pso2仮想戦記二年前の戦争   作:オラニエ公ジャン・バルジャン

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30.5話 現状の補足説明 フェデル王朝

オラクル共和国補足説明

 

第二次帝政 フェデル王朝とは?

 

第二次帝政フェデル王朝は第二次民主共和体制末期に発生した政治混乱によって生まれた王朝。

 

始祖、アーサー・ヤコブノフ・フェデルはこの当時、有能なアークス師団に所属する中隊長だった。この当時のオラクルは第一次帝政以来の、多額の負債、更に第二次民主共和体制の求心力の低下に基づいての地方反乱や騒動、おまけにダーカーの大規模侵攻にその植民地惑星も全て占領される程の衰退を見せており、国民も飢えて死ぬのが先か、ダーカーに殺されるのが先かという状態になっていた。

 

当初、アークスは現政府に反対する革命派(共和政府打倒派)の粛清、鎮圧を行なっており、アーサーもそれに従事していたが、マザーシップ・シオンは暴虐の限りを尽くす現政府を見限り、革命派の支援をアークスに指示。アーサーも昨日まで地鳴らしをしていた相手と今度は一緒に戦い、逆に守るはずだった存在を踏み潰す事になった。

 

かくして、第二次民主共和体制は打倒されたが、今度は、革命派内の共産主義派と王政派が分裂、武力衝突に至る。アーサーは国家再建の為には共産主義のやり方では不可能と判断し、王政派に移る。

 

この革命派の分裂は当時の船団の人口の約半分が死傷したと記錄されている(然し、詳細資料が殆ど残ってないので実際の数は不明)。

 

アーサーはこの時期より、頭角を現し始め、穏和な人柄とは裏腹に鬼神の如く戦う姿は多くの人々を魅了し、共産主義派の殲滅が完了した時には王政派のリーダーになっていた。

 

そして首都艦フェオにサン・ドーバー宮殿(現在のサン・ドーバー首都艦博物館)を建築し、第二次帝政フェデル王朝を建てる。アーサーはその後の生涯を国家再建に捧げた。

 

然し、アーサーの寿命は国家を蘇らすには足りたが肥えさせるには足りな過ぎたのだ。アーサーは無念にその59の生涯を終える。

 

第2代皇帝フレデリック・シュルツ・フェデルは、その王位継承当初は実に困難極まる道を歩んだ。父王アーサーと同じく、国民に対して、実に穏和な政治を行おうとしたが、父王ほどの求心力を得られないばかりか、刻一刻とダーカーに迫られる現状、旧臣による王位簒奪、民主主義者の残党による、革命運動など、問題は山積みであった。

 

この当時、アーサーの血も滲む努力によって負債の返済は実に順調ではあったが、度重なる騒動からこの船団国家を立て直す為に行った政策により、実際のところ、未だ多額の負債が、残っていた。フレデリックは、求心力の確保の為、そして王位簒奪阻止を図るべく、迫り来るダーカーの大群を討伐する事を選ぶ。

 

この当時、まだ内戦の最中ではあったもののグラール三惑星の植民地惑星とオラキオ植民地惑星が第一銀河に存在した。フレデリックは先ず、両国に不可侵を約束させると、自ら兵を率いた。

 

そしてかの有名な第六ブラックホールの死闘を演じる事になる。フレデリック軍総勢艦船80,000、総兵力180万対するダーカーは大中小合わせてその数2000万体…。もはや勝負にならない、然し、フレデリックは秘策を用意した。大規模改修を施したアークスシップ10隻、更にマザーシップ・シオンに参戦を要請した。マザーシップ・シオンとアークスシップから放たれるスーパー・レーザーの巨大な光の帯は無数のダーカーを飲み込んだ。それでも兵力差は埋まらない。

 

然し、フレデリックは戦う事を選んだ。フレデリックはブラックホールを利用した、実に不安定な宙域で戦闘に臨む決断をする。フレデリック軍はブラックホールに布陣するとそれを追ったダーカーはブラックホールに飲み込まれていく。大混乱の中、覚悟を決めたフレデリック軍の決死の突撃により、ダーカーは潰走、指揮を執ったルーサー(敗者)(オリジナル)も逃げ帰る事になった。

 

これを気に、フレデリックは第一銀河に覇を唱える事になるのだった。フレデリックはこの戦いにより、獅子王と呼ばれる。先王アーサーにも劣らぬ鬼神の如く武勇と常に先頭で戦に臨む勇気は国民によって称えられた。

 

