pso2仮想戦記二年前の戦争 作:オラニエ公ジャン・バルジャン
恒星スパルタンに大中小の艦艇約100万隻が結集した。然し、どの艦隊、どの艦艇も多かれ少なかれ、損害を被っており、占領作戦の都合上、戦える艦は60万隻が良いとこだった。対するダーカー・ダーク・ヒューマン連合軍艦艇数180万隻そのうちダーク・ヒューマン85万隻、890万将兵が参加した。ダーカー総数は諸説あるが約1200万体が有力な総数だと言う。第6艦隊司令官ネルソン元帥は、第12艦隊司令官、ハルトマン中将を呼び出した。数刻もせずにパネルにハルトマン中将は映し出された。多くの若者(タクミやアースグリム、ガブリエル等)に愚将と罵られているこのオラクルの宿将と言われている中年の男は、まるで自らの行いの後悔に打ちひしがれた様な顔をして居た。ネルソンは、少し、眉を動かしたが直ぐに口を開き、本題に入ったのだった。『お互い無事だったな、ハルトマン君。ちょっと用があるでな。これからマグナス君とそっちに行くから、君んとこの作戦参謀長(ベルナジュー)を呼び出しておいてくれ。』ハルトマンは重い口を開いた。『はい閣下。御用についてはなんであるかはおおよそ予想はつきます。我々にお任せください。』(あれは…なんか有ったな…ハルトマン…)ネルソンはこの憔悴しきった男に何か不安を感じながら通信を切った。10数分後、総旗艦大和より、シャトルが発信し、第12艦隊旗艦、守護衛士級サラマンダーに向かった。艦橋には、立っているのもやっとな表情を浮かべるハルトマンと、何故こうなったか分からんと言った顔をしたベルナジューが待って居た。ネルソンは口を開いた。『皆、よく無事に帰って来た。だがご覧の通り、我が軍は半数以下の艦艇にまで撃ち減らされ、約半数の将兵…一千万の老若男女を死なせてしまった。このまま戦っても、勝ち目は無い。これより全艦でschloss von gottschloss要塞…つまり第一回廊へ入り、撤退すべきだと思うのじゃが。』ネルソンは撤退を進言した。当然の判断だった。数の上で負けてる上、至る所に死傷者を抱えている中で戦うのも無理な話である事は一目瞭然であった。だが、『撤退ですと⁉︎元帥閣下!耄碌なされたか‼︎我らはまだ半数も戦力があるのです!ここスパルタンで奮戦し、敵を退け、長駆遠征を再開すべきです!このまま引けばそれこそ敵を我らが領中に誘い込むようなもの‼︎仮に全滅しようとも武人の魂を遺憾なく奴等に見せつけることが出来る。我らの大勝利ではありませんか!』ベルナジューは声を荒げで吠えた!ネルソンは、目の色を変えてこの凡骨の目つきの悪い骸骨男に向かってより大きく吠えた!『武人の魂じゃと⁉︎ふざけるな‼︎お前のような若者がおるからいつまで経っても戦が終わらんのじゃ‼︎お前のその武人の魂とやらに巻き込まれた兵士達はみな犬死するじゃろう。そうなれば未来の父と母を数百万人失う事になるのだ!加えて言うなら、ここで壊滅すれば誰が国を護るのだ?我等がここで悉く討ち死にすれば誰もオラクルを護る者は居なくなるだろう!…貴官は巷では秀才と言われておったようだが、ちょっとは考えてくれると思ったが、実に残念じゃ、ベルナジュー少将。貴官より今遠征における全ての権利を剥奪する。そして貴官は、全軍を混乱に陥れた罪により軍法会議に掛ける。連れて行け‼︎』二人のアークスがベルナジューを取り押さえた…然し、『貴様ァァァ‼︎‼︎』ベルナジューは逆上して、拳銃を取り出し、アークスを振り払い、ネルソンにその銃口を向けた。『閣下‼︎』アブラムソンが身を庇おうとした。銃声が艦橋に鳴り響いた。然しネルソンは崩れる様子も無かった。ベルナジューは手を抑えていた。発砲したのは、ハルトマン中将だった。『ベルナジュー…もうやめよう。止めるんだ。無駄に戦って、勝機を逃し、兵を死なせるのは止めよう。私は、常に間違いを起こしては、兵を死なせた。もうこれ以上は死なせてはならん。』(驚いた。あの猛将が、こんなに人が変わるのか…いや、元々この人は愚将では無い。だが後の世代にとって変われる事を恐れて、戦果に目が眩んだ哀れな指揮官なんだ。だからと言って無駄に兵を死なせる理由にはならないが、この人に何かしらの変化をもたらしたんだ。)アブラムソンはこの傲慢であった初老の猛将の変化に驚きつつも、この男の矜持に共感した。然し、ベルナジューは、もう一丁拳銃を隠し持っていた。
