pso2仮想戦記二年前の戦争   作:オラニエ公ジャン・バルジャン

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7話 戦火の帰還

タクミと彼の信頼すべき女性航海士と老練な老副官は、オラクル船団艦隊総旗艦大和艦橋エレベーターにいた。

この戦艦大和は全長4.6㎞全幅200m全高1.8㎞とスサノオ等のガーディアン級に比べたら若干小柄ではあるが全幅や全高の他の艦を凌駕しており、むしろ、ガーディアン級よりも大きく感じるものもいることから文句無しの堂々たる艦隊旗艦型戦艦である。先ず、この艦は他のオラクル船団艦艇とは違う点がある。例えば、主力戦艦から駆逐艦に至るまで艦の主砲は艦首に内蔵されており、つまり、艤装が艦内蔵型に対し、大和の場合、艤装が露出しているのである。先ず、前方に三連装レーザー主砲口径300cm全長350メートル全幅150mこの砲塔一門で駆逐艦サイズである。その後ろに三連装レーザー副砲口径200㎝全長200m全幅80mこれ3機で900mと主力戦艦サイズであり、その後方に全高1.2㎞の艦橋がありその後部にレーザー主砲1機三門、その後ろにもう1機主砲が配置されている。艦腹にレーザー主砲1機と300㎝二連装主砲が前後に配備され、艦艇部にレーザー主砲がそれぞれ前部と後部に配備されている艦首主砲は内蔵式格納式のレーザー主砲20機と中央艦橋ブロック正面に7機4列28門、その他レーザー副砲対空砲が無数。300㎝と200㎝の化物を大量に乗っけたこの戦艦は後部に1㎞に及ぶ航空甲板を持ち、航空戦艦としての側面ももつ。この化物戦艦の艦橋にタクミ一党はいるのだが、1.2㎞に及ぶ艦橋の為、最上階に着くのは時間がかかる。タクミはこの艦を始めてみた時、『戦艦大和そのものかと思ったけど、戦艦比叡の面影もある。』この艦の艦橋は大和型艦橋では無く、むしろ古の戦艦、比叡に搭載された大和型試作艦橋に近いものに設計されていた為に彼がそう思ったのも無理は無い。

 

そしてエレベーターは止まり、ドアが開いた。そこには、白髪の髭を生やした、老人と、中年の副官が待っていた。タクミ一党は敬礼し、この二人の老指揮官も敬礼を返した。『艦隊司令長官殿、援軍感謝します!』タクミは感謝を述べた。ネルソン元帥はかぶりを振り、『何のワシが行かんでも、お前さん一人でどうとでも出来たであろうに。』と謙遜した。(結構ピンチだったんだけどなぁ)そう思いつつもタクミはこれ以上触れずに、現状の戦局を聞いた。『現政権軍は残った戦力を結集して、立て篭っておるよ。彼等を支持する民衆を義勇隊として、戦力にも加えておるようじゃ、お陰で現政権反対派の民衆と義勇隊が毎日、日夜問わず暴れまわっていて、数千隻のアークスシップことごとく戦場と化しておるよ。』

『このままでは民間人の死傷者が増える一方ですね…』

『その為、一刻も早くオラクル船団に帰投しなければなりません。』『貴官は?』『失礼、小官はマグナス・アブラムソン小将であります。第六艦隊副司令と作戦参謀長を兼任しております。』そう答えたスウェーデン系ヒューマンとニューマンのハーフのこの中年の男性は会釈した。

『これは、同階級の将校とは知らず失礼いたしました。』

タクミも敬礼で返した。今後の方針は、第一艦隊と第六艦隊の聯合艦隊で中央ゼノビア回廊を進み、残りの第二、第三艦隊がそれぞれの航路を取り、オラクル船団を包囲する形になった。タクミはとある事をネルソンに聞いた。

