pso2仮想戦記二年前の戦争   作:オラニエ公ジャン・バルジャン

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14話 出逢い

惑星リリーパにおける陸戦はオラクル軍の勝利に終わった

オラクル陸軍三個軍団は第三艦隊によって本国に帰投し、惑星リリーパには重砲や戦車等の機甲兵器とこの戦いの功労者であるポツダム連隊を回収するべく残った第一艦隊が衛星軌道にて待機していた。タクミは約一ヶ月振りに旗艦スサノオに戻った。因みにこの時スサノオは第一艦隊旗艦では無く、分艦隊旗艦の位置付けになっている。リリーパの戦いの最中に大和型旗艦型宇宙戦艦武蔵が就航し、第一艦隊旗艦となったのである。然し、武蔵は惑星包囲に就いている第一艦隊に合流する訳には行かず、そのままスサノオは旗艦になっているのだった。連絡シャトルを降りたタクミを待っていたのはアリス副官であった。『提督。無事にお帰りになられて本当に良かったです。』アリスの出迎えにタクミもまた会釈を返した。『アリス少佐出迎えどうも。みんなが無事で良かったよ。』『みんな退屈そうでしたwここ最近戦いぱなしでしたからこう言うのも悪くないかも知れませんね。』『退屈そうにしてたって…そんなこと言ったら私はここ一ヶ月ずっと馬に乗って重い甲冑を着て戦ってたんだぞ?もうちょっと気を引き締めたらどうだい?』『それいつもの貴方に同じこと言えますか。』

アリスの返答にタクミはベレー帽を脱いで頭を掻くしか出来なかった。そんな世間話をしながらタクミは艦橋に着いた。自分たちの上官が帰ってきた事に気がついたのか、クルー達は皆後ろを向き帰ってきた提督に敬礼を送っていた。タクミも敬礼を返し、提督席に着いた。暫くして艦隊の幕僚が集結し、今後の予定を話し合った。内乱が集結して、まだ大した時間も経っておらず事態の収拾の為にも一刻も早く船団に戻ることが先決となった。そこに偵察に出てた駆逐艦より一報が入った。3万宇宙キロ先に次元の歪みを感知、つまり敵艦隊がワープアウトしたのである。総員に戦闘配置が通達され艦隊はその場所に急行した。タクミは、タクミとその一行は何とも言えない不安に襲われた。

 

さて視点を3万キロ先に移そう。次元の歪みから出て来たのは群青いろの二等辺三角形型の流線を描いた美しいフォルムの戦艦。それを先頭にダーカーの大中小の艦艇が続いた。先頭に立つその美しい船の艦橋の司令官席に鎮座するのはどのダーカーやダーク・ファルスにも当てはまらないその若い美男子であった。だがその服装はダーク・ファルスの特有の格好をしているからダーク・ファルスである事は間違い無いだろう。その横に同じぐらいの背格好をした司令官と勝るとも劣らずといった男が立っていた。二人ともかつては、オラクル船団の者であった。だがこの時代より幾百年も昔の事である。かつてオラクル船団はその政治体制は様々であった。専制君主制、民主共和制。この二大政治体制をオラクルは交互に繰り返していた。この時のマザーシップ・シオンの意向はどう言うものであったが知る由も無いが、恐らく、様々な政治体制を経験させ船団運用に相応しい形を作り出そうとしていたに違いない。二人の男の名を言わねばならない。司令官席に座るのは第二次オラクル帝制オーヴェルニュ朝最強の常勝将軍アウグスト・シュヴァーベン元帥。ダーク・ファルス風に言うのであればダーク・ファルス・無敗(Undefeated)である。