そして今度はハルトマンに向けた。ハルトマンは避けるそぶりを見せなかった。死ぬつもりだったのだ。あまりにもその拳銃が小さかったので周りの者は気づかず取りおさえる事は出来なかった。銃声がまた響いた。然し、これもベルナジューが撃ったものでは無かった。ベルナジューは血塗れの腕を抑えながら絶叫していた。艦橋の影から拳銃を持って出て来たのは、タクミだった。『終わりだ。ベルナジュー、ワンマンショーは終わりだ。やり過ぎたんだお前達は…。おっと、お怪我は?提督。』『き、君は、タクミ・F中将…?』タクミの後ろから、ジャン、ジョーゼフ、バルバラ、マトイ、イオ、ガブリエル、アースグリムといった顔ぶれが出てきた。『第1艦隊及び第二、第三、第四艦隊集結命令により、ここに参集のご挨拶に参りました。加えてネルソン元帥には大元帥閣下より、命令書が御座いますのでご確認の程をお願いいたします!』マトイから命令書を受け取ったネルソンは自分に全権を与えると言うセルゲイの命令書を見た。『拝命仕った。では最初の命令だが、第1艦隊司令官F中将に撤退戦時の作戦の立案とその時の全権を与える。各提督、各作戦参謀と協力して立案せよ。』『ハッ!』タクミは勢いよく敬礼をし、ネルソンも力強く敬礼を返した。一旦自分の艦に戻ろうとしたタクミをハルトマンは呼び止めた。『F中将。作戦会議の際、この男の案を聞いてやってくれないか?』ハルトマンが連れてきた男は、年はタクミと同い年か少し上。体格は普通で髪の毛は青みが掛かった癖っ毛の黒髪の青年将校だった。タクミは驚いた。この男を知っていたのだ。『サミュエル、サミュエル・ジャクソンじゃないか⁉︎久し振りだな!』この男サミュエル・ジャクソンアークス上一級准将待遇は、タクミ達の同期であり、タクミと劣等生争いを繰り広げた仲間であった。然し、サミュエルはタクミと違い最後の最後で卒業生指折りの成績を残している。(タクミはなんとか中の上ギリギリだった)この男は作戦を立てると言う面、つまり戦術面では右に出る者がいないと言われる男だったのだ。この男はハルトマン中将の作戦参謀だったが、自分が立てた作戦は大抵常識外れなものばっかりだったのでこの時まで、ハルトマンやベルナジューに採用される事は無く、とりわけベルナジューには、罵倒される始末だったが彼は今日まで生き残ってきたし、彼の提案や発言を取り上げなかったばっかりにこの第12艦隊は彼が言った最悪のケースにハマり、戦力を損耗していった。ハルトマンはそれ以来、彼の提案の正しさと自分の愚かさを知り、ベルナジューはタクミと同等の自分の出世を邪魔しかねない存在として蹴落そうと思案したのだ。そんなサミュエルは久し振りに同期と再会したのだ。『お久ぶりです。中将。…相変わらず紅茶臭いぞタクミ。おまけに俺より出世しやがって!俺が先に提督になって、お前を何が何でも呼び寄せてこき使ってやろうとしたのにw』『それは残念だったなwハルトマン中将が勧めてきたんだ何かいい案が有るんだろうな?期待してるぞ!』『任せとけって!エド(エドワード・アースグリム)とガブリエルとルイ先輩には顔を見せないとな、ジャグ(フレーゲル・ジャグホット)の野郎には顔を出したからお前達だけだったんだ。さてと、閣下!これより本官は第1艦隊に一時移らせて頂きます。』