東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
龍太「うーん…」
龍太は考えていた。
龍太「どうしよう…この刀…」
霊夢から護身用にと渡された刀。だが、その刀身は錆び付いており、とてもではないが使えるような代物ではなかった。
龍太「うーん…」
コウ「鍛冶屋にでも出せばいいんじゃね?」
彼が言っている事は最もではあるが、
龍太「それはそうだけどさ…僕、刀に詳しいわけじゃないし…」
刀に触れた事などあるわけが無く、ましてや実物を見た事すら無い。そんなド素人が鍛冶屋に行ったところで追い返されるのがオチである。
霊夢「どうしたの?そんな顔して」
医者と天狗を見送った…というより追い返した霊夢が話の輪に参加してきた。
龍太「あ、霊夢…この刀を直したいんだけど、どうすればいいのか分からなくって」
霊夢「ふーん……鍛冶屋に行けばいいじゃない」
コウ「だよな〜。というかそれしかないと思うぜ?龍太クン」
龍太「でも素人が行くのもどうかと…」
霊夢「それもそうね……そうだ!だったら『白玉楼』に行くといいわ」
龍太「白玉楼?」
霊夢「そうよ。そこに凄腕の剣士がいるわ。そいつに頼んでみたら?一応、人間には協力的な奴だから」
コウ「ふーん、じゃあ行ってみようぜ」
龍太「そうだね」
と、その時。
「おーい霊夢ー。酒はあるかー?」
龍太「ん?」
霊夢「萃香ね…ちょっと待ってて。連れてくるから」スタスタ…
そう言って彼女が連れてきたのは、人間で言えば十代にも満たないような小柄な少女。だが妖怪である事は確かだろう。だって角生えてるし。
???「まさか霊夢と一緒に住んでる奴がいるとはね…あんたが龍太かい?」
龍太「う、うん。そうだけど…君は?」
萃香「おっと、自己紹介がまだだったね。あたいは『伊吹 萃香』。ところでそのデカブツは誰だい?」
コウ「誰がデカブツだ!俺は『絞蛇竜 ガララアジャラ』っていう名前があるんだよ!あ、呼ぶときは『コウ』でよろしく」
萃香「あんたも転生者か。まあよろしく頼むよ」
コウ「おう」
萃香「ところで龍太。なんでその刀を持ってるんだい?」
急に真剣な顔付きになり話しかけてくる。
龍太「なんでって言われても…えっと…」
霊夢「私があげたのよ。何か文句ある?」
萃香「あげたぁ!?ちょ、それ本気で言ってるのかい!?」
素っ頓狂な声をあげ、ひどく驚いている様だった。それほどとんでもない刀なのだろうか…
萃香「あのねぇ、何の為にこの神社に奉納しておいたと思っているんだい!?その刀は確かに大業物だけど、持ち主として認められないと、不運な事故に会って
龍太「ええええええええ!!??Σ(゚д゚lll)」ガビーン
やっぱりヤバイ刀だった。ていうかそれはもう呪いの類じゃないか…
コウ「マンマミーア…」
霊夢「え…そうだったの?」
萃香「そんな事も知らなかったのかい…?まあ、それもそうか……なんたって先々代の巫女の時代から納められてる刀だしね…」
龍太「だからこんなに錆びてるわけか…」
錆び付き、輝きが失われたこの刀がまさか妖刀だったとは……
それを護身用と言って渡す方もどうかしてるが、あえてそれは言わない事にした。だって言ったら、僕の命が危うくなるからね。
萃香「それで?抜いてみたのかい?」
龍太「うん。でも錆びが酷くて、どんな刀だったのか分からなくなってるけど…」
萃香「なんともなかったかい?」
龍太「う、うん」
萃香「なら問題無いと思うけどねぇ」
龍太(問題大有りです。萃香さん。僕の命が危ないです)
だが、そんな龍太の嘆きは誰にも聞こえる事はなかった。
龍太「でも、なんでこの刀の事を知ってるの?」
萃香「なんでって……そりゃあ、あたいが鬼だからだよ」
龍太「鬼………うえええええええ!?お、鬼!?」
萃香「おお!今時鬼を知ってる奴がいたとはね。中々良い反応だよ!」
龍太(もしかしてこの世界の鬼って、皆こんな見た目なのかな…)
彼も鬼に詳しいわけではないが、昔話に良く登場する為、何となくだが姿のイメージは持っていた。まあ、その様なイメージはこの幻想郷では通じないのだが。
萃香「そういえば、その刀の名前を教えていなかったね。『妖刀 月影』…それが名前だよ」
龍太「月影…」
コウ(月影……なんかどっかで聞いた事があるような……なんだっけ…太刀だっけなぁ…まあどうでもいいか)
コウと同じ事を考えたあなたは、立派なハンターだ!それも歴戦の太刀使いだ!
龍太「月影か……それが君の名前なんだね。…すぐに元の姿に戻してあげるよ」
その時。
キラッ…
龍太「…ん?」
萃香「?どうしたんだい?」
龍太「今、刀が…」
確かに光った。錆だらけで輝きなど皆無の筈なのに。まるで龍太の言葉に反応するかの様に、一瞬だけ光ったのだ。
龍太(…月影……絶対に元の姿に戻してみせる)
〜続く〜