フレデリックはその後領土拡大に勤しみ、国家を大いに繁栄させるが、国家内蠢く問題の種を一掃することは遂に敵わなかったがその治世60年、フェデル王朝黄金期の基礎をその八十年の人生で作り上げたのだ。

 

第3代皇帝、アレクサンデル・ムスタファ・フェデル

通称憲兵帝は、国家の治安維持や福祉面にも力を入れた民政家だが、その心は氷のように冷たく、マキャベリズム(権謀術数主義)を人の形にした存在と言われている。

 

彼は現実主義に基づいた国家政策や侵略政策を展開した為、武闘家の旧臣達からは嫌われ、不協和音を大いに奏でたが、当の本人は全く意に返さず、そして国家安泰意外何も考えていない。つまり私心も全くないので、余計配下の軍人やアークスの敵意を煽る事になった。だが反乱等は起きなかった。

 

彼が、如何に己を嫌う家臣であっても評価するところは評価し、その功績に答えてからである。然し、それでも第2代皇帝フレデリックの頃からの宿将たちは最後まで、アレクサンデルに誠の忠誠を誓うことはなかった。

 

アレクサンデルの治世の真髄は謀略によって国を立たせてしまった事である。不可能と言われていたことをやってのけたアレクサンデルであったが多くの国民にも忌避をかう。アレクサンデル廃位運動すら起きる寸前にまで発展したが、決行前に全て阻止され、中にはその計画を立てた途端捕縛される者すらおり、そしてそれぞれが共通した末路、一族郎党全員の斬首による処刑を賜った。

 

堪り兼ねた民衆と貴族はオラキオ王国とグラール三惑星に出兵を要請し、オラキオ、グラール連合軍が組織されるが、アレクサンデル軍とオラキオ、グラール連合軍が相撃つ事は無かった。

 

アレクサンデルは先ず両国に出兵を要請した貴族、民衆を処刑。更にオラキオ、グラール両国に欺瞞を種を蒔いた。結果、オラキオ、グラール各三惑星の四つ巴の戦いにまで成長させ、結果、原因を作った反逆者の血を除けばオラクルは無血に勝利を収めたのである。

 

更にアレクサンデルの行為をプロパガンダにより国民の情報操作を行い、名君と讃えさせたのである。もっとも、アレクサンデルの治世が、始まって直ぐに犯罪検挙率はうなぎ登りになり、国家治安は格段に上がり、暗君は勿論、凡君とも言う事は出来ない功績を残していたので、あまりそこは苦労しなかったと言う。

 

国家の為、私情も全て捨て、ただ国家の為、その一心で働いた。アレクサンデルにとっての心の拠り所は、皇妃エリザベータであった。この慈愛に満ちた美女とアレクサンデルは美女と野獣とよく揶揄されるのだが、エリザベータはその美しい微笑みを浮かべながら常に言った。

 

『陛下は皆さんが言うほど、悪い人ではありません。ただ不器用なだけ。現にこうして、私も、この皇子ムスタファ(第四代皇帝)も幸せに今を生きていますもの。』

(アレクサンデルとは15歳差である。故にアレクサンデルにロリコン説が浮上する要因にもなった。)

 

アレクサンデルと皇妃エリザベータの間にはなんと8人の子がおり、しかも全員エリザベータの子宮から生まれたのである。アレクサンデルとエリザベータは夫婦仲は大変良好で、アレクサンデルは日々のストレスや苦痛をエリザベータに打ち明けていた。

 

氷の皇帝、裏の顔は大変な愛妻家。アレクサンデル・ムスタファ・フェデルは治世28年。58歳の生涯を終えた。その後、第一銀河の覇者、ムスタファ・ヤハウェ・フェデルの為に残した彼の遺産、強き鉄の法を持った国家と武勇、智勇に優れた兄弟、姉妹達。第四代皇帝ムスタファ・ヤハウェ・フェデルの覇道はアレクサンデルの死ぬ、数年前から始まる。

 

ムスタファ・ヤハウェ・フェデルが王位に就いたのは21の時である。58の若さで死ぬアレクサンデル皇帝に死の数年前から言われ続けている事があった。

 

『我が愛すべきムスタファ・ヤハウェ・フェデルよ。決して父のように、余のようにはなるな。』

 

皇子ムスタファはそれを守り知略に優れた父から学ぶ一方、武を磨き、公正な態度を作り上げた。

 

やがて、政の師である父を失い、皇子ムスタファは第四代皇帝ムスタファになる。ムスタファの治世の始まりは戦から始まった。先帝アレクサンデルに復讐を誓う第3銀河勢力が再び同盟、大挙としてオラクル船団に向かった。

