pso2仮想戦記二年前の戦争 作:オラニエ公ジャン・バルジャン
エドワード・アースグリム大佐がタクミより一時的に任された。(と言うより押し付けられた)第一艦隊が、エルダー率いる要塞防衛艦隊をひたすら挑発して要塞に帰らせないように引きつけている間、要塞内は混沌の極みにあった。戦闘という狂気によって悪魔の化身となったポツダム連隊は次から来る敵(ダーカーとダーク・ヒューマン)を千切って投げるなんていうとても可愛い表現では表せない有様にしていた。さてタクミ一行は要塞指令室の一歩手前で奮戦していた。ダーカーの部隊が体制を立て直して、何とか数を掻き集めて司令室前で抵抗していた。敵の銃火は激しく決死の覚悟で迎撃していた。『カールの奴、何している。まだ遊んでるのか?』フリードリヒはまだ合流しない副官をイライラしながら待っていた。タクミは無線機でカールを呼び出してみた。『おーい!カールそろそろ着いちゃうぞ〜何してんの〜?まさかダーク・ヒューマンの女の子を相手にガールズハントかい?』『いやそれはまたの機会にしますよ提督。ダーク・ヒューマンの部隊がやたら食らいついてきて、なかなか突破させてくれないんですよ。』『何人か捕虜にとって早く来てくれ。何も索敵殲滅を命令したんじゃ無いんだから、多人数を相手にしての格闘術は君の十八番でしょ?頼むよ。』まるで携帯電話で世間話をするみたいな内容の通信を終えるとカールは武器を部下に預け、身体をほぐしながら言った。『お前ら、支援射撃を止めるなよ?これからパフォーマンスを見せてやる。』言い終わったから終わらなかったぐらいにカールは全速力で走った。それに合わせポツダム連隊のレンジャーとフォースが支援射撃を行う。『何だ、あいつ…』ダーク・ヒューマンの女性士官の目に有り得ない光景が飛んで来た。急激に接近してきた一人の男に襲い掛かった自分の部下がその男に武器も使わず無力化されていったのだ。まるで1つの舞をするかのように男は飛んでくる拳を抑えそのまま投げ、カウンターで倒していった。その瞬間女性士官は身体がフワッと宙に浮いた事を感じた。この女も他の兵士と同様にカール中佐という男の体術の餌食となったのだ。あまりの早業に女性士官も受け身を取れずそのまま、床に叩きつけられた。倒しきった男はホルスターから銃を引き抜いた。止めなければ部下が…女性士官が立とうと動くのをカールは見逃さなかった。『驚いたな、立てるだけの気力があったのかい?綺麗な顔してるのにやるね?』『ハァ…ハァ…殺すのか?』『いや、ちょっと眠ってもらう。』ピシュッ‼︎という聞き取れるかも分からない消音器特有の発砲音がなり、女は倒れた。額には注射針が刺さっていた。麻酔針であった。他の兵士にも同様の処置をするとカール隊はタクミ、フリードリヒ、シュミット隊と合流し、ポツダム連隊本隊が結集した。指令室前の敵は殲滅していた。扉を破壊し、要塞の指令室に約200名程の兵隊が雪崩れ込んだ。どうやらここの兵員が武装していないようだ『全員動くな‼︎経った今、要塞は我々の手で占拠した‼︎大人しく明け渡して貰おう‼︎』タクミは指令室に充分聞こえるように大声を出し、降伏を呼び掛けた。『アークスめ…どうやって何故ここに居る‼︎』『良いか、ルーサーよく聞くんだ。我々は君らと違って、ネガフォトンでは無く、フォトンを使ってテレポートやテクニック、その他日常に必要な物を使用している。だがこの要塞宙域はネガフォトンで囲まれている。なら純フォトンを散布すれば良い。フォトンが満ちてる場所なら俺たちは何処にでも行ける。君達がネガフォトンで色んな所に出てくるのと同じさ。』