もう一人は、フランシス・オーヴェルニュ元帥。軍人にして、第二次オラクル帝政オーヴェルニュ朝第一代皇帝である。ダーク・ファルスとしての名はダーク・ファルス・忠実(Fidelity)である。忠実とはダーカーらしからぬ名だがそれは彼の人生がそれを物語っているのである。もう気づくものいるだろうが、彼ら二人とも過去の人間であり、生きている筈が無い人間である。それがどうしてダーク・ファルスとして蘇ったのか?それはダーク・ファルス・ルーサーが虚空機関(ボイド)内に居た時にこの二人の名将の細胞を入手する機会があり、その細胞をダーク・ファルス・双子(ダブル)がクローン・ダーク・ファルスを作る過程を利用して二人のクローンを作ったのである。そして誕生した二人のクローンにオリジナルの記憶を植え付け、彼らの新たな玩具(道具)にしようとしたのである。然し、ここに双子の誤算があった。確かに二人はオリジナルのクローンでしか無いが、肉体も精神も彼ら自身物であったのだ。彼らは支配者たる双子の支配を一切受け付けない双子と同じ本当のダーク・ファルスとなっていたことを双子は気づいていないのだ。ダーク・ファルス・常勝ことアウグストは絶対に双子の玩具に成り下がることは無いだろうし、その為の指図は一切受け付けないだろうし、ダーク・ファルス・忠実ことフランシスもアウグスト以外の何者の指図を受けるつもりは無かった。彼らは幼少からの親友であり、互いに高みを目指し、15歳に初陣を果たしている。そして20歳を過ぎる頃には二人とも艦隊司令官になっており、当時とそして今もオラクル軍及びアークスの中での最年少記録を残し続けている。二人はアークスになれる可能性もあったが彼らはあえてそれを蹴り、軍に居続けた。そこに当時の腐敗しきった第二帝政王朝滅亡の危機が飛び込んできたのだ。二人はそれに呼応し、軍とアークス、そして国民をまとめ上げ、当時の王朝を倒した。この流れから行くとこの事件の最大の功労者たる二人のうちの誰かが新たな指導者になるのだが、アウグストは軍人である事を固辞し続けた為、フランシスが新たな皇帝となり、オーヴェルニュ朝を建てた。オーヴェルニュ朝の治世は最高の専制君主政治と歴史家達は語る。フランシスは内政に精を出し、アウグストは愛すべき友の為に大軍勢または大艦隊を率いて、ダーカーやその他の人間勢力や生命体と戦った。然し、そこに悲劇が襲いかかる。アウグスト・シュヴァーベン元帥年齢25歳にして陣中にて病死。フランシスはこの悲報を聞いて夜通し泣き続けたという。彼にとって、アウグストは幼少期から主君の様に崇めていた。彼にとって光であったアウグストを失ったフランシスは失意の中に沈んだのは言うまでも無い。そしてフランシス自身も35歳にて戦闘中の負傷で致命傷を負い、愛する妻に子を託して息を引き取った。オーヴェルニュ朝はフランシスを含め3代しか続かない。彼の息子と孫も彼に勝るとも劣らない治世を行い、名君と讃えられるが、薄命の遺伝からは逃れられず、オーヴェルニュ朝は衰退し、その後に立った王朝あまりにも不当な政治体制であった為革命を起こされ、新光暦30年から続く第三次民主共和制になったのである。

 

そんな稀代の名将達は今、自分の祖国に弓引こうとしているのである。『見てみろフランシス。オラクルは多少なりと発展した様だが、進歩したとは到底言えん。未だにダーカーと戦い続けている様ではな。もし俺たちが生きていればダーカーとの戦いなどほんの数年で終わらせてやれるというのに!』フランシスは歯痒い思いでこの親友にそういった。『アウグスト様。確かに我らであればダーカーとの戦いなど数年で片付けてしまえるでしょう。ですがそれは彼らの問題であり、仰ぐ旗も違えば、既に死者である我々が口を出す事ではありません。』フランシスは優しくそう答えた。因みに彼の言葉使いは皆に対してそうであり、皇帝になってもそれを変える事は無かった。『全く、お前はいつもそうだなフランシス。みんなにいつも優しくしていては自分が損をする事になるんだぞ?』『アウグスト様。敵艦隊が出現しました。敵艦隊はこちらと同じ横陣を引いている様です。』『フン!共和主義者の艦隊か…あの狂信者どもがまた我らの前に立ち塞がるとは、所詮大した奴は居ないんだろがな。全艦戦闘態勢‼︎』『閣下‼︎敵ダーカー艦隊が戦闘態勢に移行‼︎前進してきます‼︎』『アリス少佐、直ちに戦闘を開始すると伝えてくれ。チェンとフレーゲルの航空隊も直ちに出撃する様伝えてくれ。』艦橋が戦闘態勢に移るべく慌ただしくなっている中、スサノオの格納庫も慌ただしくなっていた。『フレーゲル!どっちが艦載機を多く落としたか勝負だ!負けた方が一番高いウイスキーを奢りな?』『おいおいそんなで良いのか?またお前の財布が軽くなっちまうぞ?w』『煩い!余計な心配をしてないで、お前の財布の札にお別れを言うんだな‼︎』『へいへい。チェンさんは余程財布にお別れを言うのが飽きたらしい。』二人のエースパイロットのどつき合いも終わり、それぞれが艦載機に乗り込んだ。『チェン中隊全機発艦‼︎』『プレーゲル中隊全機発艦します‼︎』タクミ側の艦隊から艦載機が発艦したと同時にアウグスト側も小型ダーカーとダーカー艦載機を放った。『閣下。有効射程内に敵艦隊を捉えました。』『アウグスト様。敵艦隊射程内に入りました。』『よし…』