『第五艦隊はどうしますか?』

『ああ、あのキャストの若い男だな?あれは暫く、此方で預かる。艦艇は近くの基地に置いておこう。』

老人はタクミのちょっとした表情から、読み取ったのか、『あの男の気に入ったのか?心配するな。時が来たら、あの男をそっちに回せるようにしておくよ。』

タクミ達は艦橋から降り、連絡シャトルで、スサノオに戻った。鹿島大佐は、第五艦隊のグリッドマン中佐を第一艦隊に入れる事に反対だった。『彼を我々の仲間に入れるのですか?彼の上官が、以下に愚劣な男であったにしても、自分の上官を撃ち殺すような男を幕僚に入れるのは反対です。』鹿島大佐の言うことも一理あるが、タクミは聞く耳を持たなかった。彼はスサノオの自室に戻ると、残った戦力を結集し、艦隊の再編を行っていた。彼は今回の戦闘で、とある思いがあった。『ガーディアン級の指揮能力が高くない。』という事であった。実際はそうでも無く艦隊を指揮するのなら十分な性能があったが、彼のような縦横無尽に動き回る策を好む将官にとっては、ガーディアン級の指揮能力に僅かながら不満を抱くものもいた。考案主であるタクミすらこれを感じていた。『大和ような艦に乗れれば、扱える戦術も戦力も増えるんだがな…あんな化け物戦艦使うのは大変だが強者揃いのウチなら何とかできそうだし…』彼のちょっとした願望は後々叶う事になるのだが、これは別の話である。こうして、第一艦隊と第六艦隊の聯合艦隊総数約23,000隻(内第一艦隊約8,000隻第六艦隊15,000隻)はゼノビア回廊の航行していた。第二、第三艦隊も第一艦隊と似たり寄ったりの被害を出しつつも、それぞれの航路でオラクル船団を目指していた。

 

一方オラクル船団現政権は狼狽していた。彼等の唯一の起動戦力を失い、おまけに旗艦は拿捕される始末であった。

彼等は、もしもの時はアキレスに乗り、船団を脱出するつもりだったのだ。だが、現に艦隊は敗北し、残ったのは僅かな分遣艦隊2000隻であり、それに対し約30,000隻以上の艦隊が大挙して押し寄せようとしているのだ。狼狽して当然であった。『クソ‼︎矢崎の役立たずめが‼︎これでは我らの退路は無くなったでは無いか‼︎』首相は怒りに震えていた。外務省大臣は、敵艦隊が刻一刻と近づいている事を

首相に伝えた。彼は、どうしようも無いこの状況に何とか、活路を見出そうとしていた。そして彼は考えた。

『我々を支持する民衆が義勇隊を作っていたな?』

閣僚達がそうだと答えると、彼は『全ての我々を支持する民衆に武器を持たせて、アークスシップの武装を使わせろ。こうなったら、邪魔な連中同士を潰し合わせてやる!』この男は本当に民衆と戦争しているような男であった。皮肉にもこのオラクル船団議事堂にはこれを批判できる者は居らず、むしろこの動きを賛美するものしか居なかった。そう言った者達は一人残らず政治犯として収監してしまったのだ。もはや政治の立て直しなど見込めるはずもなかった。こうして悲劇にも国民は進んで武装し、真に国と民を想って、戦ってきた者達と砲火を交えようとしてしていた。ここにいる連中は誰一人として、議事堂の現政権を疑っていなかった。国民が信じる国家政権の為に戦おうとしている中、家族と共に財産を持って脱出しようとしているとはこの時、誰も知らなかった。