 

非ダーカー種族との戦いにマザーシップは介入は決してしない。アークスも、先帝との因縁で兵を出したがらず、ムスタファの手勢は数で劣った。

 

然し、ムスタファは軍略の神に好かれていた。そしてこの戦いで今に続く軍神フェデル家信仰を盤石なものとする根拠を築くのだった。

 

ムスタファ率いる艦隊は各地で連合軍を寸断、補給線を断ち、敵艦隊に白兵戦を仕掛け、艦隊を丸ごと奪い、それを使い騙し討ちを行い、各地、各地の海戦で勝利し、結果連合軍を潰滅させたのだ。その神憑り的な用兵術と武勇は瞬く間に広がり、軍神として国内外に畏れられ、鬼神は、軍神への道を突き進むようになる。

 

ムスタファの次の仕事は今でも難攻不落の大要塞schloss von gott要塞の建造であった。超巨大ゼロ沸点型核融合炉によって稼働し、直径120キロの巨大な球体を自力航行、ワープを可能とし、数万隻の艦隊を消滅させることが出来る神の息吹(エイテム・ゴッデス)と呼ばれるXフォトン線レーザー砲を搭載するという、要塞というより殺戮マシーンと化した人工天体である。

 

空気、電力は勿論、水、食料も自給自足可能。民間人500万人居住可能。もはや小型の惑星である。schloss von gott要塞は完成するやいなや直ぐに攻略目標にされた。

第一次schloss von gott要塞攻略戦はオラキオ王国海軍艦艇25000隻の襲撃を受けるも、防衛艦隊10000隻と要塞の連携により完封勝利を収め、第二次攻略戦も同様の結果で終わった。(第三次から第7次までの要塞攻略戦はアウグスト・シュヴァーベン対等による、ダーカーとの戦いで何も勝利。第8次は国軍が全く機能せずほぼ無抵抗で奪取。第9次はダーカー側の不自然すぎるほどの戦術行動により、奪還失敗。この当時のアークス第三艦隊の参謀にまだアークスなりたてのタクミが参加していた。)内と外の政に比類なき功績を残したムスタファであったが、彼の不幸は余命が無かったことである。彼は36で暗殺されるのである。

その後、分家カストロプ家による王位簒奪、アウグスト・シュヴァーベン、フランシス・オーヴェルニュ対等により、第二次帝政において、フェデル家が表舞台に出ることは無く、更に発足直後の第三次民主共和体制により身篭った女と赤子を残して一族郎党皆殺しに合うという悲劇を乗り越えながらもフェデルので血筋は守られ…

 

第10代当主 ダジム・クヴァシルヒ・M(ミシェル)・フェデル(タクミ・F)

 

フェデル家10代当主(フェデル王家は男子のみを当主とする決まりがあり女性は当主代理として家を守り、結果フェデル王家は多くの当主代理が家系図に存在する。)にして、フェデル家最後の男児。第9代当主であった父を早くに亡くしたが、父の友人であるフリードリヒ・ケンプ・オイゲンに、戦闘の修行を受け、槍術を三つ年上の姉、イサラ・フェデルに習い、戦術をオラクル軍元帥ジェームズ・ネルソンに習った、正しく戦う為に生まれた青年である。フォトンは他のアークスに比べると少し少なめだが、体内に流れるフェデル家の遺伝子と、母イザベルから貰ったデューマンの遺伝子のお陰で戦闘において、一つの才能を持っている。

 

そのお陰で、アークス精鋭チームに所属し、深淵なる闇討伐メンバーの一人として守護衛士の称号を持つ。彼はフェデル王家の末裔ではあるが王政復古には興味は無く、彼自身は敬虔な民主主義者であった。タクミは何故、第3銀河の出征の時に本名、フェデル王家の人間としての本名を出したのかは諸説あるが、一種の覚悟の様なものであったと言う。自分を偽ることなく戦うための…。二つ名を持つ青年は名前にも無頓着であり、タクミと呼ぶものもいれば、ダジム・フェデルと王家の名で呼ぶものもいるので好きに言わせているようである。

 

軍神フェデル信仰をそのまま具現したような戦ぶりを見せるこの青年に何が待ち構えているのか。この男の不幸にも残り少ない命で何を残すのか。きっとそれは後の人が判断するのかも知れない。ただ一つ言えることは、この男は今、死神を纏いて死地に向かおうとしているという事だけである。

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