東方黒龍紀 〜黒き絶望は希望となるか〜   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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前回のあらすじ
月影を直してもらえる事になった龍太。所有者として認められなければ死んでしまうが果たして…



第十二話〜妖刀の輝き〜

 

ガギッ…ギギギギギギィィィ……キィンッ!!

 

 

長時間は聞きたくは無い、不快な金属音が白玉楼に響く。

 

???「…これは研ぎ甲斐があるな。歯も鍛えられるし良い事しかないな」

 

 

ガギッ……ギギギギギギギギギギギギィィィィィィィィィ……

 

 

龍太「うわぁ…」

 

『刀身を牙で研ぐ』という型破りな研ぎ方により発せられる金属音は耳を押さえても聞こえてくる。ここが博麗神社だったら霊夢に殺され…もとい、怒られるだろう。それでコウが巻き添えを食らうだろう。

 

???「耳栓使いますか?」

 

龍太「ど、どうも…………ふぅ…これで良し」

 

何故耳栓が用意されているかだって?僕が知ってるわけがないじゃないか。詳しく知りたかったら作者に聞いてくれ。

 

龍太「君も大変だね…」

 

???「あの音の事ですか?もう慣れましたよ」

 

聞けば、二年前からあの研ぎ方をしているらしい。そりゃ慣れるわけだ。

 

龍太「そ、そうなんだ……そういえばまだ自己紹介をしてなかったね。僕は『黒木 龍太』。『龍太』でいいよ。君は?」

 

妖夢「私は『魂魄 妖夢』と申します。それであの方がバルさん。元いた世界では『斬竜 ディノバルド』と呼ばれていたそうです」

 

龍太「へぇ〜…」

 

まさか転生者だったとは…それならば、あの研ぎ方にも納得がいく。

 

 

ガギッ…ギギギギギギィィィィィィ…ギィンッ!!!

 

 

研ぐ度に火花が散ってはいるが、大丈夫なのだろうか…

まあ、二年前からやっているくらいだしきっと大丈夫なんだろう。それにしても、歯が研磨材の代わりになっているとは、竜というのも不思議である。

 

 

ガギッ……ギィンッ!!ガギッギィンッ!!!

 

 

バル「うっし!終わったぞ!これで使えるようになった。確認してみてくれ!」

 

どうやらそうこうしている内に研磨が終わったようだ。果たしてどんな刀なのか。龍太の頭の中は月影の事で一杯であった。

 

 

バル「ほら、これが()()の月影だ。鞘から抜いてみろ。腰は抜かすなよ」

 

龍太「…………」

 

妖夢「…………」

 

バル「…………」

 

妖夢「……シャレのつもりですか?」

 

バル「…ごめん」

 

本人は気の利いたシャレを言ったつもりなのだろうが、今の空気で言う代物では無い。

 

バル「………orz」

 

妖夢「…この人は放っておいて、月影を抜いてみてください」

 

龍太「そ…そうだね…」

 

月影の持ち手をしっかりと握り、鞘から引き抜く事にした。

 

 

 

龍太(月影…お願いだ…僕を……認めてくれ!)

 

 

チャ…キィィィィ…ン……

 

 

静寂に包まれた白玉楼に、一本の刀が抜かれる音が響いた。

 

 

妖夢「わぁ…」

 

バル「…我ながら良い仕事したな」ウンウン

 

 

恐る恐る目を開けると……

 

 

龍太「これが……月影…!!」

 

 

その手に握られていたのは、あの錆だらけの刀身からは想像がつかない輝きを放っている刀。刀身には波打つような刃紋。鍔は満月を模している。

恐らく『武器』ではなく、『芸術品』としても申し分ないだろう。

見る者を魅了するかのような銀色の妖しい輝き。手に入れようとした者が多勢いたという話にも納得がいく。

 

 

だが、忘れてはいけない。この刀は『妖刀』。

この刀に認められなかった者は、必ず謎の死を遂げているという事を……

 

 

妖夢「凄い…」

 

バル「俺の世界にも業物は多いが、コイツほどの輝きを持った奴は見たことが無い。この刀を作った奴に敬意を表するよ……しかし、本当に美しい刀だ」

 

龍太「でも……僕は認められたのかな…」

 

抜いてから二分ほど経っているが刀身に変化は無い。

萃香曰く、所有者と認められれば何かしらの反応を示すらしいのだが…

 

龍太「やっぱり僕じゃ駄目だったのか…?」

 

このままでは死を受け入れるしかない。

 

その時。

 

「その刀は使う者の実力を測ると言われているわ。試しに素振りでもしてみたらどうかしら?」

 

穏やかな声が静かに響いた。

 

龍太「だ、誰ですか!?」

 

バル「…幽々子…お前が自分から出てくるなんて珍しいな。……あれ?お前またふと」

 

その言葉が言い終わらぬ内に彼は畳に叩き伏せられた。その時の彼女は、動きにくそうな服を着ているのにもかかわらず一瞬でアイアンクローを決め、顔をそのまま畳に叩きつけたという。

 

バル「」ピクピク…

 

龍太「((((;゚Д゚)))))))」ガクガクブルブル

 

妖夢(余計な事を口走るからです…)

 

幽々子「初めまして、私は『西行寺 幽々子』。この白玉楼の主をやっているわ。よろしくね」

 

龍太「ど、どどどどうも……僕は『黒木 龍太』と言います………それでさっきの『実力を測る』というのは…?」

 

幽々子「言葉の通りの意味よ。その刀は確かに妖刀だけども、むやみに人の命を吸うような事はしないわ。まずは使い手となる者の実力を確かめ、実力の無い者には何も起こらないけど、実力のある者の中で素質がある者にのみその力を借すと言われているわ」

 

龍太「は…はぁ…」

 

龍太は意外と神経質な刀なんだなぁと思った。

 

幽々子「でも認められたからって死なないとは限らない。実際に何人もの人が犠牲になっているわ。ほら…この魂もその内の一つ…」

 

彼女の周りにフワフワと浮かんでいた魂の一つが、龍太の目の前に来て止まった。

 

龍太「これが魂…」

 

魂が平然とそこに浮いているという光景は冥界だからだろう。

魂は特に怖くはなかった。むしろ可愛いくらいだが、コウならば絶叫、もしくは気絶するだろう。

 

幽々子「その魂が人間だった頃は、それなりに名を馳せた剣豪だったらしいわよ。でも、その刀に出会った事で人生が大きく変わってしまったようね」

 

龍太「…………」

 

バル「…人生なんて所詮はそんなもんだろ」

 

いつの間にか復活していたがそこには誰も突っ込まなかった。

 

バル「まあ、俺は人生について語れるような奴じゃないからこんなことを言い出すのも変な話だがな」

 

妖夢「バルさん…」

 

バル「人間達は命を大切にしろとは言うが……その理由が未だに解らん。それに解ろうとするつもりも無い。自分で決めた事をやり通すだけ。俺の人生なんてそんなもんだ」

 

龍太「…………」

 

バル「……ちょっとシケた空気になっちまったな。こんな時に言うのもなんだが、その刀は実力を測ると言ったな?」

 

龍太「え?…あ、はい…それがなにか…?」

 

バル「庭に出ろ」

 

龍太「…え?」

 

バル「その刀に認められるには決闘…とまではいかないがそれなりの勝負をする必要があるだろう」

 

妖夢「バルさん…ま…まさか」

 

バル「そのまさかだ……

 

 

 

 

龍太!!俺と勝負しろ!そんでその妖刀にお前の実力を見せつけてやれ!!」

 

 

 

〜続く〜

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