一方現政権軍に更迭されたアークス達は、やるせ無い気持ちで一杯だった。自分達が捕まり、それを助け出そうとした民衆と阻止しようとした民衆同士が殺しあっている。

そんな事を彼等が望むはず無いし、何よりこの時に乗じてダーカーが攻め込んでくるのでは無いかという不安で頭が一杯だった。そんな中、アークス首脳陣は同じ牢に入れられていた。『あ〜あ、つまんない。』とウルクは退屈していた。テオドールはなだめるようにこう言った。『心配せずとも、後で忙しくなるよ。とにかくウルクに怪我をさせた彼奴ら…許さない…』テオドールの殺気の籠った発言にヒューイは『と…取り敢えず落ち着こうじゃ無いか。外は世紀末状態救援は望めない。こうなったらオレ達でどうにかするしか無いだろう。』『でも、どうやって出るのよ。こっちは武器は勿論何もかも取り上げられてるのよ。扉を開ける事は出来ないし』サラの発言に皆が肩を落とした。確かに武器さえあれば、こんな牢簡単に破れるが、武器を持たせて牢に入れる人間などこの世界の何処にいるだろうか?だが出なければ成らないのも事実。古今無双の力を持つ彼等ですら今はなす術もなく、牢に入れらているのである。

 

話を艦隊に戻そう。彼等は数日掛けて、船団に到着した。しかし、民間人の操るアークスシップの武装はことごとくタクミ一向に向けられており、アークスシップ一隻でも脅威なのに、数千隻が、いっぺんに相手にしなければ成らない状況に頭を悩ませていた。艦隊は一切の主砲が使えなかった。特にガーディアン級や大和級の艦首レーザー主砲、200㎝二連装レーザー主砲、300㎝三連装レーザー主砲等を喰らったら、アークスシップはタダでは済まないだろう。最悪都市部に砲火が届き、大惨事を引き起こしかねなかった。かと言って各艦のレーザー副砲で応戦しても、アークスシップの装甲は貫通せず武装のみが破壊可能だとしても、大勢の民間人を殺すだけではなく副砲が届くまで近くに寄らねばならず被害を被ってしまう危険が大きくおいそれと出来なかったのだ。結論は、艦隊を無傷でアークスシップ数千隻を無力化する方法を考える事だった。

『それなら結論はもう出てるじゃあねぇか‼︎』そう言ったのは、第一艦隊航空隊隊長チェン・イェン中佐であった。

彼は歴戦のパイロットで、艦隊一の色男を自称しており、現に女性ファンも多い。確かに素早い艦載機隊の攻撃なら民間人が操るアークスシップ武装群を無力化出来るだろうが、危険な事には変わりなかった。

『チェン中佐、蜂の巣に顔を突っ込むような任務だぞ?貴隊の部隊で屍の山を作る事に成るが良いのか?』タクミは念を押して聞いたが、彼は飄々と答えた。『砲火が恐くて、ガールズハントと戦が出来ますかってね』

この色男は本当に女性の為に生きているのかと鹿島等は思ったがタクミは内心安心していた。この様な男は大局に置いて、落ち着いた判断や行動をとり、武勲を上げるだろうと思ったのだ。チェンは作戦の遂行の条件として、第三艦隊のフレーゲル中佐率いる航空隊にも作戦に当たらせる様要求した。フレーゲル自身もこの作戦に参加したかった為、直ぐに承諾した。チェンとフレーゲルは戦友同士であり、数々の航空戦を戦い抜いていた。そのコンビネーションといい、航空センスといいオラクル船団にこの二人に勝てるパイロットは居ないと言われていた。作戦の決行時間は決まり、パイロット達は、オラクル船団内にいる家族に思いを馳せる者、恋人との最後になるかもしれない時間を共に過ごす者、戦友達とコミュニケーションをとり、絶対に生き残ろうと酒盛りをする者、艦内で惚れた男や女に告白する者で賑わった。

 

 




7話です。今回は冒頭が大和級の説明になってしまいましたが、出来れば物語に重要な艦艇はちゃんと説明したいと思います。この小説も僅か半月程ではありますが沢山の方に見て頂いている様ですので、アクセスしてくれた皆様ありがとうございます‼︎今後ともよろしくお願いします‼︎
感想、評価もお待ちしております‼︎m(__)m
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