pso2仮想戦記二年前の戦争   作:オラニエ公ジャン・バルジャン

8 / 46
8話 船団制空戦

艦隊から無人艦が発進し、船団に飛び込んでいった。宇宙戦闘艦艇は前に武装が前に集中している。その理由は艦艇は正面と後方を向くと被弾面積が少なくなる為、被弾率が下がるのである。側面を見せれば、その分被弾する危険が大きくなる。その為、この世界の先頭艦艇は一発でも当たれば、即刻、死を意味する為、少しでもその危険性を少なくする為、正面を向き合って戦うのがセオリーであり、その為に武装が前に集中しているのである。

しかし、それでも、多方向から攻撃されれば意味が無い。無人艦は、船団に近づいたが敢え無く船団の自衛兵装に蜂の巣にされ轟沈した。

『無人艦マシンドール轟沈』技術士官がタクミに報告した。タクミは頷くと直ぐにチェンとフレーゲルの両中佐に細心の注意を払うように通達した。

オラクル船団の航宙戦闘機はかつて地球を飛んでいたF-2戦闘機なる機体を参考にした為か、形が酷似し、戦史研究家からは宇宙飛ぶ化石と言われる。然し、武装は、照射や偏向も可能なレーザー機銃と各種光子ミサイルとこの時代の最新兵装で固めていた。フレーゲルはチェンと会話を楽しんでいた。

『呆れた。また女を作ったのか?これで何人目だ?』

『このチェン・イェンにとっては世の美女全員が恋人さ。だが昨今の女性は愛を説くという事を知らない。だから小生が説き方を教えて差し上げてるのさ。』

『何でお前が痛い目に見ないのか。この十数年不思議でしょうがないぜ。』

『さて本題だが、無人艦の情報によるとこれは…結構なハリネズミだぜ。オラクル船団総旗艦アークスシップ一番艦に乗り込むのは至難の技だ。巡洋艦サイズの船でこれじゃあな。』

『オレ達ならこれを掻い潜れるだろう。だが、少なくとも、揚陸部隊四万人、つまり戦艦三隻分のスペースを確保する必要がある。だがその前に…』

『進行方向にいるアークスシップとその周辺の艦の武装をことごとく破壊して安全を確保しなきゃならん。それ以外のアークスシップは艦隊が引きつけて、突入部隊の援護をするそうだが、負担を軽くしてやる為にオレ達はかなりの数を破壊しなければいけない』

突入部隊を乗せた戦艦三隻以外の艦隊は突入するターゲット以外のアークスシップを引きつける仕事をするのだが、圧倒的な弾幕を張られ、長くは持たないだろうその為にチェン達は、突入部隊が突入後艦隊の援護をしなければならずかなりの疲労を負わなければならなかった。このエースパイロット達やそれについてきた古参パイロットは兎も角、新人パイロット達がついてこれるかという問題だった。第三艦隊は空母機動部隊が艦隊主力を担っている為、それなりに場数は踏んでいたが、それ以外の艦隊は制空戦をしなかった為、新人パイロット達の実戦経験が皆無に等しかったのだ。だが時は既に遅し、作戦時間は迫っていた。結論はこの新人パイロット連中を古参パイロットでカバーしてやる事になった。

 

各パイロットがそれぞれの乗機に乗り込む。命令が来れば直ぐに発艦出来るようにキャノピーは閉められ、全機が即時発進体型を取っていた。船団時間午後6時を迎えた。

『全戦闘機発進せよ!これより作戦を開始する‼︎』タクミの号令が発せられるやいなや、第一艦隊航宙戦闘機隊は発進した。それに合わせて、第三艦隊の航空隊も発進した。

機体数約400機、これが一斉に発艦し、船団に向かって突進していった。『ホーネット、ゼロ、フランカー、サンダーボルト!各中隊揃ってるな?相手は俺たちの家だが、今はクソッタレな偽善者のハリネズミみたいな要塞になっている。だがビビるんじゃねぇぞ!相手は俺たちを落とすなんて出来やしない!各機散開‼︎』チェンの呼びかけに合わせて、400機が思い思いの方向に飛んでいく。4機一個分隊で飛行し目標を攻撃していった。4機でチームプレイを行い、経験の無い新人パイロットをフォローし、経験させていく、これがチェンとフレーゲルの考えた戦法であった。

