pso2仮想戦記二年前の戦争   作:オラニエ公ジャン・バルジャン

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12話 前進!前進!また前進‼︎

惑星リリーパでの陸戦は、オラクル軍の予定通りに進んでいた。第一軍は集結地点で防衛態勢をとり、敵の進撃を食い止め、第二、第三軍はそれぞれ敵の補給基地を目指し進撃していた。この中で騎兵支隊を任せられたタクミはアサージ大将率いる第3軍司令部より別命が下されていた。

『騎兵支隊は、第3軍攻撃目標である、補給基地に到着、偵察後、攻略戦には参加せず長駆して、第一軍と交戦している敵の側面を突き、敵将の首を槍の穂先に刺したまま第一軍総司令官カスペン大将に献上せよ。』つまり、騎兵は騎兵らしく、敵地を偵察し、そして戦闘の一大局面に際しての切り札たらんとせよ。と言う事であった。元々第三軍は他の軍団に比べて機動力が低く、タクミ騎兵支隊は度々第三軍より突出してしまう。それを防ぐ為、敢えて騎兵支隊を先発させたが、今度は逆に離れ過ぎてしまったのである。そこでアサージは第三軍麾下の遊撃戦力として第一軍の支援に向かわせようという事になったのだ。タクミ騎兵支隊は持ち前の機動力を持って第三軍攻撃目標の補給基地に彼らより二日早く到着した。空戦隊からの情報を照らし合わせ陸から見た敵軍の状態をまとめ、第三軍に報告した。『我々だけでも落とせそうだがな…。』タクミはそう呟いたが、騎兵は拠点攻略及び防衛戦において主兵力足りえない事を彼を充分に承知していた。それに敵の数は同数ながらも、拠点と言うだけあって、その砲兵力はタクミを持つそれらを超えていた。タクミは前進を指示し、第一軍の待つ集結地点を目指した。だがそこに立ち塞がる部隊を発見した。大中小を含めたダーカー約七万に立ち塞がれたのだ。タクミの幕僚らは幾ら数に劣っていようが騎兵で突撃し、突き崩してしまおうと言ったが、タクミは拒否した

。もしそうなれば騎兵はダーカーの真正面から突撃する事になり、迎撃され、被害が拡大する。そもそも数に於いて劣る為、突撃して崩そうとすれば半包囲される可能性があったし、騎兵がそういう事になれば騎兵は壊滅する。彼は別案を出し、それを指示した。幕僚達は顔を見合わせたが騎兵の事を知っているのはタクミだけであったからそれに従った。一方兵士達も顔を見合わせた。まさか全ての騎兵は馬から降りて歩兵と同じように地べたに伏せて、小銃にて射撃せよ。なんて来たものだから意外であったに違いない。そうした間にダーカーは前進した。四脚型ダーカー『カルターゴ』の砲撃による支援を受け大中小のダーカーが前進してきた。その攻撃は凄まじい物だった。だがタクミ達の攻撃はもっと凄まじい物だった。大中小の野砲等が唸りを上げ、戦車、装甲車は歩兵を守りつつ、主砲で粉砕し、機銃で薙ぎ払った。そして兵士達も小銃や機関銃で弾幕を張り、法撃兵達はそれぞれテクニックを詠唱し、それが終わり次第ひたすら放った。火力にものを言わせた。防衛態勢であった。この戦法は秋山戦法と言い、これも例の地球の有名な武将の戦法を使っていた。元々秋山が当時最強の騎兵軍団を破る為の策であったが、タクミは戦力温存を目的とし使った。オリジナルの秋山戦法と違うのは、機甲兵力と法撃兵が加わり、オリジナルを超える火力を保有している事であろう。こうして七万のダーカーは約4割の損害を被り、退却した。タクミ側の犠牲は百名にすら満たなかった。タクミ一行はまた前進を開始した。その後、第三軍からの通信文を受け取った。第三軍は無事に補給基地を確保し、補給路を確保したというものであった。第三軍もぜんを開始した為、タクミ一行も前進した。

 