『ウム。了解した。戦闘が始まると移動は出来なくなるかも知れん。サミュエル君。君はそのまま第一艦隊にいたまえ。友人達に顔を見せてくるといい。』『感謝します!』タクミとサミュエルは、シャトル発着場に着いた。イオがシャトルの前で待っていた。『お帰りセンパ…提督。あれ?その人は?』『今日からウチに来る友人だ。仲良くやってくれ!』『サミュエル・ジャクソン上一級アークスだ。宜しくな嬢ちゃん。』『イオ中一級アークスであります。宜しくお願いします!それと准将閣下。嬢ちゃんは辞めてくれますか?これでも19になるんですが…』『おっと、それは済まない。レディにその扱いは行けなかったな。大尉宜しくな!』シャトルがサラマンダーから発進し、武蔵に着陸した。発着場ではアリスが待っていた。『おかえりなさいませ閣下。無事に事は運びましたか?』『勿論、アリス少佐紹介したい人が居るんだが…?』アリスは視線をただ一点に集中し、眼を潤ませた。その先には、サミュエルが居た。サミュエルもアリスに気が付いた。そしてハッと身体を強張らせた。アリスは走ってサミュエルに抱きついた。『やっと…やっと逢えた…貴方に…探しましたよ…。貴方に会いたくって軍人になったんです。』アリスは涙を流しながら、サミュエルに話した。サミュエルもただ黙ってアリスを包み込んだ。タクミは何が起こった分からなかった。『お、お〜い?エド?これは一体?』『あっ!先輩知らなかったんですね。アリス少佐の故郷は、アークスシップじゃなくって、第87植民地惑星なんですよ。』『第87って…あのダーカーの攻撃を受けて、壊滅的被害を被った星か?確かあの時、サミュエルの研修先がそこでダーカー殲滅と民間人の避難誘導を担当するアークス訓練生中隊の中隊長だったけど?』『その中でただの成績の良い女子高生だったアリス少佐は、サミュエル先輩に会い、命を救われた。そして二人は恋に落ちた。と言うわけで御座います。知らなかったのは先輩だけですよ?まさか先輩、アリス少佐好きなんですか?確かに貴方はどこかサミュエル先輩に似てるし、アリス少佐も貴方の事気に入っていた見たいですが?良いのかな〜?浮気じゃ無いの〜?マトイ様に言いつけちゃおうかな〜?』『そ、そんなわけ無いだろう⁉︎親切な綺麗な人だな〜と思っただけで、決して浮気とかじゃ!』そのやり取りをアリスとサミュエルは、笑って見て居た。そしてマトイも…『タクミ…。』『マトイ…マトイさん?決してそんなんじゃ…』『浮気者!もう知らない‼︎』マトイはフォトンを溜めてタクミに放った。(訓練出力。死にはしないがかなりの激痛は走る)『ここでテクニックはダメ…ギャアアアアアアアア‼︎‼︎‼︎』宇宙に一人の若者の断末魔が響いた。こんな馬鹿馬鹿しいやり取りをして居る若者達がこの戦いで重要な役割を担う人間とは側からみたら見えないだろう。新光暦239年11月19日。恒星スパルタンの会戦が始まらんとしていた。
お待たせしました。最新話です。そろそろこの無駄に引っ張った遠征編が、終わろうとしています。作者は自動車免許を取得すべく励んで居る中の執筆という事で、カーアクションの一つや二つあっても良かったと思いつつも、無理があったので、それはまたの機会にwハルトマン中将のモチーフは銀河英雄伝説のパエッタ中将です(でも彼よりは有能なつもりです…うん)サミュエルは我らがミラクルヤンことヤン・ウェンリー提督をモチーフにしました。結構中身変わってますが…。むしろ中身はオリジナル?でもゼノやアッテンボローやポプランの匂いもする?なんか混ざったキャラになってます。pso2は益々面白くなってきて作者としては嬉しい限りですが…銀河英雄伝説の新アニメが目前にも関わらず、銀河英雄伝説タクティスのサービス終了のお知らせを聞いて私は当たりどころの無い悲しみに包まれております…(´・ω・`)