航宙戦闘機がアークスシップの武装を破壊する度にそれを操る民間人達の命は消えていく。身体が四散し、内臓が溢れ出て、血の大河を作って行く。戦闘機隊も撃墜され、辛うじて脱出出来ても、敵や味方の放った機銃で蜂の巣にされ、または虚空の宇宙に投げ出され、無事に母艦に戻っても、血みどろで近くに腕や足が転がってるような状態であった。戦艦スサノオの艦橋はそういった地獄絵図の様子が何回も飛んできた。パネルにフレーゲルの顔が映し出された。どうやら進路を確保した様だ。タクミは頷き、合図を送ると、鹿島大佐も頷き、『突入部隊突進せよ‼︎アークスシップに取り付け‼︎』戦艦三隻が弾雨の中を突撃して行く。周りに戦闘機隊が護衛の為並走している。別の艦載機は被害拡大を防ぐ為出撃した、現政権軍の航空隊と格闘戦を行っていた。突入部隊を乗せた戦艦は一切の攻撃をしていない。と言うのも三隻で四万人分譲させなければならない為、操艦以外のクルーを乗せられなかった為であった。一方、外の艦隊も支援砲撃を加えつつ、船団に近づいていった。第一艦隊先方のとある戦艦が、アークスシップからの弾幕にシールドが耐えられず、貫徹され轟沈した。このままでは艦隊の被害が大きくなってしまう。

航宙隊もまた、ドックファイトを繰り広げながら、アークスシップの武装を叩いていき、少しでも艦隊の負荷を和らげようとしていた。第二艦隊司令官ジャン提督は、戦闘宙息に敵艦隊が現れない事に疑問を感じていた。何故敵艦隊が現れないのだろう。幾ら、2000隻でも、それ位いれば、400機の編隊など蹴散らせるだろうに、それか味方からの弾幕に巻き込まれるのを恐れているのか…恐らく後者だろうが、あの腰抜けの政治家達の事だから、どさくさに紛れて脱出しそうなものだが…。この疑問は、第一、第二、第三、第六艦隊提督の皆が感じていたし、戦場を飛び回るパイロット達も感じていた。自分達はさっきから、戦闘機と砲台を相手にしているだけで、艦艇には一隻も出くわしてないのである。そんな彼らを尻目に何機かのシャトルがマザーシップに向かっていたのを彼等は知りもしなかった。

艦隊と航宙隊の活躍のお陰で、突入部隊を乗せた戦艦はオラクル船団総旗艦に接舷した。そこから四万人の重武装した将兵が降りていく。彼等は宇宙港を制圧し、都市部に出ると、現政権軍と義勇隊が重武装で出迎えた対する四万人の重武装突入部隊は敵の銃撃をもろともせず、銃撃し、大剣を振り回し、敵の胴を分断した。老若男女問わずの都市戦が開始された。街は爆音と怒号と悲鳴に包まれた。

他のアークスシップもまた航宙隊の活躍により接舷可能になった為、それぞれ突入部隊を出撃させ、そう時間も掛からずアークスシップは次第に抵抗を辞めた。中に侵入した敵を倒す為に人員を割いたか、抵抗を諦めたか、または現政権反対派の民間人達に殺されたか、理由はいくらでもあるが、兎に角抵抗は収まりつつあった。この戦いで失った人命は200万人に登る。アークス艦隊の損耗は戦艦8隻、巡航艦17隻、駆逐艦20隻、艦載機隊は178機も失った。

事実上一個艦隊規模の艦載機を失ったのである。アークスシップ内での戦闘の様子はまちまちであった。四万人の突入した総旗艦のように敵の戦力が集中している船もあれば、戦力が皆無であり、義勇隊のみで守られていて、あっさり幸福する船などもいた。こうしてオラクル船団制空戦は、幕を閉じたが内乱はまだ終わりそうにも無かった。




8話です。今回初の艦載機隊の出撃がありました。
艦載機のイメージが分からなかったので、F-2戦闘機をモチーフにさせて貰いました。(笑)
チェンが点呼をした時の中隊名はそれぞれ戦闘機の名称を使わせて貰いました。あと、今回からこう言う残酷描写も加えていく為、タグに残酷描写を追加させて頂きました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。