『考えれば分かる事だったとは、僕が君らの艦隊があの脳筋(エルダー)を騙して奇策か何かを仕掛けてくる物だと思ったら…これか。』『さぁ、ルーサー。降伏するんだ。今回は命は助けて、君らの親玉の所に帰してやる。』とタクミが言うと、ルーサーは激昂した。『ふざけるなぁ‼︎命を助けてやるだと⁉︎劣等種如きが我々に慈悲を掛けるだと?笑わせるんじゃあ無い‼︎貴様らに負けておめおめ我らが創造主様(深淵なる闇)の元に帰してやるだと⁉︎そんな事ぐらいならここに住む民間人纏めて討ち死にしてくれる!総員自決せよ‼︎』だが、もうこの要塞にはダーカーなんて一匹も居ないし、指令室やまだ要塞内で抵抗してるダーク・ヒューマンは誰も、ルーサーの命令には従わなかった。『聞こえなかったのか‼︎こいつらを道連れに自決せよと言ったのだ‼︎』ルーサーは叫んだが誰も従わなかった。ダーク・ファルスの命令には絶対服従するダーカーとは大違いであった。もしルーサーがダーク・ヒューマンの指揮官であれば、生存していたダーク・ヒューマンの兵士はおろか、民間人も運命を共にしていたであろう。と言うのもダーカーへの敵愾心とダーク・ヒューマンの団結力の高さは他の人間型生物のそれを上回るのだそうだ。だとしても軍人であれば上官の命令は絶対である。それを無視して何もしないと言うのは彼らのダーク・ファルスとダーカーへの敵対心は計り知れぬ物であったのだろう。『おのれ…奴隷共め!もう良い。貴様ら諸共要塞を吹っ飛ばしてくれる‼︎』ルーサーは要塞の自爆スイッチを取り出した。周りの兵士は驚愕したがタクミは驚きもしなかった。ルーサーの様な人間はそういう物を持ってそうなのは分かっていたし、要塞司令官ともあれば尚更考えられそうな物だと思っていた。そして既に手は打ってある、いや打ってもらっていたのだ。タクミはニヤッと笑うと『ルーサー?後ろ後ろ〜(棒読み)』と言って、タクミの言葉にルーサーが振り返るとそこには大剣(ソード)を振り被ると恐らく普通の人間では不可能であろう笑い方をする赤い悪魔(フリードリヒ)がいた。驚く間も無くルーサーは絶命した。自分達の上官が死んだのを見るやいなやダーク・ヒューマンは降伏した。こうして要塞の占拠は完了した。要塞掌握の報告は敵艦隊とぬるま湯を掛け合っているアースグリムに直ぐ伝えられた。『やったか先輩。グリッドマン提督とヒューズ提督に打電。我、禁断ノ果実ヲ得タリ!直ちに前進‼︎敵艦隊側面を抜け、要塞内に入る‼︎』第1艦隊は、緩やかな後退をしていたが急速に速度を上げ前進した。エルダーはどうせまた直ぐに下がると踏んで前進と砲撃の命令を出したままにしていた。然し、敵は依然後退せず前進してくる。『急に前進しだすとは、急速後退敵を抜かせるな!』然し、艦隊は直ぐには後退出来なかった。『エルダー様!度重ナル前進後退運動ノ負荷デ船体固定スラスター
ニ負荷ガ、現在ノ方向ヲ向イテノ後退ハ不可能デス』エルダーの副官のゴルドラーダの報告にエルダーは歯軋りをした。『まだだ、敵は要塞主砲Atem Gottes(神の息吹)射線上には入らん。きっと主砲の死角から要塞を直接叩くはずだその為に要塞に沿って回る。我々はそれを予測して敵艦隊到達予測地点に直進して叩けば十分追い落とせる‼︎』エルダーの判断は間違ってはいない。だがそれはあくまで要塞を手中に収めている勢力の戦術。そして彼らの手にはもう要塞は無いのである。敵艦隊が要塞射程を気にせず前進している事にエルダーは疑問に思い出した。だがその時には既に手遅れであった。要塞主砲射程に敵艦隊まるまる収まっているのである。それでも要塞は発射しない。エルダーはまさかとは思いつつも最悪の状況を連想した。(いくら司令官があの役立たず(ルーサー)であったとしても要塞を取られる様な事は無いはずだ。