東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
誰かって?前作を読んでる人なら口調から分かるはずですよ……多分。
では、どうぞ!!
???「やれやれ……すぐに斬りかかるのがお前の悪い癖だな。少しは直す努力をしろよ」
???「バ、バルさん…ですが…!!」
???「口答えは無しだ、見苦しいぞ。ま、それがお前の可愛い所なんだけどな」
この一言が効いたのか、少女は顔を赤らめてそのまま押し黙ってしまった。
???(可愛い…)
龍太「あの…」
???「ん!?ゲフンゲフン……な、なんだ…ん?その刀…お前も剣士か?」
月影の存在にすぐに気づくあたり、この人が凄腕の剣士なのだろう。人間には協力的だとは聞いているが目つきは完全に獲物を狙う獣のソレだ。殺意は流石に感じなかったがそれでも相当な迫力がある為、龍太は思わず怯んでしまった。
その様子に男も気づいたのか、
???「あ…すまんすまん。ここ最近は相手になる奴がいなかったもんでつい睨んじまったよ。悪気はねぇんだ」
と、気さくに話しかけてきた。それに応えようとはするが、
龍太「あ…だ、大丈夫です…」
びびってしまって口が上手く動かない。
もしあれが本気だったら…と思うと何故か背筋が灼き尽くされるような感覚を覚えた。
そして、龍太の中で『この人が凄腕の剣士かもしれない』という予想はいつしか確信へと変わっていた。
???「立ち話もなんだ、とりあえず上がれ。用件はそれから聞こう。妖夢、案内してやれ…ついでに手当もしてやれよ」
???「は、はい!じゃあ、こちらへどうぞ…」
龍太「あ、はい」
断る理由も特に無いので素直に手当を受ける事にした。当初の目的も果たす必要もあるので一石二鳥……とは言えない。だって真っ二つにされる所だったし。
〜しばらくして〜
龍太「いてっ!?」
???「ああっ!!ご、ごめんなさい!!」
龍太「い、いや…大丈夫だから気にしないで…」
腕に負った傷はどうやら思っていたより深かったようだ。出血自体は酷くはなかったが、消毒液がかなりしみる。
……正直言ってこの娘は手当が下手だ。だがこの事を本人に言ったりしたら今度こそ、頭頂部から股間までを真っ二つにされるだろう。可愛いけど恐ろしいったらありゃしない。
???「えっと…後は包帯を巻いてそれから…」
龍太「え!?いや、消毒だけで充分だから!」
側に置かれた救急箱から何故かピンセットやらハンドクリームやらを取り出しているので、彼女を急いで制止した。これ以上傷を悪化させない為にも。
???「…そういうものなんですか?」
龍太「そういうものなんだよ」
やっぱり下手だ。凄く丁寧にやってはくれているんだけど……うん…ちょっとね……フォローのしようが無いよ。
「妖夢ー、羊羹の残りってどこにやったんだー?」
???「あーもう!!あなたはここで待っててください、すぐに戻ってきますので!!」
龍太「あ、はい」
少女は凄い形相をして声がした方へ向かって行った。女の子って恐いね!怒らせちゃダメだよ!!
龍太「……桜かぁ……」
案内された部屋からは、庭に咲く桜の木が良く見える。これほど美しく咲き誇る桜は日本中を探してもなかなか見つからないだろう。
龍太「ホント綺麗だなぁ…」ウットリ
桜を見ると妙に落ち着くのは日本人だからなのだろうか。
そんな事を考えていると…
???「手当は終わったみたいだな……羊羹、食うか?」
羊羹を載せた皿を手に持ち、 男が戻ってきた。
龍太「い…いや、遠慮します…」
???「そうか…美味いのにな……まあそれはいい。用件はなんだ?」
龍太「こ、この刀を直してください!お願いします!」
そう言って、月影を差し出す。
???「直す?別にいいが……ちょっと見せてくれ」
龍太「はい」
チャキンッという音をたてて月影がその姿を現した。相変わらず酷い錆びつき様である。
???「……こりゃ、またひでぇな………なんでこんな事になってんだ?」
龍太「博麗神社に奉納されていたらしいんですけど……保存状態が悪かったのだと思います」
男は、少し考える素振りを見せると何か思いついたかのように目つきを変えて話しかけてきた。
???「奉納……もしかしてコイツは『妖刀 月影』か?」
???「!!!」
龍太「!!!…知っているんですか?」
???「ああ、前に聞いた事があってな………その様子だと霊夢も知らずに渡したみたいだな…」
龍太「…やっぱり僕が持ってるべきじゃ無いですよね…」
???「そんな事は言ってない」
龍太「…え?」
???「コイツはお前に使われる事を望んでる。俺はそう思うぜ」
龍太「…………」
???「まあ、所有者として認められたらいいな。ちょっと待ってろ、これくらいの錆ならすぐに落とせる」
こうして月影を直してもらう事になった。
果たして龍太は所有者として認められるのだろうか…
〜続く〜