一方第一軍は攻撃に晒されていた。半包囲されていたのだ。強固な防衛態勢と攻撃力を持ってしても数にものを言わせたダーカーの攻勢に辟易していた。当初ダーカーは第一軍と同数程度であったがタクミらに敗れたダーカーの敗残兵をまとめ、次第に戦力を増やし、等々二十万に及ぶ大軍になってしまったのである。この劣勢を見ていた偵察機は直ぐに第二、第三軍、そしてタクミ騎兵支隊に通達した。この三兵力は足を速めた。一方衛星軌道上の艦隊も、あまり良い状況とは言えなかった。というのも制空戦争いは拮抗してしまい、ろくな航空支援を出せなくなってしまったのだ。制空権が双方に無い状況…なるほどそれなら確かに数万の軍勢がぶつかっても航空機が殺到してこなかったのも頷ける。その為、第一軍とダーカー両軍合わせて約35万が泥沼の戦いをしているのである。それを打破し、勝利を収める為にはタクミが敵の顔を横から思いっきり殴りつけなければならかった。第二、第三軍は共に補給基地を確保している。補給路が安全である以上オラクル軍約40数万は飢えることは無いだろう。戦闘が三日目を迎えた朝、第一軍は後退するか否かの決断を下さねばならなくなった。第一軍を損害は3割を超えていた。ダーカーも同数またはそれ以上であったが、兵力に関しては無限の回復力を誇るダーカーにとってこの損害は充分な許容範囲にしかならない。カスペンは先に突破した第三軍に期待したが当の第三軍はまだ到着しない。騎兵支隊も通信しようにも電波が乱れて通信出来ずその為今、何処にいるか分からない。カスペンは止むを得ず後退を指示した。しかし、その時彼の元に伝令が走ってきた。『閣下!カスペン大将閣下‼︎援軍です‼︎タクミ・F中将麾下の騎兵支隊が到着!たった今、敵の側面と交戦中‼︎』カスペンは光明を得たと思った。そして大きく声をあげてこう伝令した。『全軍突撃‼︎タクミの坊やに手柄を横取りされるなよ‼︎若いもんに老兵の戦いを見せてやれ‼︎』第一軍は突撃を開始した。ソードとパルチザンを持った歩兵が全速力で走り、敵を切り裂き、突き崩し、ライフル兵達がひたすら射撃し、法撃兵はひたすら詠唱し、敵を業火に包んだ。一方、タクミ達も壮烈な戦いの中にあった。戦車、装甲車、そして大中小の野砲が唸りを上げ、歩兵達が銃撃し、その中央に騎兵三万が大挙として敵の側面に襲い掛かった。歩兵と砲兵は敵の動きを弾幕を張って抑え、そこに騎兵三万が一発の弾丸の如く直進した。騎兵三万騎の先頭にタクミが自ら槍を握り、甲冑と有翼騎兵の証である羽根飾りをつけ突撃した。たちまち、2方向から押しつぶされる形となったダーカーは堪らず後退した。然し、後退する先は砲火が上がっていた。第一軍と騎兵支隊と白兵戦を繰り広げている間に第二、第三軍は到着し、陣を敷いていた。重砲、野砲がゴウッ‼︎と唸りを上げ、暫くしないうちにドカン‼︎と轟音を立てて大地を割り、その度にダーカーの死体が飛び散った。ダーカーは結局四方八方に逃げ惑う事になり、指揮を執るはずのダーク・ファルス・ルーサーのクローンは予想外の展開に困惑錯乱し、オリジナルの名前が泣こうにも泣けないような有様になり、とうとうダーク・ファルスとしての体になる前に騎兵の突撃にあい、騎馬の蹄に顔を潰されて絶命した。ダーカーはその日の夕方には退却してしまい、フリードリヒ等の基地を包囲しているダーク・ファルス・エルダー(クローン)の率いる本隊まで逃げていった。エルダーは憤慨した‼︎20万のダーカーがたかだか六万の突撃にあっただけで潰乱し、さらに30万以上の敵兵の笑い者になったのである。エルダーは憎々しげに発掘基地を見遣った。そして、こう下令した。『残る我が軍20万を持ってして明日の早朝敵基地を叩く!中に居る者は一人残らず殺せ‼︎男は一人残らず首を切り落とし、女は一人残らず犯してから殺せ‼︎』

この動きはフリードリヒも感じ取っていた。『さて我が不詳の教え子はやたらめったらに暴れまわったらしい。そろそろ俺も動くとするかね。』フリードリヒは振り向き、頷くと、ポツダム連隊副連隊長カール中佐とポツダム連隊次席幕僚シュミット少佐は一礼してそれぞれの場所に走って行った。後のリリーパ496資源基地の攻防戦前夜である。

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