だがそれなら既にAtem Gottesが発射されてもおかしくない。トラブルでもあったのだろうか?)だが、トラブルでも無い事をエルダーは知った。敵艦隊は円形に艦隊を広げ要塞中央をエルダー達に見せた。そして彼らの前にエネルギーを充填し、今にも放たれそうなAtem Gottesがエルダー達を捉えていたのだ。エルダーは直ちに後退を命じた。かくして数時間前とは立場が変わったエルダーは腸が煮えくり返っていた。と同時に失意に駆られていた。勝ち目など無かったのだ。敵艦隊は損害など殆ど与えていないし、おまけに要塞まで掠め取られている始末…。生きて帰れる訳がない。エルダーは覚悟を決めた顔をして、かつての自分達の根拠地そして今は、敵要塞となったschloss von gott要塞に通信を入れる様に指示した。指令室のモニターにエルダーの顔が映し出された。一方、エルダーのモニターには血塗れになった装甲服を着込んだ集団と手錠を掛けられた奴隷(ダーク・ヒューマン)が映し出された。エルダーはこの時に要塞が落ちた事を改めて認め、指揮官は誰かと問うた。タクミもまた指揮官は自分だと名乗り出た。『貴公が艦隊司令官か。まだ若いな。アークスは子供も司令官にするのか。』『能力のある者が高みに立つ。歳は関係無い。力と知恵。そして弱き者を思いやる事の出来る高潔な者が人々を率いるに相応しい人間だ。私はその類では無いが少なくとも知恵だけはギリギリ当てはまった様だ。』『提督殿、我々はダーカーは決して貴公らに命乞いなどせぬ。我らをお創りたもうた創造主(深淵なる闇)の子として、武人としての矜恃を守るべく我々は全艦ここで討ち死する事に致すそれでは!』通信が切れるとタクミは怒りを露わにした。『馬鹿馬鹿しい‼︎武人の矜恃だと⁉︎なるほど自分は良いかもしれない。だがその為に何万の命を道連れにするなど…要塞主砲直ちに発射‼︎敵艦隊はとっくに射程に入っているぞ‼︎』Atem Gottesは特攻せんと向かってくるエルダー艦隊を捉えたその巨大な砲口は36個のエネルギー発生装置を要塞を覆う流体金属から出し、それぞれで発生させたエネルギーを中央に集めた。『ファイアー(撃て)‼︎』Atem Gottesによって放たれた大出力高純度のフォトンレーザーの巨大な帯はエルダー麾下艦隊を飲み込んだ。その時、ほぼ全ての艦隊が無線回線をオープンにしていたのか。レーザーに溶ける瞬間、創造主万歳‼︎‼︎と叫び消えていった。エネルギーが減衰しレーザーが消えるとエルダー麾下艦隊が居た場所に100隻余りの戦艦が発光信号を送っていた。すべてダーク・ヒューマンの戦艦であり、身の安全の保護を要請していた。タクミはその100隻を収容するべくアースグリム隊に迎えに行かせた。こうしてschloss von gott要塞は第二次帝政末期から現在に至る二百数十年振りにオラクル陣営の手に戻ったのである。
はい、19話です。色々ネタをぶっ込みまくってこうなりましたが如何でしょうか?リオオリンピックも上々の結果を残しつつあり、pso2も益々発展しておりプレイヤーを増やしている中、この小説はどんどんpso2よりも銀河英雄伝説風味を増しつつあります。(オカシイナー)そろそろ場所を変えて、アウグストゥスメインで話しを作って行こうとも思っています。EP2、EP4も鋭意進めていますので、色々原作設定、ストーリーに沿って行きたいと思います。後、近日中に設定紹介編2隻目を出航しようと思っていますのでそちらもご贔屓下さい。因みに内容は、各勢力の立ち位置、戦術、戦法、現在の思惑と今後のストーリーのキーパーソンを含めたものになります。