屋まで歩いていた。

 

「ふんふーん♪ふー…ん?」

 

「俺の中には最強と呼ばれる龍の魂が宿ってる。正直怖いよ。この力を使う度、身体のどこかが違うものになっていく気がするんだ。けど、俺は恐れず前へ進もうと思ってる」

 

「も、もしかしたら大切な何かを失う事になるかもしれないんですよ?どうしてそこまで真っ直ぐ生きられるんですか?」

 

「……へぇ」

 

鼻歌を歌いながら一誠の元へ歩いていく定治だが一誠が真面目な声で何かを言っているのを聞き取ると、定治は二人で一体何を話してるのか興味を惹かれ、隠れて聞き耳をたてる事にした。

 

定治が隠れて聞き耳を立てている中、それに気づかない一誠とギャスパーが会話を続けていく。

 

「俺はバカだから難しい事はわかんねぇよ。ただーーー」

 

「ただ?」

 

「ーーーもう何も出来ないのはゴメンだ。前の戦いで俺は何も出来なかった。定治の奴が強大な敵を一人で相手にしてたっていうのに俺は何も出来ずにナイって奴に椅子にされてた。……ダチが頑張ってるのに自分は何も出来ないのってさ、結構ツラいんだ」

 

一誠は悔しそうに拳を握りしめた後、頭の中でいつも通りにヘラヘラと笑う定治の姿を思い浮かべる。

 

一誠にとって定治は小三からずっとつるんでいた大切な親友だ。思えばアイツは何時もふざけてばっかりで、それに巻き込まれていた自分にアイツは退屈なんてさせる暇を与えてくれなかった。

 

そんな定治が特別な力を持っているなんて悪魔になるまで思いもしなかった。

 

だが悪魔になってから知った。

 

凶悪なモンスター達を率いる定治の裏の顔に。

 

神器を使いこなしている定治と録に使いこなせていない自分との間に開いている実力の差に。

 

きっと定治はヘラヘラ笑いながら俺とバカやってる裏で数々の苦難を、戦いを乗り越えて来たのだろう。

 

もしかしたら比べる事自体おこがましいのかもしれない。

 

だけど自分にとって親友の定治と並び立てていないという現実はかなり心に来るものがあった。

 

故に、一誠は胸に秘めた決意をギャスパーに向けて口にする。

 

「今はまだ敵わないけど、いつか俺は定治に追いついてみせる。ダチに守ってもらうなんて情け無いマネもう味わいたくない。俺はアイツと同じ場所に立ちたいんだ」

 

決意を口にする一誠、その裏では定治が僅かに口角をつり上げる。

 

「(……一誠の奴、そんな事思ってたのか)」

 

「ふむ、中々カッコいい事を言うじゃないか」

 

「……親父」

 

笑う定治の隣に突如としてティーカップを手にした夢桐が現れる。定治は突如として現れた夢桐に驚く様子はなく、目だけを夢桐に向ける。

 

「あの子も男の子、という訳か。実に観測のしがいのある光景だったよ。まぁ、私達が育てた息子に追いつこうなどというセリフは多少癪に触るがね」

 

癪に触ると言いながらティーカップに入った紅茶を口にする夢桐、しかしティーカップから口を離した夢桐の表情は微笑みを含んだ穏やかなものだった。

 

「フフフ、ただの脆弱な人間だったあの子が強くなったものだ。前までのあの子だったらきっとさっきのような事は考えもしなかっただろう。それだけ見てもあの子は前より十分に強くなった。後はあの意思を貫き続けて、成長していけるかどうかだ」

 

「その点は大丈夫だろ。アイツはエロくてバカで、直情的だ。だけどな、ああいう時のアイツは一度言った事は絶対に曲げない。例えどんな事があってもアイツは決めた事を成し遂げる。俺はアイツのそういう所、結構尊敬してるんだよ」

 

「ハハ、そうかそうか。なら楽しみにしておく事だ。神々(われわれ)と共に歩むお前に一誠くんが追いつく日を、な」

 

微笑みながら言う定治につられるように夢桐は微笑んだ後、現れた時と同様に突如としてその姿を消す。

 

こうして再び一人になった定治はビニール袋からコーヒー缶を取り出して栓を開ける。

 

「……楽しみにしてるぜ、一誠」

 

コーヒーを口にしながらそう呟いた後、定治は表情を何時ものヘラヘラとした表情に戻してから一誠達の元へと向かっていくのだった。

 

 

オマケ"実は家族が一人増えてました"

 

ニャル「この度戸籍上定治さんの姉になりました阿見ニャル子です!みなさんよろしくお願いしますね★」

 

ショゴス「みんなー、僕が超楽しみにしてたポテチ誰が食べたか知ってるー?」

 

スズキ「それならバイト帰りの斉藤さんが食べてましたよ」

 

斉藤「げぇ!?アレショゴスくんのだったのかよ!?「斉藤さん覚悟できてるー?」ちょ、タイム!ショゴスくんタイムギャアァァァァ!?」

 

ユキ「定治、この本続き無いの?あったら貸してちょうだい」

 

定治「まだ出てないぞ」

 

ニャル「みんな興味持って!こんな美少女が阿見家の家族になったんですよ!?嬉しいでしょ!?ほら!こーんな美少女ですよ!?」

 

定治「みんなー、そろそろ俺の部屋で借りてきたDVD見ようぜー」

 

ショゴス「はーい!」

 

スズキ「わかりました」

 

斉藤「う、うーっす」

 

ユキ「わかったわ」

 

ニャル「お前ら待てやオラァァァ!喧嘩売ってんのかゴラァァァ!!特にユキィ!貴方私の部下でしょう!?なんで一緒にスルーしてるんですか!?」

 

ユキ「定治、今日貴方何借りてきたの?……あら、これ丁度見たかったのよ。最初にコレ見ましょ定治」

 

ニャル「ユキィィィィ!!」




ハイ、今回はここまで。今回出せなかった神話生物分はオマケで補充をお願いします。

……今回ギャスパーくんがヒィィィィッ!?しか言ってない件については申し訳ないと思っております(棒

前から思ってたのですが定治はイジり役よりもイジられ役の方が似合う気がします。そう思うのは私だけですかね?

最近パッパの出番が多いな……そろそろミゼーア様がキレそうなレベル。ミゼーア様に殺される前に出さなければいけないのかもしれませんね……

それにしてもハイスクールddのキャラが中々出せない、こういうところは本当に難しいですねぇ
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