『そうか…』そして二人の提督は同時に砲撃を命令した。『ファイアー‼︎‼︎』『フォイヤー‼︎‼︎』両艦隊が一斉に砲火を開き、戦闘が始まった。艦隊戦は拮抗した。この二人の提督は互角に戦いを繰り広げた。ダーカー側は稀代の名将が二人も居たが、オラクル側は進化していく名将とそれを支える優秀な人材によってそれをカバーした。タクミは、この拮抗状態を抜け出そうと一計を打った。彼はグリッドマン准将を呼び寄せた。グリッドマンは直ぐに出た。

『閣下お呼びでしょうか?』『グリッドマン提督。艦隊の中央で敵艦隊を引きつけ、その隙に左右両翼の艦隊で敵艦隊を半包囲出来ないでしょうか?』『敵にこちらが耐えきれず艦隊運動が乱れきった状態で退却する様に見せかけて敵を誘い出せれば可能です。』『両翼の艦隊を任せてもよろしいかな?』『お任せ下さい。閣下は敵の誘い出しを。』『了解した。全艦敵の攻撃で中央を食い破られそうに見せかけながら後退。だが本当に食い破らせるなよ?』

敵艦隊が次第に中央を開け始めてきたのをアウグスト達は見ていた。『どう思う?フランシス。』『恐らく罠ではあるとは思いますが、既に幾つかの艦艇は誘いの乗ってしまっていて次第に前に突進してしまっているようです。』『敢えて罠に飛び込み敵の旗艦ごと中央を食い破るのもまた一興か。』『アウグスト様。全艦に前進させますか?』

『ああ、だが全速力だ。突撃陣形で敵艦隊の奇策を一気に破る。』『敵艦隊前進してきます!すごい速さだ‼︎艦隊運動が間に合いません‼︎』『いかん中央を食いちぎるつもりか!まさか砲撃で穴を広げてから突撃するのではなく、敵に隙を見せる為のあの小さな穴に目掛けて突進してくるとは…グリッドマン提督に未完成だが現状の体型のまま砲撃して敵艦隊の足止めを‼︎』タクミ一行の艦隊は半包囲体型であるU字型では無くV字型になっていたが敵艦隊を足止めをせんと猛攻撃を加えた。その甲斐あってかダーカー艦隊は足を緩めた。タクミはそこを見逃さなかった。『全艦機関最大‼︎陣形を突撃陣形に変更し敵艦隊に接近戦を仕掛ける‼︎』第1艦隊は突撃した!アウグストはこれに対し、『見事な艦隊運動だ!あの猛攻撃を加え我らを足止めし、そこから攻撃に転ずるとは中々敵にもいい指揮官がいる様だ。』『その様ですね。並大抵な相手では無いと思われます。方陣に切り替え敵を迎撃しますか?アウグスト様。(いやアウグスト様はその様な事はしないだろうな)』フランシスの思った通り、アウグストはそのまま突撃陣形のまま前進した。この時、既にタクミとアウグストは同じ事を考えていた。(このまま前進して敵艦隊とすれ違い様に撃ち合って退却するさもなければ共倒れだ)双方の艦隊は砲火を交えつつそれぞれの進路を取り始めた。そして遂に艦隊の先頭を走る旗艦同士がすれ違った。スサノオとアウグスト達が乗る戦艦は互いに至近距離で撃ち合いながら離れていった。彼らの艦隊もそれにならい、それぞれの場所に引き上げていった。タクミは司令官席で考えていた。『あの艦隊の指揮官は何者だろうダーク・ファルスではある様だがルーサーやエルダーとも違う。一体…』新たな謎を残しタクミ一行は船団に帰投すべくワープ航法に移行した。

 




長い長い時間が掛かってしまいましたが14話です(つД`)ノ
アウグストとフランシス…もう分かってると思いますけど銀河英雄伝説のラインハルトとキルヒアイスです(笑)
しょうがないじゃん‼︎エルダーやルーサー当てたってもうモブキャラ扱いだし‼︎オラクルの政治体制やゲームの内容外の設定はオリジナルですが出来るだけ原作に近づける様には努力してます。あとそれらに関してはいずれ解説編でも作りたいと思います。
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